小倉孝誠のレビュー一覧

  • パリとセーヌ川 橋と水辺の物語

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    [ 内容 ]
    ブルゴーニュ地方の山中に源を発し、ル・アーヴル近くで英仏海峡に注ぐ。
    全長七七六キロに及ぶ堂々たる大河、セーヌ川。
    パリ市の紋章には、「たゆたえども沈まず」とあり、パリとこの川の浅からぬ縁を証言している。
    昔日のガイドブック、文学作品などの歴史的証言の数々を繙いて、この都市の錯綜したイメージを読み解いてゆこう。
    著者とともに、河岸を散策し、船に乗り、橋に佇めば、見知らぬパリの相貌に出会えるだろう。

    [ 目次 ]
    第1章 川を通過する
    第2章 運河に生きる
    第3章 川を楽しむ
    第4章 川を描く
    第5章 川に死す
    第6章 橋を架ける

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆

    0
    2011年04月01日
  • 死刑囚最後の日

    Posted by ブクログ

    平野啓一郎氏の「死刑について」にて取り上げられていた本。読んだ後ずっしりと気持ちが重くなる感覚。日本では存続している死刑制度だが、その存在について改めて考えさせられる一冊だった。
    またこの作品をユゴーが20代のうちに書いたといのには驚いた(出版時26歳だという)。本当に死刑囚の手記を元に書いたのかと思うほどに責苦に溢れた主人公の心情を細かく表現し、読んでいると心が苦しむ場面も多くあった。
    死刑囚も一人の人間であり人権がある。これとどう向き合っていくのか、自分なりに考えたい。

    0
    2023年12月06日
  • 犯罪者の自伝を読む

    Posted by ブクログ

    「犯罪者の自伝」を受けてどう考えたか、
    または社会がどう変化したかを丁寧に説明した本。
    作者自身のそれらへの評価は研究者の姿勢を一貫している印象。個人的には嫌悪してそう。

    最後にあった一文、
    「犯罪者であるという事実が、彼にとっては自己の存在理由になった」
    あってはならないし増やしてもいけない、どこか虚しさを感じさせる自己定義だと思った。

    0
    2019年05月03日
  • 犯罪者の自伝を読む

    Posted by ブクログ

    とてもおもしろい。
    「死刑囚 永山則夫」を読み、そこからこの本を手に取った。
    犯罪、そしてそれを取り巻く時代背景や環境に興味があったので、どの章も非常に興味深く、今後の司法や、精神鑑定もきっと形が変わって行くのだろうと思えた。

    しかし、ここに挙げられるどの犯罪者も、獄中で自己を語る自由を得るわけだけど、そこまでの人生や環境から、なかなか脱却することができないのは本当に不幸であり、けどそれが誰にでもある現実だと思った。

    とても勉強になる一冊です。

    0
    2014年01月30日
  • 紋切型辞典

    Posted by ブクログ

    『紋切型辞典』これがまた面白い。ついでにフラ語の勉強にもなる。

    岩波さんの書物案内によると
    --ここに編まれたおよそ1000の項目は,衣服,飲食物や動植物に関するもの,礼儀作法の規範,身体と病気についての俗説,芸術家,歴史的人物の逸話と彼らの評価など,多岐にわたる.フローベール(1821-80)はその記述に様々な手法を駆使して,当時流布していた偏見や言葉の惰性,硬直した紋切型の表現を揶揄し,諷刺してみせた--

    と、まぁ、このとおりなのであるが、『紋切型辞典』の着想をフローベールは早くから抱いていたらしい。
    ジュリアン・バーンズが『フロベールの鸚鵡』という本を20年ほど前に書いているが、この

    0
    2012年02月02日
  • パリとセーヌ川 橋と水辺の物語

    Posted by ブクログ

    文明が川とともにあるように、都市には必ず川がある。すべての都市は水利が必要なのだから当然なのだ。
    その上でパリという極めて魅力的な街を川から描くという素敵な思いつきが今までなかったことにこの本を読んだ今となっては驚く。実際、パリに行って、セーヌ川を橋の上や歩道からぼーっと眺めたことのない人はいないだろう。
    面白いのはこの本の章立て。同じ主題が何度も出てしまう歴史順ではないのだけれど、さりげなく時代を今に向かわせつつ、より人生に密着した内容に持ち込んでいる。これは見事だと思う。
    多分、著者は今、あーあそこもうちょっと変えておきたかったなーと色々な部分を反省しているんだと思う。しかし、充分に

    0
    2009年10月04日
  • 死刑囚最後の日

    Posted by ブクログ

    レミゼラブルの作者ということで読んでみました。

    こう言った場で感想書くのも初めてなので文才はないと思います苦笑

    ある囚人の死刑執行までの物語。
    古典ならではの独特の表現に?となりながらも言わんとしてることはわかる!

    何より驚かされるのは作者が体験したかのような細かい情景の描写。
    実際に取材したのであろうか?

    特に執行までの生に対する放棄や執着がコロコロと変わる描写は死刑囚の精神的な不安定さを感じる。

    刑場まで溢れんばかりの群衆!群衆!
    当時の民衆にとっては娯楽であったのだろう。
    王政に対する不満の捌け口か?
    そのための公開処刑か?または見せしめか?

    この主人子はどんな名前で何をして

    0
    2025年03月25日
  • 紋切型辞典

    Posted by ブクログ

    フローベールから見た世界・社会が辞典形式で書かれた本。
    当時の世相や偏見がシニカルに表現されていておもしろい。

    ・「ハーレム(harem)あらゆる中学生が夢みるもの」

    に笑ってしまった。確かに!大人だったら酒池肉林はいいなあと思っても、まず経済的なことを考えちゃうもんね。

    ・「ワクチン(vaccin)ワクチン接種していないひととは交際しないこと」

    昔から反ワクの人っていたんだなー。

    ・「マキアヴェリ(Machiavel)たとえ読んだことがなくても極悪人と見なすべし」

    もおもしろかった。

    0
    2025年01月28日
  • 死刑囚最後の日

    Posted by ブクログ

    ワタクシの第二の故郷フランスを代表する作家ヴィクトル・ユゴーの『死刑囚最後の日』です

    ある死刑囚の死刑執行に至るまでの苦しみを克明に描き、死刑制度廃止を訴えた作品

    ユゴーと言えば皆さんご存知『レ・ミゼラブル』ですが、こちらもやはりジャン・バルジャンと言う盗っ人野郎の贖罪の物語と言えなくもない
    ユゴーは罪人に甘いのー

    馬鹿たれ!そんな単純な話ではないわ!(# ゚Д゚)

    まぁジャン・バルジャンは飢えを凌ぐための犯罪なので、むしろ社会が悪い!がユゴーの主張なんだがそれはとりあえず今置いておきます

    『死刑囚…』な

    うーん

    まぁ、皆さんご存知の通りすでにフランスでは死刑制度は廃止されてるわ

    0
    2024年10月13日
  • 批評理論を学ぶ人のために

    Posted by ブクログ

    構造主義や脱構築といった言葉をはじめに理解する必要があり、入門書的な位置づけだと思って読んだのですが、想像より難しかったです。最後の方は流し読みになってしまいました。中盤、たくさんの方法論が実例を挙げて記載されていた点は勉強になりました。

    0
    2024年09月27日
  • 死刑囚最後の日

    Posted by ブクログ

    或る死刑囚の死刑台に登るまでの苦悩、戦慄を描き、死刑制度反対を唱えた作品。解説と訳者あとがきが厚く、時代背景、同時代の識者の考え方がよくわかった。日本ではまだ死刑は続いており、社会的排除や見せしめではなく、被害者の気持ちを慮っての意味合いが近いのであろうが、被害者の復讐の代行という意味であればおこがましい。キリスト教国との風土が異なるのだろうが、死刑制度にメリットは無く反対である。2022.10.8

    0
    2022年10月10日
  • ラスネール回想録

    Posted by ブクログ

    「ミステリーの人間学」にのっていたので。

    19世紀のフランス、犯罪は貧困と無知ゆえだと思われいてた時代、教育があり富裕層出身の犯罪者ラスネールは、自分の犯罪を社会への復讐だと主張し、社会現象となった。

    そのラスネールが残した回想録で、
    自分の育ちから、犯罪歴やその主張が書かれていた。
    時代と国境を越え衝撃を与えた作品らしいが、
    自分の犯した罪のただの言い訳にしか読めない。
    家庭内で盗みを始めたのは兄のせいだとか、
    手形の偽造をはたらくやいなや、裏切られたからと殺人を犯すとか。

    それにしても、まだ指紋もDNAも捜査手法になかった時代、意外と犯罪がうまくいかないのに驚いた。

    0
    2016年05月29日
  • 犯罪者の自伝を読む

    Posted by ブクログ

    数人の、しかし個性が全く違う犯罪者ならびに犯罪者回り(?)の人を採りあげて、自伝を紹介した本。
    自伝だけではなく、その人の生い立ちや思想、また当時の社会背景等も詳細に記されていて、文学の香りが高いノンフィクションといったところ。

    何より良いのは、著者の文章がめちゃくちゃうまいこと。
    軽すぎず重すぎず、正確性をそこなわないギリギリのところで、うまく興味をそそる煽り方をしている。
    こういう文章が書けるようになりたいなあ。

    0
    2013年11月17日
  • 紋切型辞典

    Posted by ブクログ

    「ぼく自身のつくりあげた言葉はひとつも見当たらず、だれでも一度これを読んだなら、そこに書いてある通りをうっかり口にするのではないかと心配になる」ような辞典、とフローベール自身が称したそうだ。フランスにある森羅万象について、俗説や偏見や紋切型表現を集めた本。
     揶揄と諷刺を目的とした辞典といえばビアスの「悪魔の辞典」だが、あちらが攻撃的な文章ににやりとさせられる、けれんみあふれる読み物とするなら、この「紋切型辞典」にはそういったけれんが皆無である。はっきり言えば、読んでもあんまり面白くない。諷刺が直接的ではないので、さらっと読んでもよく伝わってこないのだ。攻撃対象への悪意と侮蔑が、二重三重に屈折

    0
    2011年01月20日
  • 紋切型辞典

    Posted by ブクログ

    まずは、解説を読んで、本書の狙いを理解しておいた方が、より楽しく読めるかと思います。
    時代差とか文化の差があるので、リアルにとることができない部分もありますが、当時のフランスにおける一般的なもののとらえ方が判るという、資料的にも良い本だと思います。
    作者名から想像するような文学的内容や、悪魔の辞典とかの皮肉に満ちた、とか言う内容とは違っていますのでご注意を。
    本当に「紋切型」の辞典でありました。

    0
    2011年01月01日
  • 犯罪者の自伝を読む

    Posted by ブクログ

    フランスの犯罪者たちの自伝を紹介している本。最後には日本の犯罪者のものも。
    どの犯罪者も反省0だったのが…。美達大和の言うとおりすなぁ。

    0
    2010年10月28日
  • パリとセーヌ川 橋と水辺の物語

    Posted by ブクログ

    パリはのろわれている街であるとゾラは書いた。
    川よりも海がはるかに深い。しかし海の深みが海洋生物によって繰り広げられる幻想的な風景を起草させることはあるにしても、川の深みにはない。川の深みは常に暗い闇に沈んでいるだけなのだ。
    パリでは川に流れる死体も見世物だったのだ。

    0
    2009年10月07日
  • 紋切型辞典

    Posted by ブクログ

    言葉とは進化するものである。
    辞書として著されたもの、それはその時点で化石だ。
    言葉の進化についていけない人間は昔と今の対比をする。
    しかし「過去は比喩にすぎない」のである。

    0
    2009年10月04日