木村紅美のレビュー一覧

  • 熊はどこにいるの

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    事情を抱える女性を匿う山奥に建つ「丘のうえの家」
    いまは、リツとアイが住む。

    アイが拾い家に連れて来た「ユキ(男児)」は大切に育てられた。
    女だけが住む「丘のうえの家」
    子供とはいえ「ユキ」の存在が
    リツとアイの関係を少しずつ歪めていく。

    ヒロとサキという女性も交え
    4人と「ユキ」の交差する人生を描く。

    個性がはっきりとしているようで
    掴みどころのない女性たち。
    良い人を装い心の中に熊を飼う。
    いちばん正直なのはリツ・・・だろうか。

    「ユキ」のその後が幸せでありますように。

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    2025年05月31日
  • 熊はどこにいるの

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    ネタバレ

    山奥にあり、行き場のない女性たちを匿うためのシェルター「丘の家」。
    そこで共同生活をしている先生と、古株で気難しいリツと、アイの三人は、捨てられていた赤子を下界から拾ってきて、ユキと名づけ隠れて育てるようになる。
    リツとアイ、産みの親であるサキ、サキに協力したヒロも含め、合計四人の視点をわたり歩くかたちで話は進んでいく。
    彼女たちはそれぞれに張り詰めた日々を生きていて、つねにどこか危うさ漂う空気で満ちている。
    ユキは男児で、すこやかかつどこまでも無垢でありながら、彼女たちにとっては闖入者でもある。
    静かで穏やかだった時間がかきみだされていく様子は、微笑ましくあると同時に不穏でもあった。
    ジェン

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    2025年03月03日
  • あなたに安全な人

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    それぞれに「人を死なせてしまった」男女の孤独で安全な逃亡生活。

    コロナ禍「感染第一号」を出すまいと息を潜めるような地方の鬱屈感。この2人にはなおのこと。

    生きているだけで日々摩耗し消耗していくと痛感させられる。個人的にド鬱文学…たまらない。

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    2024年10月22日
  • あなたに安全な人

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    読みにくい文章だった。独白体だから、キャラクターの混乱や思考の拡散したさまをそのまま文体に反映させているのか、もともと独特の言い回しをする作者さんなのかはわからない。しかも、キャラクターがどの人も薄っすら嫌な奴だし、何なら町の人も嫌な感じ。不安で押し潰されそうだったコロナ禍初期のあの感じなど、言葉にしにくく、曖昧ではっきり向き合いたくないものを、スケッチしたような作品だった。

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    2024年05月14日
  • あなたに安全な人

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    身近にいた人間の死に、もしかしたら自分が関わっていた「かもしれない」。判然としない過去の事件の記憶に囚われ、他人との関わりと遮断してひっそりと暮らしていた2人の男女が出会い、顔を合わせずに一緒に暮らすという奇妙な関係を育んでいく。
    読みにくい文章だなぁ…とずっとしかめ面で読んでいたように思う。すごく独特な文章。本を読んでいるというか、か細い囁きを聞いているような。男女が交互に語る形式で物語は進んでいくのだけれど、章に分かれているわけではないのと、2人のキャラクターが似ているのとで、あれ今どっちの話だっけ?と何度か戸惑うことになった。でも読み終わったとき、わたしはこの物語が、この静謐で奇妙な文章

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    2023年09月06日
  • 夜のだれかの岸辺

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     心に受けた傷は、その大きさ、深さ、痛み、みな人によって違う。
    どんなに理解しようとしても、本人しかわからない。いや、本人もわからない。
     そんなことを、静かに語っているように感じた。

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    2023年07月21日
  • 夜のだれかの岸辺

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    人に触れる安心感と触られる嫌悪感。お互いへの想いの重さの違い。そんな所に共感。人との距離感は無理しない。主人公も大人になった。

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    2023年07月18日
  • 夜のだれかの岸辺

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    何だか読んだことのあるような設定だしするする読める感じだったのに最終的にどういう物語だったのかよく分からなかった。
    なんでだろう。
    面白くないと思う瞬間は一度もなかったのに。

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    2023年05月28日
  • 夜のだれかの岸辺

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    添い寝バイトはじめました。1回3000円、お相手は89歳の婆さん。こんなバイトは嫌だ。主人公の茜19歳は「寝てるだけで割が良い」と毎晩お婆さんの元へ添い寝に通う。よくわからない話だった。添い寝バイトの意味とは?と不思議に思うくらい他の情報が多すぎて何が何だか。茜のこじらせた性、お婆さんの幼馴染の人探し、その幼馴染の過酷な人生、感動?の再会、からのその後...。なにがしたいん?と登場人物全員に聞いてみたいくらい各々のキャラが理解不能だった。そしてかなり読み辛い展開と構成だった。ただ文才はキラリと光る。

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    2023年05月09日
  • 夜のだれかの岸辺

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    19歳の女の子が89歳のお婆さんに依頼され毎晩添い寝するだけのバイトを始める。子供の頃身売りされた友人のことが忘れられないお婆さんはついに友人と再会を果たす。とても楽しい話とは言えないが、主人公の女の子の心情変化が丁寧に描かれており、戸惑いや嫌悪感などが伝わってくるようでした。

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    2023年04月25日
  • 夜のだれかの岸辺

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    19歳の茜は、母の紹介で89歳のソヨミと添い寝する奇妙なバイトを始める。添い寝して一緒に朝食をとるだけで3,000円をもらえる、無職の茜には割のいいバイトだった──。
    という奇妙な導入部から始まる物語は、複眼的な展開をする。茜が無職である理由や対人関係が苦手なことが明かされ、ソヨミの家族や幼い頃に別れた友達のフキをめぐる話などが語られる。
    全体を通して見れば、東日本大震災後の茜が十数年前を回想している構図だが、そこには“性の商品化”が繰り返し描かれているように思った。

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    2023年04月19日
  • あなたに安全な人

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    救いのないような過去をもつ2人の男女が、お互いの過去を見つめ合って、奇妙な共同生活を送る普遍的なお話です。家主である妙の徹底した共同生活の
    ルールには、コロナ禍で生きる人たちの葛藤が感じられました。もしも自分が感染してしまったら、周りの人たちに、どんな目線で見られるのだろうか。
    地域にとっての「感染1号」は、どんな意味を持つのか、コロナ禍での生きづらさを上手く描いている
    と感じました。

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    2022年10月03日
  • あなたに安全な人

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    秘密を抱えた女と男の同居生活。世話をしているようで自分も支えられている女。なんとも不思議な空気感。震災とコロナが微妙に影を落とす。「世の中は知らない方が心穏やかに日々をやり過ごせそうなことに溢れていて、ただでさえ疲れる」連日の戦闘報道から目を背けがちの日常。

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    2022年04月20日
  • 雪子さんの足音

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    アパートの大家さんと店子のお話。青春時代を描いているには違いないはずなのだが、どうにも鬱々した空気が拭えない。どこにも明るさが見えないけれど、暗いだけというわけでもない。皆が少しずつ考えが違って、気遣いながらも不協和音が生まれていく感じがする。
    2021/2/12

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    2021年02月12日
  • 雪子さんの足音

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    お節介では生易しい、もっと自分勝手で鬱陶しい繋がり。
    親切を越えた優しさは気持ち悪さを感じるほどだがそれほど人との繋がりを切に求める姿は痛ましく憎めない。
    無理矢理かき集めたような思い出に包まれて死ぬ気持ちとはどんなものだろう。

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    2020年08月30日
  • 雪子さんの足音

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    主人公の馴れ合いたくない、馴染みたくない、だけど美味しいところだけは頂戴したいという気持ちわかるなー。
    孫とおばあちゃんごっこ。まさに。

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    2018年07月15日
  • 雪子さんの足音

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    「(松本)竣介が盛岡中学で、彫刻家の舟越保武と同学年で親友だったというのは、すごいつながりですよね」(p. 19)ーーなるほど、そこはつながるのか。それはたしかにすごいな。

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    2018年07月12日
  • 雪子さんの足音

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    ネタバレ

    第158回芥川賞候補作。「おらおらでひとりいぐも」もそうだったけど、芥川賞候補にしては読みやすく、分かりやすい。私は、こちらの方が好きだけどね。
    すんなり読めるけど、時々心にクッと引っ掛かりを残す文章とかがあって、手を止めて「あ~そうだよね」と考えたりしながら読んだ。
    最後もあっさり終わるのだけど、読後感が不思議と良く、なんだかうっすら希望のようなものまで見えて、いい感じで本を閉じられた。

    薫が出て行ってからの月光荘の後日談を是非読んでみたいものです。

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    2018年07月06日
  • 雪子さんの足音

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    学生時代の20年前、家賃5万円の月光荘というアパートで暮らしていた薫は、大家の雪子さん、同じアパートの住人・小野寺さんと微妙な距離を保ちながら暮らしていたが・・・

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    2018年06月12日
  • 雪子さんの足音

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    大家と店子の関係,親切がお節介に,さらにはストーカー的な行為に感じるほど主人公は心理的な圧迫を覚える.しかし主人公にも打算的な甘えがあり,不気味な関係ながらどちらもどちらという感じがして,むしろ雪子さんがかわいそうだった.嫌だ嫌だと思いながら毎日ご飯を出前してもらう神経の方が,つまりは主人公の厚かましさの方が理解不能だった.

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    2018年03月22日