榎宮祐のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ映画化を記念して発売されたスピンオフ作品であり、表題『プラクティカル・ウォー・ゲーム』をはじめ、四編を収録した短編集。
『プラクティカル・ウォー・ゲーム』
地精種の天才と相まみえ、引き分けた後に忽然と姿を消した森精種(エルフ)の至高の天才と、それと重なるよう現れた森精種(エルフ)の若き八重術者に焦点を当てた、人類種(イマニティ)の幽霊たちとは別の思考で、ゲームを終わらせようとしていた者たちの物語。
貪欲に勝利を求め始めから計算しつくされた天才たちの才能同士のぶつかり合いと、その天才の森精種(エルフ)を全力を支えた森精種(エルフ)の秀才との恋愛事情が熱い!
『スリーフォールド・レピュテーション』
ステフが壊れ向こう側の世界に行ってしまった結果、謎の才能が開花する話。
空と白がいじりすぎて反省することになろうとは……
しかし空と白にかわって毎日政治などの激務を2人にいつも振り回されながらこなしているステフは、人類種の貴族達と半月間一度も負けのなかったのときもそうだったけど、やはり秘めたるものを持っているんだなぁ。
というか純粋に、賢さだけで言えば空を凌駕するって空自信言ってたし。
歪まず暴走せずに真理に行き着いたステフはどれほど強いのか…… これからのステフの成長に期待大ですな。
『ワンペア・オア・ハートストレートフラッシュ』
フィールとクラミーの過去から現在に至るまでの話。
クラミーは辛い奴隷生活を送っていたんだなぁ……
しかし、物事は単純明快。『天下の難事は必ず易きよりなり。千丈の堤も螻蟻の穴を以て潰ゆ』。
囚人のジレンマじゃないけど、たった四枚の金貨で立場が逆転するとは。
そしてクラミ―の策略を利用し、さらに邪魔者を追い出すとは流石シンク・ニルヴァレンの子孫、フィールですな。
『ハイカード・オール・レイズ』
今までジブリールが一人で龍精種を倒したというの話は上がっていたけれど、その龍精種との闘いに重きを置いた話。
ジブリール、お調子乗りでいつもケンカ腰だけど、その飽くなき挑戦心と探究心はほんと凄いんだよなぁ。
何事にも動じず怯えないその姿は感服する。
単体では勝てないが団体だと勝てる謎、確かにその通りだ。
ジブリールって、天翼種の中では空白に近いポジションだったのかもしれない。
ひたむきに知恵を巡らせて努力する姿勢はカッコいい!
そして『戦神』アルトシュが辿り着けなかった真理にも実はあっさり辿り着いていたし、物凄い。
ジブ△! -
Posted by ブクログ
吸血種、海棲種が登場し、次なる目的に向け『 』(空白)が動き出すシリーズ第4弾。
今回は溜め回という感じかなあ。新キャラ、種族の設定や状況の説明が中心という印象です。
新キャラたちのキャラがいずれもなかなか濃いなあ。吸血種のプラムはボクっ娘。海棲種のアミラは思いっきモデルのローラさんみたいな喋り方(笑)。登場人物たちのかけあいは相変わらず楽しいです。
シリーズ読んでいて思いましたが、コミカルとシリアスの温度差がすごいのも、またこの作品の特徴だな、と思いました。ビーチだとか、恋愛ゲームだとかでワイワイ、ガヤガヤくだらないことをしていたと思ったら、後半は怒涛の伏線回収。フットボールアワーの後藤さんの言葉を借りるなら「温度差ありすぎて風邪ひくわ!」です(笑)
軽い感じを出しつつも、でも一方でやっていることは仁義なき国取り合戦。騙し合いや化かし合いはもちろん、時には他者を切り捨てなければなりません。そうしたことを思い出さされます。
しかし、そうした常人の発想をさらに斜め上に行く空と白。二人の言葉は本当に読んでいて清々しいです。
そして、このシリーズは本当に無駄な登場人物がいないなあ、と感心させられます。単に伏線の回収とか、そういう問題じゃなく、著者の榎宮さんが、全キャラの性格や特徴を把握し、それぞれに愛を注ぎ、『 』と同じような気持ちで登場人物たちを見ているのだなあ、と思います。
次巻の引きもばっちり! シリーズはまだまだ既刊があるので、のんびり読んでいこうと思います。