木村紅美のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
海岸べりの小さなホテルでの、経営者の姉妹と母親、そして彼女たちを取り巻く人々との日々を綴った物語。父の死から始まる数々の挿話は、派手な事件ではないけれど、日々のなかで起こりうる人々の些細で、けれど大切な気持ちのゆらぎを、丁寧にすくいとっていて、寄り添うようなやさしさを感じました。
主人公の紫麻のひそやかに一途に募らせてゆく想いはときにこそばゆかったり、はがゆかったりで、微笑ましくてよかったです。相手がけしてイケメンではなくどんどんと妙なところばかりが明らかになるのに、それでもやめられないのが、なんだかやたらとリアルだなあなどと感じました。
それにしても、作中の食べ物がおいしそうでたまりませんで -
Posted by ブクログ
ネタバレ過去に性被害にあったリツ、リツと暮らすアイ、アイが拾ってきたユキがメインで描かれている。
男性嫌いのリツに気を使いながらも、たまたま一晩泊めた男性に対し「男女」を意識するアイ。
過去の経験から潔癖なまでに男を嫌いながらも、幼いユキを「男」として意識し、その身体的接触の中で自分にも女性としての本能を感じてしまったリツ。
アイにもリツにも官能的な描写があるが、それぞれ何かに後ろめたさを感じているようで、なんだか歪んでいる感じがした。
特にリツは、自分が過去に受けた性被害を、今度は自分が加害者としてユキにやってしまっているという側面もあるからなぁ。
山での暮らしが慎ましやかでありながら豊かで、一 -
Posted by ブクログ
ネタバレ山奥にあり、行き場のない女性たちを匿うためのシェルター「丘の家」。
そこで共同生活をしている先生と、古株で気難しいリツと、アイの三人は、捨てられていた赤子を下界から拾ってきて、ユキと名づけ隠れて育てるようになる。
リツとアイ、産みの親であるサキ、サキに協力したヒロも含め、合計四人の視点をわたり歩くかたちで話は進んでいく。
彼女たちはそれぞれに張り詰めた日々を生きていて、つねにどこか危うさ漂う空気で満ちている。
ユキは男児で、すこやかかつどこまでも無垢でありながら、彼女たちにとっては闖入者でもある。
静かで穏やかだった時間がかきみだされていく様子は、微笑ましくあると同時に不穏でもあった。
ジェン