木村紅美のレビュー一覧

  • 雪子さんの足音

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    淡々としているけど、伝わってくるものがある。
    雪子さんの求めていたこと、それに応えて寄り添う子、疎ましく思いながらも甘えてしまう青年。 どの人の気持ちも違和感なく受け入れて読むことができた。

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    2019年01月16日
  • 雪子さんの足音

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    ネタバレ

    公務員の遊佐薫は、20年前に住んでいたアパートの大家さんが熱中症で孤独死したことを、出張先のホテルの朝刊で知る。
    川島雪子(90)
    眠るように死んで、まだきれいなままで下宿人に発見されたい、というのが彼女の夢だったが…
    (たぶん、眠れる森の美女みたいな自分を妄想していたのだろう)
    死後一週間は発見されなかったらしい。
    下宿人ではなく、連絡がつかなくなったことを不審に思った親戚によって発見されたのだった。
    薫は、自分がアパートを飛び出すきっかけになった、大家の過干渉に思いをはせる。

    他人がプライベートに踏み込むことをどこまで許せるかによって、この本の感想…雪子さんや主人公の薫に対する印象も変わ

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    2018年09月27日
  • 雪子さんの足音

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    薫(男性)は、大学生のころに暮らしたアパートの大家・雪子さんが亡くなったことを知る。
    当時の雪子さんは70歳ほど。
    薫を孫のように可愛がり、お小遣いを渡したり食事の世話をしたりと、徐々に生活の中にも入り込んできた。
    同じアパートに住む小野田さんも、薫に好意を持ち近づいてきた。
    2人が侵食してくる。
    スパッと切り捨てたつもりで、グズグズ悩む薫。
    雪子さんと小野田さん、只者ではない。と、読者の私は思った。
    不穏な空気を醸し出す、こういう話、好きだ。

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    2018年06月04日
  • 雪子さんの足音

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    小さなアパートで始まる疑似家族。
    親切が過ぎて煩わしくなったり、こじれて縁を切ってみたり、勝手に頼ってみたり。
    それぞれ少し壊れた人たちが居場所と姿を探す。

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    2018年04月26日
  • 雪子さんの足音

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    40年前に住んでいた中野の下宿のおばあさんと重ね合わせて読ませていただき、すごい郷愁を感じた。食事の招待は無かったけど、部屋の掃除はよくしてもらったな。
    昨年、その下宿を引き払って以来、初めて訪れたがおばあさんはおろか築年数の経つアパートが建っていた。すごく寂しかったな。

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    2018年04月18日
  • 雪子さんの足音

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    読んでいて戸惑った。タイトル、装丁からはとうてい想像できないストーリーだったのだ。
    とある大家さんの訃報から話ははじまっている。それを耳にした主人公は中年の男性だが、かつてはその大家である雪子さんのアパート・月光荘に下宿していた大学生だった。
    高円寺にあるそのアパートは今どうなっているのかと足を運びつつ過去を思い出していく、という回想部分がメインになっています。
    踏み込みすぎた親切。お節介。過干渉。絶望的に雲行きがあやしくてゾッとさせられるのだが、罪悪感と申し訳なさもごっちゃになる。なぜって、雪子さんのそれはどこまでも純粋な善意だからだ。悪意は一切ない。多少の下心はあれど、でも善意なのだ。

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    2018年03月03日
  • 雪子さんの足音

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    ネタバレ

    木村紅美さんの『雪子さんの足音』を読みました。

    主人公「薫」はモラトリアムの時代を表現(文学)に逃げていますが、作品を書くことはできていません。彼は人の親切を無批判に受け入れ、時折、他人を傷つけます。彼は真面目ですが客観的にはダメな人間といえます。彼のパーソナリティについて、人として共感できる点は少ないですが、作品に欠かせない主人公としてとても面白く読みました。社会的にも学業にもひた向きではなく、他者との距離感も失敗した普通の学生が描かれています。これも得難い若さといえると思います。

    > 東京に出張した薫は、新聞記事で、大学時代を過ごしたアパートの大家・雪子さんが、熱中症でひとり亡く

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    2018年01月22日
  • 春待ち海岸カルナヴァル

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    この本の作者は評価が分かれるかも。
    カルナヴァルというホテルを家族で経営している姉の紫麻の目を通じて描かれる人々と恋愛感情の揺れ動きの1年が、描かれています。
    世界一の朝食のホテルはどんな感じかな。バスケットに入れて海岸で食べるというのは絵になりそう。
    物語の終わらせ方も余韻があって良いですね。

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    2014年06月12日
  • 春待ち海岸カルナヴァル

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    木村さんの作品は二作目。
    前回読んだ「夜の隅のアトリエ」が重苦しい雰囲気を持っている読む人を選びそうな作品だっただけに、軽く衝撃。
    ずいぶんとライトタッチ。
    だってタイトルが「春待ち海岸カルナヴァル」だもの。
    カルナヴァルはカーニバルの事。いかにも楽しそうじゃないか。

    おそらく南伊豆辺りを舞台にしたカルナヴァルという名のホテルが舞台。
    サンドイッチや瓶入りオレンジジュースをバスケットに入れて提供される朝食が美味しそうで。
    このバスケットを海岸まで持って行ってカモメに盗まれそうになりながら食べるなんて、なんて素敵。

    姪っ子が妖精を信じて毎晩牛乳をそっと軒下に忍ばせる下りや、幻のジャズトランペ

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    2014年01月15日
  • 春待ち海岸カルナヴァル

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    ネタバレ

    父母が経営する宿泊施設を手伝う姉の紫麻と、
    バツ2で小5のメイと出戻ってきた妹の杏里。

    父の死をきっかけに体調を崩した母の代わりに
    姉妹で切り盛りする海辺が近いそこで

    泊まりに来た客との交流と、奥ゆかしい恋の行方。

    地味で控えめな紫麻と、派手で社交的な杏里。
    対照的な二人が協力し合い繁忙期の夏を終え、
    閑散期となる冬をむかえ新たな出会いと成長と共に歩む春までの道のり。

    連載系だね~。普通に楽しめる。
    恋愛下手な紫麻だけど、茅野さんじゃなくてもっといい人がいると思うんだけど。。。

    旅行を、したくなるねえ)^o^(

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    2012年08月19日
  • 春待ち海岸カルナヴァル

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    ネタバレ

    39歳、いつの間にか妻や母となることが自分とはまったく関係のない世界のことになってしまった女性がまじめに生きながら、不器用に片思いするお話。

    両親と共に海辺のホテルを営む主人公。
    父が急死し母も療養生活となり、東京から娘を連れて戻ってきたバツ2の妹とふたりでホテルを切り盛りすることに。
    友人の結婚式で出会った設計士に片思いをするが、彼は自分にさほど好意はない様子。
    過去空回りした経験から恋に臆病にな主人公は、彼の言動に勝手に傷つくことをやめられない。

    恋愛小説に分類されるだろうけれど、ホテルに集う客や友人達の描き方はとても豊かで、泊まってみたいなと思う。
    主人公の姪のメイちゃん

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    2012年06月09日
  • 春待ち海岸カルナヴァル

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    もはやペンションものというのはひとつのジャンルですね。
    井上荒野「ダリヤ荘」と、シチュエーション的には近いですが、
    こっちはほのぼの系。
    木村紅美さんひさしぶりに読んだけれど、
    こういう雰囲気のは読んだことなかったから意外でした。

    茅野さんが1Q84牛河のイメージで固定されてしまい大変なことに。

    メイちゃんは愛すべきおんなのこでした。
    妖精さんにミルク!

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    2012年05月31日
  • 春待ち海岸カルナヴァル

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    海岸べりの小さなホテルでの、経営者の姉妹と母親、そして彼女たちを取り巻く人々との日々を綴った物語。父の死から始まる数々の挿話は、派手な事件ではないけれど、日々のなかで起こりうる人々の些細で、けれど大切な気持ちのゆらぎを、丁寧にすくいとっていて、寄り添うようなやさしさを感じました。
    主人公の紫麻のひそやかに一途に募らせてゆく想いはときにこそばゆかったり、はがゆかったりで、微笑ましくてよかったです。相手がけしてイケメンではなくどんどんと妙なところばかりが明らかになるのに、それでもやめられないのが、なんだかやたらとリアルだなあなどと感じました。
    それにしても、作中の食べ物がおいしそうでたまりませんで

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    2012年03月17日
  • あなたに安全な人

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    雑誌文芸に掲載された小説を本にしたものである。宮城か岩手の文学紀行として紹介された本である。車にいたずら書きをされたり、塀に落書きをされたので、排水口に詰まったものを掃除する便利屋に用心棒代わりに泊まってもらっている、という状況である。人を死なせた女性と思われて、海で仲間といったときに溺れた担任の子どもの父親から恨まれている女性が主人公ではあるが、便利屋も沖縄の反対運動を取り締まる警備員としてカミソリを持った女性の腹を殴るという行為を行ってしまうなかばホームレスのようなことをしている男性である。

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    2025年11月28日
  • 熊はどこにいるの

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    ネタバレ

    過去に性被害にあったリツ、リツと暮らすアイ、アイが拾ってきたユキがメインで描かれている。

    男性嫌いのリツに気を使いながらも、たまたま一晩泊めた男性に対し「男女」を意識するアイ。
    過去の経験から潔癖なまでに男を嫌いながらも、幼いユキを「男」として意識し、その身体的接触の中で自分にも女性としての本能を感じてしまったリツ。
    アイにもリツにも官能的な描写があるが、それぞれ何かに後ろめたさを感じているようで、なんだか歪んでいる感じがした。
    特にリツは、自分が過去に受けた性被害を、今度は自分が加害者としてユキにやってしまっているという側面もあるからなぁ。

    山での暮らしが慎ましやかでありながら豊かで、一

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    2025年11月17日
  • 雪子さんの足音

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    主人公の薫が学生時代に過ごした下宿「月光荘」での回想。管理人の雪子さんは異常なほどお節介。同じ下宿先の小野田さんは行き遅れの独り住まい。薫は雪子さんの世話をうっとおしく感じながらもただ飯やお小遣い欲しさに小説家志望を演じ利用する。冷めた関係性を保ちながら自己の利益のみに固執する主人公の様は異質で現実味が薄く乾いた物語といった印象を受けました。

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    2025年10月18日
  • 熊はどこにいるの

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    つらくて苦しい話だった。
    わからないし想像もできない人もいるだろう。それがなにより残酷。
    現実的な話だなと思う。

    (お話の世界ではなく、今の現実も残酷だと思うが)

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    2025年10月02日
  • 雪子さんの足音

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    公務員の薫は新聞記事で、学生時代の下宿先の家主・雪子さんが熱中症で孤独死していた、と知り二十年ぶりに下宿先の月光荘を訪ねてみる。

    過剰なまでに下宿人をもてなす雪子さん。自分の都合良く利用する薫。薫に思いを寄せながら、受け入れてもらえない小野田さん。
    なんだかとても昭和な感じなのだが、たぶん平成。そこに自分がいたら、たぶんとってもめんどくさい。雪子さんの思いが、少しずつづれている事が切なかった。

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    2025年09月25日
  • 熊はどこにいるの

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    暴力から逃れた女を匿う山奥に暮らす、リツとアイ。
    津波ですべてを失った元美容師のサキと屋台村のキッチンカフェで出会ったヒロ。

    共同生活をしているリツとアイの仲の良さは伝わって来ず、ただ淡々と生活しているふうな関係と偶然に出会って少し話をしただけのサキとヒロのちょっと顔見知り程度の関係。

    だが赤ちゃんを殺した…赤ちゃんを拾った…と何やら不穏な空気感のなか、流れに任せて生きていくそれぞれの女たち。

    得体の知れない怖さを感じてしまう。






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    2025年07月07日
  • 夜のだれかの岸辺

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    はじめは、お年寄りと交流する若い女性の成長物語かと思った。しかし、段々重苦しくなる。描かれてるのは搾取されたジェンダー。昭和初期の東北大凶作の時の身売りもテーマとなる。同性が好きだった場合、二重三重の性の搾取になる。現代にも様々に性は搾り取られており、歴史的にずーっと続いている。どの登場人物にも共感はできないが、そんなことを考えさせられました。

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    2025年06月08日