鈴木孝夫のレビュー一覧

  • 閉された言語・日本語の世界【増補新版】(新潮選書)
    言葉を真剣に考察した結果生まれた本だと思った.日本語が不完全で不便であることを多くの事例を挙げて検証しているが、その中で多くの語句が目についた.例えば、「文字は言葉ではなく、ただ単に目に訴えるしるしによって言葉を記録する一つの方法に過ぎない.」 イギリスのブリタニカの本質を、「客観的な知識の集大成で...続きを読む
  • 日本語と外国語

    感想

    第四章、五章に関して、作品の中で挙げられる例はなんだか難しいと思うものもあったが、よく考えてみると私たちの身近に頻繁に見られる現象や出来事に当てはまることもたくさんあり、考えさせられることが多かった。また、英語を学んでいる身としては、初めの方に登場した、日本の中で日本人が使用しているカタカナ表記の英...続きを読む
  • ことばと文化
    良著。まえがき,1~5章・6章1節6節,あとがきを読んだ.

    <印象的なものを列挙>
    1,2章:文化によって各言葉で各事象概念を包括できる範囲が異なる.よって文化によっては区別されない事象概念を区別する文化があるために文化によって言葉の数が異なる.

    3章:名詞は人によって着目ポイントが異なるので動...続きを読む
  • ことばと文化
    入試問題で一節に出会った事がきっかけで読んだ本です。ことばの持つ背景について、ずっと心の本棚にある素敵な本です。
  • ことばと文化
    今後も何度か読み直したい本。
    外国語を勉強しているとどうしても不可解なもの(言葉やルールなど)が出てきて、それに気持ちが引っかかって勉強する気が失せることがある。
    この本で「それは文化も違えば言葉のルールも違うから」と気付かされた。人間にとって言葉は万能のツールのようなものだと無意識に思っていたけれ...続きを読む
  • 日本語教のすすめ
    外国人に日本語を勉強してもらうことに非常に共感を覚えた。
    日本の文化である日本語をどんどん発信して、外国人に日本後を覚えてもらい、移住して働いてもらうことも日本の未来にとっては重要なんじゃなのかなとこの本を読んで思った。
  • 日本語と外国語
    「外国語を学ぶとはどういうことか」というテーマ,それと「日本語における漢字の重要性」というテーマのふたつが語られ,両者ともにインパクトのある内容となっている.

    以前,日本語ローマ字論者への反論したかったことがあるが,論破が難しかったことがあったが,この本を読んで,日本語に言語として漢字が組み込まれ...続きを読む
  • ことばと文化
    ことばについて目を向ける良い機会になる。

    ことばの意味や使い方には構造があり、それが言語によって異なっているという認識を持っていないと、
    第二言語学習の混乱を招く。
    項目対項目で理解するのではなく、ことばの構造を理解する必要がある。


    また、ことばとは、どういった意味を持っているのか。
    実は、「...続きを読む
  • ことばと文化
    言語学における名著だと思います。

    高校生の頃、夏期語学留学に行く私に校長先生が薦めてくれました。

    日本語と外国語、日本文化と国外文化についてが理解できます。

    この本のお蔭で語学に興味が持てたのかしら?
  • ことばと文化
    外国人学習者が感じる「日本語の難しさ」って、こういう事なのかなー。
    普段、何の疑問も感じずに使っていたあんな言葉・こんな用法が、改めて考えてみるとこんなに不思議だったなんて。しかもその不思議さを理路整然と説明した本があったなんて。

    言語の比較を通して、日本文化独特の心性(対象依存型自己規定、自分を...続きを読む
  • 日本人はなぜ日本を愛せないのか(新潮選書)
    今の自分の問題意識にピッタリはまった本。読み終わって、本当に気持ちが晴れた。自分の考えていた、悶々とした迷いは、決して間違いではなかった。
  • ことばと文化
    「外国語を学ぶことで外国の文化を知れる」などと今では言われ尽くしているが、この本の序盤で「外国語を学ぶことがすなわち外国の文化を知ることになる」ということに気づける。他にも海外の指標を日本に当てはめることがいかに無駄かについて言語学的見地からの批判など、考え方として得るものが多かった。
    しかしやはり...続きを読む
  • ことばと文化
    一つの言葉には一つの意味がある。
    一つの言葉が、文化の違いによって、
    複数の言葉に対応するとしても。

    breakは、何かを力によって分けることを意味する。
    日本語だと壊す,割る,折る,切るに対応することがある。
    意味と対応する他の言語の用語は一つとは限らない。
    それが文化の違い。

    人称代名詞につ...続きを読む
  • 日本語教のすすめ
    言語社会学者、鈴木孝雄の書。

    世界には6千もの言語があるとのこと。
    日本語を他国の言語と比較し、その独自性を追求していくなかで、日本語の素晴らしさを説かれている。

    当たり前のように接し、当たり前のように使用している母国語の日本語。だからこそ、気付かないその魅力を十二分に解説されている。

    二重音...続きを読む
  • ことばと文化
    好きだわ~この感じ。
    なにげなく使っている言葉の不思議構造がビシバシとロジカルに解き明かされていく。
    英語を習い始めた10代で読んでおきたかった。
  • 日本語と外国語
    特に4章5章の「漢字の知られざる働き」が印象的だった。視覚的に見れば意味がわかる漢字と、ラテン語・ギリシャ語が元になり、その単語自体を知らないとわからない英単語の違いは言われて初めて気づいた。

    乱用されているカタカナの弊害は、まさに身にしみて感じているところで、漢字文化の有り難さをもっといろんな人...続きを読む
  • 日本語と外国語
    前に読んだ「ことばと文化」もべらぼうに面白かったが、
    これもそれに迫る勢いで面白い。

    りんごは何色か、
    太陽は何色か、
    虹は七色か、
    といった日常的の一旦から、
    言葉と密接にかかわる文化の違いを明らかにしていく様はエキサイティング。
    辞書での意味の一致が必ずしも環境認識と一致していると...続きを読む
  • 日本人はなぜ日本を愛せないのか(新潮選書)
    もちろんタイトルにあるように「日本人はなぜ日本を愛せないのか」を、その歴史や地理的な背景にも言及しながら、ていねいに考察している。しかし、それだけではなく、日本が無意識に陥ってしまっている西欧崇拝や西欧中心主義の視点はなぜ生まれたのか、日本が失わなかった伝統的な文化の特色がなぜ今世界に必要とされてい...続きを読む
  • 日本語と外国語

    太陽の色は何色?

    赤。


    さて、果たして他の国でも同じでしょうか?


    りんごは?

    虹は?


    言葉の意味だけでなくその文化背景を理解しないと本当のコミュニケーションは図れません。


    言葉という表面に現れた現象だけを対象にする辞書の限界。


    例え言葉が通じても、その言葉を通じて見ているも...続きを読む
  • 日本人はなぜ日本を愛せないのか(新潮選書)
    信仰の自由を掲げている日本で、キリスト教の布教率が1%を越えないのは「日本人は魚と農業の国だから」。


    は?何で?


    と思うかもしれませんが、その理由も分かりやすく書いてあります。

    キリスト教だけでなく、日本が外交が苦手な理由などもこれで納得がいきます。



    そして日本という国がいかに裕福で...続きを読む