木村紅美のレビュー一覧

  • あなたに安全な人

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    コロナ禍の最中。過去に人の命を奪ったかもしれない男女が同じ家で暮らし始めるが、2人の間に前向きな感情などはほぼなく、閉塞した日々が続き男は衰弱していく。
    全員が不気味だった。妙も瑠奈も忍に対して変に執着するのが最後まで理解できず気持ち悪かった。2人ともなんでそんなに?しかもこんなやつに?それに対する忍の反応ももちろん気持ち悪いし。敢えてそういう描写なんだろうとは思うけども…
    掲載された時の文藝の特集が「怨」だったんだけど、載っていた作品の中で一番怨が強いなとは思った。

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    2026年06月14日
  • 熊はどこにいるの

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    きっと「すぐそこに」がタイトルの答えだ。

    熊の気配がずっと漂うなか、いずれも「面倒くさい」人たちの人生が交差する。

    決して読んでいて「楽しい」小説ではないが、「そうきたか」と思わせる着想に脱帽。

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    2026年06月02日
  • 熊はどこにいるの

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     4人の目線からストーリーを書いてあって、それぞれ苦労があってこれから強く生きていくんだという気持ちが伝わって面白かったです。

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    2026年05月24日
  • 熊はどこにいるの

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    よかったんだけど、ちょっと評価が難しい作品だった。四人の女の視点から描かれているが、特にリツ視点が重要な作品。だがなぜリツが訪問者(リツが救った女たち)から「独裁者のよう」など言われなきゃいけないのか、そこらへんがうまく伝わってこなかった。リツは性被害者であり、だからこそ性加害者に転じることを恐怖している。その点はわかる。
    フミ先生だけがリツの理解者ではあるが、先生はなぜユキをあんなに長期間、保護したのか。警察嫌い、という説明ではあるが……ユキは病気にもなっているし…その点での人物への理解が進まなかった。
    でもよかったですよ。

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    2026年01月28日
  • あなたに安全な人

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    雑誌文芸に掲載された小説を本にしたものである。宮城か岩手の文学紀行として紹介された本である。車にいたずら書きをされたり、塀に落書きをされたので、排水口に詰まったものを掃除する便利屋に用心棒代わりに泊まってもらっている、という状況である。人を死なせた女性と思われて、海で仲間といったときに溺れた担任の子どもの父親から恨まれている女性が主人公ではあるが、便利屋も沖縄の反対運動を取り締まる警備員としてカミソリを持った女性の腹を殴るという行為を行ってしまうなかばホームレスのようなことをしている男性である。

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    2025年11月28日
  • 熊はどこにいるの

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    ネタバレ

    過去に性被害にあったリツ、リツと暮らすアイ、アイが拾ってきたユキがメインで描かれている。

    男性嫌いのリツに気を使いながらも、たまたま一晩泊めた男性に対し「男女」を意識するアイ。
    過去の経験から潔癖なまでに男を嫌いながらも、幼いユキを「男」として意識し、その身体的接触の中で自分にも女性としての本能を感じてしまったリツ。
    アイにもリツにも官能的な描写があるが、それぞれ何かに後ろめたさを感じているようで、なんだか歪んでいる感じがした。
    特にリツは、自分が過去に受けた性被害を、今度は自分が加害者としてユキにやってしまっているという側面もあるからなぁ。

    山での暮らしが慎ましやかでありながら豊かで、一

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    2025年11月17日
  • 雪子さんの足音

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    主人公の薫が学生時代に過ごした下宿「月光荘」での回想。管理人の雪子さんは異常なほどお節介。同じ下宿先の小野田さんは行き遅れの独り住まい。薫は雪子さんの世話をうっとおしく感じながらもただ飯やお小遣い欲しさに小説家志望を演じ利用する。冷めた関係性を保ちながら自己の利益のみに固執する主人公の様は異質で現実味が薄く乾いた物語といった印象を受けました。

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    2025年10月18日
  • 熊はどこにいるの

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    つらくて苦しい話だった。
    わからないし想像もできない人もいるだろう。それがなにより残酷。
    現実的な話だなと思う。

    (お話の世界ではなく、今の現実も残酷だと思うが)

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    2025年10月02日
  • 雪子さんの足音

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    公務員の薫は新聞記事で、学生時代の下宿先の家主・雪子さんが熱中症で孤独死していた、と知り二十年ぶりに下宿先の月光荘を訪ねてみる。

    過剰なまでに下宿人をもてなす雪子さん。自分の都合良く利用する薫。薫に思いを寄せながら、受け入れてもらえない小野田さん。
    なんだかとても昭和な感じなのだが、たぶん平成。そこに自分がいたら、たぶんとってもめんどくさい。雪子さんの思いが、少しずつづれている事が切なかった。

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    2025年09月25日
  • 熊はどこにいるの

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    暴力から逃れた女を匿う山奥に暮らす、リツとアイ。
    津波ですべてを失った元美容師のサキと屋台村のキッチンカフェで出会ったヒロ。

    共同生活をしているリツとアイの仲の良さは伝わって来ず、ただ淡々と生活しているふうな関係と偶然に出会って少し話をしただけのサキとヒロのちょっと顔見知り程度の関係。

    だが赤ちゃんを殺した…赤ちゃんを拾った…と何やら不穏な空気感のなか、流れに任せて生きていくそれぞれの女たち。

    得体の知れない怖さを感じてしまう。






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    2025年07月07日
  • 夜のだれかの岸辺

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    はじめは、お年寄りと交流する若い女性の成長物語かと思った。しかし、段々重苦しくなる。描かれてるのは搾取されたジェンダー。昭和初期の東北大凶作の時の身売りもテーマとなる。同性が好きだった場合、二重三重の性の搾取になる。現代にも様々に性は搾り取られており、歴史的にずーっと続いている。どの登場人物にも共感はできないが、そんなことを考えさせられました。

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    2025年06月08日
  • 熊はどこにいるの

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    事情を抱える女性を匿う山奥に建つ「丘のうえの家」
    いまは、リツとアイが住む。

    アイが拾い家に連れて来た「ユキ(男児)」は大切に育てられた。
    女だけが住む「丘のうえの家」
    子供とはいえ「ユキ」の存在が
    リツとアイの関係を少しずつ歪めていく。

    ヒロとサキという女性も交え
    4人と「ユキ」の交差する人生を描く。

    個性がはっきりとしているようで
    掴みどころのない女性たち。
    良い人を装い心の中に熊を飼う。
    いちばん正直なのはリツ・・・だろうか。

    「ユキ」のその後が幸せでありますように。

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    2025年05月31日
  • 熊はどこにいるの

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    ネタバレ

    山奥にあり、行き場のない女性たちを匿うためのシェルター「丘の家」。
    そこで共同生活をしている先生と、古株で気難しいリツと、アイの三人は、捨てられていた赤子を下界から拾ってきて、ユキと名づけ隠れて育てるようになる。
    リツとアイ、産みの親であるサキ、サキに協力したヒロも含め、合計四人の視点をわたり歩くかたちで話は進んでいく。
    彼女たちはそれぞれに張り詰めた日々を生きていて、つねにどこか危うさ漂う空気で満ちている。
    ユキは男児で、すこやかかつどこまでも無垢でありながら、彼女たちにとっては闖入者でもある。
    静かで穏やかだった時間がかきみだされていく様子は、微笑ましくあると同時に不穏でもあった。
    ジェン

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    2025年03月03日
  • あなたに安全な人

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    それぞれに「人を死なせてしまった」男女の孤独で安全な逃亡生活。

    コロナ禍「感染第一号」を出すまいと息を潜めるような地方の鬱屈感。この2人にはなおのこと。

    生きているだけで日々摩耗し消耗していくと痛感させられる。個人的にド鬱文学…たまらない。

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    2024年10月22日
  • あなたに安全な人

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    読みにくい文章だった。独白体だから、キャラクターの混乱や思考の拡散したさまをそのまま文体に反映させているのか、もともと独特の言い回しをする作者さんなのかはわからない。しかも、キャラクターがどの人も薄っすら嫌な奴だし、何なら町の人も嫌な感じ。不安で押し潰されそうだったコロナ禍初期のあの感じなど、言葉にしにくく、曖昧ではっきり向き合いたくないものを、スケッチしたような作品だった。

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    2024年05月14日
  • あなたに安全な人

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    身近にいた人間の死に、もしかしたら自分が関わっていた「かもしれない」。判然としない過去の事件の記憶に囚われ、他人との関わりと遮断してひっそりと暮らしていた2人の男女が出会い、顔を合わせずに一緒に暮らすという奇妙な関係を育んでいく。
    読みにくい文章だなぁ…とずっとしかめ面で読んでいたように思う。すごく独特な文章。本を読んでいるというか、か細い囁きを聞いているような。男女が交互に語る形式で物語は進んでいくのだけれど、章に分かれているわけではないのと、2人のキャラクターが似ているのとで、あれ今どっちの話だっけ?と何度か戸惑うことになった。でも読み終わったとき、わたしはこの物語が、この静謐で奇妙な文章

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    2023年09月06日
  • 夜のだれかの岸辺

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     心に受けた傷は、その大きさ、深さ、痛み、みな人によって違う。
    どんなに理解しようとしても、本人しかわからない。いや、本人もわからない。
     そんなことを、静かに語っているように感じた。

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    2023年07月21日
  • 夜のだれかの岸辺

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    人に触れる安心感と触られる嫌悪感。お互いへの想いの重さの違い。そんな所に共感。人との距離感は無理しない。主人公も大人になった。

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    2023年07月18日
  • 夜のだれかの岸辺

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    何だか読んだことのあるような設定だしするする読める感じだったのに最終的にどういう物語だったのかよく分からなかった。
    なんでだろう。
    面白くないと思う瞬間は一度もなかったのに。

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    2023年05月28日
  • 夜のだれかの岸辺

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    添い寝バイトはじめました。1回3000円、お相手は89歳の婆さん。こんなバイトは嫌だ。主人公の茜19歳は「寝てるだけで割が良い」と毎晩お婆さんの元へ添い寝に通う。よくわからない話だった。添い寝バイトの意味とは?と不思議に思うくらい他の情報が多すぎて何が何だか。茜のこじらせた性、お婆さんの幼馴染の人探し、その幼馴染の過酷な人生、感動?の再会、からのその後...。なにがしたいん?と登場人物全員に聞いてみたいくらい各々のキャラが理解不能だった。そしてかなり読み辛い展開と構成だった。ただ文才はキラリと光る。

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    2023年05月09日