鈴木孝夫のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
もちろんタイトルにあるように「日本人はなぜ日本を愛せないのか」を、その歴史や地理的な背景にも言及しながら、ていねいに考察している。しかし、それだけではなく、日本が無意識に陥ってしまっている西欧崇拝や西欧中心主義の視点はなぜ生まれたのか、日本が失わなかった伝統的な文化の特色がなぜ今世界に必要とされているのか等々、日本人として自覚しておくべき大切なメッセージが、著者の熱い思いとともに込められた本だ。編集部の質問に答えるという対話体で書かれている。実際は、そういう形式をとって分かりやすく、しかし充分に考え抜かれた構成と内容で書かれた本だと思う。
著者は、日本が指導的大国として世界にアピールできる長 -
Posted by ブクログ
太陽の色は何色?
赤。
さて、果たして他の国でも同じでしょうか?
りんごは?
虹は?
言葉の意味だけでなくその文化背景を理解しないと本当のコミュニケーションは図れません。
言葉という表面に現れた現象だけを対象にする辞書の限界。
例え言葉が通じても、その言葉を通じて見ているものが違うのです。
そしてさらには音読み訓読みが存在する日本語と外国語の比較。
日本語というものがどういうものか、この本を読めばわかります。
そして、本書には書いてありませんが、日本語と外国語の違いを知ることで、効率の良い外国語の勉強の仕方もわかってしまいます。(ニヤリ)
国際社会の -
Posted by ブクログ
信仰の自由を掲げている日本で、キリスト教の布教率が1%を越えないのは「日本人は魚と農業の国だから」。
は?何で?
と思うかもしれませんが、その理由も分かりやすく書いてあります。
キリスト教だけでなく、日本が外交が苦手な理由などもこれで納得がいきます。
そして日本という国がいかに裕福で、そして世界に誇れる国だという事が、この本を読めば分かるはずです。
もともと日本を離れて合気道を教えている身なので日本のよさはつくづく感じていましたが、もっと日本を大切にし、日本文化を守っていかなくてはならないと思いました。
しかも日本の将来がどうのこうのではなく、国を越えて地球のレベルでそのよ -
Posted by ブクログ
ことばと文化の結びつきは面白い。それがわかる。言語学というものの面白さに触れることができる素晴らしい一冊。
まえがきの部分に
「入門書とは、その学問特有のものの見方を示すものでなければならない。そしてものの見方とは、動的な精神の動きに他ならないものであるから、入門書はそれを書く著者に固有なものの見方と切り離すことができない。」ⅲ
とある。入門書とは平易な言葉で誰でも理解できるようにその学問のことを述べるものだと思っていた。この文章から、多種多様な入門書が同じ学問領域でも存在していることが頷くことができる。入門書といえばこれ!というようなものよりも入門書を比較して読むことで、その領域をさまざま -
Posted by ブクログ
読み始め当初は、危ない国粋主義なおじさん?と警戒しながら読み進めると、歴史、文化背景から説いた日本語論で、面白かった。
輸入した漢字に音訓読みという2通りが存在する理由(母音のみ、もしくは子音+母音で終わる発音しかないため、同音異義語がどうしても多くなる理由や、日本語で「あなた」と言う二人称代名詞がダイレクトに使いづらい感覚は誰しも持っていると思うが、その背景は、なるほどな〜と膝を打つ。
日本語がマイノリティだけに世界で損していると言う感覚は、私には新しかった。また、侵略した土地で現地語を滅した侵略者の言語である英語、西語、仏語が世界を埋め尽くしている現状を何と考える?!という視点もハッと -
Posted by ブクログ
«「私にとっての普通」は万国共通では無い»
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
こちらの本が出版された当時と今とでは違う部分もあるかと思いますが、「無意識に日本人的な尺度で外国語や外国の文化を日本のそれと比べている」という指摘は、確かに今の自分もしてしまっていると、ハッとさせられました。
日本語を教える上でも、外国人と交流する上でも、自分のものの見方は相手とは全く違うのだという意識、それから、自国と他国の文化や考え方に優劣は無いのだという意識を持って、自分を卑下せず、かと言って威圧的にもならずに接していきたいと思いました。
以前講義の中で紹介されていたので読み、今回は再読です。言語に関わるお仕事をされる方 -
Posted by ブクログ
2024/4/27-6/26.
6.人を表すことば がとても興味深かった。私は自分のことを表す一人称をそこそこ持っていて、状況や環境によって使い分けているけれども、それは日本語特有のものであり、随時「自己規定」しているのである。日本語の自己規定の対象依存的な構造。
一人称に留まらず、人称代名詞の充実さ。
最後3-4ページが非常に興味深くて、何度でも読み返したい。察しの文化、思いやりの文化と言われる日本人の美徳と欠点。その根本にある、対象同化の心的構造。それは、相手に対する甘えであり、依存である。息を吸うように相手の気持ちを察し汲むことに長けているが故に、相手にも同様の言動を求めてしまう。そ -
Posted by ブクログ
英語のorangeは「オレンジ色」で日本人がイメージするのと同じ色とは限らない。「黄色の封筒」や「赤靴」も黄色、赤とは限らない。
色の名前が持つ弁別的な用法、つまり「他のに比べて赤っぽい」から「赤」と呼ぶ、その物ズバリを表現しないこともある。
りんご、太陽に対する文化的なイメージの差。また、「フランスではリンゴはこう」「英語では虹は◯色」と言い切ることも難しい。
日本語が持つ多数の同音異義語。
音声的に「ん」を除き、すべて「子音・母音」の組み合わせしか許容しない。だから、作れる言葉の種類が限られる。また、日常語は短くなる傾向があるので、ただただ長い語を作っていろんな種類の単語ができました、と -
Posted by ブクログ
「しょうもない愛国本じゃないの」かと疑っていたが、日本語や言語というものの奥深さを感じさせられた。
日本人が言語について自虐的な見方をしているとの問題意識を背景に、日本語の世界をもっと広げていくことを目的とする「日本語教」を広めよう...という筋書きで、日本語と他言語の比較を通して、どちらの言語が優れているとかいう訳でなく、日本語には日本語なりの面白い世界があるということを、様々な例で紹介している。
なぜ古代ギリシャ語ではクジラと蛾を同じ単語で表すのか、に対する答えや、日本語で人称代名詞は欧米と使い方がどう異なるのか、など、ちょっとしたトリビアから英語を勉強した人ならなんとなく考えたことが