板垣巴留のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレここで告白をするレゴシもすごいが、
ハルちゃんの「気づかないふりしてた」という言葉に驚く。
一緒にいるのが楽しかったからだと。
止まっていた時間を動かすという言葉から、まさか
食べられようと動いてしまう展開になるとは。
本能なら逃げ出す方になりそうなのに、この意外性がすごい。
外泊のことばかり指摘する寮母にはやはりモヤモヤする。
そこに割って入れるジュノはやっぱり肝が据わっている。
レゴシ先輩を幸せにできるんですかとハルに言ってしまうところもそうだ。主人公カップルの恋路を邪魔するポジションにありながら
嫌われキャラでは無いのは、こうやってこそこそせずぶつかっていく性格だからだろう。
自分を認めてくれたレゴシの存在がハルの中で大きくなっている。
ジュノのやり方は好きでは無いけれど、
レゴシもビースターも手に入れたい彼女らしいやり方だとは思う。
レゴシの様に暗い現実を恐らく目の当たりにした事のない彼女にとって
純粋に肉食獣の『弱い』立場を引き上げ、良い世の中にしたいと考えているのだろう。
1人で戦っても潰れてしまうといのも間違ってはいない。
想定とは変わってしまったが、きちんとハルに告白できて良かった。
ジャックたちがレゴシの無断外泊の件に触れないと決めた理由が、自分たちかレゴシが傷付くから、なのに笑ってしまった。
草食と一括りにする方が差別と言うビル、一理なくも無い。
ビルにはビルの信念があって、ルイというブレーキになるような存在がいたから
自由にそれを追えていたところがあるのだろう。
あいつがいなきゃ俺はただの悪者だという不安の吐露に、アオバはアオバで共感も安心もあったのではなかろうか。
ジャックとレゴシの小さい頃のエピソードが可愛い。
まだ見た目がころころした子犬にしかふたりとも見えない頃からの仲なのだな。
絶対ヘンな奴だからもっと話さないとわからない、
一緒に遊ぼうという発想になるジャックも
結構『ヘン』だ。とても可愛い。
レゴシが力を使わないように気を付けていて、
それが不快だと言っていたルイ先輩がまさかのシシ組入り。
予想外過ぎたが、学生生活に戻れる気がしないのは分かる気がする。
戻って来てくれたと思ったし戻って欲しかったとも思う。
獅子も鹿もシシだからシシ組なのはなるほどと唸る設定である。
レゴシとしてはジュノを振ったつもりも無いのは分かる。
ジュノの演説のお蔭で、近くにいっただけで草食から警戒されないのが嬉しいと喜ぶ肉食たちの気持ちも分かるし
だからこそ危険性が曖昧になる不安もある。
ジュノが単純に喜ぶ気持ちも分かるのだが、「今この場に草食はいない」のが全てだ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ昔の文学小説を読むと男性が女性の前で暴力的なことを言って
女性には浴びるというシーンが出てくるが
この世界の肉食も草食に対してそのような紳士的な態度をとっているのが
とても印象に残る。
市長がハルの誘拐の件を揉み消そうとするが
格好をつけて自分が何とかすると言ったところで
ハルが戻ってこなければ何もしていないことがばれると思うのだが。
話を聞いて尻尾を逆立ててるほど怒っていたレゴシが
まずルイを探すというのもハルの本当の気持ちを慮ってのことだし
「ハルは俺がもらう」というレゴシが恰好良い。
「好きにさせろ」頼むと内心思っているルイの苦悩もわかる。
ゴウヒンさんが味方になってくれるのは心強い。
ジュノに止められなかったと謝るルイ。ルイにとって今
唯一の本音が言える相手だろう。
大きくなっても子供を見る目で見られることが嫌で
対等な嘘の無い交流を求めていたハル。
彼女の生き方に納得行くものがあった。
恋しているのはルイでも
全力でぶつかってきてくれたレゴシに恥じない最期をと
ハルちゃんが奮い立つところが良い。
服を投げてあげて、助けに来た理由は
あり過ぎてちょっと言えないというレゴシが可愛かった。
自分がオオカミに生まれた意味。
きみにみせるべきじゃないかもしれない。ごめんよ、
と言いながら封印してきた牙を使い、
判定は君の自由だと嫌われ怖がられることも辞さない。
生まれた意味をみんなさがしてるというジャックの言葉も素敵だ。
犬科だから自制心があるというのもなるほどと思う。
ルイも来ていたというのは驚いた。
命懸けで助けてくれたレゴシが目の前で安い焼きそばを食べている、そういう映像こそ心に残る描写に共感した。
今夜のレゴシくんは何をしても、間違いにはならない
というのはすごいセリフだと思う。
無事だった報告も兼ねてまずゴーヒンさんのところへ行けばいいのにと正直思うが
慣れていて動じない感じのハルちゃんが面白い。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ流血沙汰になっても思ったよりビルとレゴシの関係は悪くならなくて、
確かに野良猫なんかも時々そういう喧嘩をしているよなと思う。
血を飲んだことも、ルイは最初から期待していないとモラル問題で扱っている。
うまく取材を収めたのは流石だけれど、その前に一瞬18歳らしい表情で揺れたというのが印象的。
ジャックは本当に可愛らしい。
レゴシの事も気づいた上で普通な態度なのが、レゴシの友達であり、
陽キャな犬らしさでもあり面白い。
本当に怒らせて怖いと思ったら目の前でつまらない嫌味など言えないと思うが。
君と目を合わせるためなら俺
いくらでも尻尾汚すから
という表現が詩的。
レゴムの玉子サンドの話、短いけれどとても好き。
ジュノを颯爽とではなく兄だと偽って
助けようとするところがレゴシらしい。
闇市の前で自分の指を売っている草食がいるのは衝撃だった。
アオバが学校ならレゴシにつくが外ではビルにつくというのも驚いたものの、そういう世界なのだ。
実際外で暮らす大人の肉食獣達はどの程度が肉を食べているのだろうか。
こんなに“正しい行動“をしたがっているレゴシなのに、本能では肉が食べたくて、悍しい裏位置で涎が止まらなくなるというのもまた衝撃。
闇市の医者を、哺乳類で草を食べる元肉食である
パンダに設定するセンスが凄い。
肉食への執着はドラッグも思わせるし、
死んだ肉を買って食べる闇市での大人たちの行為は
大抵の人間たちがしている行為でもある。
闇市を出た時、アオバがレゴシを待ってくれていたこと、
ルイ先輩や草食の友達のことを思い出したらとても指を食べられなかった、という告白が泣けた。
こんな時でさえお前のくちばしは尖そうで綺麗、というモノローグが良い。
思わず泣いてしまうレゴシをバカにする訳でもなく
ハンカチ持ってない、大丈夫かと言うアオバはやっぱり良い子なのだろう。
ただしっかりと立ちたいだけ。
それが難しいのが大人の世界なのだろうか。
力だから強いからなんでもできるかと言えば
逆に不自由になることもあるというのがよく分かる。 -
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ちょっと不思議なサンタクロース
日本の人口が5000万人で子どもが5万人、気候もおかしくなり、財政等も破綻しているディストピアのようで、この辺は本当にそうなりそう(それにしても人口が減り過ぎているのは何かの伏線か)。
ある中学校で小野さんが行方不明になって半年経っても何も進展がないので、冬村さん、サンタクロースの末裔である三田君の呪いを無理やり解除して、その能力を解放して捜索を依頼する、そんな導入部です。
家がケーキ屋さんの甘矢君にしても彼女にしても、92歳の学園(整形等でアンチエイジング済)長にしても、皆さん随分キャラが濃いです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレコーポ伏獣の面々のオムニバスにもなっているのが良い。
ブタとクジャクでガーベラが剥製にして欲しいと言い出した時『オウエンのために祈りを』を思い出した。
心配した展開にならず、ガーベラ配るお巡りさんが明るく見えるのは良い。
これは些事であるが、太ったネコに自分は愛嬌は感じないし、犬は太っていてもかわいい。飼い主の神経は疑うが。
シマリスとユキウサギ、何故ユキウサギが括弧書きになっているのかと思ったらなるほどだった。
ハラハラする展開ではあったが、行き過ぎた取材なだけでそんな気は無かったと思いたい。
オオカミとウサギでレゴシたちが出てくるのは嬉しい。
牙落式について5件も誘いがきてるルイ先輩が
相変わらず色々多忙なところも面白かった。
この儀式に出ようと思うからには一応一定以上の良い関係はある訳だし
加害者としても雪いですっきりした気持ちになれるなら
良い儀式かもしれない。 -
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サンタの背景をいったん置いてその世界の設定に主点。
前作は色んなテーマをごそっと乗ったので今回の女子展開には驚かない。描いてくれてよかった!普通の恋愛マンガより複雑。 -
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ああいつぞやの読み切りがこっちに生まれ変わったのか!狂気が渦巻く(ほぼ冬村のせいで)。いい感じに広げられてる話。面白い発想がどのように伸びるか楽しみ。
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Posted by ブクログ
まず表紙がかっこいい。
肉食と草食、その両方を持つ生き物、それぞれみんな違う生き物たちが共存する世界の過渡期なのか。
一度戦争をしたという記述があったが、それでその後平和的な共存を目指したはずなのにどうしても戦ってしまう様子はまさに人間を見ているようだ。
しかもこの作品と違って人間は食べる食べられるという関係があるわけではないのに・・・などと読み終わってからなんとも情けない気持ちになった。
それとも、その残虐性が人間の本能なのかもしれない。
レゴシとハルちゃんの色っぽくないキス、
ゴーシャが子供のレゴシを大切そうに抱きしめるシーン、
どれももう映画見たい。
ついに戦いが始まってしまった。
辛いが、最後まで雄姿を見届けよう。