小林正弥のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
去年流行った「白熱教室」では,サンデル自身の思想的立場が開陳されることはなかった。この本は,サンデルの過去の著作の解説という感じで,それを通じてサンデルの思想を紹介している。
アメリカの政治哲学には疎いので,いろいろ勉強になった。サンデルは,政治哲学を復興したというロールズの『正義論』を批判する『リベラリズムと正義の限界』で鮮烈にデビュー(82年)。
ロールズはリベラルの立場から,福祉を擁護するために「無知のベール」を導入したが,サンデルはこれを批判した。家族や組織,国籍といった自分の属性を捨象した「負荷なき自己」を想定したロールズの議論は,重要なものを見落としている,という。現実の人間 -
Posted by ブクログ
サンデル教授の「白熱教室」で展開された哲学を彼が最も信頼を寄せるといわれている筆者に解説してもらったのがこの本らしいのですが。こっちのほうがむしろ僕には難しかったです。
この本は『白熱教室』のサンデル教授の『白熱教室』の授業のあとに、解説をされていらした千葉大学教授の小林正弥先生によるサンデル教授の説く政治哲学を解説したものなんですけれど、解説というよりもむしろこっちのほうがかなり難しいです。そして新書とはとても思えないほどの膨大な情報量で読んでいて結構骨が折れました。
『正義とは何か?』この単純にして、最も奥深い命題を筆者はサンデル教授が説いた命題に重ねて投げかけては来ているんですけれど