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第四章、五章に関して、作品の中で挙げられる例はなんだか難しいと思うものもあったが、よく考えてみると私たちの身近に頻繁に見られる現象や出来事に当てはまることもたくさんあり、考えさせられることが多かった。また、英語を学んでいる身としては、初めの方に登場した、日本の中で日本人が使用しているカタカナ表記の英...続きを読む単語が表す単語の意味と、実際に英語を日常的に使用して生活している人が思う単語の意味には、時に全く違う内容を表していることもあるのだということに驚いた。さらにその違いに気がつくには、違っていないと思っている考えを捨て、常に私たち日本人の思うこの単語が表す意味と、英語を話す人々が使用するこの単語が表す意味は異なっているのかもしれないという心持ちでいなければならないということも学んだ。知らないことに気がつくことは簡単なことではないと思った。この本の中で問題提起されている事象はどれも感慨深く、言語学を専門としているひとにだけ分かる内容ではなかったため、私達もこの本の中で論じられている問題をよく考える必要があると思った。
Posted by ブクログ 2015年12月03日
「外国語を学ぶとはどういうことか」というテーマ,それと「日本語における漢字の重要性」というテーマのふたつが語られ,両者ともにインパクトのある内容となっている.
以前,日本語ローマ字論者への反論したかったことがあるが,論破が難しかったことがあったが,この本を読んで,日本語に言語として漢字が組み込まれ...続きを読むている点が明快に理解でき,個人的にすっきりすることができた.
Posted by ブクログ 2012年04月10日
特に4章5章の「漢字の知られざる働き」が印象的だった。視覚的に見れば意味がわかる漢字と、ラテン語・ギリシャ語が元になり、その単語自体を知らないとわからない英単語の違いは言われて初めて気づいた。
乱用されているカタカナの弊害は、まさに身にしみて感じているところで、漢字文化の有り難さをもっといろんな人...続きを読むに知ってほしいと思った。
「外国語上達法」という本で、その国の文化を知る重要性について触れていたが、まさにその文化・考え方に関することがぎっしり詰まっている。外国語と比べることで、改めて日本語が好きになるような本です。
Posted by ブクログ 2012年02月16日
前に読んだ「ことばと文化」もべらぼうに面白かったが、
これもそれに迫る勢いで面白い。
りんごは何色か、
太陽は何色か、
虹は七色か、
といった日常的の一旦から、
言葉と密接にかかわる文化の違いを明らかにしていく様はエキサイティング。
辞書での意味の一致が必ずしも環境認識と一致していると...続きを読むは限らない、
というのは見落としがちな事実だな。
他にも、
イギリス人が靴を脱ぐのを嫌がるのは、
「足」の持つ根本的な意味の違いから来ているという考察。
日本語の漢字の音読みと訓読みという、
同一概念の二重音声化と同一表記の双面性が、
高級語彙の理解に寄与しているという考察。
日本語が音声と映像という、
二つの異質な伝達刺激を必要とする言語であり、
それが日本の識字率の高さの要因のひとつであるという考察。
などなど、
枚挙に暇がないくらい、
数々の「気付き」を与えてくれる良書である。
Posted by ブクログ 2009年10月04日
太陽の色は何色?
赤。
さて、果たして他の国でも同じでしょうか?
りんごは?
虹は?
言葉の意味だけでなくその文化背景を理解しないと本当のコミュニケーションは図れません。
言葉という表面に現れた現象だけを対象にする辞書の限界。
例え言葉が通じても、その言葉を通じて見ているも...続きを読むのが違うのです。
そしてさらには音読み訓読みが存在する日本語と外国語の比較。
日本語というものがどういうものか、この本を読めばわかります。
そして、本書には書いてありませんが、日本語と外国語の違いを知ることで、効率の良い外国語の勉強の仕方もわかってしまいます。(ニヤリ)
国際社会の一員となった日本。
その言葉を見直すとともに、いかに世界に飛び出していくか。
お勧めの一冊です!
Posted by ブクログ 2009年10月04日
この本を読むと、使う言語によって、同じものでも違うように見えているということを発見できる。母語以外の言葉を学ぶということは、その視点を増やすことなのだと感動する。
Posted by ブクログ 2021年07月11日
英語のorangeは「オレンジ色」で日本人がイメージするのと同じ色とは限らない。「黄色の封筒」や「赤靴」も黄色、赤とは限らない。
色の名前が持つ弁別的な用法、つまり「他のに比べて赤っぽい」から「赤」と呼ぶ、その物ズバリを表現しないこともある。
りんご、太陽に対する文化的なイメージの差。また、「フラン...続きを読むスではリンゴはこう」「英語では虹は◯色」と言い切ることも難しい。
日本語が持つ多数の同音異義語。
音声的に「ん」を除き、すべて「子音・母音」の組み合わせしか許容しない。だから、作れる言葉の種類が限られる。また、日常語は短くなる傾向があるので、ただただ長い語を作っていろんな種類の単語ができました、というわけにもいかない。
日本語の動詞の抽象度の高さ。「なく」「鳴る」など。
日本語は、漢字(視覚)情報も込みで成立している。筆者の言う「テレビ言語」
確かに会話でも「それどういう漢字?」と尋ねることは多い。
英語は「ラジオ言語」。音声のみでほぼ成立する。単に「言語学的には…」と言っても、ヨーロッパ言語を前提として発展した言語学に日本語を当てはめることは注意を要する。
yellowが黄色だ、と覚えたところですべて理解できるとは限らない。自分にとって太陽は恵みだから誰にとってもそうだ、と思うとアラビア文化ではそうではない。
トリビア的にも面白いが、自分の理解と相手の理解が同じか?自分に対して、言葉がどんな影響を与えているか?「絶対こうだ!」と言い切らず、謙虚であり、微妙な差異や違和感に気づくモニター力が必要。
Posted by ブクログ 2020年06月17日
虹=7色
っていつだれから教わったかさえ覚えてない。
けど、本物の虹に遭遇したとき本当に7色か確かめた人はどれだけいるんだろうか。
日本では気にもしないような当たり前が一歩違う文化の国へ赴くとそれは当たり前じゃない。
思い込み?刷り込み?ってなんだか怖いな~
そしてもっと日本語という文化を大切にした...続きを読むい(かっこいいからといって横文字ばっかり使わない)
Posted by ブクログ 2011年12月31日
タイトル通り日本語と外国語の違いなんだが、普通に勉強してるだけじゃ気付かないような意味の違いを解説している。
色に対する認識の違いなどは目から鱗が落ちるような思い。
また、「とる」という言葉に対する違いも、日本語では漢字による表記分けがあるが、英語では用途によって単語が違う。どちらも同じようなもの...続きを読むだと思っていたが、日本語では口語だけでは意味が判別できず漢字による表記が必要になる(といっても文脈でわかるだろうが)など、気付かされることが色々あった。
世界共通言語を作るにはこういったそれぞれのものに対する認識を共通化させることをせねばならないという点などは「なるほど」と思える内容だった。
言語だけでなく、国(言葉)による物事の捉え方の違いを知るきっかけにもなる一冊。
Posted by ブクログ 2011年07月06日
日本語学、やりたいなーって思いはじめたきっかけのひとつ。学問的なことはそんなに書いてなくって、虹の色の数が国によって違うとか、蝶と蛾の区別がない国があるとか、ご当地トリビアのグローバル版みたいな。ともかくも、面白い内容です。
ことばを見ることで、その国の関心ごとがわかったりするので、自分たちの感...続きを読む性を知る手掛かりにもなるかと。
Posted by ブクログ 2011年05月21日
[ 内容 ]
辞書を頼りに小説や文献を読んでいるだけでは、他国や他民族の理解は難しいのではないか。
6色の虹、黄色い太陽、恥部としての足など、興味深い例をあげながら、国による文化の違いを語るとともに、漢字の知られざる働きに光を当てて日本語の長所をも浮き彫りにする。
真の国際理解を進める上で必読の、こ...続きを読むとばについてのユニークな考察。
[ 目次 ]
第1章 ことばで世界をどう捉えるか
第2章 虹は7色か
第3章 日本人はイギリスを理解しているか
第4章 漢字の知られざる働き1―音読みと訓読みの関係
第5章 漢字の知られざる働き2―視覚的弁別要素の必要性
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
Posted by ブクログ 2009年10月04日
英語・フランス語・ロシア語・ドイツ語だけでなく、トルコ語や中国語なども含めて、りんごの色や虹の色数etcを切り口に日本語と外国語に着いて論じていくほか、日本語における漢字音訓についての検証など、面白い。
Posted by ブクログ 2009年10月04日
みかん色の猫ってどんな猫?翻訳本を読んでいてふと首を傾げたことはないだろうか。原文を照合すればorange catと出てくるだろうし、辞書を引いてもorangeオレンジ色と書いてあれば「オレンジ色の猫」と理解せざるを得ない。実は英語のorangeとは日本語でいうオレンジ色から煉瓦色までカバーしている...続きを読むので、orange catとは明るい茶色の猫のこと。みかん色の猫は珍しいけれど、茶色の虎猫だったら誰でも見たことがあるのではないだろうか。
こんな小さな翻訳の間違いが本全体の印象を変えてしまうことは少なくない。言語は文化背景と密接につながっており、辞書を引いただけでは理解の及ばないものも多い。この本はそんな言葉の背景に焦点をあて、記号ではなく「生きた言語」として理解するために必要な知識がぎっしり詰まっている。学校教育では学べない他言語との微妙な差異を鋭く指摘した言語社会学の権威、鈴木孝雄氏の名著。
Posted by ブクログ 2022年05月26日
それぞれの国で関心がある分野のことは
語彙が増えると読んだことがあります。
農業が盛んだった国では
気象に関する言葉が多かったりするように。
ある言語で、ひとつにしか結びつかない語が
別の言語ではいろいろな意味を含むとしたら
そこに「齟齬」が生じることもある。
うわ〜。翻訳が大変な仕事だってよくわか...続きを読むるなぁ。
この本でも、そういう語彙のことや
ひとつの言葉が与えるイメージも
国や時代によって変わってしまうという話
(太陽が赤くない国、虹が六色でも気にしない人)
カタカナ英語が氾濫する事情など
言語学習のためというより
国際社会で外国語を使うための予備知識が
たくさん載っている感じがします。
後半は漢字の利便性のような言語学的な話もあり。
1990年の新書ですが、今読んでもおもしろかった。
Posted by ブクログ 2019年06月18日
日本と外国では、「虹は何色と考えるか?」など言語以前に文化習慣の根っこのところが違うとか、日本語の音素の少なさと漢字との分かち難い関係など、外国語と対比した時の日本語の特質をいろいろな角度から考察する。そして、いまある日本語をもっと大事にしようや・・・と著者はつぶやく。絶滅危惧種・日本語に憐れみにも...続きを読む似たまなざしを向けるのである。
さすがに日本語表記をアルファベットに、という暴論はもはや力を持っていないと思うが、漢字を減らせという「間違った圧力」はなお強いと思うし、なにより生活レベルで無批判に増え続けるカタカナ語、さらにその闇雲な略語などがますます隆盛を極めている(「リア充」とかもう意味わかんないし)事実には、日本語の崩壊を感じざるを得ない。
近ごろネットを渉猟していると(とくに各種のWebサービスを利用したりしていると)、日本語はほとんどアメリカ語に呑み込まれようとしていると感じる。
自分もそういう環境にいるし、それを押しとどめようという気概もないんだけど、言葉を喪失するというのは日本のアイデンティティー・・・おっと、独自性を捨てることだと思う。
小学校ではアメリカ語を教え始めるというが、そんなヒマがあるんなら日本の文化習慣や自分の好きなことを貫く信念についてもっと教えたらいいと思う。手段をではなく自分自身をまず磨かずに、世界が認めることもあるまいよ。
Posted by ブクログ 2018年10月12日
国によって太陽の色を赤、黄と、月の色を黄、白。
虹を七色、六色と異なる。
イギリスでは運動会の商品は現金。足は恥部の一つ。
日本語では、基本的な漢字を成人するまでに約2000字覚えてしまえば、あとはほとんどの語彙が比較的容易に理解可能となる。利点。
Posted by ブクログ 2014年02月11日
1章から3章まで、この本の半分くらいは言語の特徴というよりは、文化の違いによる意味の広がり方の違いが現れていることを豊富な具体例で記しています。虹の色、太陽の色、リンゴの色の認識の違い、食べ物や服装の認識の違いが書かれています。
後半の4章と5章は漢字が持つ特徴を記してあります。
ここで書かれてい...続きを読むる漢字の特徴をひとつ挙げますと、複数の概念が組み合わさってできている「高級言語」に現れていることを著者は示しています。
英語で高級言語と呼ばれる単語はスペルから意味を察するのは難しく、丸暗記するしかないことが多いです。
「graminivorous」、これは漢字だと「草食性」。漢字の場合は聞くだけでも見ただけでも簡単に理解できるわけです。前者を理解するにはラテン語の知識も必要になってきます。
私の感想としては前半は冗長に感じましたが、特に後半の4章と5章は普段使っている日本語の特徴に気付かせてくれたので読んだ価値がありました。
Posted by ブクログ 2011年11月21日
2007年01月22日 01:58
入試小論対策。
最初は、この鈴木孝夫さんの自信満々さにいちいちむかついてたけどだんだん笑えるようになってきた。
だって「この言語は私はかなり以前から注目しており、◎◎と名付けた。」とか「それに関しては鈴木孝夫著の「なんちゃらかんちゃら」参照。」とかめっちゃ自...続きを読む己アピール激しい。
内容は・・無意識的文化強制(諸国での虹の色に関する認識の相違)が興味深かった。
「郷に入れば郷に従え」というのはあまりにも異文化理解が浅すぎますね。
異文化理解って難しいよな。あたりまえやけど。
あと高等語[難しいことば。高所恐怖症とか、水頭病とか。]の話もちょっとためになった。
日本語は基本となりうる単語にそれぞれ漢字がある。だからそれらをくっつけて熟語→高等語を作っても、意味は大体わかってしまう。
でも英語は元がギリシャ語からきてる。だから高等語も、基本英単語の構成でできてるんじゃなくて、ギリシャ語由来。だからまったく意味がつかめない。
例えばわたしたち日本人がho-shokuseiとko-hiju-って文字を見ただけじゃわかりにくい。てか私はわからん。ホウショクセイ、、飽食性とか奉職性とか宝飾性とか……。コウヒジュウ?高比重とか公費銃とか……?
だけどそれを漢字でかくとそれだけで瞬時に我々は今まで見当もつかなかった意味不単語がわかる。
ホウショクセイ…蜂食性
コウヒジュウ…厚皮獣
ああ、ホウショクセイってのはよく知らんけど、蜂を食べる性質ってことで、コウヒジュウは厚い皮をもつ獣か。
でも、これを英語にしたからって、蜂食性がbeeeatingになったり厚皮獣がtaughfaranimalになったりすることは決してない。
蜂食性はapivorous、厚皮獣はpachyderm。
面影ない!
ここででてくるのが噂のギリシャ文字。これらはギリシャ文字起源。
そして「だからか!!!」とすっごく納得してしまったこと。→英熟語で、「まったくわからない」「見当もつかない」は「It's all Greek to me.」だけど、
「なんでぐりーくとぅーみーなんやろ?」と文法書を見た時思ったんですが。
そう!!!!Greekなんだよ!!!!こっからきてたんだよ!!!!!!!!すげ───!!!!
まぁあとは憎たらしい本ですが、読んで損はなかったかな。
Posted by ブクログ 2011年06月15日
外国語やってるひとは読んで損ないかも けど序盤の退屈さは異常 読んでてしんどくなった でもだんだん面白くなってきて 最終的には楽しく読めたし 勉強になりました
Posted by ブクログ 2010年01月12日
前半は、言語によって世界の区切り方が異なる、という言語学の最も基本的な考え方の1つを、色彩語彙を取り上げて分かりやすく紹介している。後半はいかに日本語が漢字に依存する言語であるか、漢字の特徴や利点といった点について書かれている。
前半は高校生の現代文で読まされるくらい有名な部分で、分かりやすく面...続きを読む白いので、読む価値があると思う。後半は英語にもe.g.やi.e.には「音読み」と「訓読み」がある、という部分が興味深い。また、、この本の書かれている時(1990年、今からもう20年前)にはもう、カタカナ語が増えてきているという事実があり、既にきちんと分析されている点が面白い。(09/01/06)