Posted by ブクログ
2010年11月04日
『ウェンディ』は松本次郎という人の中にあるものが
うるさいぐらいに溢れだした作品だった。
だからこそ途中から収集がつかなくなってしまい、
利かないブレーキはそのままに、為すがままぶっとばしていた感じだった。
(作者曰く、そういう意図でやっていたらしいけれど)
そういうごちゃまんとしたものが、そのエ...続きを読むネルギーを失わないまま
咀嚼されて出てきたのがこの『未開の惑星』なんだと思う。
彼の中にある狂気が、丁度いい具合ににじみ出ている。
これから先、「何かおかしいな」と疑問を感じたとき、
どうすればいいのかわからなくなったとき、
わたしはこの作品をきっと読み返す。
それはきっとここから歩きだす力をくれる。