山崎亮のレビュー一覧
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ネタバレ「経済成長がなければ幸せに生きることはできないのだろうか」という主題のもと、地域コミュニティづくりを行なっている山崎さんが現場で日々感じていることを藻谷さんがわかりやすく解説していく。
経済の目的は、「みんなが幸せに生きること」であって、そのための方法はお金を稼ぐことだけではない。
事業を通じて、友達が増えた。人からありがとうと言ってもらった。そういった儲けも幸せを生み出すことができる。
経済成長ありきの経済偏重主義を見直し、文化的な成熟した社会を造っていくためには、「いかにして稼ぐか」と同時に、「ゼロ成長で豊かに暮らす方法」や「少ない人口で楽しく生活する方法」をデザインしていこう!
感想
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社会的課題に向き合い、自分自身も楽しむという姿勢と、第三者であることの重要性を説く著者の考え方と「コミュニティ・デザイン」という仕事に対する姿勢は、大変共感できるものである。本当の「事例主義」を訴えるところもその通りだと思いつつ、そこまで多くの引き出しを持つことは、努力だけで賄うことは難しいだろうなとも感じた。もともとは建築の分野で活躍することを見据えて学び、行動してきたようだが、建築物の中身の重要性を認識するや「コミュニティ」に着目し、福祉や教育にもその知的好奇心と生業を広げていこうとする著者の精力的で旺盛なチャレンジ精神に敬意を表するものである。
それこそ自分に合うように組み合わせをアレ -
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高校に入ってすぐに読みたかった一冊
「はじめに」に、「コニュニティデザインという分野に興味を持った若い人にとって入門編となるような本」と書かれている通り、読みやすい内容になっている。
第2章では、コミュニティデザインの考え方の発展が体系的に、かつ、著者の体験も交えながら説明されているので、理解しやすい。
第3,4章では、進路に悩む人にはとても有意義な内容になっている。これからの働き方として、働き方と遊びが同化して生き方そのものになっている形、実際にそういうものにであえるのは難しいわけだが。
第5章では、studio-Lの実際の仕事やふるさとを元気にする人の活動が紹介されていて、事例集として活用 -
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コミュニティデザインの仕事について興味深く読みましたが、『草の根運動』という言葉がピッタリだと感じました。
市民が生き生きとする仕掛け、まちの活性化、等と聞くと、どうしても派手さや大きな変化をイメージしてしまい、でもまちを見渡してみても、『なんだかなぁ~』『変わらないなぁ~』と思うんです。けど、『彼らの仕事は「まちづくりに携わった市民」が生き生きとし、新たな人との交流を促進させて、心の財産を育てていくもの』だと考えれば、理解できます。派手さはないし、一般市民にはまちが良くなったのかどうか分からなくても、携わった人々が幸せになるのは素晴らしいことだし、『そういうのがコミュニティデザインによるまち -
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就職前の年代を意識した働き方まで含めた新著。
個人事業主のギルドのところとか参考。
具体的な例があってイメージが浮かびやすい。(1年は無報酬など)
働く時間の4区分(かせぎ+つとめ+まなび=あそび、やすみ)はバランスを変えつつもベンチマークになりそう。
「コミュニティデザイン」が最たるものだが、著者はコンセプトメイキングがうまい。
コンサルタントとの差別化でそこまでたどり着いた経緯も興味深い。
バックグラウンドのリサーチも土台になっているのが見える。加えて、そのようなスキルに秀でた人々との交流か。
自分自身は「風の人」側かと思いつつ、「土の人」の話にはそれぞれ濃密なインパクトを受ける。特に -
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コミュニティーデザイナーの山崎亮氏と日本総研の藻谷浩介氏による対談から生まれた本書。
経済成長というのは一つの指標であり、それに比例して幸せになるとは限らない。
4章のタイトルにある通り、まさに「幸せは計るものではなく、実感するもの」ということだろう。
ただ、ブータンのように国民の幸福度が高いといわれている国は、発展途上であるからこそなのかもしれない。
つまり、高度成長期を経てモノの溢れる時代を経験する前の日本人は、今のブータンの人々と同じような感覚だったのかもしれない。
ブータンと日本の違いは、モノの豊かな時代を経験し、物欲というものを実際に体感しているかどうかだ。
「物欲まみれ」というステ -
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ネタバレ最近ちょっと注目している藤村龍至とコミュニティデザインでおなじみの山崎亮の対談なので、面白そうだと思って読んでみた。
ハードものを作らなくても、地域の課題を乗り越えていく手助けを仕事にしている山崎さんが、「つくる仕事」を知らないと「つくらない仕事」はできない、「つくらない」といってもフィジカルなものは作らないというだけで、クリエイティブという意味ではたくさん創っていると語っていたのが印象深かった。
また、「住民参加」のスキルは相当上がってきているのに、行政側の公共事業への参加の仕方が20世紀型。あたかも公共事業は全部行政ができるかのようにふるまってきた。行政が全部公共的な事業を抱えるという -
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P182「儲ける」が、お金のことしか意味しなくなったところにも、経済成長至上主義が感じられる。
田舎に必要なのは駅前のスターバックスではなく、山奥のカフェだ、ということを最近の経済統計を用いつつ説得力溢れる解説で訴える。経済成長率という指標には現れないソーシャルなストックの重要性がよくわかった。よく経済成長と地域活性化はそぐわないという問いは、「『みんなが幸せに暮らすため』という目的を忘れたお金だけの成長の議論は、実はすべて極論になってしまう」。
経済指標のロジックに惑わされてはいけない。現実に生きている人たちの幸福感は全く反映されていない。「真実を理解するには一つひとつをちゃんと考えて