あらすじ
プロ野球を見れば、いまのビジネスがわかる――。少子高齢化に伴う「野球離れ」が進み、これまでのようなビジネスモデルでは経営が立ち行かなくなったプロ野球。今後、コロナ禍により、深刻な経営難に陥る球団が出てくる可能性もささやかれている。だが、指をくわえて待つわけではない。かつてのチケット販売を主体とした収益構造から脱却し、独自のカラーを活かして経営を行なう「稼ぐ球団」が存在感を示している。エンタメ施設の運営に乗り出した福岡ソフトバンクホークス、“異色の”新スタジアム建設を進める北海道日本ハムファイターズの狙いとは。さらに、映像権の販売やグッズ展開に汗を流す元プロ野球選手たち……。本書では、パ・リーグ球団を中心に、ファンを魅了し、収益を確保するビジネス戦略を解説するだけでなく、そこに携わる球団スタッフの働き方・生き方にもスポットを当てる。現場を訪れ、当事者の生の声から浮かび上がったプロ野球の課題と新たな可能性とは。野球ファンはもちろん、日々バッターボックスで勝負に挑んでいるビジネスパーソンにとって「希望の書」となるビジネスノンフィクション。
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Posted by ブクログ
今やプロ野球の球団は親会社の広告でなく独立採算の時代、特にパ・リーグ。新時代のファンビジネス。野球ビジネスの概念が変わる。
従来はプロ野球の球団は巨人と阪神を除けば親会社の広告費を計上して年間数億円の赤字を補填してきた。
それが今ではファン向けのSNSの発信を始め、グッズの販売、コンテンツを球団がテレビ局に売っているという。
テレビの視聴率は大きく下がるがネットや直接の観戦者、野球場の直接の経営など大きく変わっており時代の変化を感じる。
本書はパ・リーグ中心の記述のためむしろセ・リーグの東西の人気球団の今後の方が気になってしまう。
野球の楽しみ方が増す一冊です。
Posted by ブクログ
球場を中心とした街づくり、SNS戦略、グッズ販売など、これからの時代「プロ野球」というコンテンツを利用して稼ぐためにこんなことをやってますということが書かれた本。
Posted by ブクログ
コロナ禍で思うような興行が出来ない中で、各球団が奮闘する姿や好事例が端的に分かる。
「地域密着」という言葉を言うのは簡単だが、いざ実行に移すと難しいのが事実。試合以外でファンとの接点を増やし、球団「も」あるという感覚での経営が求められてくると感じた。
Posted by ブクログ
ソフトバンクと日ハムがやろうとしてることについて詳しく記載してあって興味深かった。
6章までは良かったのに終章で急に「もっともらしい良いこと」を言い始めて尻すぼみになってしまった。
Posted by ブクログ
本書は、プロ野球をビジネスの観点から見た現在の取り組みを紹介するものである。昭和時代は、親会社の広告宣伝媒体に過ぎず、球団が赤字でも、親会社が補填してくれた。しかし、現在はそういったどんぶり勘定は通用しない。私見では、楽天イーグルスが創立されたころから球団の経営が厳しく見られるようになったと思う。度肝を抜かれたのが、ソフトバンク球団の取り組みである。球場の隣に7階建てのビルを作り、1階はアイドルグループの劇場、3階は飲食店のテナント、4階は王貞治ベースボールミュージアム、5階はテクノロジスト集団のフロア、6階はeスポーツのフロア、7階はよしもと福岡の劇場である。野球とは関係ないものが多いが、球団の担当者は、ライトユーザーを取り込むというより、ドームや周辺の施設を箱としてとらえ、いろいろなコンテンツをそろえたということである。もちろん、球団も有力なコンテンツの一つであり、チームを強くするための投資は惜しまない。そしてゆくゆくは、球場を中心とした街づくりも視野に入れているというのである。豊富な資金力があるからできるのかもしれないが、それにしても、ソフトバンク球団の先見性やスケールの大きい発想力には驚愕させられた。ただ、自身は楽天イーグルスのファンであるが、楽天の取り組みがあまり紹介されていなかったのは、少々不満だった。プロ野球ファンは必読の本です。
Posted by ブクログ
経営の面でもパリーグがセリーグの数年先を行っていることがよく分かった
メットライフドームがいい感じに見えるなぁ、となんとなく感じていたんやけど、その理由がわかった
高木大成さんがあんな形で関わられていたとは知らんかった
最終章に、東日本大地震から昨今のコロナ禍における絆を題材にしたノンフィクションのお話がとても心に響いた