谷口克広のレビュー一覧
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[縦横無尽の人]桶狭間や長篠など,戦いの名称とともに人々の記憶に深く残っている織田信長。「天下人」に成りおおせたこの偉人の外交政策に焦点を当て,武人とは異なる観点から再評価を試みた作品です。著者は,信長資料集編集委員会委員を務めた経歴を有する谷口克広。
基本的なパターンは踏襲しながらも,時勢に合わせた臨機応変な外交政策をとっていることを認識させられました。同時に,外交や交渉を立案するにあたり,冷徹な力の計算があった点も見逃せません。とにかく詳細に織田信長の足跡が記されていますので,戦国ファンにはぜひオススメの一冊です。
〜筆者は,本能寺の変がなかったならば,二,三年のうちに信長による日本の -
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織田信長といえば外交・・・といえば言い過ぎかもしれないが、信長を添加人に押し上げた大きな要素であったことは間違いない。信長に人生の局所局所で巧みな外交を駆使してきた。
まずは、信長の叔父の織田信光について触れたい。信長の父信秀の死後、信長を庇護したのは信光だった。信光なくして信長は自立できなかっただろう。信長がいかにしてこの叔父を味方につけたか、研究が不十分だと思う。清州城奪取もこの叔父なしでは不可能だったろう。
武田信玄。僕はこれまで信玄は信長に利用されたとばかり思っていた。しかし違った。信玄が駿河を攻略できたのは信長を使用したかららしい。信長を通して家康をコントロール。武田信玄はあ -
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織田信長は何故多くの配下を失ったのか。その歩みを辿る。
序章 粛清の城 佐和山城
第一部 挫折
第一章 元亀騒乱の中に消えた武将たち
第二章 越前の騒乱の中で
第三章 抜擢に応えられなかった者たち
第二部 粛清
第四章 伊勢における粛清 第五章 近江における粛清
第六章 天正八年の老臣追放 第七章 北陸国衆の粛清
第三部 反逆
第八章 反逆の中での尾張統一 第九章 将軍との対立の中で
第十章 水野信元と松平信康の切腹
第十一章 信長を見限った外様大名
第十二章 反逆による信長の最期
終章 反逆されやすかった信長
信長家臣人名索引有り。
織田信長の天下布 -
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題名の通り織田信長の軍隊編成と各司令官について記載した書。信長の基本的な戦歴を知っていることが前提だが、信長の軍隊の編成思想、司令官の任命思想が分かり面白い。戦国時代において、これだけ能力主義で人事を考えたというのは驚きであり、かつ現在の組織論にも通じるものを感じる。特に武力だけではなく統治能力も能力として重視しており、そのお眼鏡にかからないと各方面軍の司令官にはなれない。明智光秀はそのお眼鏡にかかるような非常に優れた武将であったのだが、その光秀がなぜ信長を裏切ったのかはやはり興味が湧く。信長は本能寺前に信忠に天下を任せる構想を持っており、急逝しなければどのような天下になったのだろうか?