藤たまきのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
大好きなフェアリードクター・シーナのシリーズ中でもダントツ大好きな『海の国の犠牲(サクリファイス)』が収録されてる第2巻。今回このレビューを書くにあたり久々読み返してみたら案の定、アホみたいに泣けてしまってまいった。藤さんの繊細なタッチで描かれる万華鏡のようにキラキラ色彩あざやかなストーリーと、胸に迫る静謐で美しいモノローグの威力は本当すごい。言葉のチョイスが綺麗で優しくて、でも時に愚かな人間の真価を問うような生々しさもあって、決して上辺だけのお綺麗さじゃないからストンと心に落ちてくる。
そんなマイフェイバリット『海の国の犠牲』は、タンカー事故による原油流出で海洋汚染の危機に瀕している母の故郷 -
Posted by ブクログ
我が心の名作BLは数あれど、これは本当に掛け値なしの名作。だと私的に信じて疑わない。BL要素は非常に薄口(※せいぜいキスまで)だけど、萌えだのなんだのいう煩悩を遥かに超越して深く心に沁み入る何かがある、そんな珠玉のシリーズ連作。イギリスののどかな片田舎で精霊に関するよろず相談事を請け負いながら、穏やかだけれどちょっと風変わりで騒々しい日々を過ごすフェアリードクターの少年・シーナと、無垢で純粋な彼と心を通わせる精霊達とのハートウォーミング・ストーリー。
BL的な設定としておもしろいのは、産まれて間もないシーナを女の子とカン違いしたおっちょこちょいフェアリの祝福のせいで彼がこの世のすべての男の精霊 -
Posted by ブクログ
また2巻だけ画像あり。
全3巻。3巻が辞書のように分厚いです。
藤さん作品の中では珍しいくらい、恋愛モノ恋愛モノしてる。
基盤にあるのが基本ずっと恋愛。
なんだけど、恋愛マンガでよくここまで繊細に葛藤させられるねってくらい主人公が悩む悩む悩む。
気持ちは分かるし、主人公の真面目さはとても日本人的で、共感しやすいんだけど、そこまで描くかっつーくらい、悩む悩む悩む。
そんなにすごい事件なんかが起こるわけじゃないから、とても些細なことで悩んだり、とても根源的なことで悩んだり、そう、恋愛マンガじゃこういうとこの悩みはスルーするんじゃない?ってくらい、悩む。
そこが綺麗に分かりやすく描ける位、人物の