雪広うたこのレビュー一覧
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ネタバレ 購入済み
言葉の輝き
この作品の最大の魅力は、二人の対照的な「言葉」にあると感じた。
感情をそのままストレートにぶつける正義の「真っ直ぐな言葉」と、美しい比喩を幾重にも重ね、多くの語彙で真実を包み込むリチャードの「饒舌な言葉」。
特に痺れたのは、ロイヤルミルクティーを巡るリチャードの台詞。「これが本物のロイヤルミルクティーです。後は本物ではない」――。
自分の認めたものへの強いこだわり、そして、それ以外は鮮やかに切り捨てる、そのイギリス人らしい誇りと美学!作者の卓越した言語センスを感じる。
コミック版の美しい作画によって、その言葉を発するリチャードの表情がさらに説得力を増しており、読んでいるこちらも背筋が伸びるような思いだ。
丁寧に入れたお茶を飲みながら、自分にとっての「本物」とは何かを考えたくなる。そんな贅沢な一冊だ。 -
Posted by ブクログ
『〜宝石箱』の内容も入った盛りだくさんの短編集。
お腹いっぱい、というくらいに楽しめました。
しかし、個人的に残念だったのが書き下ろしの『ソレア』。これは中田正義の親友の下村晴良の話なのですが、読んでいてずーっと不安でした。そしてこうなるのか…そうだよね…そうなんだろうね…。と、ちょっと辛かったので、できれば一番最後じゃなくて、最後から2番目くらいに置いて欲しかったなぁと思いました。その場合、最後にどの話を置いて欲しいかと言うと、『貴方に祝福をーいつかのバースデーー』がいいかな。皆のハッピーバースデーソングで終われたら、きっと気分はもう少し良い余韻で終われたかもしれないです。
でも、どの話も楽しく読めました。完結おめでとうございます! -
Posted by ブクログ
ネタバレ終わってしまった。
追いかけ読みをしていて、途中で追いつき、毎巻発売日を楽しみに読んできた。
様々な謎を解決するだけじゃなくて、それぞれの人生が絡み合って、仲間もいて。
全ての人達が、それぞれにあった幸せに向かっていて(真凛は失恋したけれど、ちゃんと告白できてよかったし)よかった。
途中、正義にあんな事が起こるとは予想していなかったので、びっくりしたし、その時のリチャードの姿にもびっくりした。涙なしでは読めなかった。
みのるくんがいて、よかった。
正義とリチャード、お互い大切に想いあっているとは思っていたけれど、10年経って本当に結ばれて感動した。
最後に実験と言いつつ、キスをしたのもふたりらしくて。
これからも、ふたりの生活が続いていくんだな、という終わり方でよかった。
またいつか、ある日のふたり、、みたいな感じで
会いたいな。
それとは別に、ジェフリーとヨアキムの小話も読みたい。 -
Posted by ブクログ
オーディブルを聴きすぎたのでしばらく休会して、最近になってまた再開した。
こちらは、久々だからなのか何なのか、朗読が…!閻子丹さんによる朗読がとても素晴らしい!
特にリチャードの声が私のツボにはまっています。
主人公は中田正義くん、名前のとおり真っ直ぐでいながら、ちょっと迂闊でお人好しな大学生。
縁があって、美貌の英国人の宝石商、リチャードの元でアルバイトを始める。
店のお客さんやご縁で持ち込まれる宝石の謎を解いていく宝石ミステリー。
このタンザナイトまでで、第一部。その後第二部、第三部と続き、もうすぐ最終巻のようです。
第一部は短編連作ですね。この巻が第一部の最終話になるのだが…
この、「おや、ついにご結婚ですか?」と問いたくなるような表紙のお二人。なんと言い表せばよいの?
リチャードのわかりにくかった愛情表現(?)が、だんだん、すごくわかりやすく甘くなってませんか。いや、確実に甘くなっている。この巻は特に甘い。正義くんも、なんでいつまでも気づかない。
ちょうど、これを聴き終えた時に職場に着き、いつもなら一番乗りの時間だったので、「ほぇぇぇめっちゃ最高やったー」と感想を漏らしたのを、たまたま早出していた後輩に聞かれたので、キョドって死にそうになりました。スルーされたので聞こえなかったことにしたいのだが、どう考えても変人ぽい感じの呟きだったので、思い返すと穴掘って埋まりたい気分です。
いや、そうはいっても、この話はほんまに最高だったんで、もう一度聴いたら私はきっと同じことを言うのでしょう。
読み終わったあとの感想を口に出す時は、皆様も周囲に人がいないことを確認してからにすると良いでしょう。あと、外でオーディブルを聴く場合は、ニヤニヤ笑いを隠すためのマスク必須なのでお忘れなく。 -
ネタバレ 購入済み
切なくて温かいお話
大学で知り合って、バイト先が同じ同級生同士。受けはゲイで、攻めには彼女がいた。そういうのが地雷な人はキツイかも。
前半部分は一途な受けと、彼女とラブラブな攻めの話で結構きつかった。はずみで告白してしまった受けに動揺する攻め。いろんな場面でギクシャクしていく。
後半は受けの事が実は好きになってしまったと自覚する攻めと、思い出を作って逃げようとする受けのすれ違いが切なかった。
藍染めの話がとても興味深く面白かった。