波頭亮のレビュー一覧
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6人の論客が日本の問題点を明らかにする。
275ページの新書に6つの論文。
1人40-50ページと短い文章だが、
その中に鋭い視点を見た。
一番鋭いと思ったのは中島岳志氏。
「保守とリベラル」という対立軸に、新しい視点をもたらした。
「リベラルとパターナル」がそれ。
パターナルとは、家父長的、権威主義的。
そこにリスクの社会化、リスクの個人化という軸を合わせ、
4象限で自民党の政策の変遷を分析する。
田中大平のころの自民党はリスクの社会化+リベラルだった、
それが小泉で個人化、リベラルとなり、
安倍で個人化、パターナルとなったと。
自民は時代とともに鵺のように変遷していると。
ちなみに「民主 -
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(2012/7/10)
神保 哲生, 宮台 真司, 神野 直彦, 高橋 洋一, 野口 悠紀雄, 波頭 亮, 大野 更紗, 武田 徹
「日本の財政再建のためには消費税増税はやむを得ない」という輩が増えている。
お叱りを受けるかもしれないが、私はこれは官報複合体のなせる業だと思っている。
記者クラブメディアはいつの間にか増税やむなしを連発しており、
その記事の、放送時間の量に従って、増税やむなしが増えている。
物わかりがいいというかなんというか。
本当に国を憂いているのか、生活にゆとりがあるのか、増税デメリットがある立場にいるのか、、、
その真意はわからないが、そういう方々にはまずこの本を読んで -
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【星:5,0】
個人的に名著だと思う。
論理的思考についての本は昨今では多く出版されているが、この本は他書とは少し違う。
よくあるのは、ロジックツリー、ミッシーなど具体的なスキルを解説したものだと思う。
一方、本書は「思考とは何か」「論理とは何か」「論理的とは何か」を突きつめ、「論理的思考」というものを明確に定義する。
そのうえで、論理的思考のコアスキルとして①適切な言語化スキル②分ける・繋げるスキル③定量的判断スキル④アセットとしての知識・経験、としたうえで、その高め方を解説している。
上記のように理論立てしたうえで解説してくれているので、掴みどころのない論理的思考というものをしっか -
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【星:5,0】
長年戦略系コンサルタントとして活動してきた著者による経営学の入門書である。
著者は冒頭この本を書くに当たって「分かりやすいこと」「体系的であること」「現実的である」ことを念頭に置いたと記載があるが、まさにそのような1冊に仕上がっている。
まず本当に「分かりやすい」。初学者の私でも十分に理解できた。
そして学術としての経営学としてしっかり体系立てて説明しつつも、現実のビジネスに根ざした内容となっている。
そして200ページの新書にこれだけの内容をしっかりと書き尽くしているのがすごい。
経営学、経営戦略、マーケティングなどを学びはじめるというなら、最初の1冊はこれで決まり! -
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ネタバレ2020年に10年ぶりに電子書籍で読み返した後、2024年再読。
震災直後に出版されたこともあり、当時の日本企業・日本経済への不安を感じ取ることができる。
出版後10年近く経ち、日経平均は劇的な回復を遂げたものの、本質的な企業価値は向上しておらず、足元ではGAFAMの合計時価総額が東証一部全体の合計時価総額を上回っており、グローバル競争力が成長しているとは言いがたい状況。
当時はまだ自身の経験が乏しく、記載されていることの半分程度しか腹落ちして理解することができていなかったと思う。
いまは自身が事業会社役員を経験したこともあり、ほとんどが納得感をもって読み進めることができた。
■世界経済 -
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アルファ碁が人類最高峰の頭脳を赤子をひねるかのうようにして圧勝してから一気に社会的に広まった「人工知能(AI)脅威論」の後に出版された本書。
その時点までのAIを冷静に眺めた上で、無用に恐れることはないが、軽視は決してしないという姿勢を前半にじっくり説明されている。その上で波頭さんは、それでも仕事のほとんどはAIに置き換えられ、そのシステムを所有する資本家による富の独占は拍車がかかるとする。
そこでベーシックインカム(BI)が登場するのだが、BI反対派の論点を統計を使ってひとつひとつ論破していく流れが小気味良い。
鳩山元総理が理事長をする東アジア共同体研究所の理事をされているとのことだが -
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AIとBIはいかに人間を変えるのか 波頭亮 幻冬舎
人工知能とベーシックインカムの併用で
社会に何が起こり人間の暮らしをどう変えるか
優秀な人工知能とロボットが第三次産業革命
と言うよりも第一次意識革命とも言えるだろう事件が
人間の視野を広げ次元の変化をもたらすというお話である
AIブームの歴史から始まり
哲学的な意味や
理解できないことへの不安や
成長の過程としての通過点であることや
A I に強みと弱み長所と短所に付いてや
労働という生きるための手段である経済性から
解放された人間が戸惑いながらも
そもそもの目的に目覚めて何をやりだすかに付いて語る
又社会的な価値観も大きな変化を迎え -
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良い悪いは別として
自分が働く
人を働かせる
資産を働かせる
という形で歴史は進んできたと思います。
この次にきっとAIに働かせるという時代が来ると思います。
ただそれを企業論理にだけ任せて法人税とかが変わらないと
AIに仕事を奪われる
という現実だけが残ります。
1つの方向として
AI時代にふさわしい人材育成
AI時代にふさわしい所得分配
が国に求められると思います。
知的労働価値の暴落
感情労働価値の向上
つまり「AIが人間を全てにおいて超える」という「シンギュラリティ」が起こるという仮定を本書も取っていません。
しかし確実に知的労働の大半がAIに取って変わられるシナリオを描いていま -
Posted by ブクログ
経営学を歴史的な視点から体系的に俯瞰したいと考えていたので、そういう面でバッチリな書籍でした。
経営学やマネジメントってなんだろうか、というレベルの初学者にピッタリの一冊だと思います。
戦後の企業活動について、その当時の時代背景と、生み出された理論が、整理されています。
自分もいままで社会人学生として学んできた経営学を、時間軸で整理することが出来ました。
また経営学は、戦略・組織・心理学など かなり学際的な学問であり、企業の実践と密接に関係付けられています。今後も、その時代のニーズと共に歩むのだなと、あらためて感じました。
逆説的に、歴史を学ぶということの重要性も痛感。
第二部として、現代の経