松本次郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
二巻目。
ちょっと悪党どもを懲らしめてやろう、オトナの役に立とう、と目立ちたがったイライザが、ちょっとした戦争状態を起こしてしまう。そこであらわにされる、シュウの射撃の腕前。どん、どん、どん。アリスを狙うオトナたちが、ひそひそする。
巻末、イライザは叫ぶ。
「だって、あいつら、ママのこと犯して犯して殺してパパも殺した」
「そのあと、小さなあたしを、どうしたと思う?」
暗に、暗くて哀しくていやな過去を持つことが示され、『ここにいるコドモたちはみんな哀しい』のだ、と、いやでも思い知らされる。シュウも含め。アリスはいったい、なにものなんだろうか?