加藤徹のレビュー一覧

  • 西太后 大清帝国最後の光芒

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    [中華蒸留]中国史上において類い稀な 女傑として広く知られながらも、現代中国では国の衰亡をもたらしたとして評価が低い西太后。近年明らかになってきた、長きに渡り中国を治めてきた彼女の驚くべき半生を通し、中国の歴史意識や世界観にまで踏み込んだ意欲作です。著者は、『京劇』で第24回サントリー学芸賞を受賞した中国専門家の加藤徹。


    このような人物がわずか一世紀ほど前に存在し、あの広大な領土を統べていたというのがまず驚き。政治や軍事に限らず、一私人としてもエピソードに事欠かない西太后という存在を通して、近代中国を興味深く学ぶことができるかと思います。著者が指摘するように、現代中国との奇妙な類似も見せる

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    2014年09月29日
  • 漢文の素養~誰が日本文化をつくったのか?~

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    日本人が中国から漢字を輸入し、それを自国の文化に昇華するまでの歴史を紐解いた一冊。
    漢字・漢文を通して日本がいかに中国という大国と向き合ってきたか、漢字・漢文が日本の発展にいかに貢献してきたか、その経過が分かりやすくる解説されている。同じ日本の歴史でも、「漢字や漢文」という普段とは別の視点から切り取って見てみるとまた違った見え方をするのが面白い。
    結局のところ、広い意味で国を発展させるのはこういった教養の蓄積なのかもしれない。教養とは直接何かに結びつくことがないという理由で無駄だと思われがち、軽視されがちだが、そういう一見して無駄とも思える教養が何か化学反応を起こして結果として役に立つものなの

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    2014年04月11日
  • 西太后 大清帝国最後の光芒

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    これは読み物として普通に面白かった。『蒼穹の昴』~『マンチュリアンリポート』に至る一連の作品があまりにも素晴らしくて、それで実際の歴史が知りたくなって手にとった本。だから、もともと小説で得た知識があったからこそ楽しめた、ってのもあると思うけど。実際に起こったこと、実存する人物像との対比も興味深かったけど、フィクション・ノンフィクションの織り交ぜ具合が絶妙で、件の作品の素晴らしさを改めて思い知らされる結果となりました。

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    2014年01月23日
  • 貝と羊の中国人

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    中国を大づかみ(大雑把でなく)に捉える優れた本だと思います。中国には言論後の自由がないことを常に思いやるべきという言葉に納得した。

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    2013年12月06日
  • 本当は危ない『論語』

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    一般の解説書は、孔子を聖人君子、論語を聖典的にとらえ、
    非の打ち所のないもののように書かれていることが多いが、
    本書は、歴史的な背景を踏まえつつ、淡々と推測される事実
    を書いている。
    従来のイメージからかけ離れた部分も多いが、それにより論語の
    価値を貶めるものではなく、より深く読むための参考になる。
    孔子についても、論語についても歴史的な資料が少なく、本当の
    事実は誰にもわからないが、本書のような考え方も大変おもしろく、
    興味深く読めた。
    孔子のいうように、バランスのとれた考え方を持つためには、
    いろいろな考え方に触れておくことが必要であり、本書の存在は
    価値あるものである。

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    2013年09月08日
  • 貝と羊の中国人

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    良書。中国人を理解するということ、異文化を理解すること、歴史に学ぶとはどういうことか、これらを全てを学べる本。
    トピックへの切り口も多面的で興味をそそられるものが多い。
    中国を理解するにあたって、読んでおきたい本。

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    2012年07月21日
  • 貝と羊の中国人

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    貝と羊は本音と建前。国土の広さゆえの自分のテリトリーの広さと領土問題。よくよくわかっていないとお互いに誤解を招きそうだ。6千万人の人口の壁による王朝の崩壊の繰り返し、士大夫という歴史の黒幕など面白い考え方だった。分量は少なめで、非常にわかりやすくコンパクトにまとめられていて、とても読みやすかった。

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    2012年07月12日
  • 本当は危ない『論語』

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    挑発的なタイトルですが、論語の成り立ち、孔子の人物像、発音、日本の歴史に与えた影響等を博識を以て分かりやすく解説。素読教育についても興味を持てました。

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    2012年06月30日
  • 貝と羊の中国人

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    ネタバレ

          -2006.09.12記

     京劇が専門だという著者、加藤徹の「貝と羊の中国人」新潮新書。
    任期満了でやっと退陣する小泉首相の靖国参拝への頑なな執着で、この数年、中国からの批判がずいぶん過熱したものだったが、その中国の開放経済による経済成長至上主義と、一党独裁の官僚的支配に過ぎない共産主義が矛盾しないで同居できる不思議を、中国史に詳しい著者が、古代より連綿とある貝と羊の文化の対比で読み解いてみせるが、その手際はなるほど判りやすく、時宜にも適った書で、ひろく読者に受け容れらるだろう。
     中国の有史は殷・周にはじまる。ほぼ3000年の昔、中国東方系の民族であった殷と大陸西方系の民族の周

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    2022年10月14日
  • 貝と羊の中国人

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    著者が語る中国観を日本と比較したり、事例をふんだんに使ったりと、非常に分かり易く説明されており、これまで色々中国紹介本を読んできましたが、一番人に薦めたい本かなと思います。
    これからも付き合う必要がある以上、彼らの考え、彼らの力強さの源をこの本を振り返りながら知っていきたいなと。

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    2011年11月06日
  • 貝と羊の中国人

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    中国と関わりのある人は、必読です!
    「中国人の暗黙知」、中国人の語るタテマエとかくされたホンネをわかりやすく解説した本です。
    同著者の「本当は危ない『論語』」もおすすめです

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    2011年08月04日
  • 東洋脳×西洋脳 多極化する世界で生きるヒント

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    西洋脳と東洋脳、読んでいて確かに違いはあるって思った。イギリスの大学に出す日本についての論文には論ずる視点を沢山提供してくれる本だった。

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    2011年05月17日
  • 貝と羊の中国人

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    殷の文化と周の文化の融合が、後の中国人(現代も含めて)の価値観の土台となったという説をベースに進む。
    随所に現れる、日本との比較が大変興味深い。
    「東アジア」について考えさせられる一冊。

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    2011年04月16日
  • 西太后 大清帝国最後の光芒

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    西太后と、彼女が生きた清末の史実が淡々と綴られている。日本の幕末と同く、中国での清末の時代も、国内では地方勢力が力をつけ、海外の勢力も入り乱れた権力闘争が繰り広げられたという意味で、歴史好きには非常に面白い時代である。
    そのような動乱期において、それほど政治に通じているわけでもない一人の女性が、50年にわたる強固な独裁体制を築いたからには、どんな酷い恐怖政治を行ったのかと考えてしまいがちだが、どうもそういうわけでもないらしい。彼女は政敵を見境なく殺すようなことはほとんどしておらず、また、そのような実力も持っていなかった(例外は珍妃くらい)。むしろ、朝廷内の守旧派と改革派、地方軍閥、太平天国のよ

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    2011年04月10日
  • 東洋脳×西洋脳 多極化する世界で生きるヒント

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    ネタバレ

    東洋と西洋の考え方の違いを踏まえ、それぞれの文化の得意な部分を生かしていくヒントを与えてくれる本。ハイブリッド車のように、東洋と西洋の良さを相互作用によって、上手く動かしていくには、中国を知ろう!ということ。
    中国4000年の歴史に学ぶものは奥が深そう。

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    2012年01月08日
  • 本当は危ない『論語』

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    今年読んだ新書では初めて、読後に爽快感をおぼえた。中国古典物では浅野裕一先生の諸著作(本書の著者とは見解を異にするが)以来の面白さ。オススメです!

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    2011年02月17日
  • 漢文の素養~誰が日本文化をつくったのか?~

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    日本人はいつから漢字を使うようになったのか?卑弥呼は漢字を書けたのか?などから始まって、近代にいたるまでの、日本やその周辺国の人が書いた漢文を興味深く紹介。日本の国と漢字って、やっぱり切っても切り離せない仲らしい。カタカナ語が氾濫する今、「日本語の品格」っていう本を加藤先生に書いて欲しいな〜。

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    2011年09月09日
  • 後宮 殷から唐・五代十国まで

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    非常に読みやすく、わかりやすいお話の展開で中国史の一面を見ることができます。特に三国志のあたりはよく知られた話なので、イメージが湧きやすいのではないでしょうか。

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    2025年11月02日
  • 貝と羊の中国人

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    中国の歴史や現状を人口、地理などさまざまな側面から分析しており、20年前に書かれた本なのでちょっと古い部分もあるが、なるほどと思うことがたくさんあった。三国志ネタもあり。
    個人的には中国語を勉強しているので、第三章「中国人の頭の中」が面白かった。中国人の考え方がわかると中国語の理解にも大変役立つので興味深い。

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    2025年10月18日
  • 後宮 殷から唐・五代十国まで

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    後宮を中心に据えて夏・殷・周から五代十国までの歴史を描いた中国の通史。流石に今から中国史を学ぼうという人は本書を選ばないだろうという前提だろうか、古代中国通史で絶対に語られる人もほぼスルー。項羽も名前ごチラリと出る程で、唐の太宗李世民と必ずセットで語られる貞観政要も触れない程、割り切って書かれている。裏側から見た中国史という趣があり、ある程度中国史に馴染みのある人には面白く読める一冊。中国史あるあるの「繰り返し」は後宮の世界でも同じ。面白みというか諸行無常感を感じる。間も無く刊行される次巻の「宋から清末まで」も楽しみ。

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    2025年09月30日