小松良佳のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ただ今、富安陽子さんの作品を読み続けて、不思議な物語の魅力を知りたい期間中です。
本書はポプラ社の「おはなしフレンズ!」シリーズ(小学校三・四年生向け)から発表された、「内科・オバケ科 ホオズキ医院」シリーズの一作目で、小松良佳さんのシンプルな絵も相俟って、分かりやすくて楽しい不思議な物語が魅力的。
色々な偶然が重なり、世界でたったひとりだけのオバケ科の専門医である「鬼灯京十郎」と出会った、丸山小学校五年二組二十八番の「峰岸恭平」だったが、その最初の印象は、『どう見ても、あやしい魔法使いか、インチキ手品師のようにしか見えなかった』と、あまり良いものではなかった上に病院の留守番を頼まれてしまいと、巻き込まれ型の展開が楽しくもドキドキする。
というのも、富安さんの物語に登場する妖怪たちについて、これまでは割と親しみやすい印象を持っていたのだが、ここでの留守番中に来院する妖怪たちに関しては、私が子どもの頃に持っていたそれに近かったことから、いくら姿が見えなくなる護符を鬼灯先生に貼ってもらったとはいえ、恭平にとっては怖かっただろうなと感じ、それは「百目」や「ふた口女」などをリアル志向で綴った、富安さんの文章から空想が広がっていく怖さもきっとあるのだろうと思う。
しかし、そうした不運に巻き込まれても、基本的にさっぱりとした性格の良さが好印象の恭平は、彼なりの頑張り方で役割を果たしたことが良い結果を招いたこともあって、最初は人間との出会いを嘆いていた鬼灯先生も(こちらも不運と言っていいのか)、次第と彼に好感を持つようになっていく、そんな過程が楽しい本書の物語は、『化け術の基本』や『つきものシンドローム』といった、鬼灯先生流の妖怪知識語録(?)も合わさることによって、不思議な楽しさもしっかりと付いてきながら、恭平の中にあった妖怪に対する印象も変わっていく、そこには妖怪だって病気になることもあることを描いた点に見られた、他の作品同様に富安さんの不思議な面白さや、妖怪への平等性と愛情をいっぱいに感じられて、だからこそ家に帰るときの恭平も、『明けがたのいっしゅんに見るみじかい夢の中をかけぬけてきたような、ふしぎな気分だった』と、特別な気持ちを抱いたのであろう。 -
Posted by ブクログ
"こいつなら、本当に見えちゃうのかもしれないという気がした。カゲビトも見たわけだし……。
「まじで?」
ぼくがききかえすと、京十郎はまたちょっと以外そうな顔をした。
「あれ?『そんなのうそだ』とか、『ふざけんなよ』って、いわないのか?」
「え?」
もう一度、ぼくは息をのむ。
「うそなのか?」
「いいや、うそじゃないけど……」
京十郎が、じろじろぼくを見る。
「ふつう、おれがそういうと、みんな本気にしないんだけどな」
京十郎は、ぶつぶついっていたけど、ぼくは、それどころじゃなかった。"[p.104]
小学四年生の橋本真先の学校に転校してきた双子の少年鬼灯京十郎と、鬼灯京四郎。転校初日からクラスに馴染もうとしない無愛想な京十郎の家にプリントを届けにやってきた真先は、鬼灯家は代々つきものやオバケやユーレイが見える体質だと知る。あっさりとそのことを信じた真先に、京十郎は誰にも言わないと約束するなら最近真先に取り憑いているカゲビトを払ってやろうかともちかける……という感じ。
ホオズキ医院というシリーズの先生が、この鬼灯京十郎の将来らしい。顔つきの違いに児童書イラストの時代を感じる。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ町の楽器博物館から横笛と鼓とマラカスが盗まれた!校外学習で見たけど、そんな物好きな泥棒がいるなんて?しかも、バナナを食べながら3人の不審者がいたという目撃情報。
恭平は学校帰りに楽器博物館に立ち寄ってしまった。そこには、恭平を連れてくるようにお使いを言いつかった座敷童がおり、またまた恭平は鬼灯先生の所に助手としてオバケ事件を手伝う事となった。
今回は、七化山の3匹の化けサルが依頼者。3匹のうち2匹が石になってしまったのだ。そしてほとんど同時にイノシシ夫婦も石に・・・。鬼灯先生は、初めての難病の原因を探るべく、恭平と七化山のオバケたちに事情徴収にまわる。2人はこの難病をなおす事ができるのか?