【感想・ネタバレ】コミュニティデザインの時代 自分たちで「まち」をつくるのレビュー

あらすじ

孤立死や無縁社会という言葉が毎日口にされる現在の日本。今こそ人とのつながりを自らの手で築く必要が痛感されている。この時代の声に応え、全国で常時50以上のコミュニティづくりに携わる著者が初めて明かす、住民参加・思考型の手法と実際。「デザインしないデザイン」によって全員に参加してもらい結果を出すには? 話の聴き方から服装にいたるまで、独自の理論を開陳する。ビジネスの場でも役立つ、真に実践的な書。

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Posted by ブクログ

建物や施設といった箱ではなく、そこに集う地縁やテーマによるコミュニティがどう場を活用するか、をデザインするという視点でまちづくりをしていく。筆者はデザイナーとしてワークショップを進行したり、「普通の」住民を巻き込みつないでいく。予測可能性が高くないという意味では行政がやりにくい手法ではあるけれど、地域に入っていって「身近な他者」として一緒に考えていくという方法は有効であり、かつ担当者も楽しめる余地があるように思う。

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2023年07月01日

Posted by ブクログ

好きなひとが書くと、おもしろい本がよりおもしろく読めちゃうわけで、大好きな山崎亮さんのコミュニティビジネス論は、さくさく読めました。
まちスポでは、久保と佐藤亜美がダブルで付箋をペタペタしとります。
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【本文より】
・「建築することの目的は、人間関係の確立だ」(P114)

・放置しておくと、誰も助けてくれないことを理解したコミュニティ自身が、自分たちの手で人間関係を修復し始める。(P194)

・多くの事例を組み合わせて、相手の意見に相槌を打ちながら、参加者が出したアイディアを瞬時に昇華させて、その人が言葉にできなかったアイディアを提示しなおす。こういうファシリテーションを心がけようとすると、引き出す人の頭の引き出しの数が求められる。(P201)

・計画された必然性―「好奇心」「持続性」「柔軟性」「楽観性」「冒険心」(P223)

・コミュニティデザインに求められる能力
基礎的な能力「その人がいるだけで場が明るくなる」「常に新しいことにチャレンジする」「睡眠時間がなくても生きていける」
①話す②書く③描く④調べる⑤引き出す⑥創る⑦作る⑧組織化する⑨まとまる⑩数える(P227)

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2020年11月04日

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コミュニティ活性化のアイデアが参考になる。

著者が実際にコミュニティデザインを行ってきた事例には、兵庫県の家島や、三田市の有馬富士公園など、僕の住む兵庫県内の事例があり、実際に現地に行ってみたくなった。

著者は「住民参加」だけでなく、市民が主体になるためのファシリテーションを実践している名ファシリテーターである。教師が読むと、子供主体の授業づくりの参考にもなる。「雰囲気について」の章では、かなり具体的なことにもふれられていて、面白い。(服装、話す言葉遣い、おやつの活用等)

過疎化・高齢化が進む村落での先行的な取り組みは、今後どの自治体でも参考になっていくのではないか。田舎暮らしをしてみたい人が読んでも、田舎でこれをすると好かれる、ということがわかり、いいかもしれない。

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2018年12月22日

Posted by ブクログ

コミュニティデザインというと
ハコ(実際の町や特定の場所)を作るイメージが強いですが
つまりは、人と人の関係を作るわけで

その『コミュニティ』に参加するとは
人と人が繋がり合うこと
それが、どんなに一人一人を力づけることになるか
新しい何かを生み出すものになるかを
感じさせてくれる本です


<目次>
第1章 なぜいま「コミュニティ」なのか
 自由と安心のバランス/まちが寂しくなった理由 ほか
第2章 つながりのデザイン
 宣言について/まちの豊かさとは何か ほか
第3章 人が変わる、地域が変わる
 人が育つ(中村さんの場合)
 コミュニティ活動に参加する意義(小田川さんの場合) ほか
第4章 コミュニティデザインの方法
 コミュニティデザインの進め方/ファシリテーションと事例について ほか

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2018年04月27日

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人口減少社会の中、今後の地域作りを考えるためのヒントが満載の本であった。著者の経験と実践に裏打ちされた報告なので説得力がある。人口減少地域が今後の日本の地域作りの先進地になるという逆転の発想や著者いわく楽観性が成功に結びついているのだろう。一言で言えば、コミュニティデザインとはその地域の人と人のつながりをつなぎ直して地域作りをするという試みであり、コミュニティデザイナーはファシリテーターであるということ。最終章でノウハウを記載。地域を変えるというのは、その地域の人が行うことであり、その支えをいかに行うかがポイントだが、言葉で言うは簡単だが実践は知識と経験が必要である。最後は住民の人達に対する信頼から来る楽観性や根拠のない自信が結果を生み出すのだろうが、そこまで諦めない粘りも必要で、うまくいった事例を1つ1つ積み重ねていくことが次の地域実践にも生きるという。最後に著者の育ちを紹介されているが、その育ちから著者の発想や行動も理解できた。

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2017年06月16日

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コミュニティデザインの最新のノウハウが詰まっている。

まだまだ十分に体系化された概念ではないが、地域社会変革において非常に役立つ考え方であることに違いない。

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2016年11月11日

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山崎亮氏のコミュニティデザイン論。本書は個別事例より手法に重きを置いており、参考にできる点も多い。

・集落診断の考え方
・現場で培ったファシリテーション手法、インタビュー法やオーナーシップの持たせ方など
・事例収集

事例を積み重ねるというところでは勉強が大事だし、逆に積み重ねれば結果に結び付く可能性は高まっていくはず。
コミュニティデザイナーに求められる能力というのはかなり多様でレベルが高いし、特に手を使うスキルは特殊な訓練がいるはず。
(話す、書く、描く、調べる、引き出す、創る、作る、組織化する、まとめる、数える)
職種が違うのでこれとは同一でなくとも、相当するような特殊技能は身につけておくべきと感じる。

人口論については必ずしも納得はしない。
閉鎖循環系が成り立つのかという疑問。

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2014年01月05日

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ネタバレ

久しぶりの五つ星評価。
読んでで山崎さんと対話してるような感覚だった。
コミュニティやコミュニティデザインの概念から具体的な進め方まで惜しみなくさらけ出されている。
それでも「コミュニティデザインの教科書」を書くことは難しいという。それは何より「参加者の話を聴いているときの僕の頭の中は、ケータイの予測変換のような動き方をしている(p201)」という山崎さんの変幻自在の変数によるモノだろう。
新しい時代のモノを作らないデザインとそれをデザインするヒト、協働について考えさせられた。

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2013年12月01日

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感想
発散と収束。素人を巻き込むことはコントロールが難しい。ただしアイデアのレンジを広げることはできる。そこから収束させるのがプロの仕事。

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2024年01月29日

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おもしろかったので他の著書も読んでみようと思う。
耳は2つ、口は1つ 相手の話を2聞いて、自分の話を、1するくらいがちょうどいい。

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2022年05月23日

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公も共も私が基本となる概念
私→共→公
プライベート コモン パブリック

楽しいと思ってもらうようにして、いかに多くの人に関わってもらうか。
自分の役割や出来ることが増えることを一緒に喜べる人々と出来るか。
人材育成とはそういう人を育てていくことなんだろう。

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2021年02月21日

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心理学からコミュニティに入った身としては、建築の世界からコミュニティに入った人の目線が非常に面白いと感じました。また、後半はコミュニティデザインへの流れとしてワークショップのやり方が記述されており、その手の本としても優れていると感じます。

ただ、著者の山崎さんはコミュニティーデザインに文字通り身体全部を使って実践しているようで、誰でもすぐにマネできるようなものではないなあ、とも感じてしまいました。

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2020年02月01日

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コミュニティデザインとは?
「公共」と言われる共同活動が失われた今、
個人である「私」と「公」を繋げる活動をいう。
著者は元は建築デザイナー。
今は作らないデザイナーだと言っているとか(^◇^;)

各事例を通じてこれからのコミュニティの形のヒントが
見つかる一冊です✋

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2019年01月14日

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社会的課題に向き合い、自分自身も楽しむという姿勢と、第三者であることの重要性を説く著者の考え方と「コミュニティ・デザイン」という仕事に対する姿勢は、大変共感できるものである。本当の「事例主義」を訴えるところもその通りだと思いつつ、そこまで多くの引き出しを持つことは、努力だけで賄うことは難しいだろうなとも感じた。もともとは建築の分野で活躍することを見据えて学び、行動してきたようだが、建築物の中身の重要性を認識するや「コミュニティ」に着目し、福祉や教育にもその知的好奇心と生業を広げていこうとする著者の精力的で旺盛なチャレンジ精神に敬意を表するものである。
 それこそ自分に合うように組み合わせをアレンジして、今後の仕事への取組み方とスタンス(理念)を確立する一助にしたいと思う。

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2018年07月09日

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日本では、まだまだ士農工商の意識が続いているのか、本当の意味で「自分たちが町を運営」している市民がいるところは少ないように思います。
そんな新しい「市民意識」を持った人が増えていけば、コミュニティデザインもますます重要になってくると思います。

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2017年03月18日

Posted by ブクログ

コミュニティデザインの仕事について興味深く読みましたが、『草の根運動』という言葉がピッタリだと感じました。
市民が生き生きとする仕掛け、まちの活性化、等と聞くと、どうしても派手さや大きな変化をイメージしてしまい、でもまちを見渡してみても、『なんだかなぁ~』『変わらないなぁ~』と思うんです。けど、『彼らの仕事は「まちづくりに携わった市民」が生き生きとし、新たな人との交流を促進させて、心の財産を育てていくもの』だと考えれば、理解できます。派手さはないし、一般市民にはまちが良くなったのかどうか分からなくても、携わった人々が幸せになるのは素晴らしいことだし、『そういうのがコミュニティデザインによるまちづくりだ』と改めて感じました。

コミュニティデザインの仕事をする人の資質について後半で触れられていましたが、求められる能力が多く、(『話す』『書く』『描く』『調べる』『引き出す』『創る』『作る』『組織化する』『まとめる』『数える』)『こんなにたくさん能力があれば、他の仕事でも十分活躍できるのでは?』と思いました。

今までつながっていなかった人達を『まちづくり』というテーマの下につなげていく、接点を作る、0から1を生み出す、というのがコミュニティデザインならば、とても素晴らしい事だと言えます。しかし、僕のような『まちづくりには興味あるけど、実際に何も行動していない』人はたくさんいるはずで、
何の取っ掛かりもない人をどうやったら巻き込めるか、言ってみれば人材発掘になるのですが、まさか『私はまちづくりに興味があります』プラカードを下げるわけにはいかないし(笑)、でもこれってコミュニティデザインだけに留まらず、転職や結婚相手探し等、『何かを求めているけど公にはしていない個人情報』をうまく扱えるような場があればいいなと常々思っています。
僕の評価はA-にします。

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2017年01月28日

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デザイナーでまとまった文章が書ける人はまれではないだろうか。
いや書けるのかもしれないが、それは、グラフィックや建築などの「作品」を補足するものだったりする。
作者もデザイナーだが、作品を作らないデザイナーと自ら宣言。少子高齢化社会の「先進地域」の島嶼中山間地域をフィールドに、もろに組んでいる。
域の取り組みこうあるべしと思わせる一冊。

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2015年06月15日

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studioLの主催者山崎亮さんのコミュニティデザインの話。自分たちの街を作るという意識を持たせるまでの話。クリッシーフィールドでのパークマネージメントの話、泥を利用した石鹸W/Sなど、新鮮。人が変わる、地域が育つは具体的事例が盛り込まれており面白い。メモ。(1)インタビューの最終目的は相手と友達になること(2)地元で生活する人たちが発案し、それを組み立て、自分たちが出来る範囲でプロジェクトを立ち上げる。立ち上げたプロジェクトを磨き上げ、更に出来ることを増やしていく。仲間を増やしていく。こうしたプロセスこそが重要。

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2015年01月02日

Posted by ブクログ

山崎さんの前著(かな?)である「コミュニティデザイン」で紹介した事例や取組について、より理屈や理念にフォーカスして説明した本、といえば大体内容はあっていると思います。細かい説明は、本当にカットされていて、抽象的な話がメイン。なので、前作を読んで、個別の事例についてある程度知識を持っていたほうがわかりよいかもしれません。


前作ではあまり語られなかった、コミュニティデザイナーとしての仕事の大変さなども触れられており、目指す人にはなかなか厳しい道であるようですね。

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2014年03月21日

Posted by ブクログ

山崎亮さんは情熱大陸で初めてお目にかかり、それから興味を持っていました。私の進路がそちらのほうに向かうことから、この方の本をまとめて借りました。その中でもこちらは入門書で、コミュニティデザインとは何かや、山崎さんのことについて知れます。

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2013年10月23日

Posted by ブクログ

自分の生まれ育った街の事を、良いところ悪いところ、この先数十年どの様にしたいか、そしてそうなるにはどんな課題があって、解決するには誰が必要か。大学時代までしかその街では暮らしていないから、凡そ同世代の未熟な人間の1人として、「我が街どうすべきか」などという考え方は持ち合わせていなかった。ただ、当時は田んぼと畑と深い森、その先には河童でも出てきそうな沼地が続く様な風景だったから、今になって考えると、だいぶおどろおどろしく無茶な場所で育って来たと感じる。現代の小学生なら絶対に陽が落ちたら怖くて学校から1人では帰れない様な田舎だった。今の時代から見たら、安全性とか治安(実際に通学路は変質者が多く出た)と言った意味では、かなり問題はあった様に思う。
幸いその後、宅地開発が進み、今では自分の実家に帰る道さえわからなくなるほど風景は変わった。駅ができ、スーパーやドラッグストアなどが沢山できて、賃貸アパートや建売住宅だらけで若い人達が大量に流入してきたから、最近目立つのは保育所の数だ。半径500メートル以内に10件ほどある。無くて困っている地域から見たら、夢の様な街かもしれない。
その分、昔の風景は消えた。田んぼがなくなり沼が消えると、ゲンゴロウや鮒や蛙がいなくなる。それを啄む鷺や雉なんかもいない。普通に実家の庭に朝から雉が歩いていた風景があったのだが。カブトムシもクワガタも、カミキリムシも青い尻尾のトカゲも、家の壁をうねりながら登ってくるヘビも、恐らくもう居ないだろう。何より幼い頃に可愛がってくれた近所の若いお母さんお父さん達は、家も散り散りになり、夫婦いずれか片方はもう天に召されてる様な状況だ。あの頃やった自治会の夏祭り、盆踊り大会、神社のお祭り、子供会のイベント、皆んなで一生懸命引いた山車なんかは、未だあるだろうか。
時代の流れと共に、我が街は人口増という機会に恵まれた。一方で本書が取り扱う様な中山間離島地域は人口減少の波が早くに訪れ、地域によっては村自体が消失している場所も沢山ある。東京や大阪など大都市圏でもベッドタウンと呼ばれる地域ですら、捨てられる場所と発展する場所が顕著に現れ始めている。日本はとうとう人口減少時代に突入している。
筆者が言う様に、先にそうした波が訪れた場所は先進的ともとれる。人口が減る中でも、それに抗ったり若しくは受け入れながら生活を続けて来た地域だ。中には地域の魅力を自分たちの力で伸ばし、都心からのリターンを受け入れて人口減少を最小限に食い止めるなど、成功事例もあるだろう。筆者はそうした衰退の崖っぷちにある様な地域を、住まう人々と共にデザインしていく人物である。コミュニティデザインというと、学生時代に地方自治論か何かで学んだ、イギリスのコミュニティを思い出すが、広い意味では近い様に感じた。地域住民が自分たちで地域で生活していくために必要な役割を担い、住民一人一人がその地域を支えている。例えば魚屋さんは誰々、車の修理は誰々といった様に、何かが必要になったら、誰に頼めば良いと言う考え方は、私の幼い頃にもあった。改めて今そうした古き良き時代とも言うべき、人々の繋がりが深く、役割を全員が果たす・演じるとでも言うべきか、その様な時代が求められていると感じる。
因みに私は現在、都市部のマンション暮らしではあるが、隣に誰が住んでいるかは知らない。私もいい歳だから、部屋で熱中症で倒れていても、下手すれば気づかれないで孤独死することもあり得る(夫婦で暮らしているからそれは無いが)。それ程希薄な関係性しか持たない都会暮らしは、幼い頃同じ番地に住む女性は全員が自分のお母さんだった時代に生きた自分には未だ違和感がある。
そのうち人工も1億人を下回り、限界集落の多くは消えているだろう。それを少しでも抑制するには、この筆者の様な「コミュニティデザイン」の仕事の持つ意味や意義は大きくなるだろう。そして、自分の街がどうあるべきか、どうすべきかを住人一人一人が考えていかなければ、やがては一軒家で誰にも気づかれず孤独死しだ挙句、ミイラになって発見される運命が待ち構えているかもしれない。
私には故郷がある。年老いたが元気に暮らす親もいる。最近近所のおじさん、私にとっては沢山いるお父さんのうちの1人が、近所のスーパーで体調悪く倒れてしまったそうだ。ちゃんと周りにいた人たちは助けてくれたと思うが、若い人だっていつかは年老いて体力が落ちる。いつ自分が倒れても、すぐに皆が駆け寄ってくれる社会を維持したい。周りを適度に気にかける、助け合う、挨拶を交わす、そんな街であり続けるよう、いつか自分が定年して故郷に帰る日が来たなら、自分の力や経験がそれに活かせたらと思う。
本書にその何かしらのヒントがある様に感じた。

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2024年09月15日

Posted by ブクログ

コンサルティングの仕事をする中で、発注部門の人はさすがにやる気あるのだが、後から参加をお願いした人たちがどうにも主体者意識がないということがあり、不特定多数を巻き込む地域のコミュニティデザインの考え方が応用できないかと購読。さすがにちょっと違ったかなという印象で、自分の目的に照らして★3つ。

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2022年10月19日

Posted by ブクログ

コミュニティデザイナーの行動特性や素質について山崎亮さんならではの視点で分析されていた。
不確定要素をいかに楽しんでいくか、地域との関わり方を模索する人がいたら新しい発見になりそうな一冊

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2022年07月23日

Posted by ブクログ

コミュニティデザインの第一人者によるFAQ集。
コミュニティデザインって定義が難しいけど、そんなことを仕事にできたら楽しいだろうなと思う。よくある質問への回答的な本だからだろうか……つまり質問者の質問が深くないからだろうか、いまひとつ踏み込んでいない印象。何だかワークショップファシリテーションのノウハウにだいぶ紙幅が割かれている感じがするんだけど、それがコミュニティデザインってことなの?

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2020年06月27日

Posted by ブクログ

人口減少社会に突入し、日本全体が構造的にダウンサイジングを求められる時代にあって、著者が関わる様々な事例を通じて、その方法を提示する本作。ファシリテーターの事前準備や行政職員との付き合い方などは、今読んでもフムフム、なるほどと...。職人芸的な持論展開は止むを得ないが、この内容を実践するためには、相当高いレベルでのコミュニケーション力、見通す力、忍耐力が求められる。ゴールを見据えて関わる(自分の仕事が不要になる)姿勢に共感。

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2020年01月28日

Posted by ブクログ

様々なまちづくりに携わっている実体験を紹介している。先に読んだ「コミュニティを問いなおす」より圧倒的に面白かった。
日本では人口減少が急速に進んでおり、先進国のいずれもが、今後人口減少を経験することになることを踏まえ、この状況をチャンスととらえ、日本からモデルとなるような事例を発信することが重要だとする考え方に目からウロコ。

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2021年08月08日

Posted by ブクログ

人と地域とのつながりを生む事を生業とする著者は、これをコミュニティデザインと呼称して活動している。

本書の内容とは少し逸れて、かなり個人的な話になるけれど、読みながら、学生時代に深く関わっていた学生団体での活動を思い出していた。

「デザインとは何か。見た目が良いものを作る事ではなく、人の意識・無意識のところに働きかける何かしらの場や物や仕組みを仕掛ける事だと思う。」とか、
「コミュニティとは何か。完全にフラットな組織はあり得ないが、ワンマンであってもならない。」
「楽しめなければ意味が無いけれどビジネスとして成り立たなければならない。」
「イベントやワークショップなどの場に集まりたがらない人を取り込むにはどうしたらいいか。」
「自分達がしている事・やろうとしている事は確かな共通意識として在るのに、自分達の活動や意義を外向けに説明し辛い現状をどう打開するか。」
そういったような事を、
ファシリテーターが誰かを明確にした上で、ブレーンストーミング、KJ法、シナリオキャスティング、マインドマッピングなどを用いて、かなり深く濃い議論を重ね、チームごとやプロジェクトごとに動き、
かと言ってサークル活動のような馴れ合いにはしたくないという確固たる意志があった。
あの頃に自分達が描いてそこに向けて考え動き、けれど成し得なかった、外向きに説明する事も困難な活動やヴィジョンだった「何か」の完成形の一つが、この著者の在り方とstudio-Lという会社が行っている事なのではないか、と強く感じた。

その事について、少し悔しくも寂しくもあり、嬉しくも有難くもある、不思議な感想を抱けた。
今後このコミュニティデザインがさらに大きな広がりを見せる事を期待すると同時に、著者も述べているように、コミュニティをデザインする職業などが求められない社会が、本当は望ましい。

近隣の住民が皆顔見知りで、どこかの世帯に何か変化があればすくに周囲に知れ渡るような、個人の自由が制限される窮屈なほどに、繋がりが濃い関係は暮らし辛い。田舎である地元において昔から今もずっとそう思う。
ただ、近隣住民について何も知らず、災害など何かあった時に協力や連携がし辛いほどに、繋がりが皆無の社会もまた、孤独死や引きこもりを増加させている一因に他ならない。
お互いに丁度良い距離感は難しい。価値観もライフスタイルも皆違うのだから。そして時代や世代によって変化し続けるのだから。
それでも丁度良い距離感・暮らしやすい地域を、国が、個人が、模索し続けていける社会になれば、それがきっと、一番良い。

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2017年02月12日

Posted by ブクログ

とても読みやすく、コミュニティデザインの仕事が何たるかを書いてある本。
コミュニティデザインについてWhat、Why、Howについて書かれているため、イメージがしやすい。
Studio-Lについても触れられている。

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■地方の繋がりの衰退
つながりとしがらみのあるコミュニティから、仕事の専門化と分担により、つながりが希薄化した。
しかし行政の弱体化などにより、昔の様につながりが必要となって来た。

■街が寂しくなった理由
・地縁型コミュニティ:自治会や町内会などの地域密着型。
こちらのコミュニティの衰退により、屋外(公共スペース)の活動が少なくなり、街の活気がなくなった。
・テーマ型コミュニティ:福祉・環境・趣味など、テーマ別に集まる人々。
デザイナーは公共スペースのデザインが古くなり、且つかつてのコミュニティスペースのユーザーだった地縁型コミュニティが衰退したことにより、活気がなくなったとしている。あらたな公共スペースのユーザーとなりえるのがテーマ型コミュニティ。
テーマ型コミュニティは定住している必要はないため、「活動人口」と言える。
ただ、よそ者が入ってくる事になるため、公共スペースのマネジメントが併せて求められる。
屋外の活動が減ったのは、室内で出来る活動が増えたことも要因としてある。

■住民参加型のデザイン
住民参加型の地域デザインは、色や雰囲気のデザインを決めることではない。
そうした専門的な部分は建築家・デザイナーに任せておく。(収拾がつかなくなるので)
住民にはその空間をどう使うか、というコンセプトデザインに参加してもらうこと。

■住民参加の良い事例
ブライアンオニール。クリッシーフィールズの行政職員。
国立公園の来園者にワークショップを通じて金銭をもらいながら、自然回復をさせる取組。
植物を植えたら成長が気になりリピーターとなる。

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2016年02月14日

Posted by ブクログ

コミュニティデザインについての体系的な解説書というよりは、エッセイ集のような感じの本。結局、コミュニティデザインがどういうものなのかはっきりとはわからなかったが、だいたいのイメージはつかめた。コミュニティデザインを進めるうえでは、それを担うデザイナーの人的要素が非常に大きいということがわかった。「第4章 コミュニティデザインの方法」を中心に、地域政策を考えるうえでのヒントも多かった。

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2014年04月27日

Posted by ブクログ

2012.11.18 コミュニティーデザインの背景とリアルを少し理解することができた。大変な仕事だなーという実感。著者である山崎さんのようなキャラクターで、とびぬけたコミュニケーションスキルのある人しかできないのではないか・・・ある意味うらやましく思ってしまった。人の心をつかむのって本当に難しいと思う。

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2016年10月06日

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