加藤徹のレビュー一覧

  • 後宮 殷から唐・五代十国まで

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    本当なのか信じ難い内容もありましたが、そこが知りたいと言うことがちゃんと買いてあります。
    傀儡は近代だけでなく、ずっと昔からあって、翻弄された人たちがたくさんいた。
    歴史の長い国だからこそかも知れないが、どれが本当かわからないことがいっぱいなんですね。

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    2025年12月03日
  • 後宮 宋から清末まで

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    「後宮 殷から唐・五代十国まで」の続き。本作は北宋から清末まで。過去の中華帝国で繰り返された失敗を防ぐため、宦官や外戚の影響力を削いだり、優秀な後継者を得るための内面重視の后妃選び、太子密建による新しい皇位継承などにより優秀な皇帝を多く輩出し安定した清も制度疲労や世界情勢に飲み込まれる。歴史の無常感を楽しんだ。

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    2025年11月08日
  • 後宮 殷から唐・五代十国まで

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    皇帝が統治する古代中国王朝の歴史を、外たる朝廷と内たる後宮が相互に影響を及ぼしながらつくられるものという観点から、皇帝や廷臣がいかに後宮を制御しようとし、それが性欲、権力欲という強大な人の業の前に繰り返し敗れてきたかという流れを見ることができた。また、陳舜臣先生の作品に関する言及があったのが良かった。

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    2025年10月31日
  • 漢文の素養~誰が日本文化をつくったのか?~

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    課題のために読みましたが、中学生レベルの漢文の知識しか無い人間でもとっても面白かったです。
    文章が硬すぎず、いろんな歴史のエピソードが組み込まれており楽しく読み終わりました!

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    2025年01月04日
  • 西太后に侍して 紫禁城の二年間

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    フランス人の母と清朝外交官の父との間に生まれ、西太后に仕えた徳齢の書いた本。徳齢が女官を辞め西太后の死後、辛亥革命が起こった年に出版された。他より聞くところによれば事実誤認や実際には起こらなかったことも彼女の経験として書かれており相当程度割引て読まねばならないだろうがそれでも宮廷内のことは外へ漏らさないという決まりを厳しく守らせていた中国にあって日々の西太后を描出したこの著作は貴重。

    歴史上では三大悪女のうちに数えられる西太后であるが、日々の生活の中でよき主人であろうとしていた気持ちが端々から感じ取れ、また徳齢もそのことを知り慈禧太后を慕っている気持ちに全編が覆われ、それがこの書を優しいもの

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    2024年07月17日
  • 漢文の素養~誰が日本文化をつくったのか?~

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    かなり読みやすかったし、最初から最後まで面白かった。漢文あっての今の日本なのだということがよくわかる。
    漢文の素養が政治的にここまで影響しているとは思わなかったし、日本史に不可欠であった漢文が今の教育では軽んじられていることへの筆者の危機感にも共感した。文化的な面よりは、漢文による外交の話が個人的に興味深く感じられた。

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    2024年05月20日
  • 漢文の素養~誰が日本文化をつくったのか?~

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    漢文の教養を持つ人々が日本という国家の転換期にどのような影響を与えてきたのか。特に明治期以降の漢文の素養を持ちつつ西洋語にも親しんだ日本知識人が近代以降の日本を成り立たせてる西洋由来の諸概念を適切に漢語に訳していった歴史は面白く読めました。

    #カッコいい #タメになる

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    2024年08月17日
  • 貝と羊の中国人

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    当たり前のことではあるが、中国人と日本人は違う。顔つきや肌の色は似た黄色人種で二者共に漢字を操る民族であっても、考え方も言葉も多くは異なる。誰も疑いようない事実ではあるが、最近化粧や食べるものが近づいてきた(グローバル化による均一化)せいなのか、黙っていればどちらが日本人か中国人か見分けがつかない事もある。気候までも日本と近いからなのか、沖縄出身の方は見分けても中国人の方を見分けられないことさえある。だが違う。
    本書は中国に暮らした筆者が、日本人との違いについて中国人の成り立ちから辿っていく一冊である。タイトル「貝と羊」は中国人の気質をよく表した言葉だ。貝は農耕が生み出した余剰生産物を貨幣を用

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    2023年09月22日
  • 西太后に侍して 紫禁城の二年間

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    上半期一番のノンフィクションにして読み物だった。
    パリ帰りで西太后に仕えた令嬢の回顧録だが、当時の清朝廷の文化や風習が克明で、着るもの食べるものという私の好物も満ち満ち。150品の食事、一日何度もの着替えとその都度のアクセサリー選び、謎のしきたりに女同士、また宦官から受ける嫉妬…。大奥だぜー。
    かなりワガママで難しい西太后というばあさまに、忍耐と機知でもって接し、お気に入りの女官になった主人公・徳齢だが、2年ほどの職務の後はまた海外に出、この手記をものして自らプリンセスと名乗り豪奢な生涯を送ったそうで、心からのもののように描かれる西太后への慕情は果たして心からのものだったのか、などなど、後々ま

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    2023年06月10日
  • 西太后に侍して 紫禁城の二年間

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    たまたま並行して読んだ「地図と拳」で中国三昧の読書になりました。
    この本を読むまで、西太后という人がどんなに歴史に影響を及ぼした人が忘れていた。
    大国である清の宮廷がどんなだったか興味を持ったのですが、筆者の徳齢と西太后そして清の皇帝やその人事を大変興味深く読みました。

    日清戦争で日本がなぜ勝利できたか、その賠償金で次に向かったこと、諸外国が中国との貿易で得たもの。史実とは異なった平和と共同で進む道はなかったのかと残念に思う。

    それにしても戦争の予算よりも西太后の予算が多く優先順位も高いとは、どうかしているとしか思えない。ホントか嘘か妃殺しや、朝鮮の閔妃事件など、この大陸は賄賂と寝返りが染

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    2023年05月05日
  • 本当は危ない『論語』

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     コロナ巣ごもりで再読する。
     高島俊男師が鬼籍に入られた今、加藤徹先生を中国古典の水先案内人と頼んでいる。
     巻末に諸星大二郎『孔子暗黒伝』への言及があるのは嬉しい。

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    2021年06月08日
  • 絵でよむ漢文

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     加藤徹教授をNHKの番組で知って、弁舌は達者な上、アコーディオンまで弾きこなす姿に、高島俊男以来の逸材が現れたという感慨を覚えた。
     加藤教授の本なら間違いなし、と本書をひもとく。合間のコラムがいずれも面白い。
     「英米人が読める最も古い英語は、400年前のシェークスピアあたりである」(引用)
     わが国では1300年前の『万葉集』、中国の学生に至っては3000年以上前の古文が学べるというのは素晴らしい。エジプトのヒエログリフの如く古い象形文字がいまだに使われているのだから、現在進行中の奇跡である。

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    2021年02月03日
  • 漢文の素養~誰が日本文化をつくったのか?~

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    日本人が漢字とどう向き合って来たかという切り口から日本の歴史の流れを古代から現代までを分析さたもの。先人が中国との距離を確保しながら漢字を自らの血肉に変えて行った過程が良く理解できる。

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    2020年05月08日
  • 漢文の素養~誰が日本文化をつくったのか?~

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    言語とはその民族の文化そのものだと改めて認識した。日本人がどのように文字を獲得し、古代中国の深淵な哲学を自分たちの血肉にしていったのかが、丁寧に解説されている。古の日本人が中国と微妙な距離を取りながら、幸運にも恵まれて中国の属国化を免れた事情もよく理解できた。呉音と漢音は日本に入ってきた時代の差と勘違いしていたが、地域差(方言)だったのね。それも新しい知識となった。
    最後に著者は現代日本人が漢籍を学ばなくなったことを嘆いているが、中国古代語を学ぶよりも外国語を学んだ方が圧倒的に実利的なのだから、限られた授業時間を英語学習に充てるのは仕方のないことだろう。だからこそSBIの北尾CEOのように英語

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    2020年04月29日
  • 西太后 大清帝国最後の光芒

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    本書は大変上手に読ませていく。読みはじめると止まらない。
    まず、西太后を理解しなければならない理由が明確に述べられる。それは西太后が現代中国を知る上で如何に重要だからである。清朝末期が領土的にもナショナリズム的にも現代中国の原点であり、清朝末期こそが西太后の時代であった。実質的な建国はアメリカ合衆国より短いとまで言われている。
    また、西太后をめぐる俗説の紹介が多数ある。史実ではないにしても西太后の人となりや当時の雰囲気をイメージすることができ面白かった。解説のなかで比喩や比較に中国史の有名人物を多用することも読んでいて面白い理由のひとつである。ヴェーバーの統治形態の類型をつかうことも理解をたす

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    2019年01月23日
  • 漢文の素養~誰が日本文化をつくったのか?~

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    著者は、
    (以下引用)
    十九世紀までの漢字文化圏で、強力な中流実務階級が育っていたのは、日本だけだった。
    武士道的な行動倫理と、漢文的教養、そして「やまとだましい」という三点セットが、近代国家におしあげた。

    と言います。
    今の日本人には、行動倫理(行動規範と呼べるもの)も、漢文的教養も、ほぼありません。
    捨て去ったと言った方が正しいかもしれません。
    しかし、日本文化を形成する上で、漢文ほど、役に立ったものもありません。
    また、日本が近代化する上で、西洋の概念を理解するのにも、非常に役立ちました。

    今現在、漢文的教養、つまり中国古典等の知識を学ぶのは、
    「時代に合わない」と思われています。

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    2017年10月01日
  • 貝と羊の中国人

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    自分は中高時代の歴史の授業で、第二次世界大戦の辺りの教え方にだいぶ違和感を抱いていた。

    そこにはもちろん、あの戦争に関する「全て日本が悪うございました」という姿勢に対する情けなさや怒りもあったけれども、かといって、2chなどにある過激な反中的言説にも共感できかねた。

    あまりに勧善懲悪的すぎるじゃないか、世の中そんなにシンプルではないんじゃないか、もとをただせば、そういう種類の違和感だったからだ。

    こうした違和感の大本はたぶん三国志から得たのだと思う。
    というのも、三国志という歴史を眺めてみると、歴史というのは嫌でも政治的にならざるをえない側面というか、それを余儀なくされる面があるんだとも

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    2017年03月16日
  • 西太后 大清帝国最後の光芒

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    面白かった。
    西太后は、女性的な専制君主だった、というのが筆者の基本的認識。
    皇帝の母として、息子にかしづかれたいという願望のみで、決して自らが皇帝になる希望はなかったという。

    少女期から、その死までを、丁寧に資料にあたりながら描き出されている。
    巷間に流布している話も、これは根拠がある、これはない、とされていく。
    清朝の統治システムが、それまでの王朝に比べ高度に完成されていたことの指摘が最初にあるので、西太后の行いがどの程度の異例さなのかが理解できる。

    西太后の読み書きのレベルがについての話が興味深い。
    中級の書記官の家の生まれたため、文書の読みはそれなりにできたけれど、書くほうは当て字

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    2016年01月08日
  • 西太后 大清帝国最後の光芒

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    西太后といえば、幼少の皇帝を操り、政治は二の次で自らは贅沢三昧、それが清国滅亡のきっかけとなった。というのが歴史的評価だが、著者はそれに異を唱える。むしろ、この時代に女性がトップについたことは中国にとって幸運なことであり、結果的に中国はインドや東南アジア諸国のように完全に植民地支配されず、独立を保つことができたというのが著者の意見。

    西太后が贅沢を好み、国費を無駄にしたのは事実だが、彼女の欲望はそこまでだった。もし、彼女が中国の歴代男性権力者のように、自分の権威を示すために有能な家臣を殺害し、侵入してくる外国への挑発、戦争を繰り返していたら、中国は内乱やクーデターの連続でやがて列強から分割統

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    2015年08月11日
  • 西太后 大清帝国最後の光芒

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    西太后の生涯。
    現代の日中関係の基盤は西太后の君臨した清朝末期から築かれていた。
    読みやすくて面白かったです。

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    2015年07月04日