藤たまきのレビュー一覧

  • 夏の名残りのばら

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    BLカテゴリなのは掲載雑誌がBL系だったからですが、実はBLではありません。
    ヴァイオリン職人を目指す少年・データとヴァイオリニストを目指す少年・ルースの友情話。独特の画面構成から織り成す繊細な心理描写は、はかなくも美しい印象を受けます。ルースの保護者・アッシャのエピソードだけでも単行本一冊出せそうなので、できれば読んでみたかったです。

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    2009年10月04日
  • 蛇崩、交差点で

    購入済み

    叙事詩のように

    強い熱量を抑えつつ描かれた、叙事詩のような内容だった。
    紡がれるモノローグも、淡々としているようで、じわりと胸に刺さるところがある。
    また読み返す気がするので☆4。

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    2020年01月23日
  • ドント・ルックバック

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    萌え。こういった翻訳サスペンスものって好きだな~と実感。物語自体は様式美にのっとった話なので、目新しさとかはないんだけど、そこにBLがあるだけでどれだけワクワクするものか。
    「フェアゲーム」のように以前恋人同士だった二人が事件を通して近づいていく話でしたが、深刻度はこっちの方が上でした。命を狙われる・犯罪者にさせられる・利用される…気の毒で可哀想で、BLは二の次にさせられかけた(笑)
    ラストはやっぱりあっさり目。ラニヨンさん、その先が読みたいです!ああ、でもこのあともう少し!なところが逆にいいのか。どちらにしても他の作品も読むけどね!

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    2016年03月19日
  • アタ

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    讃岐さん素敵。
    目の細い黒髪!(あの長さが良い)
    いやー、しなやかだわ。。。
    噛ませ犬だけどねぇ。

    アタが可愛いんだろうけど。
    とてもおバカさんに見えて。
    やっぱり愛されるべきおバカが、男でも女でもモテるのかねぇ。。。

    お節介やきのイケメン、落ちてないかなぁ。

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    2016年02月04日
  • 明日が世界の終わりでも-榎田尤利作品集-

    購入済み

    こういう愛の形

    最初のピアノ弾きのお話は良くも悪くも平均点って感じですかね。英才教育を受けコンプレックスの塊のよーなツンな受けが天才肌でも天真爛漫でお日様のよーな攻めに惹かれてく、でも素直になれずってゆー特別派手さはなくでも意地を張ったり驕った考えにより失敗したりとゆーまあ予想出来る範囲内のお話。タラちゃんの逆切れ告白は結構な見ものでした(笑)。続くお話が、これが度肝を抜かれたとゆーか期待してないとこにまともにパンチ喰らっちゃった感じです。重い。視姦とゆー性趣向を大々的に取り入れた作品を読んだ記憶もなかったので余計に、ですが好きな相手に触れられず他人との情事を見られる、、って私には理解に苦しく受け入れ難い。玲

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    2015年02月18日
  • この世にただひとり

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    ふわりとしたファンタジックなお話の似合う藤たまきさんの初のガールズ本。20年以上前、藤たまきさんの二次創作同人誌大好きでたくさん持ってたなあ。

    ……かわいい〜……。
    みんなすっごくかわいい。

    天真爛漫でちょっとわがままなお嬢様とクールな女執事のお話が本当に可愛いくてキュンとした!寝る前に読んでにこにこしたくなるお菓子みたいな短編集。

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    2015年01月10日
  • ドント・ルックバック

    購入済み

    読ませ、られます。

    筆力ある作家さんによるミステリー、翻訳家さんの腕も良いんだと思いますがしっかり食い付かされました。フェアゲームよりスリリングさは低い気もしますが('アイツ'が黒いと早い段階で判明するので)、欧米人ならではと言っていいのか男としての矜恃を持ってる強めなキャラとか描写はさほどもないけど濃い甘さの気配がイイ。記憶喪失で始まるお話、独特の不透明さと未練たらしいピーターの乙女思考(笑)にもどかしくもあるんですが予想通りでも意外でも結果楽しめる展開でした。グリフィンの不遜なキレ者具合がいいな〜。確かに終わり方は、広げた荷物を慌てて片した感はありますが、構成がしっかりしてる分読み終えてし

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    2014年07月13日
  • フラッグ(2)

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    守られていた方が守っていた方より先に大人になるのは、守っていた方の守り方が愛情深かったからだろうなぁ…その心の底にあるものがなんであろうと、守られていた方にとっては唯一かけがえのない愛情だったんだ、と言うことじゃないだろうか。個人的には火天忍ぶと光のスピンアウト作品を読んでみたい。特に光は物事の捉え方と言い個性的で気になるキャラだ。
    置いて行かれた子供と捨てられた子供の共依存関係を泥臭く自棄的にではない手法で描かれる作者の独自性がいい。日高の「寂しい」からのセックス依存的な部分も、同情的にや頽廃的にではない方向で描かれていて、モチーフは怖いんだけど、怖くない。

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    2014年02月05日
  • フラッグ(1)

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    藤たまき作品に登場する肉親から愛されない子供、背的に奔放な少年及び青年、外界との接触不良、誰かに対する異常な執着、と書き連ねると「暗い」イメージしか湧かないモノを陰湿に描かないと言う独特の雰囲気を持っている作家さんだ。加えて、この作品の「無国籍」感は萩尾望都作品を彷彿とさせるモノがある。懐かしいのに古臭く感じない不思議。

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    2014年02月05日
  • 遊覧船

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    金を持っているが故に歪んだ人間関係に押し掛けられて、人間不信でなかく人間関係=金、と言う価値基準を植え込まれてしまった間宮と言う不器用な男を好きになった日和が、彼の価値観を間違っていると教えてあげると言う都合のいい話ではなく、そう言う間宮を否定しないで互いに歩み寄る方を選んだお話。金に代えられない目に見えないモノを押し付けるでもなく、お金と言うものを愛情を確かめる目に見えるものの一つとして定義しているだけで、まぎれもなく恋のお話。

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    2014年01月27日
  • アタ

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    事情がある子供を預かる家の子・影郎と、事情があって預けられた子供のアタ。二人は兄弟の様に育つ。ゲイだと公言し、男に恋してはふらふらするようになったアタの事が、いつの間にか解らなくなっていた影郎。自分の中身が空っぽで、それを埋めるように男にいい様にされるアタに口煩い影郎。
    兄弟でもなく幼馴染でもないけど、家族の様に生きている二人の話。自分に理解できないことばかりしているアタに、それは間違っているとばかり言う影郎と、アタの間には相手の為にと言いながらも、本当の相手の内面を理解してないと言う境界線がある。終盤まで、その境界線は影郎の「自分の知っている世界以外の事は存在しない」と言う考え方の様に思うが

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    2014年01月25日
  • ドント・ルックバック

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    ハマってます!
    M/M(Male/Male)小説のジョシュ・ラニヨン氏!

    日本のBL小説とは違い、しっかりとゲイのロマンス小説って感じが、とってもガチです。
    でも今時の日本のBLより、余程ロマンティックかも(笑)
    なるほど、ゲイはこういう恋愛を夢みるんだな~って思いました。
    ハーレクインの男性版だね。

    題名は訳すと「後ろを振りかえるな」とか「振り向かないで」とか。
    ミステリ・ロマンスで、今回の主人公はもちろんゲイで美術館のキュレイター(管理監督専門のいわゆる学芸員みたいな人)です。
    初っ端から頭殴られて記憶を失い、事件の目撃者から容疑者になり追いつめられてしまいます。
    追いつめる捜査官の男

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    2014年01月09日
  • 不思議ポット(3)

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    言葉で言い表しにくいのだが、絵柄の持つ柔らかさと、人間の感情の持つ極端に端に寄ってる感じの(好きと言う感情さえも)バランスが、甘いものと辛いもの、柔らかいものと固いものが一緒に口に入る違和感に似ていて…癖になるんだ!!シバに辿り着いた未来の場面でほろっと来ちゃったよ…変わらない想いを描くのが上手い人だなぁ、と思った。

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    2014年01月08日
  • 不思議ポット(2)

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    漫画描かないからどう言う表現方法なのか言葉を知らんが、藤さんの白い斑点、
    カラー絵にもスクリーントーンの上にも飛んでる白い点々、あれが最初「ファンタジーやな…」って印象強くて苦手意識あったんだよね…そして、苦手意識を最初に抱いた作家さんの方が後々ずしっと来ること多いよね。

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    2014年01月08日
  • 蛇崩、交差点で

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    五叉路で擦れ違うだけの子に10年来の片思いから始まる物語。現実は「擦れ違うだけ」で終わってしまうものを、フィクションであるから物語が動く、と言う醍醐味を満喫。自分にないもの、自分が持ってないものに惹かれるのは「焦がれる」からであり、自分にないものを持っていることへの「憧れ」から生じていると思う。自分の置かれている境遇から救ってくれ、と一方的に望むのは間違っていると思いながら、持ってないモノを持っているから好きなのかもしれない、と疑いながら、それで「好き」を続けて行くのはやっぱり理屈をこねまくらなくても好きだからに違いない。何年も年月を置いていても変わらない、と言う話が好きなんだよなぁ…自分自身

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    2014年08月01日
  • 不思議ポット(1)

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    ちょっと前の私なら、この手のものは自分から読まなかっただろうなぁ。未来の「素直な性格」が素直に可愛いと思える(笑)。2巻以降が手元にないと言う…ね…ファンタジーの中の悪意の緊張感は好きなんだよ。

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    2013年12月25日
  • ドント・ルックバック

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    フェア・ゲームを読んだ直後に購入。同じ作家さんと翻訳さんということで安心して読めました。記憶喪失もの。ミステリーなのですが、読み進めていくうちに犯人は朧気に分かるかなーという点と、ちょっと短めなので星をひとつ減らしましたが、翻訳ものにしては読みやすくていいんじゃないかと思います。恋愛要素強め。恋は盲目とはよくいったものです。

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    2013年10月12日
  • 蛇崩、交差点で

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    どうすることもできない自分の世界、うまくかみ合わない思い、それらを象徴するかのような蓋をされてしまった川・・・・・・。
    若い暴走なんだろうけれど、静かだった。
    そこがジワジワ切なくて、怖い。
    藤たまきさんの世界だなぁって思った。

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    2013年09月15日
  • 明日が世界の終わりでも-榎田尤利作品集-

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    largo 音楽をやってる子たちの真剣さが伝わる。
    タイプの違うイケメン3人。
    イケメン祭り♪

    明日が世界の終わりでも 痛い。辛い。
    でも、ちゃーんと愛がある。
    書き下ろしの登場人物たちの年齢。。。
    スゴイと思う。

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    2013年07月12日
  • 密告

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    リアルとファンタジー、現実と虚構が付かず離れずしてる独特の雰囲気。表題作の『密告』は明治カナ子さんの作品にも通じる怖さも感じる。自分の弱さや強迫観念に自分一人で退治しようとして秘密を抱える者と、それほどに思い込んでるモノを物ともしない者との対比に固執しているのかなぁ、藤たまきさん…救いを求めながらも本性が相手に知られてしまう恐怖のモチーフが繰り返される作家さんだ。
    『水を~』も好きだ。ファンタジックに見せかけておいてそこに着地しない。「この水…僕いつも熱が出る」~「…僕とS〇Xしてくれるって事?」って下りいいなー、普段こんな事は考えないのだが、ロマンチックな誘い方だよ!!

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    2014年01月15日