加藤徹のレビュー一覧
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かなり面白かった。
知ってるようで知らない隣人のこと。
彼らが血縁を大事にするのは、
中国の歴史が国家的な大虐殺が繰り返されてきたから、
「国」というものを信頼していないところにあるらしい。
これはユダヤ人も似たようなところがある。
ユダヤ人は国を持たないけれど、
代わりに律法というもので共同体を維持している。
このあたりは「私家版ユダヤ論(内田樹)」に詳しい。
ぼくの知識はだいたい内田樹先生の引用である。
さてさて、
日本語と中国語の違いというのも興味深く、
実例として「彼は嬉しい」という一文を出していて、
日本語では「彼は喜んでいる」「彼は嬉しがっている」とは言うのが一般的。
またそれが忖度であることを明示して、
「彼は嬉しいはずだ」「彼は嬉しいに違いない」という風には言えるけれど、
「彼は嬉しい」とは言えない。
そんなこと言ったら「彼はお前じゃないやん?」というツッコミが入るはずだ(忖度)。
でも、
中国語では「彼は嬉しい」と言うのが一般的なのだそうな。
これはつまり「縄張り意識」の違いであり、
日本語は境界線がかなりキッチリ引かれているのに対し、
中国語はほぼジャイアニズムであるわけだ。
ちょっと違うのは「俺のものもお前のもの」が加わっているところか。
ちょくちょく話題になる中国のパクリ事件というのも、
この感覚から来ているようである。
この本を読むまでは、
ぼくはてっきり儒教的な「まねぶ」という感覚かなぁ、
と思っていたのだが、
まぁニュースなんかを見るに敬っている感じは全然しないので、
本書の説のほうが正しい気がする。
こういった民族別に感覚が異なるのは、
かなり地政学的なところが大きいんではないかしら -
本当は危ない『論語』
- カート
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試し読み
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「この停滞感に満ちた日本の現状を打破するには、強力なリーダーが必要だ」
最近では、上のような物言いは、もはや誰が首相になっても耳にするようになった。
私などは、首相に選ばれるたびにいちいち西郷隆盛とか、高杉晋作とかの明治の英傑と比較されてむしろ可哀想だ、と感じる。
だって皆薄々感づいているのではないだろうか?平成のこの世に、坂本龍馬はもう現れない、ということを。
何故現れないのか、という話になれば、それは平成の政治家と明治の英傑との違いは何か、を考えなければ始まらない。
多年の熟考の末、私は近年、それが「漢文の素養」の有無なのではないか、との仮説に至った。
そこで、そのまんまのタイトルを持つ本書と出会ったのである。
日本人が書く『漢文の素養』についての本なのだから、当然話は『日本における漢字(漢文)の受容の歴史』が主題の一つとなり、本書の9割はそれに費やされている。
それだけでも雑学的に楽しめるのだが、著者の言いたいことは、9割を過ぎた本書の終わり、225ページ目に集約されている。以下、少し長いが引用したい。
「かつての日本の強みは、中流実務者階級が優秀で勤勉だったことにあった。(中略)ところが、今日の日本の中流実務階級は、かつての漢文のような強力な教養を、バックボーンとして持っていない。幕末の若き志士たちは、出身階層や藩が違っても、漢詩漢文という共通の素養をもとに、国づくりの理念について熱い論議をかわすことができた。しかし平成の若者が共通の教養としてもっているのは、マンガやアニメなどのサブカルチャーだけである。論議をするのはケータイのショートメールか「2ちゃんねる」への書き込みが精一杯、という状態である」
私はこれを正論と感じる。 -
Posted by ブクログ
本書から得た内容から判断して歴史としてカテゴライズした。
自分としては基本的に「国民性」という概念に少々懐疑的な気持ちを持っている。間違いなく多様性が増して来ている最近の世界において、特定の民族に「このような特徴がある」と単一的に論じる事はできないと考えているからだ。この考えはある程度正しいと思われるが、逆の考えが成り立つ訳でもない。そういった中で民族を理解する上で歴史から学ぶ事は非常に重要な事となってくる。
著者は中国文化、とりわけ演芸が主な研究らしいが中国の歴史についてかなり詳しくまとめられている印象を受けた。また著者独自の解釈が本書の通じてしっかりしているので非常に読みやすい一冊である。中国の歴史を民族や文化等の側面から眺めたい場合に最適の一冊であると言える。
その中でも著者が語る「士大夫支配」という議論については大きく注目した。あまり他で見る事の無い理論ではあるが、言われてみれば納得する内容であり非常に示唆に富んでいる。この考え方は更に詳しく中国史(特に政治)について学ぶ際の一つの方向性として面白いだろう。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ中国人と接する機会があったとき、もう一度読み返すべき本。
中国人の考え方・文化・歴史からなぜ日本に敵対心を向けるのか?ということが文化的に理解でき、また、日本人として腹を立てる必要も無いことが納得できる。
中国人の実利の追求には凄まじいものがあるが、その反面、儒教に代表されるイデオロギーに殉じるのも同じ中国人である。現在中国の政治は共産主義、経済は資本主義の淵源はここにあるという。
この貝の文化と羊の文化から出発して、著者は流浪のノウハウ、中国人の頭の中、人口から見た中国史、ヒーローと社会階級、地政学から見た中国、黄帝と神武天皇、中国社会の多面性と説き進める。どの項目も非常に深い洞察と示唆に富んでいる。
「支那」がタブーされている理由は、中国が「中華人民共和国」だと自国を言っているのに、中国が「中華」という言葉を使うことに気に入らず日本が中国のことを「シナ」と読んだから、中国の人が怒ったという事から発生しているとのこと。なるほど納得。そりゃ自国を「こう呼んでくれ」って言っているのに勝手に違う言葉で表そうとしたら怒るし、猜疑心が産まれるな・・と理解できた。 -
本当は危ない『論語』
- カート
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試し読み
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タイトルは煽りが効いているけれど、まっとうな内容の本。論語の誕生・成立から発展に至るまでの歴史的経緯と、孔子の人となりの推測、そして、論語と日本のかかわりについて、既存の論語研究の成果を数多く引用しながら説明している。タイトルにある「危ない」とは、次の3点の意味での「危なっかしさ」を指していると私は理解した。
1.成立の経緯が不明なところがあり、孔子一門とは関係ない別の書物の言論が混じっていたり、孔子の弟子達による学閥の主導権争いの結果、孔子の言が歪められている可能性がある。実際、荀子の言と思しき文章が論語に紛れ込んでいるという指摘もある。
2.古典ゆえに表現技法が未発達で、読み方に曖昧性が発生している。文の区切りの入れ方により正反対の意味に解釈できることもあり、専門家同士でも意見が対立している。したがって、片方の解釈のみを信じることは避け、両論を吟味する必要がある。
3.孔子の思想はラディカルなため、論語の内容を盲信する勢力が力を持つと、国家が転覆しかねない。徳川家康は論語の怖さを熟知しており、国家秩序の形成のために論語の教えを「儒学」として利用したものの、論語を盲信する「儒教」については(キリスト教と同様かそれ以上に)徹底的に弾圧した。 -
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[ 内容 ]
財、貨、賭、買…。
義、美、善、養…。
貝のつく漢字と羊のつく漢字から、中国人の深層が垣間見える。
多神教的で有形の財貨を好んだ殷人の貝の文化。
一神教的で無形の主義を重んじた周人の羊の文化。
「ホンネ」と「タテマエ」を巧みに使い分ける中国人の祖型は、三千年前の殷周革命にあった。
漢字、語法、流民、人口、英雄、領土、国名など、あらゆる角度から、斬新かつ大胆な切り口で、中国と中国人の本質に迫る。
[ 目次 ]
第1章 貝の文化 羊の文化
第2章 流浪のノウハウ
第3章 中国人の頭の中
第4章 人口から見た中国史
第5章 ヒーローと社会階級
第6章 地政学から見た中国
第7章 黄帝と神武天皇
終章 中国社会の多面性
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
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☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
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本当は危ない『論語』
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Posted by ブクログ
ネタバレ[ 内容 ]
かつて漢文は、東アジアのエスペラントであり、日本人の教養の大動脈であった。
古代からの日本の歴史を「漢字」「漢文」からひもとくことで、日本人が何を思い、どんな試みの果てに、この国が築かれてきたのかが明らかになってくる。
日本人にとってまだ漢文が身近だったころ、漢文の力は政治・外交にどのように利用されたのか?
彼らは、漢文にどんな知性や思いを込めたのか?
―日本の発展の原動力となり、その文化・政治力を支えた「漢文の素養」をもう一度見直し、日本文化の豊かな可能性を提言する。
[ 目次 ]
第1章 卑弥呼は漢字が書けたのか
第2章 日本漢文の誕生
第3章 日本文明ができるまで
第4章 漢文の黄金時代
第5章 中世の漢詩文
第6章 江戸の漢文ブームと近現代
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ネタバレ[ 内容 ]
内憂外患にあえぐ落日の清朝にあって、ひときわ強い輝きを放った一代の女傑、西太后。わが子同治帝、甥の光緒帝の「帝母」として国政を左右し、死に際してなお、幼い溥儀を皇太子に指名した。
その治世は半世紀もの長きにわたる。
中級官僚の家に生まれ、十八歳で後宮に入った娘は、いかにしてカリスマ的支配を確立するに至ったか。
男性権力者とは異なる、彼女の野望の本質とは何か。
「稀代の悪女」のイメージを覆す評伝。
[ 目次 ]
第1章 清朝という時代
第2章 紫禁城の壁の中
第3章 戦争と政変
第4章 垂簾聴政の光と影
第5章 西太后と二人の皇帝
第6章 最後の十年
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