加藤徹のレビュー一覧
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3年前から中国語の勉強を始めました。動機は色々あったのですが、勉強を始めてから気づいた面白さの一つに、漢詩があります。
外資系勤務なので中国の北京や上海オフィスの同僚と話すことも多いのですが、彼らの殆どが漢詩の有名な部分を記憶しているのに驚きます。
私の通っている語学学校でも漢詩の面白さを教えてもらっています。そんな私にとって、この本の表紙に書かれていたフレーズ「かつて漢文は東アジアのエスペラントであり、日本人の教養の大動脈であった」に惹かれました。かつて、日本以外にも、朝鮮(北朝鮮、韓国)・ベトナム・香港でも漢文が使われていたのですが、その行く末が異なったということも、書かれています。
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徹底的な男尊女卑社会であった清の時代において、如何にして中堅官僚の家系の娘が中国全土の権力を牛耳るに至ったのか。イメージが先行して稀代の悪女として語られがちな西太后の人生を、歴史的事実から追う一冊。
中国の王朝は大体200年ほどで交代するというが、清の王朝時代の末期であり、また19世紀後半という海外との関わりあいを無視できない時代においては、例え悪政をしかなくとも変わらないことが罪になるということか。徹底的に個人の利益しか考えない西太后が困窮しつつも権力を失わなかったのは、自らを縛る清朝のシステムにより、大したことは出来なかったが、大したことをしなかったおかげで生きながらえたようにも見える。
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- カート
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試し読み
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第一章は「論語」の成立事情(三種類の「原」論語から成ったということ)、第二章は孔子の生涯、第三章以降は古今の説を引きながら、著者の解釈が述べられていた。
孔子が昼寝をする宰予に対し「腐った木に彫刻はできぬ!」と激怒したくだりについても記述があった。
大学の漢文学の講義でも、この話題が出て、同衾説が紹介されていたけれど・・・加藤さんは結局、「筆者の筆力不足」として答えは出していなかった。
結局、解決できないということなのだろうけれど・・・長年疑問に思ってきたところだったので、ちょっと肩透かし感があった。
また、「擬音感」で論語を読むというのは、独自の試みなのだろう。カ、ガ行で始まる音は「堅固系」 -
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脳科学者と中国文学者の対談。
欧米を追いかけてきた日本をあっさり抜き去った中国は、独自の進化を遂げた国だ。独特のバランス感覚で55の他民族をまとめ上げる中国のリーダーは尋常ではない力量と度量を持っている。
いま世界が中国に注目するのは、欧米とは異なる普遍を持っているからだ。
科学は一神教の宗教観が根底にある。20世紀、科学の進歩とともに欧米の文化が世界を席巻したのは偶然ではない。アジアは多神教だ。そのアジア的宗教観を根底にしたもう一つの普遍が中国にはある。
そして、日本は古来より中国の文化を取り入れ、そして20世紀は欧米の文化を取り入れた。いわば東洋と西洋のハイブリッドになる可能性を秘めている -
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私の通っていた中学の社会の先生は、少しかわっており、
成績はよろしくなかったが、結構好きな先生で、
いまだに年賀状のやりとりをしている。
なぜ変わっているかといえば、中2の世界史で半年以上中国史を扱っていたのだ。
それも大学受験用の山川出版の各国別世界史ノートを使用していた。
その頃から20年以上経つけれども、いまだに
「殷周春秋戦国時代、秦漢魏晋南北朝、
隋唐五代十国時代、宋元明清、民国人民共和国」と
中国の王朝の変遷をそらんじることができる。
大学受験で世界史を選択する常識だけど、
中国史を出題しない大学は無い。
それを、当時中2の私たちに伝え、ある部分では
高校の授業より深く勉強した。(