恩藏直人のレビュー一覧
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マーケティングといえばコトラー
作れば売れる時代は終わり、もうこれ以上どんな商品を作ればいいのか?というほどものが溢れている。(就活のときによく商品提案をしてくださいのような質問があるが、どのように差別化した商品があるのか途方にくれた経験をしたことが誰もがあると思う。)
近年の傾向として、市場の細分化に伴うブランド数の増加、商品ライフサイクルの短期化によって一商品の売り上げ、利益は小さくなっている。
ではどのようにすればよいのか?
その解決方法のひとつが水平思考(ラテラル マーケティング)である。
これまでのマーケティングプロセスを垂直思考(バーティカル マーケティング)によって外された領域(ターゲット、ニーズ、使用される状況)を狙う。
例えば朝食のシリアルの細分化をするのではなく、いつでも手ごろに栄養を補給できるシリアルバー、(今では常識的な商品だが)おもちゃ付きのチョコレート菓子であるキンダーサプライズ、カフェとネットが一体となったサイバーカフェなど
一見、思いつきのようにも見える2つのものの融合によって生まれた新しい商品やサービスの思考法を体系化したのが水平思考だ。
その思考法は
1 (商品、サービスの)フォーカスを選択
2 水平移動により、刺激を誘発する
3 連結する
陳腐な例であるが、
1 花という商品について考える
2 例えば花といえば枯れる。そこで"枯れない"と考える。通常、花は枯れるものなので、花と"枯れない"の間にギャップが発生する。
3 そこでこのギャップを解決する。この場合は造花というふうになる。(ギャップの連結)
ではこのキモともなる水平移動はどうすればよいのか?以下のように考える
1 市場レベル (ニーズ・効用、ターゲット、時間、場所、状況、経験のうちどれか1つだけ変更する)
2 製品レベル (製品の要素から1つ選び、以下のいずれかを実施してみる。代用、結合、逆転、除去、強調、並替え)
3 その他のマーケティングミックス レベル (他のカテゴリーにおける価格設定手法、流通手法、コミュニケーション手法のいずれかを用いてギャップの解消をする)
1,2,3のいずれか1つのみに変更を加えてみることで何か生まれてくる。
そんな手法だ。
水平思考が論理的な思考法であるなら水平思考は創造的な思考である。両者は優劣はなく互いに相補的な思考法であるのでバランスをもつことが大事である。
これらの思考法に必ずしもとらわれることはないが、概要を抑えるだけでも思いつきのように見えるアイデアの位置づけができるところに意味があると思う。 -
Posted by ブクログ
コトラーのマーケティング4.0 スマートフォン時代の究極法則を読んで
構成
第一部 マーケティングを形作る基本的なトレンド(第1〜4章)
第二部 デジタル経済におけるマーケティングの新しいフレームワーク(第5〜7章)
第三部 デジタル経済におけるマーケティングの戦術的応用 (第8〜11章)
はじめに
マーケティング3.0では、顧客が全人的存在に変化していることを指摘し、マーケティングの未来は、人間的価値を支持し、表現するサービスや企業文化を生み出すことにあると主張した。
ハイテク世界では、人々はハイタッチ(人間的なふれあいを強く求める。社会的になればなるほど、自分だけのために作られたものを欲しがる。ビックデータ分析に支えられて、製品はよりパーソナライズされ、サービスはよりパーソナルになる。
本書の前提として、マーケティングはデジタル経済におけるカスタマージャニー(製品やサービスを知った顧客が購入•推奨に至るまでの道筋)の質の変化に適応する必要があると言うことがある。
第一部は、現在の世界の観察結果。第二部では、どのように生産性を高めることができるか。第3部では、マーケティング4.0の主な手法を詳しく説明する。
第一章 繋がっている顧客へのパワーシフト
世界は覇権から多国分散型の権力構造に移行している。 排除から包摂(違いがあるにも関わらず、調和して生きるということ)へ。
ロングテール理論(ネット販売では膨大な数のアイテムを低コストで取り扱えるので、あまり売れない製品でもアイテム数を幅広く取り揃えることで大きな売り上げをあげたい)
最近の調査によると、マーケティングコミニュケーションよりもFファクター(friends, familiy, Facebook fans, Twitter followers)が信頼されている。
モバイル端末による接続性のおかけで、顧客は集合知を獲得して、より良い勾配決定ができる。顧客はもはや、受動的なターゲットではなくなり、能動的なコミニケーションメディアになりつつある。
まとめ〜横のつながりを重視する包括的、社会的なビジネス環境〜
ソーシャルメディアは、地理的•人口動態的障壁を消し去って、人々が繋がってコミニュケーションを取ることを可能にし、企業が協働によってイノベーションを行うことを可能にしている。顧客は横の関係をより重視するようになっている。彼らは、ブランド発のマーケティング•コミニュケーションをますます警戒するようになり、代わりにFファクターに頼っている。最後の点として、顧客の購買プロセスは、今まで以上に社会的になっている。顧客はこうばいけっていを下す際、自分の属している社会集団にかつてより、注意を払うようになっており、オンラインとオフラインの双方でアドバイスやレビューをまとめている。
第二章 繋がっている顧客に対するマーケティングのパラドックス
オンラインとオフラインを融合させた顧客経験を。
接続性により、マーケティング•コミニュケーション、周りの意見、自分の意見のうち、周りの意見が重要になっている。忠実な推奨者が欲しい。
第三章 影響力のあるデジタル•サブカルチャー
ywn(若者、女性、ネット市民)がデジタル時代の重要なセグメント。
若者はアーリーアダプターであり、トレンドセッターであり、ゲームチェンジャーである。主流の顧客のマインドに影響を及ぼしたいのなら、まず若者を取り込むこと。
女性は、全体を見て判断する買い物客であり、ハウスホールドマネジャー(アメリカでは男性26%, 女性 41%)であるため、市場シェアを獲得する鍵となる。
ネティズンは、Fファクターも含み、ブランドの伝道者となる可能性が高い。また彼らはコンテンツ伝道者である。
第4章 デジタル経済におけるマーケティング4.0
マーケティング4.0は、企業と顧客のオンライン交流とオフライン交流を一体化させるマーケティングアプローチ。透明性が高まる世界では真正性が貴重な資産。さらに、接続性とAIを利用して、マーケティングの生産性を向上させる。
セグメンテーションやターゲティングは、企業からの一方的なものなので、顧客に寄り添う姿勢は大切にしていきたい。
4Pを売り込むことから、4Cを利益に繋げるところへ。共創では、顧客が製品をカスタマイズしたりする。
第5章 新しいカスタマージャーニー
接続性時代のカスタマージャーニーは、5A(認知→訴求→調査→行動→推奨)
これらのステップを飛ばす客や前の段階に戻る客も存在する。
ニールセンによると、83%の人が家族や友人を信頼できる広告源にしており、66%がオンライン上に投稿された他者の意見に注意を払っている。
3つの主な影響源については、外的影響→マーケティング•コミニュケーションに力を入れる 他者の影響→コミニティマーケティングに力を入れる 自身の影響→購買後の顧客経験を高める
第6章 マーケティングの生産性の測定指標
5Aの全ての段階でコンバージョン率を測定するのが良い。それぞれに意味がある。
誘引力の要素の例→社会的•環境的価値、ライフスタイル運動、パーソナライズ
好奇心の要素→コンテンツマーケティング(顧客の生活に関係あり、特定のブランドと結びついているコンテンツを作成、配信する)
コミットメントの強化→オムニチャネルマーケティング
親近感→ヒューマンタッチ、ソーシャルメディア、ゲーミフィケーション
第7章 産業類型とベスト•プラクティス
5Aに基づく4つの主な産業類型
ドアノブ型→購買は概して一瞬のうちに衝動的に行われる。
金魚型→家族旅行や企業間取引など
トランペット型→高級車や腕時計など。推奨者の数が実際の購入者よりも多い
漏斗型→耐久消費財やサービス産業。カスタマージャーニーのどこでもブランドを対象から外すことがあるので、総合的な顧客経験が重要。ドアノブ型で許される表面的なポジショニングはout。
理想は蝶ネクタイ型
第8章 ブランドの誘引力を高める人間中心のマーケティング
人間中心のマーケティングのスタートは、顧客の心の奥底にある不安や欲求を明らかにすること。(デジタル化していく中でアイデンティティを探していく傾向から有効と判断)
手段としては、ソーシャル•リスニングや、ネトノグラフィー、共感的リサーチがある。
ブランドが構築すべき人間的側面(見た目、知性、社交性、感情性、人間力、道徳性)
第9章 ブランドへの好奇心をかき立てるコンテンツ•マーケティング
コンテンツマーケティングとは、コンテンツに関する会話を生み出すために、明確に限定されたオーディエンスグループにとって、興味があり、適切で、役立つコンテンツを制作、編集、配信、拡散することを伴うマーケティング。
広告が、製品•サービスの販売を促進するために伝えたいと思う情報を含んでいるのに対し、コンテンツは顧客が自分の個人的•職業的目的を達成するために使いたいと思う情報を含んでいるのである。
第10章 ブランド•コミットメントを生み出すオムニチャネル•マーケティング
シームレスで一貫性のあるオムニチャネル•マーケティング。センサーによるナウエコノミーや、鏡に商品情報が映ることや、忙しい韓国人向けのポスターに貼られたQRからの注文や、イケアのARマーカーなどのオンライン(即時性)×オフライン(親密さ)は面白い。
効果的に行うには、最も重要なタッチポイントとチャネルを特定し、戦略を実行可能にする組織構造も必要である。
第11章 ブランド•アフィニティを築くためのエンゲージメント•マーケティング
推奨のためのエンゲージメント強化には主に3つの方法がある。モバイル•アプリ、ソーシャルCRMアプリケーション、ゲーミフィケーションの利用。
スマホの利用は大切。今では世界人口の7割がスマホを持っている。スマホには、コンテンツの媒体、サービスチャネル、製品•サービス経験の一部等に利用できる。
アプリのデザインには、ユースケースの決定→機能とユーザーインターフェースのデザイン→バックエンドの統合の順が良い。
ゲーミフィケーションは、より高い目標を達成し、自分の達成を認められたいという人間の欲求を利用している。またある程度依存性もある上、企業にとってはデータ収集の機会にもなる。
感想
第一章により、新興国も踏まえ全体を見るグローバルな視点を持つこと(排除から包摂より)、顧客同士の繋がり、会社なら他の産業を含めた動きに注目すること(縦から横へより)、集合知を得で判断する顧客に注意することが重要とわかった(個人から社会へ)。
P&Gの「コネクト・アンド・ディベロップ」プログラムの成功は興味ある。(ファブリーズの商標の使用権を新しいカテゴリーの製品に許諾している)
デジタル時代という大枠について話しているだけあって、大まかな方針程度に感じておいた方がいいかな。
問
•自分の産業で、横の関係を重視する包摂的で、社会的なビジネス環境への移行を示すトレンドは何か?この変化にどう対応すべきか?
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ネタバレマーケティングの大家として知られる著者が、人間とテクノロジーがそれぞれの強みを活かして協働することで顧客経験の全行程を強化する「マーケティング5.0」の手法を解説した一冊。
今日の社会が抱える世代間ギャップ、二極化、デジタル・ディバイドといった課題を踏まえ、著者が「マーケティング3.0」で解説した「人間中心」のマーケティング手法と、「同4.0」の「デジタルへの転換」の考え方を融合して発展させた「人間のためのテクノロジー」という概念に基づき、よりパーソナルかつソーシャルで、顧客体験を強化するテクノロジーを活用した、包摂的でサステナブルな「マーケティング5.0」を提唱している。
具体的には、ビッグデータの分析によって顧客の行動等を予測するとともに、顧客属性ごとに機械と人間が役割分担したサービス・インターフェースを通じて、顧客それぞれの状況(コンテクスト)に応じたコミュニケーションを取ることで、顧客経験価値とエンゲージメントを高めることが可能であり、そのためにはセンサーやNLP(自然言語処理)、ロボティクスや複合現実など、昨今実用性が高まってきている「人間を模倣する技術」を活かしたデータドリブンと、柔軟かつ俊敏に開発やプロジェクトを進めるアジャイルの考え方が不可欠であるという。
著者の視点は”人間vs機械”や”テクノロジーありき”ではなく、テクノロジーをうまく使いこなすことで人間は自身の強みがより活かせる”アート”の部分に特化できるというものであり、最新のマーケティング関連知識・手法がコンパクトに分かりやすくまとめられているので、専門外の読者でも読みやすい一冊となっている。 -
Posted by ブクログ
ー オムニチャネル・システムは前述のコンセプトの発展型で、異なるチャネルが融合すよう、その存在と本質を見直したものである。
一つのブランドの別々の部門として、多様なタッチポイントを用意するのではない。 オムニチャネルのアプローチでは、チャネルごとに特性があ りながらも、人々は各チャネルを通じてブランドを経験できる。強みは、顧客経験における"包括的"な視点という普遍性である。事実、その目的はもはや売買を発生させることではなく、もてるすべてのチャネルを通じてシームレスな経験を展開することにある。このスキームに則って進めれば、タッチポイントは、単にブランドの一部分とのリレーションシップに限られるのではなく、ブランド全体との直接関係を築く機会となる。そして、チャネルどうしは一貫性をもって互いに強化し合う。
オムニチャネル・マーケティングでは、明確かつ広範なブランド経験を提供できるように、システム内の複数のタッチポイントを結び付ける。このとき各チャネルは一つのツールに過ぎないが、人々のエンゲージメントとエンパワーメントに基づいていて、人々とブランドとの継続的なリレーションシップを強化する。
(全体として) オムニチャネルのエコシステムという一種の枠組みを形成するので、そのなかで売り手は顧客にとっての価値を創造する体系的な思考ができる。すべてのタッチポイントとチャネルを活用することで、ブランドはシームレスな購買経験を提供できるようになる。人々が、空間的・時間的制約を受けずに、ブランドを経験することはめったにない。現に、異なる状況の総体として経験するのであり、各瞬間を合計した全体から意味が生じるのだ。したがって、各タッチポイントを消費者とのリレーションシップにおいて、より高いレベルに誘導する機会とみなす必要がある。 ー
不可視であれ、シームレスであれ、目的地であれ、誠実であれ、パーソナルであれ、キュレーターであれ、人間的であれ、バウンドレスであれ、エクスポネンシャルであれ、勇敢であれ、とリテールを考える上で重要な10の法則について説明されていて、参考になった。