喜咲冬子のレビュー一覧
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ネタバレよくある死に戻りヒロインのドタバタっぽいですが、流石は喜咲先生、人物や展開がリアルで重々しく、きちんと中華風を取り入れていて捻りもあり楽しめました。
初っ端から死に戻り(?)が実は三度目、自分の知らない一度目からやってきた仙人との内容齟齬など、状況把握が大変。
傾国の美女というだけで『悪女』の烙印を押される不条理に怯え、未来を変えたいけど、ただの平凡で臆病な自分に出来る事は殆ど無い、少し変化させるだけで以前より悪くなる状況、と行き着く先が見えずにどんどん読まされました。
冒頭の台詞が、ラストの台詞になっている所も、伏線回収としてスッキリさせて貰えて楽しかったです。 -
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Posted by ブクログ
ネタバレ十津島の人々は大陸からの侵略者である辰国の者を馬賊と呼び、辰国人は島の人間を夷奴と呼ぶ。
そしてその間に生まれた人間は、もれなく赤い髪と鮮やかな色の瞳を持ち朝児と呼ばれる。
大陸から来た薬師の父と、生き別れた島の母から生まれたアサは男装して旅の薬師となった。父の遺言によりとある街を目指して。
だがそれは導きではなく、父の計画によるものだった。
捕らわれた辰国でアサが見たのは、純血を保ち大陸へ戻ろうとする者と島に同化して未来を望む者たちの対立。
辰国人と島民それぞれの正義と、混血児である朝児への差別。
島の覇権を巡る架空の歴史ものであり、職を持つひとりの女性の矜持であり、身分や人種で差別した -
Posted by ブクログ
中華風架空歴史譚。
北方の遊牧民族に妃として送られたヒロインが掠奪され、年若い青年の妻にされ遊牧民たちの中で生きていく中で自分の価値や生き方を見出していくお話。
或いは唯一の愛を得る話。
いやあ、こう言うお話は好きだなあ。
もちろん創作なのだけど歴史のどこかに実際にあっても良さそうなお話だ。
登場人物もいくつかモデルが思い浮かぶなあ。
それにしてもヒロインが食いしん坊過ぎるだろう^^
そのために後宮で醜女と言われて北方に降嫁させられたり、塞外で月餅を見つけた時の喜び方とかひど過ぎる笑。
ラストの年代気風の記述がまたステキ。
その後のおまけの痴話喧嘩話にもほっこりさせられた。
うん、面白か