戸高一成のレビュー一覧

  • [証言録]海軍反省会 4

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     本書の内容は「海軍史の研究者にとっては既知の事実が多く、初めて世に知られる事実は多くはない」という。
     海軍が「大官庁」である以上、多くの人々がそれぞれの部署で活動をしていたのだろうが、本書を読んで、「帝国の破綻」という歴史の審判を受けたこれらの海軍当事者が深刻に反省しているようには思えない。
     「陸軍との内乱を恐れて開戦に踏み切った」幹部がいたのだろうが、戦争の結果の日本人の死者は300万人を超える。
     「内乱」と「戦争」とのリスク計算はしなかったのだろうか。少なくとも「内乱」では、「廣島・長崎・沖縄の悲劇」はおこらない。
     なによりも、これらの海軍当局者の論争を読んでいると、当時の日本が

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    2013年04月07日
  • あの戦争になぜ負けたのか

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    いかにあの戦争が非合理的な意思決定の積み重ねとして開戦され、続けられたかが綴られている。「あの方がそこまで言われるのなら、勝ち目はないけれど、一緒にやってみよう」という精神論。今に至っても尚、似たような論調を耳にするのは気のせいだろうか。印象に残ったのはアーリア民族至上主義のヒトラーが何故日本と組んだのか。そして特攻、玉砕、零戦、戦艦大和に関するくだり。今後のためにももっと意思決定における説明責任を追求すべきだと思う。それに事後のaccountabilityも欠かせない。

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    2013年02月02日
  • あの戦争になぜ負けたのか

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    6名のそうそうたる面々によるが大東亜戦争に関する座談会。
    半藤一利・保坂正康・中西輝政・戸高一成・福田和也・加藤陽子の6名。僕自身かつてその著作で勉強させてもらった人も多くいます。また、この6人の大東亜戦争に対する立ち位置が微妙に違っているので、そのあたりも興味深く読ませてもらいました。

    ただ、内容が非常に多岐に渡るため、それぞれの議論が尽くされていない印象があります。一致点を見つけて終了、といった感じです。もう少しテーマを絞り込むか、参加者を3人くらいにするかした方が、より深い議論が楽しめたのでは、と思います。

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    2012年09月01日
  • [証言録]海軍反省会 3

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    歴史の事実を一方向だけで語る事の危うさはあると思うが、
    言い切っている訳ではないけども、
    「戦争、War、をしているのではなくて、Battle、オンリーだ」
    の様な事が書いてあって、
    戦争というものの政治力の大切さがないがしろにされ過ぎていたのも敗戦の理由の1つなんだろう、と思えた。
    三国同盟の頃の海軍からの目線の話は面白く読めた。
    あの頃の世界の行動力や政治力を知っていくと、
    日本の決定権のあやふやさも見えて来る。

    それにしても、この反省会の中で戦争に反対だった事、
    陸軍の行動について、いろいろ語られてはいるが、
    もっと立場の違う方々との会談を聞いてみたいとも思った。
    結局ここに関わった全

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    2012年07月17日
  • あの戦争になぜ負けたのか

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    ネタバレ

    太平洋戦争がなぜ起こったのかを色々な観点から見ていく。 日本の中国侵略から端を発してアメリカ・イギリス等々の包囲網からの石油のストップ。 日本は遅れてきた植民地政策による帝国であった。

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    2012年06月23日
  • 海戦からみた日清戦争

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    国際社会の大洋に挑む明治海軍はいかに封建主義を乗り越えたのか?国難を覆した、「坂の上の雲」男達の組織論。

    後世の感覚からみれば、勝ったのは当たり前の様に感じられるが、本書を読むと、苦難の上に勝てた事がわかる。

    清国も開明的な指導者がいて優勢な海軍力を所持していた。しかしながら、日本が勝ち、清国が負けたのは何故か。著者は、ハードだけでなく、人材育成に力を注いだ事をあげている。
    日清戦争での教訓を生かした事が、日露戦争の勝利につながったが、日露戦争の教訓を生かす事が出来なかった。

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    2011年11月28日
  • 海戦からみた日露戦争

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     後に神話化された日本海海戦。その実際の経過はどうだったのか,勝利の背景には何があったか,が分かりやすくまとめられててよかった。

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    2011年10月28日
  • 海戦からみた日清戦争

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    もう何度目になるのか。ことあるごとに近代史を読み返す。
    後世の人は必ずこう呼ぶであろう「日本の50年戦争の始まりの戦争」
    それが、日清戦争である。自分より強大な敵と戦ったためか、あるいは日本の完勝に終わったためかこの戦争に関しては現在の判断からは「陰鬱さ」が欠如している。戦後教育の賜物で「No more戦争!」のような戦争忌避が全てある思想を持っている私でさえ、艦隊決戦でほぼ雌雄を決した黄海海戦はどこか牧歌的な雰囲気をかもし出していて古きよき時代であるかのように思える。最高速度14.5ノットでの戦い、隊列が横陣形と縦陣形の戦い、敵艦隊発見後食事をしてから戦闘開始という悠長さ。いかにも明治の若々

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    2011年08月22日
  • [証言録]海軍反省会 2

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    前巻だけでは、反省会がどういう形になったのかよく分からないと思ったので、
    これから続巻が出される事は良かった。
    基本的に海軍の反省会で、当時の主立った人々はいない場所、
    世間に全てを発表するつもりは無い事をふまえても、
    鵜呑みにするのは難しいような気も。
    ただ人間性や人格が戦術に反影はしない事実を、
    理解しながら進まざるを得ない状況に立たされてしまった
    冷静さを持っていれた人は苦しかったろうとは思う。
    でもこれは戦争反省会ではないんだ、
    海軍の為の、=海上自衛隊や、
    これからの国家軍事のあり方を示唆する、
    平和の時代ではない戦争を経験した人間の反省会なんだ、
    と思えるような内容でした。
    誰が悪

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    2011年07月31日
  • 海戦からみた日露戦争

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    日露戦争の日本海海戦で丁字戦法がとられなかったということ。何故かそのことははっきりと示されなかった。
    当日波が高く、当初予定していた戦法がとられず、偶然が日本側の奇跡的な勝利に導いた。東郷や秋山はそのことをよく知っていたから、勝利は神助によるものと考えた。
    作戦の勝利というより、むしろ日本のたゆまぬ訓練の勝利であろう。

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    2011年02月19日