波頭亮のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
古今東西、経営戦略論の誕生から現代に至るまで様々研究されてきた経営学を、その学派が生まれた必然性を時代背景と共にまとめながら一定の軸で整理し体系化した一冊。
新書のボリュームでここまで美しく整理されると感嘆しか出てこないレベルでスマートにまとまった内容。
最近読んだ経営戦略全史で長々と書かれていた内容がギュッと凝縮されてかつ整理・体系化されているような読後感でとても気持ちのよい読み味。
作れば売れた時代から段々他のこともやらなきゃ成長できなくなって、ある程度飽和してくるとどうやって競争相手と戦うかという問題に直面してきた経営の流れに沿うように、経営管理→経営戦略(多角化戦略等成長戦略が軸)→競争戦略と経営学がシフトしてきた流れがよく分かる。
現代においてはイノベーションとグローバル化という2つの壁に対して、日本的経営をどう活用するかというテーマで持論も展開されており、これも過去の経営戦略論の歴史から体系建てて説明されていて納得度が高い。 -
Posted by ブクログ
経営コンサルタント、弁護士、医師、会計士、建築士といったプロフェッショナルと呼ばれる職業に求められるもの、醍醐味を経営コンサルタントのXEED代表波頭亮さんが書いた本。
ライブドアの粉飾決算で会計士が、耐震強度偽装事件で一級建築士が、プロフェッショナルにとって重要な使命感や公正さを欠くような事件が話題になったことに感化されて書いたらしい。
いわゆるコンサルタントの技術や仕事術の本ではなく、プロフェッショナルとはなにかがテーマの本だが、そういった職業には就いていない自分も楽しく読み進めることができた。
■プロフェッショナルとは
形態的要件
-高度な職能の保有
-特定のクライアントの問題解決
-インディペンデントな立場
意味的要件
-公益への奉仕
-厳法の順守
■プロフェッショナルの魅力
最も基本的な価値
-自らの意思で仕事を選べる自由
-組織に属さなくても仕事が出来る安心
最も高次な価値
-自尊の念
-社会からの経緯
↑高い職能と公益への貢献
■プロフェッショナルの起きて
クライアント・インタレスト・ファースト(顧客利益第一)
アウトプット・オリエンテッド(成果指向)
クオリティ・コンシャス(品質追求)
ヴァリュー・ベース(価値主義)
センス・オブ・オーナーシップ(全権意識) -
Posted by ブクログ
プロフェッショナルの基本姿勢がわかり、勉強になった。
一つ、コンサルのプロフェッショナル性が薄れてきているのでないかと思ったのと、プロフェッショナルの将来が危ういのではないかと思った。
情報化によって、人々にとってプロフェッショナルの高度な能力が、ブラックボックスではなくなってきた。特に、医療や建築は知識に加えて物理的な技術を要するが、会計やコンサルタント、弁護士といったプロフェッショナルは、知識に依る部分が大きい。
コンサルタントの代表的な分析方法であるフレームワークなどはすでにビジネスマンの多くが使えるようになってきている。また、コンサルタントの多くは若い人間ばかりで、どうやら長い経験や修行がコンサルに必要とも言えなさそうである。
その中で、コンサルはプロフェッショナルな職業として生き残ることができるのか疑問である。
と、ここまで読んでいる途中に書いたのだが、全部読んでみて。
コンサルのプロフェッショナル性が失われつつあるのは確かだが、それと同時に、ファームが肥大化しすぎて、きちんとした能力を持ったコンサルがいなくなっているという面もあるのではないかと思った。
コンサルタントの能力は新卒3年目のような人間でも十分に身につけられるものなのであろうか。医師や弁護士は大学時代から勉強を積み、さらに一流の医師や弁護士になるには月日を要する。一方、コンサルはほとんどが若い人間で、アップオアアウトといわれるようにほとんどがファームをでていってしまい、他の業界に行く人が多い。一流のコンサルがほとんどいない、いたとしても、一流のコンサルを受けられる機会がほとんどなく、新卒3年目程度のコンサルばかりが仕事に携わるからこそ、コンサルの価値が評価されなくなっているのではないか?
加えて、最後の章に、近年(米国と違って)日本は経済至上主義になっているといったが、本当か?本当ならなぜかがわからなかった。考えてみたい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「バカにできない精神論」
『成熟日本への進路』読み終わり[1月9冊目]
お勧めいただいた本。
日本に競争力がないのは、
産業構造をシフトさせられないから。
その理由は、
チャレンジが失敗した時の恐れだと考えてる筆者は、
最低限の所得を保障することで、
新分野へのチャレンジも、起業も積極的になるのではないかという。
色々思うところはあるけど、とりあえず。
最後は精神論になるのは仕方ない。
再チャレンジのために、
「給料ゼロでも、生活できるようにお金あげます!」と言われても、
再チャレンジの意思がなくてはただの"ヒモ"量産機になり下がる。
それに、企業の重役さんとか、もしいまの生活水準が高かったら、
その生活を投げうってまで挑戦したいという気持ちが出てくるかはわからない。
本当、最後は、自らの信念と、名誉欲に賭けるしかない。
精神論とか言われてバカにされるけど、
社会保障見たいな物はいろんな面からみられる分、
特定の面から見てほしかったら、精神論しかない。 -
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ネタバレ成熟フェーズに入った社会においては強引に経済成長を促進するために公共事業を繰り出すのは老人に霜降りステーキを無理やり食べさせるようなもの。いまさら背が伸びたり筋肉がついたりはしない。1990年代後半から明らかにGDPはゼロ成長。成熟化フェーズに入ったといってよい。一人あたりGDPについては1995年、日本が先進国の中でダントツのトップであったのが1995年以降まったく振るわず、現在は米独英仏すべてに抜かれてしまった。麻生内閣が行った75兆円という大判振る舞いによって日本が経済成長路線に乗れたかというと今も後遺症の真っ只中。結局は経済成長を目的にした政策を実行しても産業構造のバランスを崩し財政赤字ばかりを積み上げるだけであった。最大の失敗は、経済成長を促進する役割を果たしてきた土木建設業が経済を支援する機能を喪失したにもかかわらず90年代以降も経済政策の中での主役の座を降りなかったことである。コンクリートからヒトへはその意味で完全に正しい。但し、効果のない経済政策をとるくらいであれば、成長戦略はいらないとした方がまだましである。これからは成熟化社会を認識したうえで、外貨を稼ぐ国際競争力をもつ高付加価値型輸出産業の育成することが肝要である。外貨を稼げる産業としてはハイテク型環境関連が本命である。他方、成熟化社会の主力産業となりうる内需産業として医療介護産業も育成する。内需型産業は輸出産業にくらべ需要が安定しており、大量の雇用を創出する。平成2年から始まった日本の好景気は企業の収益は好調であっても失業者を減少させていない。企業は無駄を省くことによって競争力を高めたが、省かれた無駄とは実は労働者である。ところで、自分は幸せであると回答した人の割合が世界で最も高いデンマークは手厚い社会保障と市場メカニズムの効率を上手く両立させることで高いパフォーマンスを実現させている。高福祉だからこそ自由経済を実現している。日本はデンマークから目指す政策、そして政策を実行するための戦略と新しい社会のしくみを模索していくべきである。終章では政策断行のため、まず乗り越えなければならない官僚機構改革について述べている。自分たちのやりたいことに対する凄まじい実行力と執着心にはただただ震えあがるばかりである。大政翼賛体制で各メディアをプロパガンダ機関化し、都合の悪い言論者や政治家に対しては封殺・静粛することさえ辞さない。何があっても自分たちの無謬性を信じ、障害を排除する。レクチャー、リーク、サボタージュといったやり口で大臣まで自分たちの意向に沿った方向性でしか仕事をさせない。データを独占し、メディアを掌握し、国会の立法権すら骨抜きにして自らの思惑のままに政策を決定していく官僚。著者は、人事権の掌握、特別会計の解消と、官僚機構改革のための2つのポイントをあげている。残念ながら、民主党はいずれも全くできなかった。はたしてこの国はこれからどうなっていくのであろう。
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Posted by ブクログ
コンサルタント向けに書かれているので、コンサルタントと縁が無いとイマイチしっくりこないところもある。
ただ、仕事に対する取り組み方には共通する部分もあり、参考にしたい点もある。
一番印象に残ったのは、以前のコンサルティングと言えば、「大きな戦略を提示しておしまい、実践はクライアントで考えてね」で十分に稼げていたのだが、今は戦略自体を思いつくだけではクライアントは納得せず、具体的に現場を動かす「執行力」というものまでコンサルには求められている、というところ。
プランを提示すること以上に、人を動かす、モチベートする、という活動の重要性が高まっているようだ。 -
Posted by ブクログ
日本のトップコンサルタントといえる、波頭さん、冨山さんの対談本。
「本当にプロのコンサルタントになるには」というのがベース。
しかし、話が経営全般、会社の本質などにおよび、そしてここの内容が深い。コンサルを目指さない人でも参考になる。
<めも>
◆経営
意思決定の力×実行の力=経営の力
◆会社
会社は、組織の本能と資本の本能の2重螺旋
資本の本能=バリュー創出で利潤を得る
組織の本質=自己増殖と変化の排除
◆知識、能力
業界紙2年分を読み込めば業界の仕組みと構造が見えてくる
基本的には知識と論理思考力。情理は、ちょっと到達していれば20代は合格。
論理的思考は、スキルでなく筋力
3ヶ月で、修士1つとるぐらい勉強する
◆「ファクト」「論理」「情理」がすべて
論理的に説得できなくてもあきらめず、どうやったら耳を貸してもらえるか考える。
執着心が最大のファクター
●情理は、「情」の理屈。ロジカルシンキングで情理も追求できる
情理は、「情」の理屈。エモーショナルロジックがある。
情理も一つのロジックとするならば、大切なことはとくかくロジカルに考えぬく姿勢に尽
きる
情理を「ロジックが通用しない世界」と思ってしまうと「一筋縄ではいかない」で済ませ
てしまう。
そこで思考をやめてはいけない。ロジックじゃないところに逃げ込んじゃうから。