南原幹雄のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
六編の時代物短編集。
後半も面白いけれど、なんといっても八代目の謎の自殺に江戸・上方の商人たちの大規模な闘いをからめた前半三編が素晴らしい。
「油地獄団十郎殺し」で八代目の死の理由を読み終えた後「初代団十郎暗殺事件」の一遍を思い返すと、その作りこんだ設定の鮮やかな対比に感じるしてやられた感が快感。
何よりもこの三編に漂う、江戸と上方の鉄火場を張れるくらい強い男たちが、おのれの面子と八代目団十郎を巡って立ち回る様の艶っぽさが溜まりません(妄想です)。
ちなみに間に挟まる一遍は死に絵師から臨む八代目の死。死に絵師というのもとても興味深かったけれど、読み終えるとこれもちょっとゾッとする凄味のある作品 -
購入済み
懐かしい官能時代小説
もう、40年以上前に読んだ小説が電子書籍で読めるとは・・時代を感じます。
若かりし頃ドキドキしながら読んだ事を思い出しました。懐かしさも含め上記の評価です。