喜瀬雅則のレビュー一覧
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どこの球団にもこういう歴史はあるのだろう。でもこの球団だけが持っている歴史がある。かつて長嶋巨人が二年続けて日本シリーズで負けたのもこの球団の前身の阪急だし、再登板した長嶋が負けたのも仰木のオリックスだった。その年は、仕事が終わらなくて出前をとるんだけど食べてしまうとやる気が失せてしまってたことを思い出すなあ。
新書だから全てではないけれど、この球団のダメなところも良い(良かった?)ところもエッセンスがギュッと詰まっている良い本だったなと思う。
にしても今年の日本シリーズ観ていて思ったけど中嶋監督はマスクしてるからかもしれないけど、ほんと無愛想で、とっつきにくそうな監督なのに、実はコミニュケー -
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「最下位からの優勝は必然だった」と帯のコピーにあるが、それも当然と思わされる。
この本を読むと、パリーグ制覇は誰か一人のお陰というわけではなく、スカウト改革や、春季キャンプの場所の変更など、さまざまな要素があったことがわかる。
それほど、これまでのオリックスバファローズに改革すべきところがたくさんあったとも言える。それまでドラフトで獲得した選手が育っていなかったため、外部から来たスタッフが改革しようと試みるも、なぜ獲得したのかという記録がなかったというところなど、ダメな組織の典型という感じがした。
しかし、5年後を見据えてスカウティングを改革したこの人物も短期間では結果を出せず、オリックスから -
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25年ぶりにリーグ優勝したオリックスバファローズの前回の96年の日本一からの道のりをスポーツライターである著者が迫った一冊。
イチローを中心とする96年の日本一のメンバーが抜けてからのオリックスの低迷期やオリックスと近鉄が2004年に合併した際の仰木監督の命を賭けた采配について知ることができました。
また、日本一から今回の優勝まで12人もの監督が変わったり、合併からAクラスも2度のみと日本一からの低迷が続いたオリックスバファローズについてどのようにして優勝まで辿り着いたのかを采配面や戦力面など様々な点から書かれており、優勝の秘訣を知ることができました。
MVPの山本由伸、2年連続首位打者の吉 -
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本書は、プロ野球をビジネスの観点から見た現在の取り組みを紹介するものである。昭和時代は、親会社の広告宣伝媒体に過ぎず、球団が赤字でも、親会社が補填してくれた。しかし、現在はそういったどんぶり勘定は通用しない。私見では、楽天イーグルスが創立されたころから球団の経営が厳しく見られるようになったと思う。度肝を抜かれたのが、ソフトバンク球団の取り組みである。球場の隣に7階建てのビルを作り、1階はアイドルグループの劇場、3階は飲食店のテナント、4階は王貞治ベースボールミュージアム、5階はテクノロジスト集団のフロア、6階はeスポーツのフロア、7階はよしもと福岡の劇場である。野球とは関係ないものが多いが、球
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ネタバレここ数年のプロ野球は、ソフトバンク=反則的に強い、という印象があり、
(それでもなぜかレギュラーシーズンは西武が一位になったり、ロッテはソフトバンクに強かったりする番狂わせ感がパリーグの魅力なのですが、)
その強さの源泉の一つとして取り上げられる”3軍”について、一冊の新書が出ていると知り、入手したもの。
千賀や甲斐などの育成出身スター選手たちのエピソードがメインなのかと思いきや、
始まりから3分の1くらいまではソフトバンク3軍創設に至る背景(球界を取り巻く時代や社会の変化)や球団内外での動きについてしっかりと書かれていました。
第3章以降はこれまでの歩みを第一・第二・第三世代に分け、環境の -
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福岡ソフトバンクホークスの育成(3軍)に焦点を当てて書かれた本。育成から支配下登録を勝ち取り、一軍に定着した6選手のエピソードを取り上げている。
育成と聞くとどうしても社会で言うところの非正規に近い印象(立場上弱い印象)を抱くことだろう。もちろん契約内容や条件においては全くもってその通りだが、ことスポーツにおいては大きく化ける可能性を秘めている。
ここで取り上げられている選手たちは、今やプロ野球ファンならいざ知らず、そして野球を知らない人でも一人二人は名前を聞いたことがあるのではなかろうか。もちろん、彼らの努力は計り知れないものがあるが、それに加えて球団としても多額の投資をしてきていること -
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ネタバレ<目次>
序章 「俺を使え」
第1章 3軍を創る
第2章 逸材を探せ
第3章 名古屋の運動具店
第4章 四国を沸かせた強肩
第5章 たたき上げのプライド
第6章 育成契約はリスクではない
第7章 野球の街
第8章 甲子園を超える
第9章 名門校からホークス3軍へ
第10章 イチローよりも速い男
終章 宮崎の白梅
<内容>
スポーツ記者による、ホークス3軍(育成)の誕生と創成期の選手(正規契約を勝ちとった選手)の秘話をまとめたもの。根本陸夫と王貞治、この二人の提案を中心に、東大卒のプロ野球選手だった、小林至、遠藤良平の実戦部隊の動き、小川一夫(現2軍監督)らの動きな -
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四国アイランドリーグという日本プロ野球機構とは別の独立リーグに所属する高知ファイティングドッグスというチームの創設からいまに至る流れを知れる一冊。
個人的に四国、高知と言えば坂本龍馬や山内一豊、中岡慎太郎といった幕末の志士の産まれた町、仕事で何度か訪れてものすごく豪快な飲み方をする人々に出会った町。
阪神ファンを続けてきたので、他のチームに目を向けることなく、四国アイランドリーグのこともほとんど知らなかったが、球団を存続させるため、野球を続けるため、選手自ら野菜を育てたり、牛を育てたり、さらには監督、オーナーまでもが、スタンドにビールを売ったりとお手製で頑張る姿は感動を誘う。
とは言えチ