堀井拓馬のレビュー一覧

  • わたしを呪ったアレ殺し

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    角川ホラー文庫の新刊案内を見て、面白そうだったのでとりあえず買って積んでおいた一冊。ようやく崩すことに。(1年経ってないからいい方!)

    「大きな肉塊と呼べる巨体、ぬめぬめとした肌、長い髪から覗く眼窩から生えた両腕」、その目撃情報がSNS上を賑わす怪異―――"蛞蝓女"。それは、大学生・宮間芽衣の視界に度々現れ、長年彼女を苦しめる"アレ"と酷似していた。ある日、"アレ"に追われ命を落としかけた芽衣は、恋人の恭一の説得もあり、"呪いを殺す方法"を探るため、自身の故郷である沢母児町へと向かうことに。そこで明かされる「呪い

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    2025年12月20日
  • なまづま

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    本を持つ指と指の間からぬちゃりと粘液が垂れ落ちるような錯覚。ヌメリ臭がしやしないかと指を嗅ぎたくなる。

    読み終わってお風呂に入ったのだけれどいつもより念入りに髪を洗ってしまった(単に物語を反芻していただけ)。

    文体が独特で読みづらいのだけど、これを23歳で書いて賞を獲るとは凄いとしか。

    ホラーとして怖いかというと怖くはない。

    でも不気味で気持ち悪くてやはりホラーを読んだ後味はある。

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    2025年12月19日
  • わたしを呪ったアレ殺し

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    ネタバレ

    自分だけに見えていたはずの怪物、蛞蝓女。
    その怪物がSNSで話題になっているのを知った大学生の芽衣は、現実と向き合うため恋人の恭一とともに呪いが生まれた故郷の沢母児に向かう。
    先輩で研究者の千璃も加わり、呪いを殺す方法を探っていくが……。


    蛞蝓女に呪われた女子大生が、「呪いを殺す方法」を探すホラー小説。
    呪いに化物、因習村、伝承の調査にどんでん返しという全部盛り。若干盛り込みすぎ? な雰囲気はあれど、意外な展開もありつつまとまっていて面白いです。
    表紙の情緒や、蛞蝓女のどろっとした粘度と湿度の高い擬音や描写も不気味で好き。

    主人公がちょっと依存的というか、序盤ずっとうじうじしているので好

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    2025年08月27日
  • なまづま

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    第18回日本ホラー大賞
    大賞 該当作無し
    長編賞 「なまづま」 堀井拓馬
    短編賞 「穴らしきものに入る」 国広正人

    上記のごとく、本編は長編賞を受賞している。
    ヌメリヒトモドキという、はじめはドロドロのスライムのようであるが、だんだん人間に進化して行く未知の生物で、地球にはびこる。
    これを研究する国の機関で働く研究員の主人公は妻を亡くして無気力に成っていた。
    出来の悪い人型のねちゃねちゃした物体であり、異臭を放つヌメリヒトモドキは誰からも嫌われていた。
    主人公も例外ではなく、嫌っていた。 
    このヌメリヒトモドキが人間の髪や爪を食べて、人間に変貌していく様を見て、主人公は、生前に保管していた妻

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    2025年05月24日
  • わたしを呪ったアレ殺し

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    ネタバレ

    途中からは読むのが止まらない面白さだったが、忌み継ぎだからか、主要人物2人の人格は少し嫌悪する。
    ホラーとイヤミスが、重なったような作品。 後味はあまり良くない。

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    2025年05月04日
  • わたしを呪ったアレ殺し

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    ネタバレ

    やはり怪しいと思ってた通りだったけど展開が予想以上だった。蛞蝓女の描写を想像しただけで気持ち悪くおぞましい。アレって結局アレなのか?!千璃が救世主になるのかな?

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    2025年05月02日
  • わたしを呪ったアレ殺し

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    ネタバレ

    全部読み終わってからタイトルに戻ると「ああ『そういうこと』か」と妙に納得した。
    途中までは「アレ」の正体に迫る謎解きを楽しんできたはずが、終盤の展開から様相が変わるというか、もうただただ恐ろしくなってくるというか。
    現実と虚実が分からなくなる不安感がどんどん増すというか。
    スプラッタ系で怖いという訳ではなく(パニックものな場面はあったかな?)異形のもの自体が怖いという訳でもなく(怖いには怖いが)もっと根本から違う怖さ、異次元の怖さ、異質な怖さがあった。
    上手く表現できないのがもどかしいが……不思議な作品だった。

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    2025年03月19日
  • わたしを呪ったアレ殺し

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    ネタバレ

    【2025年29冊目】
    ぬるぬると粘液を滴らせ、「アレ」がやってくる――。それは芽衣にだけ見える異形のはずだった。だが、それは芽衣を追いかけるように大学にまで姿を現し始める。写真や動画には映らず、人々の目にだけ捉えられる「アレ」。正体を知るため、芽衣は恋人の恭一と共に生まれ故郷にある沢母児を訪ねるが…。

    ぬるぬるずるずるべたべた、と言えば堀井拓馬さんの代名詞と言えそうだなと確信を得た本作。なんだろう、粘液に心を捉えられすぎでは?

    それはさておき、ホラーよりもどちらかというとミステリー色の強い今作。設定が結構複雑なので、登場人物同士の関係性も含め、さらっと読める割にはごちゃごちゃしている感じ

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    2025年03月15日
  • ゆびさき怪談 一四〇字の怖い話

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    あっという間に読み終わった。
    14人の作家さんのホラーアンソロジー。1話140字以内で書かれていた。なかには1行のみの作品もあった。
    まるで歌詞のようで、理解しがたいものもあったけれど、さまざまな作家さんの作風を味わえて良かった。

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    2024年08月03日
  • ゆびさき怪談 一四〇字の怖い話

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    140文字で描く怪談。ほとんど歌詞のような意味不明な内容のものからオチまでちゃんと着いた物語になってるものまで作家それぞれ個性が出ていて面白かった。
    もちろん私の好みは短くとも物語になっているものだ。下手の横好きではあるが物を書いたこともあるので僅かな字数で書くことの難しさはわかる。でもこの短編集はおそらく一般ウケは狙ってないように思う。ああ、でもWebで人気の意味怖に近いものがあるかもしれない。短すぎるだけに文章の裏を読む想像力は必要だ。
    澤村伊智のは短いながらもやはりキレがあった。あとは一田和樹、岩城裕明の作品が個人的には好みだった。

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    2024年06月17日
  • ゆびさき怪談 一四〇字の怖い話

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    百壁さんのは私には合わなかった。
    「せめてもの」と「星の声」は繋がっているのか、と思ったが作者が違うしたまたまだろうな。

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    2023年04月02日
  • 臨界シンドローム 不条心理カウンセラー・雪丸十門診療奇談

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    カウンセラーではない。稀有な症例を研究してむしろ悪化させているような。虚の症例は理解が及ばず、誰が誰やら…。

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    2021年10月26日
  • ゆびさき怪談 一四〇字の怖い話

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    短くても結構怖かったが、他の本を読む合間にちょっとずつ読むのにちょうど良かった。円山さんの「生産管理部主任…」は怖くなく、うざがられてる主任がツボだった。

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    2021年08月21日
  • なまづま

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    見た目は死んだ妻にそっくりだが、ヒトではない。
    ヒトでは無いが見た目は妻。 

    自分だったらどうするだろう?
    孤独な男の徐々に、狂気じみてくる行動が面白い。

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    2019年11月27日
  • なまづま

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    浴室に置いてあるシャンプーの底のヌメリのようにヌメヌメし、人を腐敗させたような悪臭を放つヌメリヒトモドキに最愛の妻の姿と記憶を習得させようとする主人公

    人の定義とはいったい...と思わざるを得ない

    帯にあるように確かに衝撃のラストだった
    ヌメリヒトモドキはこうして人の姿をしたヌメリヒトモドキを増やしていくのか...

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    2021年12月30日
  • なまづま

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    設定がB級ホラーなのに不思議な奥深さがあり、主人公の心情にぐいぐい引き込まれます。人の情が狂気に変わる過程をこのなんちゃらヒトモドキ(ネーミングセンスがちと悪い、、)の性質になぞっているような気がして秀逸だなと思わされました。
    よってこの表紙のデザインでかなり損している気がする。。。隠れたテーマが奥深いのでもっと抽象的なものにして欲しかった。。出版社の方々!表紙って大事ですよー!

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    2015年10月13日
  • なまづま

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    ヌメリヒトモドキという何とも気味が悪い生物が存在する世界。
    ネバネバドロドロで本当におえっときました。

    まず表紙のインパクトがデカすぎる!
    内容と合ってない気がしないでもないけれど、
    一度見たら忘れられなくなりそうなイラスト。

    文章もねちっこくて、話とマッチしていました。

    好みが分かれそうな小説ですが、私は割と好きです!
    私のヌメリヒトモドキのイメージはポケモンのベトベターみたいな感じ。

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    2015年06月09日
  • なまづま

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    うーん、読みづらいと思ってたけど最後でちょっと評価プラス。
    全体的に文体自体がヌメリヒトモドキっぽい?
    主人公の元の妻とモドキ妻への愛、その過程分からなくもない。

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    2015年04月16日
  • 夜波の鳴く夏

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    妖怪ぬっぺほふを主人公とした独特の世界観は魅力的であった。
    しかし、前作と比べ、明らかにエログロ要素が濃くなっているのが気になった。

    さまざまな人物の視点で物語が進行しているため、はじめは複雑なのかと思ったが、わかりやすく複線を回収しているので物語の全体像を把握するのは難しくなかった。

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    2013年02月02日
  • なまづま

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    ネタバレ

    亡き妻を忘れきれない男の話。何だか文章に特徴があって最初、凄く読み辛かった。次第に慣れたけどね・・・未練、執着、固執の果てに過去の現実や根本的な問題を見失ってしまい、ミイラ取りがミイラに…ってな展開。まだデビュー作のようなので今後に期待ですね。まぁまぁですかね。

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    2012年12月06日