戸高一成のレビュー一覧

  • あの戦争になぜ負けたのか

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    ネタバレ

    対談集。
    著者 : 半藤一利 中西輝政 福田和也 保阪正康 戸高一成 加藤陽子
    さまざまな視点から、太平洋戦争について、どんな経緯で、誰がどんな動き・発言をしたか、などを語り合う。
    読んでいると、果たして、どうして、あんな戦争が起きてしまったのか(止められなかったのか)、やめられなかったのか、いったい、どれくらいの方が亡くなられたのかと思うと、いたたまれない。
    「なぜ負けたのか」というより、勝ち負けよりも、なぜ戦争を始めてしまったのか、もっともっと検証していかなければならないと思う。

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    2023年01月21日
  • 海軍戦争検討会議記録 太平洋戦争開戦の経緯

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    海戦に至るまで、陸軍の方針に結果として抗しえなかった海軍が、終戦直後に、関係者による反省会を実施した記録。井上成美が、やはり、歯に衣着せぬ尖った人であったことが感じられる。もっとも、その他重鎮は、結局のところ「自分は努力したがなす術はなかった」というスタンスであったようだ。

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    2022年11月05日
  • 帝国軍人 公文書、私文書、オーラルヒストリーからみる

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    資料からは読み取れない口述から知る「オーラルヒストリー」の大切さ面白さがわかった。その時代の空気や雰囲気を知るにはやはりこうした口伝も必要なのだろう。一番の衝撃的な話は、ミッドウェイ海戦で利根の索敵機が遅れたのは故障もさることながら酷いシゴキで半ばボイコットされていたということだった。

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    2021年08月28日
  • 帝国軍人 公文書、私文書、オーラルヒストリーからみる

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    戦史家二人による対談。
    戦史史料、文書、オーラルヒストリーについて、著者二人が日本軍について語る。 様々な事例をあげながら、旧日本軍の軍人達がどのような人たちであったのかを語っており、大変面白く読めた。 二人とも過去に軍人当事者に会う機会があり、資料や書き物だけではわからない雰囲気や性格、軍人気質に接することができた。 この先そういう経験を持つ人が少なくなり、史料を読むときに、文字に書かれたことだけを鵜呑みにすることを心配している。 また戦史についてはいろいろな本が出ているが、小説家では吉村昭と澤地久枝を高く評価している。 資料の付き合い方向き合い方が真剣なのだそうだ。 対談なので面白いエピソードが多く、知らなかった事実や見解の違い、俗説への批判、文人たちの考え方などいろいろと勉強になった。
    ちなみに自分の家系では、祖父が軍人で輸送船に乗って何度も南方へ行っており、生還した運のいい人だったらしい。また母方の伯父は空母鳳翔の通信長だった。 伯父の紹介で父母が結婚し、自分がいる。 身内の人たちが戦争を生き延びてくれたから今の自分がある。 この本とは関係ない話だが、生きている時に話を聞いておきたかった。

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    2021年08月15日
  • 帝国軍人 公文書、私文書、オーラルヒストリーからみる

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    戦争ものは、本当なのか、嘘なのかよくわからないところがあったが、この本を読んで、一冊の本を信じるのではなく、いろんな本を読むことが大事だと気付かせてくれた。これから少しづつだが読んでいきたい。

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    2020年10月05日
  • 帝国軍人 公文書、私文書、オーラルヒストリーからみる

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    大木氏はアカデミック畑の人かと思っていたら
    編集畑でもあったことを”まえがき”で知った。
    読みやすい内容だが特別新鮮さは無いかと。

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    2020年08月26日
  • 帝国軍人 公文書、私文書、オーラルヒストリーからみる

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    日本の陸軍、海軍の歴史を研究してきた戸高、大木が、うんちくを傾けつくしている様子が楽しそう。まとまった本では蒸発して残らない、彼らが接したりヒアリングをしたそれぞれの証言者の人となりや当事者が当時感じたリアルな感情というソフトな「歴史」を、こういうラフなかたちで少しでも伝えたいということだそうだ。

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    2020年07月12日
  • あの戦争になぜ負けたのか

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    近衛は首相の強い意思もあり、昭和16年10月中旬に、アラスカにおいてルーズベルト米大統領との首脳会談が計画されていた。ところが近衛書簡の内容の概ねが漏れてアメリカの新聞に発表されてしまう。日本政府はアメリカに泣きを入れた!対米強硬・親ドイツ派の右翼や小壮軍人や軽噪な言論人は、この方に激昂した。一般の国民の気持ちまでもがぐんぐん激烈になり、アメリカに対する敵愾心をいっそう燃え立たせることになる。日本国内の世論の熱狂が、アメリカ小竹に良い口実を与えたことになる。こうして一気に、首脳会談の望みは微塵に砕け散ったのである。

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    2016年08月15日
  • あの戦争になぜ負けたのか

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    この本を読むと官僚組織が力を持ちトップダウンで政策を指示、遂行していくという流れが戦前から変わっていない事がわかります。(力を持ったものが武官が文官に代わっただけ。)過去の戦争での悲劇をを風化させてはいけないと強く思います。

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    2014年08月26日
  • 海戦からみた日清戦争

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    日清戦争での海軍の重要性を初めて知った。
    海軍のハードのみならずソフトの充実を重要視したこと。艦船の技術は世界的にも確立されて行く時期で、様々な失敗があったこと。清軍との威海衛海戦は、各国海軍に注目されていたこと。
    一方、海軍の組織の問題が、1945年まで解決されずに終ったことも知った。

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    2014年06月11日
  • [証言録]海軍反省会 3

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     「海軍反省会」も3巻目となり、個別参加メンバーの個性と主張がだんだんわかるようになってきたが、「開戦2年半で日本とアメリカの戦力差が二倍以上になっちゃう。これでは全然問題にならないという結論」であったにもかかわらず、「海軍」が「内乱を恐れて開戦に同意した」という証言には驚く。
     これは、「当時の世界や日本の状況」に押し流されたと考えるべきか、「日本の政治システム」に問題があったと考えるべきか、読みながらいろいろ考えさせられてしまった。
     それにしても、本書を読んで思うのは、これらの海軍関係者には、戦時には国家予算の8割以上という膨大な予算を使いながら「帝国の破綻」に突進したことへの深刻な自責の念は感じられないこととである。官僚とは無責任なものであるが、海軍士官も官僚的なのだろうか。
     また、この戦争を招いた「帝国の大陸政策」への問題意識が低いことにもちょっと意外な思いを持った。
     「満州事変」「三国同盟」などの流れがこの「戦争」へとつながったことは明らかだが、この海軍内部の証言は「時代の流れに押し流された」「ドイツが勝つと思っていた」である。
     これは「言い訳」でしかないのではないか。もっと深刻な「自責の念」が吐露されるべきではないか。
     これは同じ方向にどっと進む「日本人の国民性」という視点から見るべきなのだろうか。
     いずれにしろ「海軍は行政機構の一部、陸軍を抑える役目を負わせるのは間違い」との責任問題で「軍部」を陸軍と海軍に分ける考え方は身勝手としか思えない。
     これらの海軍関係者の陸軍嫌いの言動を読むと、「こんな意識で大戦争に突入した軍人を持った国民の不幸」としか思えなかった。
     「大艦巨砲」や「潜水艦」、あるいは「レーダー・ソナー」などの「軍事」問題もそれなりに興味深いが、それよりもこの「反省会」を表に出すと「マスコミに利用されると困る」と言い合わせていることにも驚く。
     この元軍人たちには、膨大な国家予算を蕩尽した「戦争」が多く歴史の教訓をも含んだ国家の貴重な「公有財産」であるという意識は全くなかったのだろうか。
     戦後60年以上を経て、日本ではようやく冷静に「先の大戦」を見つめることができる時代を迎えているようにも思えるが、韓国や中国は、未だに「歴史認識」を日本に突きつけている。
     本書は、当時をよく知ることができ、当時の「戦争と軍部の時代」を自分たちで考えることができる良書であると思う。次巻も楽しみである。

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    2013年04月06日
  • [証言録]海軍反省会 2

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     本書は「海軍反省会」の2巻目で、内容は「戦略」「戦闘」多岐に渡るが、海軍内部でも「日本は負けるぞ、必ず。今のような航空兵力で勝てると思うかと地団駄踏んだ」幹部がいたとは驚いた。
     もちろん戦後だいぶ経ってからの発言ではあるが、本書の、時には露骨な迫真の論議を読みながら、巻末の発言者の当時の階級と年齢、兵学校卒業年次を逐一照らし合わせる読書作業は実に充実した時間となった。
     発言者の立場と個性・主張がそれぞれわかるようになると、一層面白かった。
     「戦闘」についての詳細な論議や「情報」「兵站」「特攻」「砲術」「潜水艦」等々の多岐に渡る論議も、それぞれ興味深く読めた。やっぱり「専門家」である。内容は深いが、古い見解に固執している参加者も中にはいる。
     それにしても、本反省会の提唱者である「野元氏」や他の参加者の凄さである。
     発言当時、70代から80代の高齢でありながら、これだけの内容を語る「知性」。
     当時の「日本海軍」が第1級の人物を集めていたことが伺える。ひとりひとりは決して愚かではなかったということは、やはり「負ける戦い」に突入していった理由は、別のところにあったのだろうか。
     しかも「野元氏」はこの反省会の内容に危機感・不満をもち、「反省会運営方法の見直し」すら提案している。しかし、この「反省会」を積極的に発表して歴史に活かすことは全く考えていなかったようである。
     結果的に、このテープが発掘されてはいるが、彼らは貴重な歴史の教訓が「年寄りのよもやま話」で終わってしまう事への危惧は持たなかったのだろうか。
     まだまだ、次巻が楽しみである。本書を高く評価したい。

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    2013年03月23日
  • [証言録]海軍反省会

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     先の戦争については、「なぜあんな無謀な戦争に突入したのか」との疑問をつねづね持っていたが、本書を読んで、専門家である「海軍士官」たちが当時どのように考え、どういう問題意識を持っていたのかがよくわかる思いがした。
     本書の内容は、さすが大官庁「日本海軍」であるだけに、内容は多岐にわたっている。
     しかし、「反省会」と名付けられた会議での詳細な論議を読むと、海軍の多くのシステムが多くの問題点を内包しつつ、情勢に押し流された様子は伺えるものの、戦後出席者たちが「失敗の原因」を真剣に追求し、認識を共有していたようには思えない。
     彼ら「海軍」の専門家において、「戦争へと向かった道」や「海軍のありかた」についての深刻な反省は、この会議までほとんどなされていなかったのだろうか。
     少なくとも本書の内容は、「多くの意見」が出ているといえば聞こえはいいが、「敗北へ至った道」への考察を全員が共有しているようには思えなかった。
     本書は、旧海軍士官による迫真の「反省会」であると思うし、よくこの資料が残っていたとも感嘆するが、同時に「戦前・戦中」の日本をどう捉えたらよいのかという「時代の認識」が当事者「海軍士官」でさえ、戦後の長い期間を過ぎても成熟していなかったということではないかと思えた。
     専門家ですらこうなのだから、現在の日本において「先の戦争とその時代」への「歴史認識」が成熟していないと言われるのも無理もない。
     それでも、「陸軍と右翼による内乱を避けるために海軍は開戦に応じた」とか「軍令承行令」という日本海軍のシステムの問題点とかの多くの知見は実に興味深い。
     本書は、現在第4巻まで発行されているが、次巻以降を読むのが楽しみである。本書を、歴史を知ることができる本であると高く評価したい。

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    2013年03月14日
  • あの戦争になぜ負けたのか

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    今現在の現状を理解するのに先の大戦ってとても重要だと思う。例えば、開戦の理由は石油をアメリカに止められたのが直接の要因で、エネルギーに関しては当時とあんまり変わっていない。負けた要因をきちんと分析、理解ることもこれまたとても重要。さっきバラカンさんのラジオで戦争は二度と起こしてはならない、みたいなこといってたけど、起こしてはならないからこそ、きちんと抑止力としての武力は必要だし、憲法もちゃんと改正しないといけない。戦争ダメの理想論だけで思考停止に陥るってのは、先の大戦の理解が足りないからなんだよね。

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    2013年03月10日
  • あの戦争になぜ負けたのか

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    軍部にコミンテルンが入っていたようだとか、受勲スコアの考え方とか、草鹿龍之介が剣道的な戦略概念を持っていたとか、開戦直前の顛末とか、知らなかったことが書かれていて興味深い。

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    2013年01月03日
  • 海戦からみた太平洋戦争

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    真珠湾攻撃で顕在化した海軍の弱点を冷静に改善する意志と勇気があれば,完全勝利はできなくとも,日露戦争のような多少は苦いが実のある結末になったはずだ.勝利に酔った海軍と日本国民は最終的に壊滅的な終局を迎えることになったが,交渉による解決が下手な習性は今日でも根強く残っている感じがする.

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    2012年05月26日
  • 海戦からみた太平洋戦争

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    ●:引用 →:感想

    ●アメリカの国民は、義務として兵役につき、戦争に参加している。同時にすべての兵士は国家に対して、生命の安全に関して最善の努力を払うことを要求する権利を持っている。もし一人の兵士が戦死すれば、その遺族はその兵士の死が”意義のある死”であったかどうかを知る権利を持っていた。それがアメリカという国家と国民の契約だった。(略)また、海軍の内部でも同じような契約があった。「義務を果たした者には名誉を、果たさなかった者には罰を」である。すべての失敗について責任者がきびしく失態や怠慢を追求され、それぞれ処分を受けたものである。(略)法廷で戦友のミスを追及することはアメリカ人にとっても、もちろん愉快なことではない。しかし今後、同じ過誤が繰り返されないために必要不可欠なこととされたのだ。ひるがえって、日本海軍のケースはどうであったろうか?(略)日本海軍の指揮官や高級幕僚が戦闘の重要な局面で重大な錯誤や失敗をおかし、以後の選挙区をきわめた不利なものとしたケースはミッドウエー作戦にとどまらず、海軍甲事件・海軍乙事件・台湾航空戦・レイテ沖海戦での栗田艦隊の反転など、枚挙にいとまがない。にもかかわらず、それらのケースの責任者で直接処分された者がいないということは、いったい何を意味するのだろうか。太平洋戦争における日本軍の反省を記した書籍や雑誌を見ると、個々の戦闘の戦術的巧拙についての評価、あるいは戦略的な総論に偏したもの、または日本人の国民性、というような茫漠としたものなどが多く、将兵の義務、責任、そして権利といったものについての考察は、ほとんどない。しかし、軍隊の本体が人間の集団である以上、将兵の一人の人間としての権利と義務に基づく立場の確立こそ、精強な軍隊の第一歩であると考えるべきであり、日本軍についてもこの観点からの研究が必要と思われる。
    ●戦争に至る原因の多くは、古来変わるものではなく、基本的には、国家間の政策、利害の衝突に過ぎない。これは、本質的には、外交交渉で解決されるべきものであり、戦争は、いわば交渉失敗の結果なのである。こう考えるとき、日英同盟を結び、米国における親日世論誘導を行い、ロシアの外堀を埋めた状態で闘った日露戦争と、日英同盟を失い、米国の対日世論の悪化に対策を打てず、あらゆる対外交渉に破れて開戦に踏み切った太平洋戦争を比較すれば、日本に、初めから勝利の可能性は無かったと言っても過言ではない。このような外交的敗北によって始まった太平洋戦争は破滅的な敗北で終わり、日清戦争に始まった、日本の五十年戦争も幕を閉じたのである。
    ●山本は、理詰めに根気よく説得するタイプの指揮官ではなく、「断固たる決意」の表明のみによって反対論をねじ伏せるスタイルで構想を実現した。(略)それだけでなく、自分の心中を他人に理解させようと努力するより、「判らない人間には説明は不要」と考える性質の人間であったようである。(略)この点については、山本の出身中学の後輩にあたる半藤一利(作家)による次のエピソードが興味深い「山本五十六は典型的な越後人であり、人見知りで口が重く開放的な正確にはほど遠いですね(後略)」(略)山本の処世訓として「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、褒めてやらねば人は動かじ」という言葉はあまりにも有名であるが、どう考えても山本本人のキャラクターを表したものとは考え難い。
    ●真珠湾攻撃構想時の山本の真意は、文言にあるような「桶狭間とひよどり越と川中島合戦とを合せ行う」という不退転の決意ではなく、一貫して「日米衝突は避けられるものなれば、此を避け此の際隠忍自戒、臥薪嘗胆すべき」という避戦にあったとみてもよい。そして実際には、山本は真珠湾攻撃もやりたくなかったのではないか、海軍中央に日米戦回避を説くための切り札として提唱したものの、内心では作戦の成功に懐疑的であったと考えられるのである。
    ●アメリカの手強さを正確に認めていた山本が、「衆人環視の前で戦艦を撃沈すれば講和に応じるであろう」などと、なぜ単純に考えたのであろうか。これでは、アメリカを正しく認識していたとは到底いえない。この点について半藤一利氏はかつて、「(略)山本五十六は知米派と言われていたけれども、アメリカ人で山本の友人というのは聞いたことがない。(略)」と語っている。きわめて示唆に富んだ観察といえるだろう。(略)このことも、「知米派山本五十六」という評価の疑わしさを示している。
    ●山本自身、ラバウルに行くことについては、参謀に、「ニミッツはハワイで指揮しているというのに、なんで自分はラバウルなんかに行くのだ」と不満を漏らしていた。
    →”前線視察での戦死=部下思いの結果”もまた伝説、虚像なのか。→真珠湾作戦におけるハワイ日系人の犠牲も納得できる?

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    2015年12月10日
  • 海戦からみた日清戦争

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    艦船などの装備品の充足度に劣った日本が清国に勝てたのは,ほとんどが輸入品であった資材を実際に使用する兵士の質が,事前の教育で培われていたことが大きな要因だと結論づけている.妥当な見解だと思った.現代に当てはめて見ると,自衛隊の質はどうなのか,若干気になる.でも,軍事費に多額の血税を費やす時代は終わったと思うが,我が国の金の使い方には大いに疑問がある.

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    2012年01月10日
  • あの戦争になぜ負けたのか

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    英国情報部へのスパイ浸透とゾルゲ事件を引き合いに、軍部にもソ連のスパイがいた、そして日本の方向性を誤らせたのではないかという示唆は興味深かった。

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    2011年12月03日
  • 海戦からみた太平洋戦争

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    真珠湾攻撃から全軍特攻の終局へ、「失敗」の
    本質を探る。
    昭和の日本海軍はなぜ、日露戦争の完全勝利再現に
    失敗したのか?海軍の敗北に読む日本の姿。

    太平洋戦争と海軍と言えば、山本五十六は外せない。
    本書でも、山本五十六に対する記述は、大きなウエ
    イトを占める。
    山本は、犠牲を顧みず真珠湾攻撃を徹底的に破壊し、
    敵の闘志を根本から萎えさせるという自らの真意を、
    南雲機動部隊にも軍令部にも、また連合艦隊司令部
    にも知らせてなかったという。このために、攻撃が
    不徹底なものに終わったという。
    著者は、山本は真珠湾攻撃もやりたくなかったので
    はないかという。
    図上演習によると、作戦は失敗するリスクが高く、
    成功しても、艦隊が全滅する可能性が高かった。
    実現困難な作戦を、対米戦回避を説得する恰好な材
    料として考えたという見方は面白い。ギリギリまで
    対米戦回避を考えていたという事を考えると、説得
    力を持つ見方である。

    著者は、山本の後任の古賀峯一の戦争指揮について
    も厳しい見方をしている。短期間により遭難した事
    により、影が薄いが、いたずらに航空戦力を消耗さ
    せたことにより、敗北への道が確定したという。
    ミッドウェー海戦以降の作戦指揮を誤らなければ、
    より良い負け方が出来たかもしれない。

    本書に書かれている、かずかずの失敗を過去の事と
    笑うことは出来ない。海軍の負のDNAは現在も日本
    のあらゆる組織に潜んでいるような気がする。

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    2011年12月02日