【感想・ネタバレ】信長の天下所司代 筆頭吏僚村井貞勝のレビュー

あらすじ

元亀四年に足利義昭を追放した後、信長は「天下所司代」を置き、京都支配を行った。本能寺の変までの九年間、一貫してその任にあったのは村井貞勝である。彼は信長の絶大な信頼を得て、市政から朝廷・公家との折衝までを一手に担い、ルイス=フロイスからは「尊敬すべき異教徒」と呼ばれた。武功とは無縁の吏僚でありながら有能を認められて「天下」=京都を仕切り、織田政権の要となった村井貞勝の活躍に光を当てる。

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Posted by ブクログ

明智・羽柴ら軍事・行政とも行う者の多い織田家臣団において行政専門の吏僚として幕府滅亡後の京都行政を担った村井貞勝を扱った書。一冊丸々村井というのは2012年の時点でこの書のみか。一次史料をもとにした日次記を中心に彼の動きを追い、暦論議や推任問題等考察する。伝記と思って読むと拍子抜けするやも。村井の動きから信長の思考が垣間見える、かも。個人的原点の一つ。

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2013年07月07日

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京都所司代の村井貞勝を公家の日記や残された文書をもとに論述する。
村井貞勝の功績はもちろん、織田政権と京都の関係についても勉強になった。

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2016年03月14日

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信長の下でその行政・外交の実務を担った中心人物、村井貞勝。
戦国という時代のイメージを形づくった多くの武将達と比べてあまりにも地味な存在だが、激動の時代を踏み固めていく信長の統一事業において果たした役割の大きさが伝わってくる。
どういった性格であったり、人間性だったのかをもっと知りたいと思った。

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2013年07月12日

Posted by ブクログ

信長の京都支配を一手に担った男とは。足利義昭を追放してから、本能寺の変までの九年間、一貫して所司代の任にあたった村井貞勝の活躍に光を当てる。

本書は二部構成である。貞勝が天下所司代になるまでと、天下所司代としての日次記である。

本書がユニークなのは、当時の一級資料をから、貞勝の日次記をまとめたところにある。前線の武将と異なり地味ではあるが、吏僚としての活躍から織田政権の政策がうかがえて面白い。

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2011年09月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ただ羅列。そう言われるかもしれないけど、これが文献史学。それで日本史専攻の大学生の多くは脱落してくんだよね。思ってたのと違う! って。

・天正10年の暦について、当時主流の三島暦と、暦博士がつくる京暦とで閏月の配置が異なり、元旦が1ヶ月違うという事態が生じた。信長は領内を同じ暦で統一させることを目論み、両者の討論を行なわせた(結果、京暦が採用された)。京暦が権威といえど、考証を経てからでないと採用できないという信長の合理性が見られる。
→『信長の棺』の核心部分も、暦に関することであったことを思い出した。やはり合理性を第一に追求したのだろう。

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2011年01月10日

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