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Posted by ブクログ 2019年10月21日
これが私の強めの幻覚なのかそうでないのかはっきりしないんだけど、というのは原作読む限り「もしかしてそうなんじゃ?」と思えてならないんだけどそもそも私がそういう目で見ているからそんなふうに考えてしまうんじゃないかというのが前提としてありまして、いやそのつまり、
リチャードって正義くんのこと好きなんじ...続きを読むゃないか?
と思うのです。
いやちょっとまって!! 好きなのはわかってる。リチャードにとっての「友人」は、夫婦間パートナー間に生じる気持ちとほぼほぼイコールであることも、だから正義くんのことを「友人」と呼ぶのはそういう、特別な意味での好きであると告白しているも同然(本人に自覚があるかはさておき)だと思うので、だからリチャードが正義くんのことを好きなのはすでにわかってる。
その、正義くんがリチャードに告白して、リチャードがそれを自分のためを思って言ってくれたことだと理解して断った場面、あれがあの、あれなのよ。
正義くんの告白を断る理由、突き詰めれば「あなたは私のことを 恋人にしたい という意味で好きなわけではないでしょう」だと思ったんですよ。
もちろんリチャードも、正義くんが自分を好きなことをわかってる。だから彼が告白してきても「そう来ると思いました」みたいなリアクション。大事に思われていることは分かってる。
リチャードは一番最初の「友人」であるデボラさんと結婚しようとして、それは彼女の傍に一生いたかったから。で、今は正義くんに対しても同じことを思っているはず。デボラさんとの再婚が現実的ではなくなったのは正義くんの存在が非常に大きいと思う。
でもリチャードは正義くんに付き合ってくれとは言わないし、結婚も申し込まないし、正義くんから告白されてもどさくさで受け取ったりはしない。
それはリチャードなりの「中田正義を大事にする」ということなんだと思う。いやもうリチャ氏はいっつもそう。
正義くんが恋愛感情をもって告白してきたら受けたと思う。でもそうじゃないことは聡いリチャードなので分かってる。自分が一番正義くんの幸せを願っていることも、そのために誰よりも尽くせることもわかってる。だけどその提案が恋愛感情に基づいていないなら、交際という手段はとらない。もし付き合ったあと、正義くんに好きな人ができてしまったら? というのもそうだし、デボラさんの例もある。付き合わなくても傍にいられるのなら、わざわざ交際という形をとらなくてもいい。
だからたぶん、リチャード自身のことも大事にしている結果なんだと思う。リチャード、自分の再婚の可能性について正義くんが取り乱さなかったら自分が取り乱してたってあれ、ほんと、ウウーッ!!!! ジェフがデボラさんのことを確認したときにちょっと怒ったふうだったのもほんと、ウウーッ!!!!
正義くんが「リチャードを大事にしたいけど、どうやったら一番大切にできるのか考えてる。考えるのに飽きなかったらどうすればいい?」ってのに「考えるのに飽きなかったら2人で考えましょう」と返したやつ、あれが、あれがな、私にはな、年上が年下の可能性の芽を潰さないように見守るあれにしか見えなくってな、つまりその、リチャードには正義くんと寄り添う準備はもうできているんじゃないかな、あとは全部正義くん次第なんじゃないかなと思えてならなかったのだよ。だって8歳差なんだものな。
ちょっともう胸がいっぱいだ。正義くん、正義くんだってリチャードのこと好きだと思う。いや好きなのはわかってんだけど!
彼を邪魔しているのは「俺とリチャードが付き合うことで得するのは俺ばっかりだ」という気持ちだと思う。人工呼吸をし合うような間柄が理想だけど、自分ばっかり寄りかかってるような気持ちでいるんだと思う。
だからリチャードと自分が付き合うことでリチャード側のメリットが発生するかもと思いついた途端「じゃあ告白するか」の流れになったんじゃないかと思う。でも正義くん、正義くんが思っている以上にリチャードには君が必要だし、でっかい存在だし、もう、ウッウッウッ……
最初は2人がお互いを大事にしようとして空回りしていた感があったけれど、最近は大事だからこそ手探りでちょうどいい形を見つけようとしているようで、ほんと、いい着地点が見つかるといい。正直とてもものすごく付き合ってくれと何万回思ったか分からないけれど、2人がお互いを思いのまま大事にできる、そんな着地点が見つかるといいと思う。
次巻が待たれる…! ファンブックもアニメも楽しみ。
Posted by ブクログ 2019年09月05日
リチャさまお久しぶりです
読むたびに美しさの瞬間最大風速が更新されてまう…
宝石商読むと世界に対する解像度の高さを求められる感がある、美しいものを「美しい」と感じるためには自分の門戸が広くないといけないなあ…などと
腐女子向けじゃん、という意見もあるかもだけど、大切な人に対して大切なんだー!好...続きを読むきだー!心配してたよー!ってぶつかっていくのに腐もクソもあるかボケってなる
同性だろうが異性だろうが、人生においてめちゃめちゃ大事にしたい他人がいるって凄いことじゃんね???!?!
誰かを大切にするって難しい…
Posted by ブクログ 2020年01月13日
今回の話はタイトルにある「邂逅」が示唆するように、正義を取り巻く人々との対面、或いは再会。中でもシャウルさんが語る自身の遍歴に裏打ちされた確固たる価値観が素敵だなと思いました。彼のような人間が多ければ世の中はもっとスマートになるだろうなと感じます。谷本さんの登場も久し振り。終盤はもう、色々な意味で言...続きを読む葉になりません。そしてオクタヴィアはどう出るのか、続きが待たれます。
Posted by ブクログ 2019年08月28日
ヴィンセントさんとマリアンさんとシャウルさんとジェフリーさんとオクタヴィアと。中田さんと大学の同輩先輩と谷本さんと。そしてリチャードさんと。
たくさんの人の思い、絡み合う思惑。完全な『敵』も『味方』もなく、それぞれが思い悩みながら日々を過ごしている。
シャウルさんの言葉が沁みる。「少しずつ、少しずつ...続きを読む、積み上げてゆきなさい。……投げ出してはいけません。」ではじまる台詞とか、すごい、いいなぁ。
今回、中田くんとリチャードさんの実際に会って話してるシーンは少ないんだけど、その分濃い!リチャードさんは、本当に中田くんに救われてるんだなぁと思うし、その逆も然り。物事がきれいに解決されることって現実少ないけど、それぞれの人たちの心に抱えていることが、少しでも溶けたらいいなぁ。次が楽しみ‼️
Posted by ブクログ 2022年09月23日
今回はシャウルさんの宗教のお話が印象的でした。
あなたの知らない美は、未だこの世界のいたるところに溢れ、あなたに見出されるのを待っている。
スリランカ、日本、アメリカ、香港と飛び回り、真相に辿り着くために行動する正義。
リチャードともスリランカで再会。
そしてオクタヴィアが引きこもりをやめてス...続きを読むリランカに向かっている。果たして和解はできるのでしょうか。
Posted by ブクログ 2022年07月04日
ここまで人の想いを描き切る辻村先生の筆力には感嘆するものがある。新刊が中々出なくてヤキモキしていたが、本を読んで時間がかかったんだなと納得。それでも、ヴィンセントがリチャードから離れた理由が回りくど過ぎて、まだピンと来ない。
それから正義は、もうはっきりして欲しい。交際して欲しいと言って、相手がその...続きを読む気になればビクビクしていたり。恋人になりたいなら、なればいいのに。
いずれにせよ、最後には急展開ありで、次回が楽しみ。
Posted by ブクログ 2021年05月24日
谷本さんがステキ。いちばん好きなキャラクター。宗教についての考え方も興味深く読んだ。世界にはいろんな愛があって、自由な愛があって、わたしはわたしでいいんだな、って思った。わからないことも、わかったと思うことも蔑ろにしないで、というシャウルさんの言葉がよかった。
ヴィンスの過去が少し明らかになります。オクタヴィアとの関係は完全に明らかになったわけではありませんが、配偶者の手術のための金銭的援助の対価という面と、リチャードの危機に備えているのではないかと思います。
正義と谷本さんとの関係にさらっと決着がつきます。自分がマイノリティだという自覚があるからこそ、人...続きを読むの気持ちを推し量った発言ができる谷本さんが格好良いです。
この巻を通してリチャードと正義の関係が大きく変わることはありませんが、互いに特別に大切に思っているのでどんな名前の関係でも構わないです。とは言っても交際の申し込みのような決定的な発言にはすごくドキドキしました。
正義くん、世界を飛び回る…!って感じでしたね…!あんなにも自然にマルチリンガルになってる彼を見て、私も何か語学を身につけなければ…!という衝動に駆られました(駆られただけでしたが笑)
気になっていたヴィンスさんやシャウルさんの過去や考えにも、今までになくじっくり触れられて読み応えがありました。香港...続きを読むのお粥食べてみたい!
そして最後のスリランカでようやくリチャードさんと会えて嬉しかった…!!正義くんのリチャードさんへの愛情が、今までよりも理想的(私にとって笑)な方向に変化してくれたシーンに、もう、目が釘付けで…!え、嘘、やっと自覚したのか…!?…と思いきや、最後の最後でなーんか違う…でしたが…
でもでも!リチャードさんのブリティッシュジョークな返答にもめちゃくちゃテンション上がりました!!!色っぽすぎるやろ…!!!ジョークじゃなければ良かったのに…!(ギリィ)←笑
それにしても、スリランカのお家で2人と1匹で暮らす彼らの、なんと理想的なことか…!!2人で食事して、お洒落なガラス器でジュース飲んで(ストロー2本ですよ!?カップルでしかないやん!!!←)、2人で後片付けして、ジローと遊んで、寝室の掃除して(予めですが、正義くんがリチャードさんの寝室も、ですよ!!←テンション高)、寝る前にリチャードさんが淹れてくれたお茶飲みながら語らう……とか……!!!!
もう新婚さんやーーーん!!!早よくっつけい!!!お願いだから!!!
うるさくしてすみませんでした笑
そんなこんなでいつも妄想が捗ります!
宝石商、いつもいつも最高ですー!!!
Posted by ブクログ 2020年05月16日
リチャードとヴィンスの間に昔何があったのか分かる1冊。
きっと正義と一緒でヴィンスもリチャードの事が大好きだったのに遺言騒動のせいでヴィンスとの関係にヒビが入ってしまったのは本当に残念。
正義の保護?を依頼されて来たシャウル師匠とのお茶のシーンは、とてもとても心に響く。美しい物を美しいと思う教…なん...続きを読むて素敵な心構え。
自分もそういう気持ちは大事にしたい。
リチャードの登場は少ないなぁと思っていたら最後の最後でぶち込まれる爆弾展開。
もうリチャードと正義の相思相愛っぷりがスゴすぎる…
早く次の巻が読みたい!
Posted by ブクログ 2019年10月07日
シリーズの中で1番好きになったかも。
リチャードの登場は多くはないけれど、その存在をどのページにも感じてしまう書。
シャウルさんのような人と学生時代に出会えていたら、もっと違った人生になったかもなぁ、と思ってやまない。
Posted by ブクログ 2023年06月25日
今回の物語の舞台は、香港!
といっても、第二部が開始した頃から、各国各地域を回っているので、香港に止まらないのだが。
世界を飛び回る、それは甘い憧れだが言葉の壁、文化の壁という中で決して見た目よりも甘くはないことも知る。
だが、正義がぶつかったのは、日本だ。
彼の母国。彼が育った国。故郷。
日本人な...続きを読むら気づいているだろう、自分が生まれ育った国が、和を持って尊しと言いながらその和から外れるものには容赦しない国であることを。
それでも、そこに自分の根がある。
どこの国も内実は変わらない。
そこまで行かなくても、日々の暮らしの中で、私たちはぶつかる。
その時に、こんな言葉と出会えたら。
「あなたの胸に輝く宝石の存在は、あなたが知っていればいいと。」(41頁)
それから、リチャードと正義の間にも友情、愛情、尊敬、思慕、そんな複雑な感情を互いに相手に伝えるようになる。また、正義の淡い恋心の相手、谷本さんに対する思いの清算も。
男女のエロスだけが愛ではない。
けれども、アガペーと言われるとそれもまた違うような。
触れたいと願うのは、体だけではなくて、あなたの心なんだ、そんなこともあるが、それは変なことじゃないでしょう?
愛はグラデーション。
美しい宝石の物語は、心という見えない宝物に姿を変え、語り続ける。
次巻、物語は佳境へ!!
Posted by ブクログ 2022年12月18日
宗教感や、リチャード周りの過去が明らかにされ、リチャードの過去の清算が少しずつされてきている途中。
正義は、どんどん身軽に世界を飛び回ってるな。
正義とリチャードの恋愛?友情?どいなりたいのか。
Posted by ブクログ 2022年06月24日
前回よりも正義の移動が多い!タフだな
マリアンさんのおかげでヴィンスさんのことが少しわかったような…やはりとても優しい人なのだろう
日本での友人達の妬みはしんどいけれど、気持ちをわかってくれる人がいる有り難さよ
しかし!正義とリチャードは本当に付き合わなくていいの?と思ってしまうくらい精神的な繋がり...続きを読む強くないか…(誤解されても仕方ない)
Posted by ブクログ 2022年05月12日
シリーズ9
中田正義、スリランカ→アメリカ→日本→香港→日本
→スリランカの怒涛の旅
ヴィンスさんや、その妻、モニカにシャウルさんに、
谷本さんにと、たくさんの人に会って
それぞれのお話を聞けて楽し、嬉し
そして最後に、弱ったリチャードともぐもぐ美味しいもの食べて、ハグして…
満たされる一...続きを読む巻
Posted by ブクログ 2021年03月16日
正義が何か国か廻っている間にお話が終わってしまった印象。最後にリチャードに会えたのはよかったけど、自分まで国をめぐっているような感覚になった。
ヴィンスさんにとっての宝石とは。悲しい記憶なのだろうか。
Posted by ブクログ 2021年01月05日
この小説の好きなところは、誰かを大切に想う気持ちにはいろんな形があることを実感できること。陳腐な恋愛関係に行きつかないこと。正義しかりリチャードしかり、谷本さんしかり。みんな本当にかっこいい。この世のどれだけの人が、こんな風に相手のことを想うことができるんだろう。
そして薄々勘づいてはいたけど、シ...続きを読むャウル師匠まじでイケメン。正義への言葉、沁みました。
Posted by ブクログ 2020年11月02日
今回はリチャードが転々と世界を飛び回り色々な人に話を聞く回だったなぁ…。
ヴィンスさんの過去が明らかになりましたね。
タイトル回収もゾワっとしました。
Posted by ブクログ 2020年04月23日
今回も忙しい正義!ニューヨーク経由で日本、香港、スリランカ(^^;)そしてヴィンスさんとシャウルさんの過去が明らかに!久しぶりの谷本さん登場が嬉しかった(^^)♪こんなに大変な日々を送る正義の身体と心が心配になってくるけれど、リチャードを始め彼を支えてくれる人達や料理があるから大丈夫かな?(*^.^...続きを読む*)さてさて次は遂にオクタヴィア嬢登場!?(゜゜;)
途中で終わったので次巻が楽しみです。ただ、どうしても、もう少し筆者さんには英語について勉強してほしいと思ってしまいましたが、それをライトノベルに求めるのはいけないことかもしれません。もう少し宝石の表記が見たかったですが、人間関係の記述を楽しむ巻だった思います。
「邂逅」とあるとおり、中田正義を取り巻くありとあらゆる登場人物があらわれます。中でもヴィンスさん、谷本さんとのエピソードが印象的です。そして1番はリチャード。それぞれの関係性にみえる「美」をこれからの正義がどう受け止めていくのか楽しみです。
Posted by ブクログ 2019年09月30日
増税前に購入(笑)
リチャードと正義くん二人のやり取りが好きなので最後の方だけだったのが残念!なんてことは全然なく、最初から最後まで面白くて一気に読んでしまいました。
Posted by ブクログ 2020年04月07日
「美しいと感じるものを尊重する」
生きるのは難しい、生きづらいと思いながら、
「だがそれでも、世界は美しいと。
無暗に投げたりせず、食らいついてゆくこと。
世界の美しさを、自分の方法で見出し続けること。」
を自らの指針にする。
主人公が鼻呼吸くらい簡単にやっているであろう、美しいものを直視し...続きを読むて美しいと讃えることは、自分にはちょっと難しい。
リチャードや正義の持つ、愛や優しさや正義(中田ではない)は結構自分勝手で移ろいやすくてよくワカランと思っていたけれど、美しいと感じたものを尊重していたのだとしたら案外筋の通ったものだったのかもしれない。
多分自分がしたいのは、美しいものを見出すことではなくて、決して美しくはないものを目を逸らさずに見つめ続けることなんだろうと思う。
だから世界の美しさを素直に受け入れる中田正義たちが、ちょっと眩しくて見てられないのかもしれない。
Posted by ブクログ 2020年06月23日
今まで正義の目線から読んできたから気が付かなかったけれど、日本に帰国した時の先輩や同級生の反応は酷いものではなく自然なものなのかもしれない。今回は特に世界中飛び回りすぎー!特に香港の調景嶺の話はとても興味深く読んだ。それにしても、リチャードと正義の関係はなんというか…危ういな