喜瀬雅則のレビュー一覧
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大谷翔平、村上宗隆などのメジャーリーガーは、
この人がいなかったら生まれていなかっただろう
と言われています。
そう、野茂英雄です。
1990年に今は無き近鉄バッファローズに入団し、
4年連続最多勝などの成績を上げたエースの
海外移籍はまさに「革命」でした。
近鉄球団の退団に理由は、まさに昭和と平成の
野球観の相違でした。
当時の近鉄の監督は317勝を挙げた「昭和」の
大投手鈴木啓示。彼はまさに「練習の300球は
試合の100球」と公言するほどの投げ込みこそ
が肩を作る、という典型的根性型でした。
かたや、そろそろ米国などから「投手の肩は消耗品」という声に耳を
傾けつつある平成の「新人類」(死語ですね)
水と油です。
しかし当然球団側である監督の指示に従うほかは
ない状況で「イヤなら辞めろ」という状況で、
「じゃあ辞めます」となったのが成り行きです。
球団側としては、辞める=任意引退という道しか
ない手段を提示すれば野茂側もすぐに折れると
踏んでいたのです。
なぜなら任意引退では他球団と契約することが
できないからです。
しかし、これを英語に訳すると「Free Agent」と
なっていたのです。
そうです「FA」です。
この契約を逆手に取り、野茂はメジャーリーグと
契約したのです。
(正確にはマイナー契約です)
当時、これは契約の盲点を突く褒められたやり方
と思われていまでんでした。しかしその後の活躍
によって、そんな悪評は全て吹き飛びました。
革命前夜 追憶の近鉄バファローズ1994
野茂の成功は野茂個人の評価を変えただけでは
ありません。
日本プロ野球の歴史を変えたのです。これを革命
と 呼ばずして何と言うのでしょうか。
皮肉にも、近鉄バッファローズは2004年に消滅
しました。しかし野茂英雄というパイオニア
によって歴史に残る球団になったのです。
歴史の転換点とは、後から振り返って「あれが潮目
だったのだな」と気付かされる一冊です。 -
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1994年の近鉄バファローズを描いたスポースノンフィクション。
西武ライオンズとの開幕戦、ノーヒットノーラン目前の野茂から、まさかの赤堀へのスイッチ。伊東の逆転満塁ホームラン。草魂鈴木啓示監督と選手たちの気持ちの綻び。
監督とエース野茂、主砲石井、ほか吉井、佐野、金村など選手の確執。シーズンオフは複数年契約、代理人交渉を求める野茂は、まさかの任意引退。
翌年のドジャースでの活躍は後の日本人メジャーリーガーへの道を創ることとなる。
残念ながら鈴木啓示監督への取材はかなわないが、猛牛戦士ほか野茂と対戦した名打者にも取材し、1994年の近鉄バファローズの様子を再現する。
野茂英雄なかりせば後のイチロー、大谷翔平の活躍もない。
後から見れば球団消滅の予兆ともいえる球団内部のお家騒動。野茂、阿波野、吉井、小野、金村、石井と多くの選手の放出。その中で光り輝く野茂の活躍。30年の時を経たからこそ明かされる事実。
楽しく読むことができました。 -
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ソフトバンクホークスの育成システムに迫る一冊
ソフトバンクホークスの4軍制という
独自の取り組みを多角的に取材した本書。
育成選手が50人を超える大所帯で、
一律の物差しとして導入された打撃検定は、
選手たちのモチベーションを向上させました。
これにより、コーチや監督の主観に左右されない評価軸が生まれ、
石塚選手の1軍昇格という象徴的なエピソードも生まれています。
さらに、首脳陣の意識統一を図るコーディネーターという新設ポストも紹介。
一方で、元ホークスの水谷選手(現・日本ハム)への取材からは、
1軍の壁の厚さという育成システムの影の部分も浮き彫りになります。
しかし、この本が本当に伝えたいのは、データだけでは測れない心の強さや王球団会長のイズムです。
最新テクノロジーを駆使した野球界の先進事例は、他のスポーツやビジネスにも通じています。
その中で、人間ができることは、何なのか?
これは、現代を生き抜くすべての人にとって、
多くのヒントを与えてくれる一冊です。
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チーム運営の難しさが分かる一冊。
分配ドラフトで2球団から良い選手を優先的に取ったにも関わらず、その後低迷していたか、オリックスバファローズ。
同じ関西の球団とは言え、チームカラーが大きく違った、ブルーウェーブと近鉄、その融合は簡単ではなかったようだ。
また、スカウティングについても衝撃。過去のスカウティングレポートが残っていなかったという事実。それを外部の血を入れて、ゴールビジョンを見据えた取り組みを1つ1つ進めていった結果が優勝に繋がった。
ただ、その功労者も球団を去っており、近視眼的な球団経営が度々散見された。(監督の交代に関してもそう)
長期的に強いチームを作り続けるために何が必要か目から鱗の一冊。
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この休みに一気読みしました!非常に面白くて読み進むのが楽しかったです。サカナクションの山口一郎さんの話をはじめに持ってきてたのも非常に嬉しかったのと、星野さん、落合さん、高木さんのそれぞれの特徴が非常にわかりやすく、あと名古屋の風土を適切に捉えられていると勉強になりました。1番は金山千吉さんの星野さんとの話が1番興味深かったですね。それこそ田尾さんの話は嘘がつけない私とし非常にかぶる部分が多く、星野さんから学び直さないとなと思った部分が多くありました。
今年の補強の意味、そして米騒動の真実と立浪監督への期待が最後には良く伝わる内容でした。立浪好きだった当時を思い出しました。
ちなみにそんな私は阪神ファンです -
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ネタバレ経営難で球団存亡の危機に瀕していたプロ野球・独立リーグの四国アイランドリーグに所属する球団「高知ファイティングドッグス」。
しかし、高知出身の若き実業家・北古味鈴太郎が一般公募によりオーナーに就任することで事態が大きく変わっていく。
バイタリティ溢れる北古味は抜群のアイデアマンでもあった。自らの弟や同級生やその知り合い、またその知り合いから人材を集め、野球チームとは思えぬ事業展開を繰りひろげ、自らも売り子として球場でパンを売ります。
選手たちに練習後、グランド脇の畑で野菜を作らせる。参加費を取って外国選手のトライアウトをし、野球好きな女医をボランティアのチースタッフにする。ついでに地域の訪問介護をやってもらう。引退したばかりの選手をいきなり社長に抜擢するとかいろいろやります。
なかでも本のタイトルにもある「牛を飼う」。このエピソードは秀逸で、しかも胸を打つなあ。 -
購入済み
オリックスの話がたっぷり
プロ野球の経営、運営の面白さが詰まっている。「選手はいいのに何故か勝てない」と言われたここ数年、こうした経緯があったのだと唸ると同時に中嶋監督の凄さはもっと知りたくなった。
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2021年、前年最下位からリーグ優勝のオリックス。苦闘と変革を見続けた番記者から見たの25年。
単なるフロックではないオリックスの優勝。25年の月日は長い。なんせ前回は「がんばろうKOBE」、あのイチローフィーバーの頃。
球界再編、オリックスと近鉄の合併劇など現オリックスの苦闘の歴史と近年のスカウト方針の転換。
特に後半のスカウト革命以降が秀逸。宗佑磨、吉田正尚や山本由伸、紅林弘太郎そしてラオウ杉本。
実は球団生え抜き初の優勝監督、奇しくも阪急ブレーブス最後の日のホームベースを守った男。そんな所にもドラマがある。
優勝チームの影の苦闘のドラマをチーム愛溢れる元番記者視点で描いた傑作。