雪広うたこのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ伝説のバクスチャー先生と山田さん回。めちゃめちゃ笑いましたが、ギャク回ではなく、リチャードの過去をにおわせる何かがあってそわそわもしました。
オークションの話でタキシードを褒めるくだりも好きです。あんなの私あの場にいたら付き合ってるのかな? と誤解してしまう。正義くんのリチャードの容貌に対する「夜明けの空や夕焼けの海を見て飽きたと感じることがあるか」という評価が天才すぎて何も言えない。きれいなものは何度見てもきれいだよね。
そしてやっとリチャードの事情をすこし知ることができた貴重な回…。「こんな些細な情報でも俺にとっては新情報なのだ」と正義くんがかみしめるシーンがなんだか胸に残っている。キスを -
ネタバレ 購入済み
1番好きなBL小説!
大好きすぎて何度読み返したか分かりません!
友達から急に告白された攻めの入江視点で物語は進んでいきます。
告白を断った後も受けの遥は一見淡々と過ごしている感じなんだけど、揺れ動く心が入江を通して見えてとても切ない。想いが叶うとは思ってもいない遥が離れて行こうとした時、2人に急展開が訪れます。
田舎へ帰る前日にアパートへやってきた入江にディッシャーのことを指摘され抱きしめられたとき、それまでの押し殺し続けてきた想いが溢れるシーンは何度読んでも泣けます。
2人の後日談でしっかり入江も遥に惚れ込んでいるのが伝わってきて、最後はとても幸せな気持ちになれます。続編があったら絶対買う作品! -
Posted by ブクログ
ネタバレ正義の就活決着編。大学四年生時代をすっ飛ばしてるけど。
正義が今まで心の奥底に持っていた傷が実父の出現によって吹き出す。実父がゲス過ぎて口が塞がらない。
母親へのDVを目にして育った正義の中には、くすぶる父親への恐怖と、母親を守らなくてはという使命感、そして自分にも実父と同じように相手に暴力をふるう血が流れていて、いつか最低野郎に成り下がってしまうだろう、という強い自己不信感がある。
正義がヘドロと称したこれらの気持ちをリチャードに吐き出せて良かった。
自分をよく見せたい、格好いいところを見せたい、役に立ちたい。でも自分の醜い本性がバレるから、好きになってもらうのは怖い。相手の好意を受け取 -
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ネタバレBLだ怪しげな雰囲気だと誤解を招く数々の言動はここへの布石だったのか!?
と4巻かけて行われたリチャード父方お家騒動事件。
リチャードの人生を狂わせた遺産相続条件を残した、酷い人種差別主義者のひいお祖父さんだとばかり思っていたよ。
正義の決死の行動で、遺産の謎も、リチャードの呪いの相続の件も解決した。
リチャードは人を呪わば穴二つと結論付けたけど、ひいお祖父さんの人種差別主義者への報復が、まさか愛する息子の子孫に向かうとはなんたる皮肉か。
解決したとしても、しこりは残る。
金のために愛しい人と引き裂かれ、復縁することもできなくなったリチャードも、
それを行ったことでこれからも罪の意識に苛 -
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好きすぎて、もう何回読み返したか分からない1冊!
すごくドラマチックな展開とかはなく、大学生活の最後の一年に、ずっと思いを寄せてた超ノンケ、彼女アリの親友と、思いが通じるまでのお話です。
本編はノンケのアキ(攻)視点で、BLなのにそこがもう珍しいです。
なのに、ハル(受)の超切なくて健気な気持ちが痛いほど伝わってきます。
もう、ぼろぼろ泣いてしまってヤバイです。
彼女がハルにヤキモチ焼いてハルが追いかけさせるとこ、クリスマスの廃墟の展望台、二人が初めて結ばれるとき、ハルが実家に戻って段ボールだらけの部屋で初めて感情を爆発させて泣くところ、アキがハルを追いかけていくところ、、、
ほぼすべてのシー -
Posted by ブクログ
評価は今までの4冊分をトータルして、文句なしの✩5つ。
最初はうたこ先生の表紙に釣られて買っただけだったけど、ほんとに読んでよかった~~(;;)!てなりました!
時間があるなら1~4巻まとめて読むのが良いと思います。1.2巻は短編構成強めだったのに、3巻後半からは、もしかして、これって繋がってる?といった感じに。
どこかであった、リチャード氏が部屋に篭ってクッションを叩いてた?シーンを思い出す。
リチャード氏と正義くんがかわいくて、思わず床を叩きたくなる(笑)
いかにもこれでハッピーエンドでおしまい!といった感じですが、どうやら辻村先生のTwitterによると、4巻が最終巻ということではない -
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ゲイを自覚する親友、遥に告白され、咀嚼しきれない思いに戸惑う暁行の視点で終始進むお話。
あれ、一穂作品としては珍しくゲイである自分に苦悩する男の子とノンケの話だー、と思いつつ、苦悩や戸惑い、抑えきれない行き場のない感情の行き交う様がはらはらと美しくて切なくて引き込まれました。
人物描写と感情の流れのひとつひとつ、恋愛にとどまらない人間の描き方の深さがとてもすきです。
自由気ままに過ごしているように見える店長の抱えた影の重さがとても深い……。
店長や暁行の恋人真樹を交えての感情の行き来の移ろい、藍染の家業を営む遥の家族への想いなど、二人の恋の枠に収まらない人間同士の愛情の切り取り方や、毎回唸ら -
Posted by ブクログ
美しい金髪碧眼の宝石商リチャードとちょっぴりわんこなアルバイト大学生・正義の日常ミステリもの。
なんだろう、日常ミステリなのだけれど、他の作品とは違う。世の中は理不尽もあれば正しくないこともどうしようもないこともあって、それでも美しさは個々人の心の中にあり、宝石はいつでも人の隣に寄り添っている。そう、人に寄り添う宝石を描いた物語だ。
石には必ず願いが込められている。産出の過多や広告戦略に金額が左右されたり、資産になったりするけれど、石はただ石で、美しくあるために、人の心に寄り添うために磨かれる。
世の中なんでもできるわけじゃなくて、どうにもならない、どうにもならないでは諦めたくない、でもどう -