山崎亮のレビュー一覧
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コミュニケーションのアーキテクチュアを設計する。
「何を目的として」「誰のために」「どうやって」、それぞれについての二人の意見、主張、哲学が悉く異なっているのに、何か共通するものを感じるのは何故なのか。
同じことを繰り返したり、言い換えたり、アプローチを変えてみたり、テーマをスライドさせたり、何というか・・・小賢しい印象が強いです。
二人が歩み寄ろうとしているからこそ、そうなってしまうのでしょうか。
最もしっくりきたのは「物語性」を重視するという点において、二人が楽しみながらそれぞれの仕事をしているし、また建築家やデザイナーは、その部分をこそ語る熱意・技術を持つべきであるというところ。
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Posted by ブクログ
ネタバレ経済学のうわべ、一般論だけをなぞっただけではわからない、
数字の意味や統計のからくり、そして現実との擦り合わせ。
今後、日本の地域社会を考える上で、
地域経済、国の成長、地域の成長やストックについてどのように捉えるべきか、
今後20年の課題として何を考えるべきか、
何を指標としたどのような地域づくり、社会づくり、国づくりを目指すべきか。
一つ確かなのは、
確固とした指標やものさしも、あるわけではないということです。
地域が抱える問題はそれぞれだし、
今後の日本の未来だって誰かが正確に占えるわけではないのですから。
良い本です。 -
Posted by ブクログ
コミュニティから建築へと進んだ藤村さん、建築からコミュニティへ進んだ山崎さんの、つくることと、つくらないことについての対談集。
学生の頃、有名建築家の設計した建物を見に行き「建築を勉強してるんです」と言うと、たいていそこで働く方が建物の使い心地などを話してくれた。学生だという気安さからか、建物の悪口も多かった。いくら形がカッコ良くても、使う人たちが不便ならば、その建物は存在する意味があるのだろうか?というようなことを考えていたような記憶がある。本書を読んで、その頃のことを思い出した。
すでに建物を建てれば地域の課題が解決できる時代ではないし、公共建築の数は減る一方だ。建築家は、つくらない世の中 -
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タイトルの件はまさに誰もが疑問に思うところ。
まして建築なんかやっていたら、やれ都市間競争だ、再開発だ、とそういうものばかりに晒され、「ホントにそれ正しいの?」と思いつつ、「仕事だから仕方ないじゃん・・・。」と。まあそういう忸怩たる思いはあるわけです。
この本を読んでいて思ったのは、結局のところ地域ごとにいろいろな目標や考え方があっていいのだということ。
グローバルな競争に乗る(経済成長をめざす)のは、東京、大阪の2都市くらいでいいわけで、日本全体がそれをめざす必要は全くない。
その他大勢は、金儲けではなく、多様な儲けでみんながハッピーに暮らせるようになればいい。
多様な儲けとは、美味いもの -
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気鋭の経済学者とコミニュケーションデザイナーの「地域の豊かさ」を通して、「これからの経済と豊かさ、お金」を問う対談。
ともに現役で地域に関わる2人の対談なので、実感を伴った考察や提言が並ぶ。藻谷氏の物議を醸す辛辣さもここでは影を潜め、明るいトーンで「自給自足の豊かさ」「バブルまでため込んだ日本の物的、文化的ストックの価値」を語り、未来の希望を肯定的に語る。
明るい気分になるし、自分でも未来を考えたくなる内容だが、少し物足りないのは、やはり地方や高齢化とは切り離せない医療に関する話題が出なかった事。
次に同じ筆者の論を読む時には是非そこんとこ期待したい。 -
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特徴的な街作りをすれば、それを気に入って移住する人もでてくる。10年後はどう変わってるかな。
コミュニティデザイナーの仕事は、営業、企画、現地調査、ワークショップ運営、計画策定、各種デザイン、報告書作成など。外注するとしたら、営業マン、プランナー、リサーチャー、ワークショップファシリテーター、コピーライター、グラフィックデザイナー、カメラマンなど。大変。
しがらみが嫌で田舎をでていく人が多いのに、務めをはたす若者が田舎にくるのかな。務めを我慢してでも価値がある街作りって難しい。田舎も欲しいのは若者で、老後移住はやめてほしいらしい。今は都会の各企業が若者獲得競争をしてるから、これからはなかな -
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自分の生まれ育った街の事を、良いところ悪いところ、この先数十年どの様にしたいか、そしてそうなるにはどんな課題があって、解決するには誰が必要か。大学時代までしかその街では暮らしていないから、凡そ同世代の未熟な人間の1人として、「我が街どうすべきか」などという考え方は持ち合わせていなかった。ただ、当時は田んぼと畑と深い森、その先には河童でも出てきそうな沼地が続く様な風景だったから、今になって考えると、だいぶおどろおどろしく無茶な場所で育って来たと感じる。現代の小学生なら絶対に陽が落ちたら怖くて学校から1人では帰れない様な田舎だった。今の時代から見たら、安全性とか治安(実際に通学路は変質者が多く出た
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コミュニティデザイナー・山崎亮さんと建築家・藤村龍二さんの対談で構成される本である。
お二人とも建築業界の方なのだが読み進めるほど福祉の視点から学ぶことがたくさんあり、今回はそれを簡単にまとめる
●多様な要素を統合してビジョンを描く
ものをつくれば売れた時代は終わり、今は「作る」「造る」のではなく「創る」時代。そんな時代に前者を専門としてきた建築家(アーキテクト)は何ができるのか。山崎さんはこう述べる
テクネ―に、設備や法規や予算を代入して、それらを一つに美しく統合(アーク)していく職能が建築家だと言われてきました。アーキテクトだと言われてきました。しかし、これからはものが建たない時代に -
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NHK Eテレで放送されていた『ニッポンのジレンマ』
2013年3月に放送された回の未公開部分を含めた書籍化。
この番組を知ったときには、もう後半戦というか、残り回数が少なくなっていて。
もっと早く知りたかった番組でした。
一度だけ番組の公開収録にも行きましたが、本当に楽しくて有意義な時間で。
盛り上がる議論というのは、聞いていてとてもおもしろいです。
もっと続いてほしかったなぁ。
本書は「僕らの復興論」と「僕らの地域活性化作戦会議」の2回をまとめたもの。
当時は東日本大震災の後ということですが、この時の議論が今どこまで実現されているのか。
そんな風に見てもおもしろかったです。
難しい