喜瀬雅則のレビュー一覧
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ソフトバンクホークスの育成システムに迫る一冊
ソフトバンクホークスの4軍制という
独自の取り組みを多角的に取材した本書。
育成選手が50人を超える大所帯で、
一律の物差しとして導入された打撃検定は、
選手たちのモチベーションを向上させました。
これにより、コーチや監督の主観に左右されない評価軸が生まれ、
石塚選手の1軍昇格という象徴的なエピソードも生まれています。
さらに、首脳陣の意識統一を図るコーディネーターという新設ポストも紹介。
一方で、元ホークスの水谷選手(現・日本ハム)への取材からは、
1軍の壁の厚さという育成システムの影の部分も浮き彫りになります。
しかし、この本が本当 -
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チーム運営の難しさが分かる一冊。
分配ドラフトで2球団から良い選手を優先的に取ったにも関わらず、その後低迷していたか、オリックスバファローズ。
同じ関西の球団とは言え、チームカラーが大きく違った、ブルーウェーブと近鉄、その融合は簡単ではなかったようだ。
また、スカウティングについても衝撃。過去のスカウティングレポートが残っていなかったという事実。それを外部の血を入れて、ゴールビジョンを見据えた取り組みを1つ1つ進めていった結果が優勝に繋がった。
ただ、その功労者も球団を去っており、近視眼的な球団経営が度々散見された。(監督の交代に関してもそう)
長期的に強いチームを作り続けるために何が必要か目 -
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この休みに一気読みしました!非常に面白くて読み進むのが楽しかったです。サカナクションの山口一郎さんの話をはじめに持ってきてたのも非常に嬉しかったのと、星野さん、落合さん、高木さんのそれぞれの特徴が非常にわかりやすく、あと名古屋の風土を適切に捉えられていると勉強になりました。1番は金山千吉さんの星野さんとの話が1番興味深かったですね。それこそ田尾さんの話は嘘がつけない私とし非常にかぶる部分が多く、星野さんから学び直さないとなと思った部分が多くありました。
今年の補強の意味、そして米騒動の真実と立浪監督への期待が最後には良く伝わる内容でした。立浪好きだった当時を思い出しました。
ちなみにそんな私は -
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ネタバレ経営難で球団存亡の危機に瀕していたプロ野球・独立リーグの四国アイランドリーグに所属する球団「高知ファイティングドッグス」。
しかし、高知出身の若き実業家・北古味鈴太郎が一般公募によりオーナーに就任することで事態が大きく変わっていく。
バイタリティ溢れる北古味は抜群のアイデアマンでもあった。自らの弟や同級生やその知り合い、またその知り合いから人材を集め、野球チームとは思えぬ事業展開を繰りひろげ、自らも売り子として球場でパンを売ります。
選手たちに練習後、グランド脇の畑で野菜を作らせる。参加費を取って外国選手のトライアウトをし、野球好きな女医をボランティアのチースタッフにする。ついでに -
購入済み
オリックスの話がたっぷり
プロ野球の経営、運営の面白さが詰まっている。「選手はいいのに何故か勝てない」と言われたここ数年、こうした経緯があったのだと唸ると同時に中嶋監督の凄さはもっと知りたくなった。
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2021年、前年最下位からリーグ優勝のオリックス。苦闘と変革を見続けた番記者から見たの25年。
単なるフロックではないオリックスの優勝。25年の月日は長い。なんせ前回は「がんばろうKOBE」、あのイチローフィーバーの頃。
球界再編、オリックスと近鉄の合併劇など現オリックスの苦闘の歴史と近年のスカウト方針の転換。
特に後半のスカウト革命以降が秀逸。宗佑磨、吉田正尚や山本由伸、紅林弘太郎そしてラオウ杉本。
実は球団生え抜き初の優勝監督、奇しくも阪急ブレーブス最後の日のホームベースを守った男。そんな所にもドラマがある。
優勝チームの影の苦闘のドラマをチーム愛溢れる元番記者視点で描いた傑作。 -
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私には、この人を批評する資格はない。読み終わってしばらく本を置けなかった。帯を読んである程度結末がわかっていながらも、読みながら主人公の根鈴氏を応援してる自分がいた。日本は、はみ出しものや、異端児に冷たい社会だ。落ちこぼれという言葉がそれを象徴してる。個性が強いと言えばいいのだろうが、それすらマイナスのイメージがつきまとう。そして、彼らの心の中にこびりついた垢が溜まり過ぎてしまった時に、意図とは違う形で爆発して表れがちだ。そしてそれが誤解を生み、衝突を起こし、悪循環に陥ってしまう。その巨大なエネルギーを許容し、理解し、導いて行けると、すごいパワーが生まれ、すごい輝きを放つというのに、世間は得手
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不登校、引きこもり、高校中退、渡米、定時制高校、法大、再渡米、帰国し独立リーグ、現在は野球塾経営。移植の経歴の野球選手の半生。
高校野球の名門校に入学するも中退。日本ではコースを一旦外れると復帰は難しい。屈指の強打者は渡米や人との出会いを通じて野球を続けていく。そしてあと一歩でメジャー。イチローより早く日本人野手初のメジャーリーガー目前まで行ったという根鈴雄次という野球人。
根鈴の薫陶を受けた廣瀬純(元カープ)、GG佐藤など。2021年ブレイクしたオリックスのラオウ杉本も野球塾で打撃開眼しているそうだ。
高校から大学や社会人野球。名門校からプロという流れだけでない他の道。一人の野球人を追 -
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今やプロ野球の球団は親会社の広告でなく独立採算の時代、特にパ・リーグ。新時代のファンビジネス。野球ビジネスの概念が変わる。
従来はプロ野球の球団は巨人と阪神を除けば親会社の広告費を計上して年間数億円の赤字を補填してきた。
それが今ではファン向けのSNSの発信を始め、グッズの販売、コンテンツを球団がテレビ局に売っているという。
テレビの視聴率は大きく下がるがネットや直接の観戦者、野球場の直接の経営など大きく変わっており時代の変化を感じる。
本書はパ・リーグ中心の記述のためむしろセ・リーグの東西の人気球団の今後の方が気になってしまう。
野球の楽しみ方が増す一冊です。 -
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6年で日本一を5回(!)という驚異の戦績を誇る、ソフトバンクホークスの3軍戦略について書かれた本。
選手の育成論としてはもちろんのこと、マネジメントやプロジェクト管理の観点からも非常に有意義な一冊です。
・新しい事には必ず反発があること。同調圧力に負けないこと。
・才能を磨くには競わせること。安心させないこと。
・やらせるのではなく、自主的に努力するような環境を作ること
・外から引っ張ってくるのではなく、中で育てた方が安上がりなこと
・納得感を持ってもらうには、機会を与えること
・そして機会がなければ上達しないこと
実際、千賀や甲斐といった育成(要するに戦力外)で入団した人たちが、今や