山口つばさのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ受かっちゃうらしい、ということはなんとなく聞いていたけど、なんとなくだったので、ここまでドキドキしながら読むことができた。一区切りついたけど、面白かったなあ。僕はこんなに真面目になにかに取り組んだこと、ないかも知れない。
自分のパーソナリティのあり方を、絵画という自分で選んだ題材を通して、この土壇場でもう一度見つめ直し、捉え直すことができる展開も良かったし、絵画なら言葉よりもっと多くのことが伝えられる、みたいな話があった気がしたけど、まだそこまで通じあえてない世田介くん、ライバル視しつつもコンプレックスを抱いてる世田介くんに、絵を通して自分の気持ちが伝わったこと、そこまで成長できたんだ、というのも凄く良かった。
結局自分の見たようにしか世界を見れない、と常々思っているけれど、それにちょっと近いことがもう少し肯定的に語られていた。ブルーピリオドを読むといつも、思考のどこかしらを引っかかれて刺激されていくような感じがして、この辺でそれを感じたけど、ちょっとまとまらなかった。
なんのかんの美術部部員と打ち解けられているのも良かったよな。森先輩とはずーっとすれ違い通しだけど、彼女の最後の台詞は一つの区切りとして綺麗に締まったなと思った。
あとは、ヌードモデルの人がシンプルな線で綺麗な形に描かれていて良かった。 -
購入済み
ノーマークス編終了。色々な考え方に触れて、色々な感情が呼び起こされて、矢虎がまた肯定的に美術と向き合えるようになった。
夏休み、全年齢版があるってことは、限定年齢版もあるのだろうか。 -
Posted by ブクログ
場が自分に合わないのであれば合う場所を探せばいい、とよく言われます。ただ同時に、自分の問題を解決しないと合う場所は見つからないというのも聞く気がします。
前者は、問題は場にあって自分の形がハマる場はどこかにあるんだという発想。後者は、問題は自分にあるので、自分の形を変えないとハマる場はどこにもないという発想なんだと思うんですが、そのまま受け取るとこの2つの説は、責任の所在は反対であるものの、場と人というのはパズルのピースがハマるように合うものと、合わないものがあるという誤解を招くような気がしています。
場と人の合う合わないはパズルのピースのようにきっちりハマるものではなく、どっちかというと闇鍋みたいな感じで、鍋にどんな具が入っているかで、あなたが持ってきた具が美味しく頂けたり、いただけなかったり、普通だったりするんじゃないでしょうか。(しかも実際の闇鍋とは違って時間によって具は入れ替わるし、そもそも、具自体も時間経過で味や風味変わってくるという不思議な闇鍋なんじゃないかと思ったりします。)
闇鍋だからと言ってショートケーキを持ってくるはほとんどいないように、場に合ってないと思っている多くの人はシイタケとかゴボウとか春菊とか鍋によっては光るけど、今の場では残念ながら美味しく頂けない具を持ってきているという状況なんじゃないかと思います。
自戒も込めていいますが、何度も同じような問題に突き当たる場合は闇鍋にショートケーキを持ってきていないか考えてみた方がいいでしょうね。もちろん世界のどこかにはショートケーキに合う、スイーツな感じの鍋があるかもしれないですが、少なくとも多くの人の頭にはない発想なので大抵不味くなってしまいます。
私としては、闇鍋に参加する場合最初の3回ぐらいは自分が思う具材を持って行って合わなければ河岸を変えてもいいと思うんですよね。ただ、3回どこに行っても同じような不味さになってしまうのであれば、持っていくものを考え直すというのが良いのではないかと思います。
ただ、これが難しいのは3回と言っても、その全部が魚介系みたいな感じで同じ方向に調整された鍋だったらあんまり意味ないと思うんですよね。もしも自分にあった鍋を探すのであれば、魚介系の後には、鶏出汁、それでも合わない場合は、変わり種のカレー味とかに行ってみるってのが良いと思います。
新卒で入った会社が合わなくて辞めようと思ったら上司から「うちで通用しないならどこでも通用しない」とか言われるって話聞きますけど、そもそも1社でうまいこと自分の特性が活かせることなんてまれですからね、さらに、一人の人が見られる場の数なんて限られているので上司の言葉も当てにならないです。
場と人について考えるときに、どちらが悪いのかという発想は的外れで、相性がいい悪いというはありますが、それも時間や状況によって大きく変わります。
また、場自体を意図して変えることはできないですが、自身が場を移ることはできます。自分自身を根本から変えることはできないですが、反省してちょっとした行動を変えることはできます。
私が好きな言葉に「ニーバーの祈り」というものがあります、それは以下のような内容です。
神よ、変えることのできないものを静穏に受け入れる力を与えてください。
変えるべきものを変える勇気を、
そして、変えられないものと変えるべきものを区別する賢さを与えてください。
自分が変えられるものだけに注力することが生きることを楽にするのではないかと思ったりしました。 -
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迷子からの脱却!
不穏な終わり方だったので続きが気になって。
哲学的な思考力がないと美には対峙できないと感じました。キレイ カワイイ 気になる 怖い など表面的な感想のその先は?
毎回何がテーマになるか楽しみですね! -
購入済み
いろんな感情に翻弄されて表現が豊かになるんですね。若いうちにいろんな事で経験値を稼げるのは良い事です。
キラッキラの青春漫画ではないけれど、すごく大学生らしくて好きです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレユカちゃん周りで気になったこと全部(多分)解消されて良かった。大分引っ張ったなあ。別に押しつけられていた訳ではないし、きっと(微妙に理想とはずれながら)唯一味方をしてくれるお祖母ちゃんも好きではあったんだろうけど、いざ本格的に目指し始めて、実はやりたいこととずれていたということに初めて自覚して、そのズレに気づいて苦しくなって。
ジェンダーだけではなく、彼(自認がどっちかは分からないし、以前(多分素に近い方で)は一人称が俺だったからこう書くけど)の絵描きとしての悩みみたいなところもしっかり描かれていて良かった。そういう文脈でも自由に見えて型枠に押し込められそうで苦しむキャラクターなのかも。
苦しんだ結果、分かりやすいカテゴライズに自分から迎合しようといってしまったりするのも悩み方として良かった。でもそれって理解じゃなくてカテゴライズだよな、という八虎の言葉も含めて。
性自認と性的志向は別のものだと思うけど、多分そうはみてくれない人もいるし、多分彼はいわゆる「女性」の格好が好きなだけで、別にそのものになりたい訳じゃないんだろうな。今こうして書くために参照している概念も、やっぱりいわゆるマイノリティによった二項対立的なもので、それはカテゴライズを否定するような話とは少しそぐわない気もするけど、今考えたことを記すにはこういう言葉しかもってないから、とりあえずこれで...。
互いを理解し合おうと踏み出すまでのドラマ(流れ)も凄く良かった。こういう関係をもう少しみたいなあ。
仲は良いけどコンプレックスの源になってる、桑名姉とマキも好き。 -
Posted by ブクログ
こういう話が読みたかった。大満足。
すいすいと受験まで来てしまって、良かったような怖いような。受かるのかな。
マキのコンプレックスも、それを打ち砕くきっかけになりそうな、八虎が口にした本心もいい。あとは戦うことへの怖さ、葛藤、実は自分が友人の背中を押していたこと、彼にまた押されること。本音を隠して付き合うのが上手い八虎が、絵を通して友達とコミュニケーションの仕方が変わっていく。本気で打ち込めることをみつけて、成長していく物語はやっぱり好きだ。でも、デフォルトでいい友人関係だな。
ユカちゃんの話がバックでちょいちょい進むけど早く全貌が見たいなあ。
いい絵っていうのはモノクロにしてもいい、っていうのはなんか自己言及的で面白いよな。
前巻の話だけど、自分が何が好きかを知っておくのって作る上でも大事だよな、と思う。
自分も話を作ったりするけど、本気で好きなもの書いて否定されたら、とか思うことはあんまりないなあ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ一巻でするっと親の理解を得られ過ぎじゃないか、と思ってたら、ちゃんとお母さんを説得する話があったこと、その中で絵を描くという行為を通じて気づかなかったことに気づけたり、というのがあって良かった。
また、新しいキャラクターが登場したり、既に登場していたキャラクターが掘り下げられたりしている点も良かった。特に世田介くんが好き。コンプレックスを抱えている感じがあって、とても刺さる。藝大の展示を観たときの反応が、主人公と否定/肯定で対照的なのも、貪欲に何かを得ようとする主人公と、ひょっとすると傷つきたくなくて見下しているような感じがする世田介くん、という風に見えて良い。反面、彼の主人公に対する態度は、(直截的な物言いは素なんだろうけど)あえて嫌がることを言って反応を伺うというか、下手すれば自分から傷つこうとしているように見えるのも好き。嫌いなやつには嫌なやつであって欲しい、みたいな感じなのかな...違うのかもだけど。
一つ理解したら新しい課題が出てきて、がんがん新しい扉を開いていくところ、今度は見方にも言及があったところも良かった。
あとは、俺の絵で全員殺してやる、辺りのシーンが熱量があって好き。
少し気になるところがあるとすれば、森先輩の言葉からしても、才能による成果を全面的に肯定する作品ではないと思うのだけど、その割に主人公が(並外れた努力をしているとは言え)何年も先んじて努力を重ねて来たであろうキャラクターたちに対して、ここまで食らいついていける理由については、才能という言葉で説明するしかないように見えてしまった。
それから、これはあくまで好みの話として、たとえありきたりではっても、ぐいぐい引っ張っていってくれるヒロイン(やライバル)が個人的にはやはり欲しいところ。ユカがそれでも全然構わないんだけど、今の所そういう気配はあんまりない。主人公とはまた別のところにドラマがあるサブキャラクターというか...。世田介くんに期待かも知れない。お互いに対する強力な感情で駆動する物語が読みてぇよ...。