岩田佳代子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
人間が物事を判断するときに影響されうる大きな要因を心理学からわかりやすく解説する。
恩義、整合性、社会的な証拠、好意、権威、希少性、これらの6つの状態を人は手早く判断することで時間を使って考え込まなくていいようになっている。行動経済学でいうヒューリスティックスなのだが、その単語はここでは出てこない。
これらを悪用したパターン。
恩義:まずプレゼントを渡してから要求する。無理なお願いをして、それを譲歩する形で貸しを作る。
整合性:言わせてからやると言わないでやるよりも有限実行しようとする。
社会的な証拠:他の人を見てからやる。チップの瓶に先に金を入れておく。TVの無駄な笑い声。
好意:友達の紹介 -
Posted by ブクログ
良い本でしたね〜。
生きていると対立ばかりですが、自分も悪い対立を扇動してしまっているときがありますね。反省。
中でも、良い対立をするには、物語を複雑にする必要があるというところがとても印象的でした。
最近は論理的であったり、合理的であったりすることが良しとされている気配を社会に対して感じますが、見事に逆です。
話を整理して二項対立にするとわかりやすくはありますが、見えなくなるものも多いです。
物語を複雑にするには、好奇心をもって相手に接することがとても大切で、本当はどう思っているのか、なぜそう思っているのか、背景を知ろうとすることが必要です。
言われれば当たり前なんですが、実行するのが難しい -
Posted by ブクログ
事例や体験談をもとに悪い対立に巻き込まれることの恐ろしさがとても良く伝わる良書なのかも知れませんが、この分量ならもう少し踏み込んで書いて欲しかった気がします。
ちょいちょい出てくる「悪い対立を煽る紛争産業の複合体」って何者ですか?それって、もしかして…著者の属してるマスメディアも含まれるんですか?と、ちょっと不信感&不完全燃焼感。最後、ニューヨーカーと田舎の人々との心温まる交流話でうやむやに終わった感じがしました。
二項対立になくるらいなら多項対立の方がよいという話、良い関係を築く黄金率の話は面白かったです!やっぱり職場でも積極的に雑談した方がいいのかな〜と思い直しました。(と、言いつつ結 -
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ネタバレHigh Conflict。
本書が注目するのは、一般の人たちが対立から抜け出そうとする際の個人の内面での変容のプロセス、とのことです。
葛藤、ですね。
自分自身に落とし込んでたしかに、と思える点と、
アメリカ特有の歴史・文化的背景についての理解を少し深められる、という側面もあるかなと思います。
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一見、異なる人と人が対立している、グループとグループが対立している、という場合でも、
その対立は自分の中で生じていたりする、でもその本質的な部分は何なのかに迫る。
_イデオロギーは対立の背景を隠しているものにすぎない。この対立の背景は、裏切り、排斥、屈辱だ。誰が仲間で、誰がそう -
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Posted by ブクログ
二項対立の内の不健全な対立を主軸に、著者がインタビューしてきた人々の物語を例にしながら対立の中で何があったのか、どういった心理でどう考えていたのか、結果どうなってしまうのかを書いている。
そもそも不健全な対立とは、当事者たちにとっては理にならない悪循環に陥った対立だ。個人の、そして少人数の行動からちょっとしたいがみ合いから集団へ、そして憎しみになり対立した相手を「敵」と見なし見下す。そうやって進んでいく対立のことである。それに支配されたら抜け出すのは本当に難しい。だからこそ歴史の中でも、現代でも、人が不幸になる対立が続いている。対立の根本と目的をとにかく見失わないこと。固執せずに帰属意識だけで -
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第一期トランプ政権の誕生に前後して、世界の分断が激化しているという論調が多い。感覚的にはリベラル層が経済的な力をつけるとともに、二極化しているとの主張が増えてきた気がする。
本書はそんな二極化ブームの中で、対立の構造と解決策を真面目に取材・考察したルポルタージュである。タイトル「よい対立 悪い対立」からは、建設的・生産的な対立をどのように生み出すかという内容に感じるが、本書の内容はどちらかといえば、破滅に向かう対立のループから如何に抜け出すか、がメインテーマである。
破滅的な対立として、地域自治会の水道代のような小さな話から、シカゴのギャング、コロンビアの内戦のような、生命の危険と隣合わせ -
Posted by ブクログ
Toxic Parents(毒親、『毒になる親』より)に対してEmotionally Immature Parents と定義することで苛烈な家庭というよりはある意味ありふれた苦しみとして受け入れやすいように書いているようだ(ただ得られる結果はほとんど同じに思う、Toxic Parentsやその流れにある書の方が「苦しいのはあなたのせいではない」というメッセージが強い)。
読み進めていると親のタイプと子のタイプとチェック項目とが煩わしくあまりぴんとこなかったが、読み終わって冒頭の訳者まえがきに戻ると整理された。
親と子の感受性のミスマッチ、安全基地になれていない場合。
わたしはわたしの話を聞 -
Posted by ブクログ
近年毒親という言葉が話題になったけど、それよりは成熟してるけどどこか未熟な親について書かれた本という感じ(大枠では毒親だけど)。感情のままに子供に接して子供を困惑させる、とか、こういう親のほうが多いのでは?と思ったけど、でも子供からしたら些細なことが大きな傷になったりするんだよなあ。特にHSP気質の子は辛いかも。
大部分が親のタイプについて書かれている。あるある、という感じで、これに自分は傷ついていたんだ、、という癒しになる本。でもどうすれば?ということについては、「親は変わらないので気づいて距離をとる」という一点ぽかった。
自分も親なので、自分がいかにして成熟すれば良いのかということが気にな