初めて読む作家です。初版は「新潮ミステリー倶楽部」で八年前に出ました。東北のある都市で調査事務所を営む久瀬。七年前に別れた息子が何者かに誘拐された。身代金を運ぶ役割を指名された久瀬は、無事に息子を救出することに成功するが、別れた妻が失踪してしまう。慣れない親子生活をしつつ、久瀬は真相の究明に奔走する。七歳の息子慶太くんが、この物語のポイントの一つです。彼は詩や文章を書くことが好きで、小説の中でも、何回か出てくるのですが、ちょっと七歳の子にしては大人びた表現でした。十歳ぐらいだとありかなと思いました。