沢木冬吾のレビュー一覧

  • ライオンの冬

    ネタバレ 購入済み

    結も爺さんも逞しい!

    結が逞しく日々過ごし生きているところも素敵だった。いろいろあった家庭、そして超田舎暮らしと通学。そのような中、多くの大人が関わり自然に頼る結、一昔前にはあっただろう日本の支え合う社会が垣間見れたような世界観が引き込まれた理由の本でした。そして日本兵として戦地経験がある爺さんが強く逞しい。ずっと山で暮らすその理由も最後にはわかるのだが、そういう生き方を貫く、その意思の強さが生き方の強さに繋がっている。ドンパチの行動・戦略は、昔の戦地経験とずっと暮らしてきた山、気候も地形も熟知しての戦い、戦争経験者として負けるわけにいかない意地、最後の敗者へのセリフが、生きてきた達成感やり切った人生ってところに繋

    #ほのぼの #カッコいい #アツい

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    2025年04月06日
  • 愛こそすべて、と愚か者は言った

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    ネタバレ

    人は存外不器用にしか生きられないのでしょう。

    たとえ器用に生きていると思われても
    その方法はイレギュラーだった挙句に
    最終的には存在概念を
    消し去ってしまった人もいるのです。

    その人にとって、
    人生はなんだったのでしょうね。
    優しく手を伸ばそうとした人はいたけど
    全部その人は払いのけました。

    そしてそう思った復讐の大本の人の前で
    その歪んだ持論は砕け散るわけで。

    ちなみにタイトルは最後まで読めばわかるでしょう。
    なぜあの人物が「どことなく感情がないか」
    の答えがここにあるのです。

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    2023年11月01日
  • 約束の森

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    驚くことに10年積読年で家にありました。手に取ったら夢中になって読み終えてしまった。めちゃくちゃおもしろかった。マクナイトのこと忘れられないよ……犬のなんと愛しいことか……文体も文章の推進力もすごすぎる……構造がうますぎ……電撃に撃たれたかのようです、推したい……もっと早く読んでいたら良かった……沢木冬吾さんこれ以降新刊出されてないのですよね……新しいのも読みたい……

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    2023年06月06日
  • 天国の扉 ノッキング・オン・ヘヴンズ・ドア

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    流石は沢木さんというスーパーハードボイルドな作品。
    現代において主人公が剣士だという設定なのにヒーローもののような浮ついたところが微塵もなく、いくら警察や犯人グループに追われようと地道に真相を追い続ける姿が痛々しい。
    多くの登場人物の善悪の区別が終盤まで分からない構成も見事で飽きさせない。
    かなりのボリュームにも関わらず、最後まで緊張感を保ったまま一気に読むことが出来ました。

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    2023年02月23日
  • 約束の森

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    出足の数ページで面白いことは確定したけれど、まさかここまでとは。
    日本でジェイソン ステイサムかトム クルーズを彷彿させる激しい銃撃戦を展開する不自然さなんて軽く吹き飛ぶほど登場人物も動物たちも魅力的で、かつスリリングな場面の描写も良い。
    こんなに厚い本なのに一気読みでした。

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    2022年11月05日
  • 天国の扉 ノッキング・オン・ヘヴンズ・ドア

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    ボリュームたっぷりで読みごたえありました。
    今出ている沢木さんの作品で一番最後に読みました。
    どれもハズレなしでした。

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    2022年10月06日
  • ライオンの冬

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    ネタバレ

    フィリピン大統領の隠匿したい過去、戦時中の秘密を巡って、日本東北地方の山奥で繰り広げられる壮絶な死闘…

    背景はそういう話なんだが、この本の核心部は旧日本軍兵士のじいちゃん達とクズチンピラたちの死闘シーンと、じいちゃんの孫の愛情物語である。

    後期高齢者の伊沢と猫田のカッコ良さ、伊沢の孫娘結の健気さとツンデレ感。彼らの敵として現れる連中のクズっぷりとこいつらが狩られていくシーンのスッキリ感。

    沢木冬吾の文章は少々個性的で好みがわかれるが、タメが映える文章が、じいちゃんたちの粘りの戦闘シーンにはしっくり合っていて俺は好きやなぁ。

    孫のために死力を尽くす、俺もそういうじいちゃんになろうと思う。

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    2021年07月15日
  • 約束の森

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    相対すべき”敵”なんて本当にいるんだか、いないんだか。
    自分たちは、何に囲まれてるのか。
    そもそも自分たちは本当に存在してるのか?
    稀にみるアンフェアな日々と風の行方。
    エピローグで1回読むの止めてみた。
    この物語に流れている時間と同じ時間を生きてみたかったから。
    幻のような彼らと同じ時を刻みたい。
    そういうのも、たまにはいいものだ。
    そんな1冊。

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    2021年07月04日
  • 約束の森

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    ハードボイルドが好きな自分にはたまらない。
    侑也、隼人、ふみの気持ちの寄り添い方も、物語が終盤になるほど近くなってきて、ほっこりする。
    そして、マクナイト。好き。
    再生という物語には引き込まれた。
    それぞれが、それぞれに抱える葛藤が、マクナイトを
    中心に変わっていく。
    続編が読みたい。

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    2021年03月07日
  • 約束の森

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    戦闘シーンの迫力が凄くて、ページを捲る手が止まらなかった。勧善懲悪!マクナイトとの交流や、人も犬も信頼関係が出来ていくとこが、とっても良かった

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    2021年01月27日
  • 天国の扉 ノッキング・オン・ヘヴンズ・ドア

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    ネタバレ

    裏切らないなぁ、沢木冬吾。この小説も沢木節全開。会話はミニマム、描写はしつこい(笑。書き込みする箇所のメリハリがいちいち俺の好みなんだなぁ。

    文庫みっちり700P、なぜか捕らわれの身の主人公が、子供時代に父と祖父から切りつけられるのを避けた追憶を、縛られたまま思い出すという異色のスタート。
    そっからの話の転がり方、登場人物の理不尽な不幸、ちんぴらのくそっぷり、悪役のグロいまでの悪さ、警察官たちの苦悩と活躍…、敵役が二転三転し、主人公とともに物語に翻弄される心地よさ(いや主人公はたまったもんじゃないのだが)

    そして怒涛の後半。抜刀術VSフェンシングの決闘シーンのすごいこと。だがそんな決闘シー

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    2020年07月09日
  • 約束の森

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    初めての作家さんですが、まさに解説の書店員さんの言う通り、弛緩と緊張のバランスが絶妙な作品であり、最後のクライマックスに入ってから一気に読まなくてはならなかったです。
    ところどころの台詞にもめちゃくちゃ刺さりまして、ストーリーも登場人物もすごく魅力的で、最高に感動しました。

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    2019年12月18日
  • 愛こそすべて、と愚か者は言った

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    ネタバレ

    「約束の森」が良かったので、沢木冬吾の過去作読んでみようと、まずはデビュー作を手に取ってみた。さすがに荒っぽい部分も目立つが、熱い小説である。ハードボイルドであり、冒険小説であり、家族小説。

    時に家族小説としての側面が興味深い。「約束の森」では疑似家族が大きなテーマとなるのだが、その兆候はこのデビュー作でもちょっと複雑な過程を経て萌芽している。主人公と息子慶太の親子愛再生の物語がその主軸になるのだが、それだけではなく、引きこもりの従妹との関係や、探偵会社の同僚とも家族同然の付き合いをしているし、敵役の街の顔役とその息子、誘拐事件を追う警察官の家族や同僚との関係、殺人鬼とその相棒…、どこを切り

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    2019年10月28日
  • 約束の森

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    ネタバレ

    まったくノーマークだった作品であり、ノーマークだった作家。本屋大賞候補だったらしいがうかつやった。これは想定以上の大傑作!

    中年男の再生、家族小説、犬との親愛物語…俺の好物があちこちにちりばめられていて、その上で良質のハードボイルドであり、活劇アクションであるのだ。初期の高村薫、清水辰夫の良作のニオイガプンプンする。

    しかも、キャラクターがみな個性的で深い。主要登場人物だけでなく、嫌なキャラはイヤなりに、端役であっても見せどころがあるし、個性を極力コロした設定の通名だけで出てくる連中までもが手を抜かれず描写されている。読んでる間はその描写にドキドキし、読後に「スゲーな」と感動する。

    搭乗

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    2019年10月12日
  • 約束の森

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    初☆作家さん。私の大好きな匂いがぷんぷんして、最後まで楽しめました♪ハードボイルドの侑也、可愛いフミ、生意気だけど仲間思いの隼人。ある任務で集められた偽家族。チョットずつ思いやる3人のやり取りがクスッと笑えてウルッとしちゃう。マクナイト(ドーベルマン)の成長ぶりもウルッと来るし、敵??だと思った赤城がまた!いい奴!物語りはチョット設定が大きいけど、登場人物みんなが私好みデシタ♪続編あったら絶対に読みたいなぁ。それぞれに傷付いた過去も偽家族の偽物じゃない思いやりに癒されて行くはず。どんちゃん可愛い

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    2019年01月20日
  • 償いの椅子

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    「約束の森」が良かったので沢木さん2冊目。こちらの主人公、能見も又カッコよかった!計算高く冷酷な復讐。復讐の中にある哀しい姿。ハードボイルドの能見と姪や甥に見せる不器用な能見。物語りは少し登場人物が多くて事件そのものが分かりずらかったかな。半身不随で在りながら闘う姿は哀しみに満ちてた。ハードボイルドvs警察というと主人公が正義の為に・・・と思うけど、この本の違う所は最初から能見が「悪」だと言う設定が他の本にはない所かも。能見・・・生きて又、会いたいな。

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    2019年01月20日
  • 約束の森

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    ネタバレ

    *警視庁公安部に属していた奥野侑也は、妻を殺人事件で亡くし、以降人知れず孤独に暮らしていたが、かつての上司から北の寂れた土地でモウテルの管理人を務めてほしいと依頼され、任地に向かう。そこで待っていたのは、見知らぬ若い男女と傷ついた一匹のド―ベルマンだった…*

    面白過ぎて、徹夜で一気読み!文句なし、まさに『ザッツ・エキサイティング!』。公安、闇の組織、囮作戦、騙し合い等々ハードボイルドが主体ですが、疑似家族の面々との人間ドラマあり、マクナイトやどんちゃんたち動物部門の癒しありで、色々な側面から多彩に物語を楽しめる。とは言え、やや都合が良すぎたり、強引だったり、後半詰め込み過ぎだったり、と色々突

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    2016年10月06日
  • 償いの椅子

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    凄く良かった。こんなに長くて登場人物多いのにちゃんと終わってるのが凄い。とにかく能見がかっこ良すぎる。最初から最後までかっこ良くて、それなのに人間臭さもちゃんと見せてくれる。俺も能見に興味があるだけで読んでたかもしれない。

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    2015年02月28日
  • ライオンの冬

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    旧日本軍の老人と現在のフィリピン諜報組織が大戦中の問題を解決するために日本の山間部でゲリラ戦を行うといった、およそ現実にはあり得ないストーリーながら、そんなことは関係なく素晴らしい作品です。
    枯れた心境で生に固執することなく行動する老兵たちの格好よさは、現代の日本に僅かながら残っている職人魂のようなものを感じました。
    ジイサン、格好いい!

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    2012年09月27日
  • 償いの椅子

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    ネタバレ

    とにかく主人公がかっこいいね。
    車椅子で強い。
    少々無理のあるところのあるものの
    それも込みで楽しかった。
    終わり方も余韻を感じさせて
    いいですね。

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    2012年04月14日