沢木冬吾のレビュー一覧
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人は存外不器用にしか生きられないのでしょう。
たとえ器用に生きていると思われても
その方法はイレギュラーだった挙句に
最終的には存在概念を
消し去ってしまった人もいるのです。
その人にとって、
人生はなんだったのでしょうね。
優しく手を伸ばそうとした人はいたけど
全部その人は払いのけました。
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流石は沢木さんというスーパーハードボイルドな作品。
現代において主人公が剣士だという設定なのにヒーローもののような浮ついたところが微塵もなく、いくら警察や犯人グループに追われようと地道に真相を追い続ける姿が痛々しい。
多くの登場人物の善悪の区別が終盤まで分からない構成も見事で飽きさせない。
かなりの...続きを読むPosted by ブクログ -
ボリュームたっぷりで読みごたえありました。
今出ている沢木さんの作品で一番最後に読みました。
どれもハズレなしでした。Posted by ブクログ -
裏切らないなぁ、沢木冬吾。この小説も沢木節全開。会話はミニマム、描写はしつこい(笑。書き込みする箇所のメリハリがいちいち俺の好みなんだなぁ。
文庫みっちり700P、なぜか捕らわれの身の主人公が、子供時代に父と祖父から切りつけられるのを避けた追憶を、縛られたまま思い出すという異色のスタート。
そっか...続きを読むPosted by ブクログ -
「約束の森」が良かったので、沢木冬吾の過去作読んでみようと、まずはデビュー作を手に取ってみた。さすがに荒っぽい部分も目立つが、熱い小説である。ハードボイルドであり、冒険小説であり、家族小説。
時に家族小説としての側面が興味深い。「約束の森」では疑似家族が大きなテーマとなるのだが、その兆候はこのデビ...続きを読むPosted by ブクログ