藤たまきのレビュー一覧
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叙事詩のように
強い熱量を抑えつつ描かれた、叙事詩のような内容だった。
紡がれるモノローグも、淡々としているようで、じわりと胸に刺さるところがある。
また読み返す気がするので☆4。 -
購入済み
こういう愛の形
最初のピアノ弾きのお話は良くも悪くも平均点って感じですかね。英才教育を受けコンプレックスの塊のよーなツンな受けが天才肌でも天真爛漫でお日様のよーな攻めに惹かれてく、でも素直になれずってゆー特別派手さはなくでも意地を張ったり驕った考えにより失敗したりとゆーまあ予想出来る範囲内のお話。タラちゃんの逆切れ告白は結構な見ものでした(笑)。続くお話が、これが度肝を抜かれたとゆーか期待してないとこにまともにパンチ喰らっちゃった感じです。重い。視姦とゆー性趣向を大々的に取り入れた作品を読んだ記憶もなかったので余計に、ですが好きな相手に触れられず他人との情事を見られる、、って私には理解に苦しく受け入れ難い。玲
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購入済み
読ませ、られます。
筆力ある作家さんによるミステリー、翻訳家さんの腕も良いんだと思いますがしっかり食い付かされました。フェアゲームよりスリリングさは低い気もしますが('アイツ'が黒いと早い段階で判明するので)、欧米人ならではと言っていいのか男としての矜恃を持ってる強めなキャラとか描写はさほどもないけど濃い甘さの気配がイイ。記憶喪失で始まるお話、独特の不透明さと未練たらしいピーターの乙女思考(笑)にもどかしくもあるんですが予想通りでも意外でも結果楽しめる展開でした。グリフィンの不遜なキレ者具合がいいな〜。確かに終わり方は、広げた荷物を慌てて片した感はありますが、構成がしっかりしてる分読み終えてし
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守られていた方が守っていた方より先に大人になるのは、守っていた方の守り方が愛情深かったからだろうなぁ…その心の底にあるものがなんであろうと、守られていた方にとっては唯一かけがえのない愛情だったんだ、と言うことじゃないだろうか。個人的には火天忍ぶと光のスピンアウト作品を読んでみたい。特に光は物事の捉え方と言い個性的で気になるキャラだ。
置いて行かれた子供と捨てられた子供の共依存関係を泥臭く自棄的にではない手法で描かれる作者の独自性がいい。日高の「寂しい」からのセックス依存的な部分も、同情的にや頽廃的にではない方向で描かれていて、モチーフは怖いんだけど、怖くない。 -
Posted by ブクログ
事情がある子供を預かる家の子・影郎と、事情があって預けられた子供のアタ。二人は兄弟の様に育つ。ゲイだと公言し、男に恋してはふらふらするようになったアタの事が、いつの間にか解らなくなっていた影郎。自分の中身が空っぽで、それを埋めるように男にいい様にされるアタに口煩い影郎。
兄弟でもなく幼馴染でもないけど、家族の様に生きている二人の話。自分に理解できないことばかりしているアタに、それは間違っているとばかり言う影郎と、アタの間には相手の為にと言いながらも、本当の相手の内面を理解してないと言う境界線がある。終盤まで、その境界線は影郎の「自分の知っている世界以外の事は存在しない」と言う考え方の様に思うが -
Posted by ブクログ
ハマってます!
M/M(Male/Male)小説のジョシュ・ラニヨン氏!
日本のBL小説とは違い、しっかりとゲイのロマンス小説って感じが、とってもガチです。
でも今時の日本のBLより、余程ロマンティックかも(笑)
なるほど、ゲイはこういう恋愛を夢みるんだな~って思いました。
ハーレクインの男性版だね。
題名は訳すと「後ろを振りかえるな」とか「振り向かないで」とか。
ミステリ・ロマンスで、今回の主人公はもちろんゲイで美術館のキュレイター(管理監督専門のいわゆる学芸員みたいな人)です。
初っ端から頭殴られて記憶を失い、事件の目撃者から容疑者になり追いつめられてしまいます。
追いつめる捜査官の男 -
Posted by ブクログ
五叉路で擦れ違うだけの子に10年来の片思いから始まる物語。現実は「擦れ違うだけ」で終わってしまうものを、フィクションであるから物語が動く、と言う醍醐味を満喫。自分にないもの、自分が持ってないものに惹かれるのは「焦がれる」からであり、自分にないものを持っていることへの「憧れ」から生じていると思う。自分の置かれている境遇から救ってくれ、と一方的に望むのは間違っていると思いながら、持ってないモノを持っているから好きなのかもしれない、と疑いながら、それで「好き」を続けて行くのはやっぱり理屈をこねまくらなくても好きだからに違いない。何年も年月を置いていても変わらない、と言う話が好きなんだよなぁ…自分自身
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Posted by ブクログ
リアルとファンタジー、現実と虚構が付かず離れずしてる独特の雰囲気。表題作の『密告』は明治カナ子さんの作品にも通じる怖さも感じる。自分の弱さや強迫観念に自分一人で退治しようとして秘密を抱える者と、それほどに思い込んでるモノを物ともしない者との対比に固執しているのかなぁ、藤たまきさん…救いを求めながらも本性が相手に知られてしまう恐怖のモチーフが繰り返される作家さんだ。
『水を~』も好きだ。ファンタジックに見せかけておいてそこに着地しない。「この水…僕いつも熱が出る」~「…僕とS〇Xしてくれるって事?」って下りいいなー、普段こんな事は考えないのだが、ロマンチックな誘い方だよ!!