鈴木孝夫のレビュー一覧

  • 日本語と外国語

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    とても面白かった。
    言語学と日本語のことがもっと好きになる。

    第五章で、カタカナ語の氾濫に対してバチギレ(誇張)している著者の熱量が好き。
    >いったい日本以外の国で、このように自国民だけしか飲まない(読めない)出版物の名前だけを、しかも国民のすべてが理解するとは限らない外国語で表示し表紙を飾るという、不可思議なことが流行しているだろうか。もしあるとすれば、それはどこかの国の植民地である。

    日本語のロゴが書かれたTシャツは日本人にとってはダサいものだが、英国では英字ロゴのTシャツは普通に売られている。
    当事者たちはどんな気持ちなんだろうと想像することもあったが、そもそも「母国語はダサい

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    2025年11月10日
  • ことばと文化

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    言語学者で慶應義塾大学名誉教授の著者により記された本書は、わたしたちがことばによってどのように世界を捉えているのか、またそれがいかに他言語・他文化と異なっているのかということについて述べられています。

    しばしばわたしたちは、ものというものの存在がまず先にあって、それに対応づけを行うようにことばというレッテルを貼っていくのだというような錯覚を覚えます。
    しかし、実際はその逆で、ことばがあるからものを認識できるのだと述べられます。

    例えば日本語では「湯」「水」「氷」をそれぞれ区別しているのに対して、英語では「water」と「ice」としか区別されません。

    一方、日本語では「ワニ」としか呼ばな

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    2025年10月22日
  • 閉された言語・日本語の世界【増補新版】(新潮選書)

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    日本語は世界で6番目に多く話されている大言語であるって知ってましたか?こんな感じで、日本語に対する認識を改めさせられる一冊です。お勧めです!

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    2025年04月16日
  • ことばと文化

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    言語が違うということは、世界を見るフィルターが違うということ。
    生まれたときから見ている世界を違ったフィルターを通して見ているとすれば、言語の違いが単純に「言葉が通じない」以上の意味をもつことがわかる。文化も考え方も、ものの捉え方も変わってくる。
    とりわけ、日本語における人称代名詞が、日本人の文化や考え方に多大な影響を及ぼしていることがわかった。
    自分のことを「ママ、パパ」「お姉ちゃん」など生得的階級が上のものは、自人称としてその階級を誇示するために使用することができ、ゆえに日本人は年齢、生まれもった資格(性別、階級)を重んじる文化が発達した。
    また、対象と同化することで自分の位置付け(自人称

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    2024年06月28日
  • 閉された言語・日本語の世界【増補新版】(新潮選書)

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    言葉を真剣に考察した結果生まれた本だと思った.日本語が不完全で不便であることを多くの事例を挙げて検証しているが、その中で多くの語句が目についた.例えば、「文字は言葉ではなく、ただ単に目に訴えるしるしによって言葉を記録する一つの方法に過ぎない.」 イギリスのブリタニカの本質を、「客観的な知識の集大成ではなくて、実は世界をイギリス人がイギリス人の目で、彼らの価値基準で解釈したもの」と称していた.日本語に人称代名詞が多いことに関して、「日本人は自分がなんであるかという自己同一性の確認を他者を基準にして行う傾向が強い.」 英語を国際補助語としてとらえて、現在学校で教えている英語の不完全さを指摘していた

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    2023年11月26日
  • 日本語と外国語

    ネタバレ 購入済み

    感想

    第四章、五章に関して、作品の中で挙げられる例はなんだか難しいと思うものもあったが、よく考えてみると私たちの身近に頻繁に見られる現象や出来事に当てはまることもたくさんあり、考えさせられることが多かった。また、英語を学んでいる身としては、初めの方に登場した、日本の中で日本人が使用しているカタカナ表記の英単語が表す単語の意味と、実際に英語を日常的に使用して生活している人が思う単語の意味には、時に全く違う内容を表していることもあるのだということに驚いた。さらにその違いに気がつくには、違っていないと思っている考えを捨て、常に私たち日本人の思うこの単語が表す意味と、英語を話す人々が使用するこの単語が表す意

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    2020年06月24日
  • ことばと文化

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    ネタバレ

    良著。まえがき,1~5章・6章1節6節,あとがきを読んだ.

    <印象的なものを列挙>
    1,2章:文化によって各言葉で各事象概念を包括できる範囲が異なる.よって文化によっては区別されない事象概念を区別する文化があるために文化によって言葉の数が異なる.

    3章:名詞は人によって着目ポイントが異なるので動詞や形容詞の方が定義しやすい.言葉の意味は個々人の体験に基づくため言葉の定義を言葉で示すことができても意味を示すのは至難の業である.辞書ではよく説明のループが起きている(特に基礎語(これ以上分けようがない言葉)において多い).

    5章:文化によって感じ方が異なる(この例ではイギリス人と日本人の動物観

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    2020年04月22日
  • ことばと文化

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    入試問題で一節に出会った事がきっかけで読んだ本です。ことばの持つ背景について、ずっと心の本棚にある素敵な本です。

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    2019年11月14日
  • 下山の時代を生きる

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    平田「…いまの語学教育は、『使える』ということのみに偏っている」

    鈴木「…日本のこれからの一般の外国語教育は異文化理解ということを主にして展開すればいい。『月は黄色』と日本人は思うけれど、白と思う国もあるんだよ。中国では太陽が白なんだよ。…逆に日本の日の丸は赤でしょう。ところが世界中の人に『これはなんだ?』と聞いたら、ほとんどの人は『血』って答えますよ。だいたい世界の人の赤い丸は血なんです。日本人だけが太陽だと思っている。…」


    言葉や文化の違いの「面白さ」を
    どこかに置き忘れて
    使うことばかりを念頭に言語教育をしていないかと
    考えさせられたやりとり

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    2018年04月18日
  • ことばと文化

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    今後も何度か読み直したい本。
    外国語を勉強しているとどうしても不可解なもの(言葉やルールなど)が出てきて、それに気持ちが引っかかって勉強する気が失せることがある。
    この本で「それは文化も違えば言葉のルールも違うから」と気付かされた。人間にとって言葉は万能のツールのようなものだと無意識に思っていたけれど、その固定概念を覆される。
    「そうだったのか」の連続でどんどん読み進めてしまって、くせになる。
    「言葉は生き物」と言われることにより深く納得できる。本当にDNAみたいだ、と思った。

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    2017年07月04日
  • 日本語教のすすめ

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    外国人に日本語を勉強してもらうことに非常に共感を覚えた。
    日本の文化である日本語をどんどん発信して、外国人に日本後を覚えてもらい、移住して働いてもらうことも日本の未来にとっては重要なんじゃなのかなとこの本を読んで思った。

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    2016年07月18日
  • 日本語と外国語

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    「外国語を学ぶとはどういうことか」というテーマ,それと「日本語における漢字の重要性」というテーマのふたつが語られ,両者ともにインパクトのある内容となっている.

    以前,日本語ローマ字論者への反論したかったことがあるが,論破が難しかったことがあったが,この本を読んで,日本語に言語として漢字が組み込まれている点が明快に理解でき,個人的にすっきりすることができた.

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    2015年12月03日
  • ことばと文化

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    ことばについて目を向ける良い機会になる。

    ことばの意味や使い方には構造があり、それが言語によって異なっているという認識を持っていないと、
    第二言語学習の混乱を招く。
    項目対項目で理解するのではなく、ことばの構造を理解する必要がある。


    また、ことばとは、どういった意味を持っているのか。
    実は、「説明」できることばと、説明ではなく個人個人の「経験」により意味が大きく異なってくることばがある
    「石」や「痛い」など、幼児期に自然と身につけた言葉は、個人の経験によって意味合いが異なり、また言葉で説明することが難しい。

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    2014年05月14日
  • ことばと文化

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    言語学における名著だと思います。

    高校生の頃、夏期語学留学に行く私に校長先生が薦めてくれました。

    日本語と外国語、日本文化と国外文化についてが理解できます。

    この本のお蔭で語学に興味が持てたのかしら?

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    2014年01月13日
  • ことばと文化

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    外国人学習者が感じる「日本語の難しさ」って、こういう事なのかなー。
    普段、何の疑問も感じずに使っていたあんな言葉・こんな用法が、改めて考えてみるとこんなに不思議だったなんて。しかもその不思議さを理路整然と説明した本があったなんて。

    言語の比較を通して、日本文化独特の心性(対象依存型自己規定、自分を相手に同調させ相手の気持ちになることを重視する等)まで浮き彫りになってしまう事に大興奮です。

    高校生の頃に読んでいれば、と悔やまれる1冊。

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    2013年11月09日
  • 日本人はなぜ日本を愛せないのか(新潮選書)

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    今の自分の問題意識にピッタリはまった本。読み終わって、本当に気持ちが晴れた。自分の考えていた、悶々とした迷いは、決して間違いではなかった。

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    2013年10月04日
  • ことばと文化

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    「外国語を学ぶことで外国の文化を知れる」などと今では言われ尽くしているが、この本の序盤で「外国語を学ぶことがすなわち外国の文化を知ることになる」ということに気づける。他にも海外の指標を日本に当てはめることがいかに無駄かについて言語学的見地からの批判など、考え方として得るものが多かった。
    しかしやはり、「言語学的な考え方」をこの本全体を通して知ることができ、入門書として素晴らしいものだと思う。

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    2013年06月24日
  • 日本語教のすすめ

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    言語社会学者、鈴木孝雄の書。

    世界には6千もの言語があるとのこと。
    日本語を他国の言語と比較し、その独自性を追求していくなかで、日本語の素晴らしさを説かれている。

    当たり前のように接し、当たり前のように使用している母国語の日本語。だからこそ、気付かないその魅力を十二分に解説されている。

    二重音声、色、人称の話は感心しながら楽しく読めた。
    また、文明と言語の絡み合いについて力説されている当たりは、後段の日本語教のすすめに説得力を与えている。

    日本語が、世界から、そして日本人自身から過小に評価されている点について、それを大きく撥ね除けるように日本語の魅力が綴られている。

    著者は新興宗教を

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    2012年08月04日
  • 日本語と外国語

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    特に4章5章の「漢字の知られざる働き」が印象的だった。視覚的に見れば意味がわかる漢字と、ラテン語・ギリシャ語が元になり、その単語自体を知らないとわからない英単語の違いは言われて初めて気づいた。

    乱用されているカタカナの弊害は、まさに身にしみて感じているところで、漢字文化の有り難さをもっといろんな人に知ってほしいと思った。

    「外国語上達法」という本で、その国の文化を知る重要性について触れていたが、まさにその文化・考え方に関することがぎっしり詰まっている。外国語と比べることで、改めて日本語が好きになるような本です。

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    2012年04月10日
  • 日本語と外国語

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    ネタバレ

    前に読んだ「ことばと文化」もべらぼうに面白かったが、
    これもそれに迫る勢いで面白い。

    りんごは何色か、
    太陽は何色か、
    虹は七色か、
    といった日常的の一旦から、
    言葉と密接にかかわる文化の違いを明らかにしていく様はエキサイティング。
    辞書での意味の一致が必ずしも環境認識と一致しているとは限らない、
    というのは見落としがちな事実だな。


    他にも、
    イギリス人が靴を脱ぐのを嫌がるのは、
    「足」の持つ根本的な意味の違いから来ているという考察。

    日本語の漢字の音読みと訓読みという、
    同一概念の二重音声化と同一表記の双面性が、
    高級語彙の理解に寄与しているという考察。

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    2012年02月16日