あらすじ
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尊属殺人事件、無差別連続殺人事件、人肉食事件…世を騒がせ、人々を震憾させる凶悪犯罪。犯行の異常性ばかりを喧伝するメディアの陰で、見えにくくされたものとは何か。自伝分析から、犯罪者を線引きし創り出してきた社会の「負のメカニズム」の輪郭を描き出す。狂信者から性倒錯者、精神障害者まで-犯罪者とは、だれなのか。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
「犯罪者の自伝」を受けてどう考えたか、
または社会がどう変化したかを丁寧に説明した本。
作者自身のそれらへの評価は研究者の姿勢を一貫している印象。個人的には嫌悪してそう。
最後にあった一文、
「犯罪者であるという事実が、彼にとっては自己の存在理由になった」
あってはならないし増やしてもいけない、どこか虚しさを感じさせる自己定義だと思った。
Posted by ブクログ
とてもおもしろい。
「死刑囚 永山則夫」を読み、そこからこの本を手に取った。
犯罪、そしてそれを取り巻く時代背景や環境に興味があったので、どの章も非常に興味深く、今後の司法や、精神鑑定もきっと形が変わって行くのだろうと思えた。
しかし、ここに挙げられるどの犯罪者も、獄中で自己を語る自由を得るわけだけど、そこまでの人生や環境から、なかなか脱却することができないのは本当に不幸であり、けどそれが誰にでもある現実だと思った。
とても勉強になる一冊です。
Posted by ブクログ
数人の、しかし個性が全く違う犯罪者ならびに犯罪者回り(?)の人を採りあげて、自伝を紹介した本。
自伝だけではなく、その人の生い立ちや思想、また当時の社会背景等も詳細に記されていて、文学の香りが高いノンフィクションといったところ。
何より良いのは、著者の文章がめちゃくちゃうまいこと。
軽すぎず重すぎず、正確性をそこなわないギリギリのところで、うまく興味をそそる煽り方をしている。
こういう文章が書けるようになりたいなあ。