星野源のレビュー一覧
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ネタバレ星野源の『よみがえる変態』は、一見すると軽やかで笑いを誘うエッセイ集である。しかし、その底に流れるものは、決して軽薄なものではない。むしろ、闇の中でなお光を見出そうとする人間の強靭な意思であり、絶望をも笑いへと変換する稀有な表現力である。
本書には、下世話なユーモアや日常の小さな出来事が散りばめられている。だがそれらは単なる戯れではなく、読者に生きる力を与える「肯定の言葉」として響く。くだらないことを笑い飛ばす余裕の中に、人生の苦しみを引き受け、それを昇華していく強さが宿っている。
特筆すべきは、著者が自らの病との闘いを赤裸々に描きながらも、それを悲嘆としてではなく、むしろ「生の実感」とし -
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ネタバレミュージシャンであり、役者であり、文章を書く人である星野源が好きだ
久しぶりのエッセイ集には初参戦した2017年のアリーナツアー「Continues」や「コウノドリ」シーズン2、「POP VIRUS」「うちで踊ろう」コロナ禍を経て「MIU404」「不思議」「17歳の帝国」…私の過ごした7年半も、一緒にあった
「食卓」でははからずも涙が溢れたし「喜劇」のエピソードも改めて良かった
病気から復活して、売れまくって…ちょっと勝手に遠く感じてしまったりもしてたけど、やっぱり源ちゃんはずっと源ちゃんで、もがいたり苦しんだりしながらも、面白がって楽しんでる人だから…これからもアプデし続ける姿をずっと見てた -
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YouTubeの星野源さんと若林正恭さんの
対談番組をみて、星野源さんを深掘り
したくなって読んでみた。
くだらない日常を
星野さん目線で面白がる短編集。
ばかばかしかったり、ほろにがかったり、
誰にでもある感覚が書かれていて
ライトに、でもしっかり心に届く。
おじいちゃんの話はちょっと泣いた。
近視がひどくなり、レーシックをしようか
迷ったけもやめた。
というだけの話だけど、
星野さんはこんな表現をする。
以下、引用。
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自分を形成する全ての要素は、日々「自分対なにか」の計測を行っている。…そしてはじき出された計測結果は自身の「感受性」に影響を与え、そこから自分の考え方という -
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雑誌の連載をまとめたエッセイ集、第2巻!
前巻に続いて良かった。
星野さんの言葉の端々まで、短編のひとつひとつをじっくり味わいたくて、毎日少しずつ読み進めていました。
特に心に残ったもの
「出口」
とても良かった。『「出会い」は「未来」である』の言葉が、心にピッタリはまりました。これまで自分が出会った人たちみんな、一期一会で人生は出来ているのだと思う。
「食卓」
奥様とのエピソードがとても素敵で、読んでいて幸せな気持ちになった。星野さんが良き出会いに恵まれたことを感じました。
「言葉の排泄」
自分にとっての雑念、気持ちが引っ張られて後をひいてしまう好ましくない情報を、意識して私も排除して -
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食べたり寝たり身の回りのことを片付けたり、生きる中で続いていく「生活」に楽しみや面白さを見出すヒントをくれる星野氏初のエッセイ集。
著者の生活は偶発的な要素で面白さが発生する場面も多々ある。しかし、著者は意図的かそれとも無意識か、その単なる事件を「生活のギャグ」の脚本にするかのように頭で書き換えていうように感じる。
つまり、元来著者の脳はネタやプチ事件を探し続けているのではないかということだ。
身の回りで起きたプチ事件を著者はしっかりと受け止める。その上でそれをどうにか活かそうとする非常にポジティブな思考回路を持っているのではないだろうか。
プチ事件やネタたちそのものは失敗や嫌な経験など -
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今まで読んできた源さんの本で一番よかった!源さんがあとがきで話したように今までと変わらない軸の部分ももちろんあるけど年を経て変化していっているのをすごく感じた。
感受性が強く、悩みもありながらも、負の感情もありのままに受け入れて。
-最悪の気分でいることはむしろ素直で正直な反応である。堂々と思っていい。私は最悪な気分だと。
-切羽詰まると出口がないと感じる。しかしそれはないのではなく、見えないだけで、どんな状況でも、どんな場合でも出口は必ずある。
昔の自分がいいと思ってやっていたことが、今の自分からみたら良くなかったと思う、のも共感した。なんか恥ずかしくなるけど取り戻せないとか。
車窓か