岩田佳代子のレビュー一覧
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表紙のイラストからして、苦しい。
よく分かる気がする。
母が大好きで、母にくっつきたいけど、母は私を見ていない。
私はかつて子どもだったと同時に、今は母だから、子どもたちにも苦しい思いをさせているのかもしれないと思って、それも苦しい。
完全に分かったわけじゃないけど、今の自分の状況を紐解くヒントにはなった。
おそらく私の母は「がむしゃらな親」だ。
母もまた、自分の父のために自分の役割を演じてきたし、結婚してからも義父母との暮らしの中で苦しかっただろう。
母と心が触れ合う交流をしたくても、難しいんだなと理解した。
私も、誰かが私の心に近づきすぎるのを恐れてる。
私にできることは、自分の心に従って、自分の心をオープンにしていくことだと思った。
そして、母はたぶん、今、自分を大切にする自由を行使している。
4人の母である責任から降り、孫のことも気にかけないで、自分を一番大切にして暮らしている。
もっと早く、そういう自分の本質に気づけたらよかったのに、自分をさておき人に尽くす人だった。
人に尽くすのが母だと思っていたから、それが突然なくなって、私たちも戸惑った。
でも、母はもともと子どもにも孫にもあまり興味がなかったんだなと思う。
そんな母を受け入れる。
何も期待しない。
それで、私は私で楽しく生きるんだ。 -
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近年、私たちの周りの情報は、恐ろしいばかりの勢いで増え続けている。そして、物を購入する場合などには、種々の情報に基づいて的確な判断をすることが求められる。そんなとき、役立つのが、恩義、整合性、社会的な証拠、好意、権威、希少性の6つのルールである。これらは人間が生きていく上で、自然に取り入れたものだ。つまり、無駄な思考を必要とすることなく、的確な判断をすることが出来るのだ。しかし、世の中には、逆にこれらを利用して私たちの判断を惑わすものが無数にある。どうでもいいようなプレゼントをされ続けた挙句、保険に加入してしまったという経験はないだろうか? 自分の意思に反した行動を取らないためにも、この本を読んで、十分に対策しておくにに越したことはない。でも、あの手この手で騙されてしまうんだよなー。
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人間が物事を判断するときに影響されうる大きな要因を心理学からわかりやすく解説する。
恩義、整合性、社会的な証拠、好意、権威、希少性、これらの6つの状態を人は手早く判断することで時間を使って考え込まなくていいようになっている。行動経済学でいうヒューリスティックスなのだが、その単語はここでは出てこない。
これらを悪用したパターン。
恩義:まずプレゼントを渡してから要求する。無理なお願いをして、それを譲歩する形で貸しを作る。
整合性:言わせてからやると言わないでやるよりも有限実行しようとする。
社会的な証拠:他の人を見てからやる。チップの瓶に先に金を入れておく。TVの無駄な笑い声。
好意:友達の紹介という前振りで押し売り、タッパーウェアパーティー。
権威:ミルグラムの権威者に言われたから電気ショックを与え続ける被験者。ファシズム。
希少性:タイムセール。行列。 -
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表現が難しくてあまり頭に入ってこない。だけど、2まで読んで、やっぱり、母親に言われたこと、されたこと、あの時どう思ったかとか負の感情だけが呼び起こされる。してもらったことよりも、されて嫌だったこと、分かってもらえなかったこと…なんでだろう。
受け止めて欲しかったし、わかってほしかったし、それでいいと言って欲しかったし、子供のままでいたかった。文句も聞きたくなかったし、喧嘩の声も聞きたくなかったし、心がぎゅーってなる気持ちにもなりたくなかった。現実はそんなことはなかったのかもしれないけど、ずっと我慢したり抑え込んだりしていたように感じる。なんでだろう…。
幼少期に精神的に未熟な親から受けた負の気持ちは、大人になってもずっと影響するし、そんな親からの支配は親が生きてる限りずっと続くんだと思った。そんな親にならないようにしたいし、子供が将来のびのびと社会で成長できるように今から親としての関わりを気をつけたいと思う。
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良い本でしたね〜。
生きていると対立ばかりですが、自分も悪い対立を扇動してしまっているときがありますね。反省。
中でも、良い対立をするには、物語を複雑にする必要があるというところがとても印象的でした。
最近は論理的であったり、合理的であったりすることが良しとされている気配を社会に対して感じますが、見事に逆です。
話を整理して二項対立にするとわかりやすくはありますが、見えなくなるものも多いです。
物語を複雑にするには、好奇心をもって相手に接することがとても大切で、本当はどう思っているのか、なぜそう思っているのか、背景を知ろうとすることが必要です。
言われれば当たり前なんですが、実行するのが難しいですね〜。
対立は世の中の出来事ほぼすべてに敷衍できるように読み終えて感じています。
刺さる人が多い本かと思います。 -
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事例や体験談をもとに悪い対立に巻き込まれることの恐ろしさがとても良く伝わる良書なのかも知れませんが、この分量ならもう少し踏み込んで書いて欲しかった気がします。
ちょいちょい出てくる「悪い対立を煽る紛争産業の複合体」って何者ですか?それって、もしかして…著者の属してるマスメディアも含まれるんですか?と、ちょっと不信感&不完全燃焼感。最後、ニューヨーカーと田舎の人々との心温まる交流話でうやむやに終わった感じがしました。
二項対立になくるらいなら多項対立の方がよいという話、良い関係を築く黄金率の話は面白かったです!やっぱり職場でも積極的に雑談した方がいいのかな〜と思い直しました。(と、言いつつ結構サボって雑談してるけど。)
あと、面白かったのは、アメリカではスタバに行く人は民主党、ダンキンドーナツ行く人は共和党だと思われるって話(爆笑)!日本はまだまだ平和だなぁと思えてよかったです。というか、アメリカの政治的な対立、根が深すぎて他国のことながら心配。
余談ですが、故・野村克也監督の言っていた「35歳を超えて敵がいないということは、人間的に見込みがないことである。何かを成し遂げようとすれば、敵は当然できる。」はウソかもな〜、少なくとも宇宙飛行士にはなれなそうだな〜、と思えたのは収穫でした。(私、敵対するの苦手なので…) -
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ネタバレHigh Conflict。
本書が注目するのは、一般の人たちが対立から抜け出そうとする際の個人の内面での変容のプロセス、とのことです。
葛藤、ですね。
自分自身に落とし込んでたしかに、と思える点と、
アメリカ特有の歴史・文化的背景についての理解を少し深められる、という側面もあるかなと思います。
・・
一見、異なる人と人が対立している、グループとグループが対立している、という場合でも、
その対立は自分の中で生じていたりする、でもその本質的な部分は何なのかに迫る。
_イデオロギーは対立の背景を隠しているものにすぎない。この対立の背景は、裏切り、排斥、屈辱だ。誰が仲間で、誰がそうではないのか。
そんな葛藤が、
他者との関係の中で代理戦争のようになってしまったり、
物事を区別するというそもそもの機能を持つ言葉に乗っ取られて、二分化、二項対立がさらに先鋭化する。
…
信頼醸成のために時間をかけ、場を設ける、地道な取り組みが欠かせないのだろうと思いました。それは一生かけて取り組むテーマだなーと感じました。 -
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二項対立の内の不健全な対立を主軸に、著者がインタビューしてきた人々の物語を例にしながら対立の中で何があったのか、どういった心理でどう考えていたのか、結果どうなってしまうのかを書いている。
そもそも不健全な対立とは、当事者たちにとっては理にならない悪循環に陥った対立だ。個人の、そして少人数の行動からちょっとしたいがみ合いから集団へ、そして憎しみになり対立した相手を「敵」と見なし見下す。そうやって進んでいく対立のことである。それに支配されたら抜け出すのは本当に難しい。だからこそ歴史の中でも、現代でも、人が不幸になる対立が続いている。対立の根本と目的をとにかく見失わないこと。固執せずに帰属意識だけではなく受け入れる意識もして、不健全な対立を避けるためにその意識を持ち続けたい。
そして発生した場合でも調停者の立場に居たいとも思う。私の周囲で発生したとしても本当に規模が小さなものだろうが。 -
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第一期トランプ政権の誕生に前後して、世界の分断が激化しているという論調が多い。感覚的にはリベラル層が経済的な力をつけるとともに、二極化しているとの主張が増えてきた気がする。
本書はそんな二極化ブームの中で、対立の構造と解決策を真面目に取材・考察したルポルタージュである。タイトル「よい対立 悪い対立」からは、建設的・生産的な対立をどのように生み出すかという内容に感じるが、本書の内容はどちらかといえば、破滅に向かう対立のループから如何に抜け出すか、がメインテーマである。
破滅的な対立として、地域自治会の水道代のような小さな話から、シカゴのギャング、コロンビアの内戦のような、生命の危険と隣合わせな対立をの事例を挙げる。レベル感が違うものの、構造的には同型というのが本書の主張だ。なので解決策も、必要な労力の大小はあるものの基本的には同じように書いている。最後に、おそらく本書が一番主張したいであろう、トランプによって顕在化した米国の保守とリベラルの対立に対して、相互理解を試みた事例を取り上げる。これはまだ途上であり、揺り戻しも起きているようだが、一瞬でも分かり合えた奇跡としてエモく扱われている。
全体を通じて、あまりに苛烈な対立の当事者の話が中心なため、対立解決の方法論以前に、私たちの日々の対立とは別世界に感じて教訓にしづらい。更に、ルポルタージュ形式はドラマ性を捨象するため、情念的な訴えも少ない。この内容なら、小説や映画にした方が共感、共振を得やすいだろう。