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かつて漢文は政治・外交にも利用された日本人の教養の大動脈だった。古代からの日本をその「漢文」からひもとき、この国のかたちがどのように築かれてきたのかを明らかにする。
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Posted by ブクログ
課題のために読みましたが、中学生レベルの漢文の知識しか無い人間でもとっても面白かったです。 文章が硬すぎず、いろんな歴史のエピソードが組み込まれており楽しく読み終わりました!
かなり読みやすかったし、最初から最後まで面白かった。漢文あっての今の日本なのだということがよくわかる。 漢文の素養が政治的にここまで影響しているとは思わなかったし、日本史に不可欠であった漢文が今の教育では軽んじられていることへの筆者の危機感にも共感した。文化的な面よりは、漢文による外交の話が個人的に...続きを読む興味深く感じられた。
漢文の教養を持つ人々が日本という国家の転換期にどのような影響を与えてきたのか。特に明治期以降の漢文の素養を持ちつつ西洋語にも親しんだ日本知識人が近代以降の日本を成り立たせてる西洋由来の諸概念を適切に漢語に訳していった歴史は面白く読めました。
#カッコいい #タメになる
日本人が漢字とどう向き合って来たかという切り口から日本の歴史の流れを古代から現代までを分析さたもの。先人が中国との距離を確保しながら漢字を自らの血肉に変えて行った過程が良く理解できる。
言語とはその民族の文化そのものだと改めて認識した。日本人がどのように文字を獲得し、古代中国の深淵な哲学を自分たちの血肉にしていったのかが、丁寧に解説されている。古の日本人が中国と微妙な距離を取りながら、幸運にも恵まれて中国の属国化を免れた事情もよく理解できた。呉音と漢音は日本に入ってきた時代の差と勘...続きを読む違いしていたが、地域差(方言)だったのね。それも新しい知識となった。 最後に著者は現代日本人が漢籍を学ばなくなったことを嘆いているが、中国古代語を学ぶよりも外国語を学んだ方が圧倒的に実利的なのだから、限られた授業時間を英語学習に充てるのは仕方のないことだろう。だからこそSBIの北尾CEOのように英語もできて、なおかつ中国古典にも造詣が深い人には憧れる。
著者は、 (以下引用) 十九世紀までの漢字文化圏で、強力な中流実務階級が育っていたのは、日本だけだった。 武士道的な行動倫理と、漢文的教養、そして「やまとだましい」という三点セットが、近代国家におしあげた。 と言います。 今の日本人には、行動倫理(行動規範と呼べるもの)も、漢文的教養も、ほぼありま...続きを読むせん。 捨て去ったと言った方が正しいかもしれません。 しかし、日本文化を形成する上で、漢文ほど、役に立ったものもありません。 また、日本が近代化する上で、西洋の概念を理解するのにも、非常に役立ちました。 今現在、漢文的教養、つまり中国古典等の知識を学ぶのは、 「時代に合わない」と思われています。 知識は、すぐに役立つもの、実学を重視するようになりました。 しかし、すぐに役立つものは、すぐに役立たなくとも言えます。 漢文のバックボーンとなる中国古典は、数千年の人間の知恵が詰まっています。 すぐ役立たないかもしれないけど、長い目でみたら、 これほど、役に立つものもないかもしれません。 確かに、漢文の中には、難解な言葉や、思想、概念が多数含まれていて、 とっつきにくい部分があります。 ただ、そのとっつきにくい部分が、価値あるのかもしれません。 日本は、昔、大陸から漢字を輸入して、自国の文化を作り上げました。 そして、今は不幸なことに、 東アジアの二国(中国、日本)は、互いに誹謗中傷、 罵詈雑言を言い合うようになりました。 自分は悪くない、相手が悪い。自分には関係ない。 このような、一方的な言い分と価値観、そして、無関心と差別的感情が二者間の、 基本的態度となりました。生産的な関係ではなく、 いかに足を引っ張るかに、関心が向くようになりました。 子供の喧嘩のように思えます。 私は中国語を長年、学んでいますが、学べば学ぶほど、 中国古典の知識が必要になると痛感しています。 中国人の教養のバックボーンは、今も、昔も、古典に置いています。 それだけ、古典(日本でいう漢文)に価値をおいています。 今、日本には、そう呼べるものはありません。 個人的非常に残念だと思います。 加藤氏の漢文教育における並々ならぬ熱意(言ってみれば、絶対に学んだほうがいい!)を、 この著作から、感じとれます(理系漢文の必要性にも言及しています)。 「漢文を学ぶと良いことあるよ!」と直接言わずに、 漢文が日本文化や日本人を形成する上でどれほど、役にたったかを、 語っています。この著作を読むだけで、 あっ、漢文って、面白いかもと思えます。 その文章力には、やはり脱帽します。
日本人が中国から漢字を輸入し、それを自国の文化に昇華するまでの歴史を紐解いた一冊。 漢字・漢文を通して日本がいかに中国という大国と向き合ってきたか、漢字・漢文が日本の発展にいかに貢献してきたか、その経過が分かりやすくる解説されている。同じ日本の歴史でも、「漢字や漢文」という普段とは別の視点から切り取...続きを読むって見てみるとまた違った見え方をするのが面白い。 結局のところ、広い意味で国を発展させるのはこういった教養の蓄積なのかもしれない。教養とは直接何かに結びつくことがないという理由で無駄だと思われがち、軽視されがちだが、そういう一見して無駄とも思える教養が何か化学反応を起こして結果として役に立つものなのだろう。戦後に敗戦の理由として漢文の古典『孫子』の素養が足りなかったことを一番に挙げているというのもなかなか興味深い話だ(p222)。 漢文というと現代ではほとんど関わりのないものに思えるが、日本人が遥か昔から密接に関わってきたという歴史を鑑みても、もっと漢文の意義が見直されてもいいような気がした。
日本人はいつから漢字を使うようになったのか?卑弥呼は漢字を書けたのか?などから始まって、近代にいたるまでの、日本やその周辺国の人が書いた漢文を興味深く紹介。日本の国と漢字って、やっぱり切っても切り離せない仲らしい。カタカナ語が氾濫する今、「日本語の品格」っていう本を加藤先生に書いて欲しいな〜。
『貝と羊の中国人』(新潮新書)がよかったので続けて読んだが、これが全編あますところなくおもしろかった。「日本」とか「日本文化」が成立するうえでの「漢文」の役割を、漢字伝承の昔からさかのぼって検証していくというスタイルだが、トリビアのカタマリとも読める。 そもそもヤマト民族は、漢字文化を吸収するで...続きを読む「日本人」になった。「日本」という呼称自体が和語ではなく、日本人の価値観そのものが漢文から多大な影響を受けている。 考えてみれば今自分たちが使っている現代日本語の語彙のうち、「和語」の割合は「漢語」に及ぶべくもない。日頃あまり意識しない「日本」の輪郭、日常なにげなく使っている「日本語」の別の顔が、「漢文」の目を持つことでくっきりと見えてくる。 たんに「漢文の歴史」を扱っているわけではなく、漢文を通じて日本とは、日本人とは、ということを理解しようという構成になっていて、著者のひろーい教養が惜しみなく繰り広げられている。使える「教養」の本として、中学生から老人まで強くおすすめ。
「この停滞感に満ちた日本の現状を打破するには、強力なリーダーが必要だ」 最近では、上のような物言いは、もはや誰が首相になっても耳にするようになった。 私などは、首相に選ばれるたびにいちいち西郷隆盛とか、高杉晋作とかの明治の英傑と比較されてむしろ可哀想だ、と感じる。 だって皆薄々感づいているので...続きを読むはないだろうか?平成のこの世に、坂本龍馬はもう現れない、ということを。 何故現れないのか、という話になれば、それは平成の政治家と明治の英傑との違いは何か、を考えなければ始まらない。 多年の熟考の末、私は近年、それが「漢文の素養」の有無なのではないか、との仮説に至った。 そこで、そのまんまのタイトルを持つ本書と出会ったのである。 日本人が書く『漢文の素養』についての本なのだから、当然話は『日本における漢字(漢文)の受容の歴史』が主題の一つとなり、本書の9割はそれに費やされている。 それだけでも雑学的に楽しめるのだが、著者の言いたいことは、9割を過ぎた本書の終わり、225ページ目に集約されている。以下、少し長いが引用したい。 「かつての日本の強みは、中流実務者階級が優秀で勤勉だったことにあった。(中略)ところが、今日の日本の中流実務階級は、かつての漢文のような強力な教養を、バックボーンとして持っていない。幕末の若き志士たちは、出身階層や藩が違っても、漢詩漢文という共通の素養をもとに、国づくりの理念について熱い論議をかわすことができた。しかし平成の若者が共通の教養としてもっているのは、マンガやアニメなどのサブカルチャーだけである。論議をするのはケータイのショートメールか「2ちゃんねる」への書き込みが精一杯、という状態である」 私はこれを正論と感じる。
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漢文の素養~誰が日本文化をつくったのか?~
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加藤徹
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