堀井拓馬のレビュー一覧
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ネタバレ自分だけに見えていたはずの怪物、蛞蝓女。
その怪物がSNSで話題になっているのを知った大学生の芽衣は、現実と向き合うため恋人の恭一とともに呪いが生まれた故郷の沢母児に向かう。
先輩で研究者の千璃も加わり、呪いを殺す方法を探っていくが……。
蛞蝓女に呪われた女子大生が、「呪いを殺す方法」を探すホラー小説。
呪いに化物、因習村、伝承の調査にどんでん返しという全部盛り。若干盛り込みすぎ? な雰囲気はあれど、意外な展開もありつつまとまっていて面白いです。
表紙の情緒や、蛞蝓女のどろっとした粘度と湿度の高い擬音や描写も不気味で好き。
主人公がちょっと依存的というか、序盤ずっとうじうじしているので好 -
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第18回日本ホラー大賞
大賞 該当作無し
長編賞 「なまづま」 堀井拓馬
短編賞 「穴らしきものに入る」 国広正人
上記のごとく、本編は長編賞を受賞している。
ヌメリヒトモドキという、はじめはドロドロのスライムのようであるが、だんだん人間に進化して行く未知の生物で、地球にはびこる。
これを研究する国の機関で働く研究員の主人公は妻を亡くして無気力に成っていた。
出来の悪い人型のねちゃねちゃした物体であり、異臭を放つヌメリヒトモドキは誰からも嫌われていた。
主人公も例外ではなく、嫌っていた。
このヌメリヒトモドキが人間の髪や爪を食べて、人間に変貌していく様を見て、主人公は、生前に保管していた妻 -
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ネタバレ【2025年29冊目】
ぬるぬると粘液を滴らせ、「アレ」がやってくる――。それは芽衣にだけ見える異形のはずだった。だが、それは芽衣を追いかけるように大学にまで姿を現し始める。写真や動画には映らず、人々の目にだけ捉えられる「アレ」。正体を知るため、芽衣は恋人の恭一と共に生まれ故郷にある沢母児を訪ねるが…。
ぬるぬるずるずるべたべた、と言えば堀井拓馬さんの代名詞と言えそうだなと確信を得た本作。なんだろう、粘液に心を捉えられすぎでは?
それはさておき、ホラーよりもどちらかというとミステリー色の強い今作。設定が結構複雑なので、登場人物同士の関係性も含め、さらっと読める割にはごちゃごちゃしている感じ -
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140文字で描く怪談。ほとんど歌詞のような意味不明な内容のものからオチまでちゃんと着いた物語になってるものまで作家それぞれ個性が出ていて面白かった。
もちろん私の好みは短くとも物語になっているものだ。下手の横好きではあるが物を書いたこともあるので僅かな字数で書くことの難しさはわかる。でもこの短編集はおそらく一般ウケは狙ってないように思う。ああ、でもWebで人気の意味怖に近いものがあるかもしれない。短すぎるだけに文章の裏を読む想像力は必要だ。
澤村伊智のは短いながらもやはりキレがあった。あとは一田和樹、岩城裕明の作品が個人的には好みだった。 -
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