戸高一成のレビュー一覧

  • 日本海軍戦史 海戦からみた日露、日清、太平洋戦争

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    海軍の具体的戦法、戦艦の性能、組織の成り立ち、各人物の果たした役割等、タイトル通り日本海軍を網羅されていた。
    勝因や敗因も詳しく分析されており、日本の近代における戦争の大局を理解する上で非常に参考になった。

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    2025年02月16日
  • 海戦からみた太平洋戦争

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    本書は、「失敗の歴史」の教訓とある

    1941年12月08日から1945年08月15日に至る、太平洋戦争を、海戦というフィルターでみたドキュメンタリーである。

    冒頭にある次のことばこそ、日本の運命を決めた、足掛け5年の戦争の重みである。
    「日本の歴史を振り返るとき、太平洋戦争の持つ意味は極めて大きいと言わなくてはならない。それは失敗の歴史こそ、大きな教訓を含んでいるからに他ならない。」

    ・真珠湾攻撃、ミッドウェー海戦、ガダルカナル島攻防に関わるソロモン諸島での諸海戦も、戦局の流れを方向づけているが、海軍としての決戦意識から見れば、それは、マリアナ沖海戦(あ号作戦)とレイテ沖海戦(捷1号作戦

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    2023年06月05日
  • 帝国軍人 公文書、私文書、オーラルヒストリーからみる

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    当事者たちが亡くなる現在だからこそ重要な議論。軍事研究の泰斗二人が語る資料、オーラルヒストリーなど調査の留意点。

    今年読んだ本の中でベストワンかもしれない。二名の歴史研究家が、調査の過程で身につけたワザ、バイアスについて語る。資料そのものには記載されていないが、重要な視点を多く指摘している。

    書籍だからといって100%は信用できないという。海軍は戦後もヒエラルキーが生き続け、通史と違う内容の記載は否定されたという。戦闘詳報など公文書も同様。言われてみれば当たり前だが軍人は国家公務員。自分たちの組織に都合の悪いことは書かない。

    公文書、私文書とオーラルヒストリー。それぞれの長所がある。ほと

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    2020年11月19日
  • 帝国軍人 公文書、私文書、オーラルヒストリーからみる

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    対談形式でかなりマニアックな書。本当はとか、背景にはとか、現代にも往々にして存在する忖度がサラッと書いてある。故の信憑性を感じたり、歴史書には表っつらしか書かれていないちょっとした真実が垣間見れとても考えさせられました。
    特に山本五十六が何故選ばれたのかについては成る程と驚嘆だった。
    取材した時には、涙して聞いていたが原稿が上がってくるとそこまで書かれていないとか。人って…とか、寝て起きたら気持ちが変わる…とか、取材側も色々大変そうだ。
    書籍でも版によっては書かれている事が変わっているものもあるそうで、著者のピックアップも関心度がまします。
    取材と出版で数名の作家の名が上がっているが、吉村昭さ

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    2020年10月17日
  • 帝国軍人 公文書、私文書、オーラルヒストリーからみる

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    軍事史研究の第一人者による対談。研究の雰囲気が伝わってくる。

    時代の雰囲気や先行研究を理解せずに資料を読むのは危険というのは同感。軍事史研究だけではなく、戦後史研究についても、同様の問題は既に生じているような気がする。

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    2020年09月22日
  • 戦艦大和 設計と建造 増補決定版

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    大和型戦艦の設計思想と造船技術について深く知ることのできる本。設計に携わった技術将校である著者が,敗戦時の焼却命令にもかかわらず私蔵していた資料をもとに執筆した文章に,大和ミュージアムの所蔵写真・図面等を加えた,非常に史料価値の高いものになっている。
    一般書籍としては,戦艦大和の技術面の記述がこれ以上詳細にわたるものはないようだ。大和の戦歴や乗組員の生活・運命,そちらにより興味がある人には少し退屈かも知れないが,機械や技術に目がない人なら夢中で読破すること請け合いだ。
    例えば防御の設計では,直接防御(装甲)と間接防御(水密区画と注排水)についてそれぞれかなり詳しい説明を加えている。砲弾と爆弾と

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    2018年01月11日
  • 海戦からみた日露戦争

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    日本海海戦で、東郷、秋山は計画した戦略戦術が役立たず慚愧の念に駆られていた。
    実情が近年まで秘匿され、東郷の神格化を行い、自称無敵海軍としてしまったことが、この後の迷走への入口だったのだと思わせられる。

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    2014年11月15日
  • あの戦争になぜ負けたのか

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    対談の形で進行するが、整理されているのと、注釈が細かくつけられているため、非常に読みやすくわかりやすい。
    本書の最後に、各人が書いた文章があり、その主題で、それぞれがどこに主眼を置いているのかがわかる。それを前提としてもう一度読み直すのも興味深いと思う。

    「永遠の0」で、本当にこんな戦争だったのだろうかという疑問がわいた。小説は史実ではない。
    そしてこの本を読んだのだが、戦争というものがはじまり、継続していくということが、こういう形で行われていたのか、という再確認でもあった。国を存続させるために、やむなく開戦に至ったのだという認識を改めざるを得なかった。

    日本人とはどういう民族なんだろう、

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    2014年03月25日
  • [証言録]海軍反省会 4

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    「海軍反省会」全131回の内容をそのまま残すために発刊されている、『[証言録]海軍反省会』の第四巻。

    第31回から第37回までの議論が収録されている。

    主だった内容は、第32回における、軍令部参謀三代一就氏の、ハワイ作戦決定までの、軍令部と連合艦隊の衝突といってよいほどの対立が興味深い。

    第34回では、日本軍の捕虜問題と、船が沈没するとき、艦長が船と運命をともにするという、いわば習慣について議論されている。

    第37回では、ゲストとして第一委員会の高田利種元少将が出席し、海軍時代の及川古志郎大将が世に誤解されているとして、その思い出を語っている。

    巻末に、末国正雄氏の「指揮官の所在位置

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    2012年12月26日
  • あの戦争になぜ負けたのか

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    6名のそうそうたる面々が大東亜戦争を討議。討議のかたちだが文章がうまく補足されてるので、戦史全体像と事件経緯もよく分かる。注釈も見開きごとにあるし。

    日本の戦略性ゼロというか「エイ、ヤー」の勢いってのはこんなにもヒドかったのか。かなりコキ下ろす一方で、昭和天皇の評価は高い。天皇と大元帥の二役で苦しいなか最大限の情報発信をしてきたと。

    それにしても「バスに乗り遅れるな」の勢いって、いまのTPPで騒いでんのといっしょだろ。日本人ってホントに歴史から学ばない民族なんだなあとつくづく思った。逆に外国からみればそれが不思議以上に得体の知れない恐怖を感じるのかもしれない。

    あの戦争で日本人は「攻勢の

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    2013年01月23日
  • あの戦争になぜ負けたのか

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    どうして日本は太平洋戦争で負けたのかを座談会形式で六人の著者が8つのテーマを話し合っている。

    座談会形式なのでとても読みやすい。テーマも興味深く、変にイデオロギーを持ち出さず、あくまで実証的に論ずる姿勢は評価できる。また、第二部の「あの戦争に思うこと」では著者各自の歴史観などが述べられており、歴史との付き合い方を考えさせられた

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    2009年10月04日
  • 日本海軍戦史 海戦からみた日露、日清、太平洋戦争

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    日清日露、太平洋戦争での日本海軍の歴史が学べる。
    多くの戦史を読んでいる方からすると多少つまらないと思う部分もあるかもしれない。

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    2025年11月15日
  • 海軍戦争検討会議記録 太平洋戦争開戦の経緯

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    新名という海軍が抱えていた記者が米内光政に託された海軍の重要人物たちの敗戦後の座談会の記録。
    結局は戦争を止められなかった海軍は情けないと思ってもいたが、これを読むと海軍軍人の発言であることを差し引いても陸軍の横暴っぷりを実感してしまう。
    また井上成美の航空本部長申し継ぎなども入っていて、井上成美は実戦では活躍はなかったにしても、正確に未来の戦いを予期していたことに感嘆する。

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    2023年02月11日
  • あの戦争になぜ負けたのか

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    ネタバレ

    対談集。
    著者 : 半藤一利 中西輝政 福田和也 保阪正康 戸高一成 加藤陽子
    さまざまな視点から、太平洋戦争について、どんな経緯で、誰がどんな動き・発言をしたか、などを語り合う。
    読んでいると、果たして、どうして、あんな戦争が起きてしまったのか(止められなかったのか)、やめられなかったのか、いったい、どれくらいの方が亡くなられたのかと思うと、いたたまれない。
    「なぜ負けたのか」というより、勝ち負けよりも、なぜ戦争を始めてしまったのか、もっともっと検証していかなければならないと思う。

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    2023年01月21日
  • 海軍戦争検討会議記録 太平洋戦争開戦の経緯

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    海戦に至るまで、陸軍の方針に結果として抗しえなかった海軍が、終戦直後に、関係者による反省会を実施した記録。井上成美が、やはり、歯に衣着せぬ尖った人であったことが感じられる。もっとも、その他重鎮は、結局のところ「自分は努力したがなす術はなかった」というスタンスであったようだ。

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    2022年11月05日
  • 帝国軍人 公文書、私文書、オーラルヒストリーからみる

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    資料からは読み取れない口述から知る「オーラルヒストリー」の大切さ面白さがわかった。その時代の空気や雰囲気を知るにはやはりこうした口伝も必要なのだろう。一番の衝撃的な話は、ミッドウェイ海戦で利根の索敵機が遅れたのは故障もさることながら酷いシゴキで半ばボイコットされていたということだった。

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    2021年08月28日
  • 帝国軍人 公文書、私文書、オーラルヒストリーからみる

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    戦史家二人による対談。
    戦史史料、文書、オーラルヒストリーについて、著者二人が日本軍について語る。 様々な事例をあげながら、旧日本軍の軍人達がどのような人たちであったのかを語っており、大変面白く読めた。 二人とも過去に軍人当事者に会う機会があり、資料や書き物だけではわからない雰囲気や性格、軍人気質に接することができた。 この先そういう経験を持つ人が少なくなり、史料を読むときに、文字に書かれたことだけを鵜呑みにすることを心配している。 また戦史についてはいろいろな本が出ているが、小説家では吉村昭と澤地久枝を高く評価している。 資料の付き合い方向き合い方が真剣なのだそうだ。 対談なので面白いエピソ

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    2021年08月15日
  • 帝国軍人 公文書、私文書、オーラルヒストリーからみる

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    戦争ものは、本当なのか、嘘なのかよくわからないところがあったが、この本を読んで、一冊の本を信じるのではなく、いろんな本を読むことが大事だと気付かせてくれた。これから少しづつだが読んでいきたい。

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    2020年10月05日
  • 帝国軍人 公文書、私文書、オーラルヒストリーからみる

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    大木氏はアカデミック畑の人かと思っていたら
    編集畑でもあったことを”まえがき”で知った。
    読みやすい内容だが特別新鮮さは無いかと。

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    2020年08月26日
  • 帝国軍人 公文書、私文書、オーラルヒストリーからみる

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    日本の陸軍、海軍の歴史を研究してきた戸高、大木が、うんちくを傾けつくしている様子が楽しそう。まとまった本では蒸発して残らない、彼らが接したりヒアリングをしたそれぞれの証言者の人となりや当事者が当時感じたリアルな感情というソフトな「歴史」を、こういうラフなかたちで少しでも伝えたいということだそうだ。

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    2020年07月12日