波頭亮のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
プロフェッショナル原論
著:波頭 亮
ちくま新書 629
しょっている、コンサルという感じでちょっと、イメージしている意識はちがったがプロの矜持と言う点では一部共感は持てました。
いわゆる、著者のいうプロフェッショナルとは、独立して動いている一匹狼なそれである。
どんなに有能な人材であっても、職業が一般の勤め人であれば、辞令一本で望まない業務に就かされたり、場合によっては個人的な倫理感に反するようなやり方を求められたりすることもある
それに対して、プロフェッショナルは意にそぐわない仕事をする必要はないし、自分の思い通りに仕事に取り組むことができる
これは、一匹狼的なコンサルの意見であり、コンサルファームや組織に属しているプロについて、決して当てはまらないとは思いました
気になった点は以下です
■プロフェッショナルとは、高度な知識と技術によってクライアントの依頼事項を叶えるインデペンデントな職業である
①プロは、極めて高度な知識や技術に基づいた職能を有していなければならない
②プロの仕事は、特定のクライアントからの特定の依頼事項を解決してあげるという形式を取る
③プロとは職業人として独立した身分である
プロとは、仕事を自己完結できなければならない
■プロの価値観
①クライアント・インタレスト・ファースト 顧客利益第一主義
②アウト・プット・オリエンテッド 成果志向 結果がすべて
③クオリティ・コンシャス 品質追求
④ヴァリュー・ベース 価値主義
⑤センス・オブ・オーナーシップ 全権主義 すべての責任を自分でもつ
■コンサルファームの掟
アップ・オア・アウト 昇進するか、さもなくば去るか
目次
まえがき
第1章 プロフェッショナルとは
第2章 プロフェッショナルの掟
第3章 プロフェッショナルのルールと組織
第4章 プロフェッショナルの日常
第5章 プロフェッショナル達へ
あとがき
ISBN:9784480063335
出版社:筑摩書房
判型:新書
ページ数:208ページ
定価:680円(本体)
発売日:2006年11月10日第1刷発行
発売日:2006年11月15日第2刷発行 -
Posted by ブクログ
資本主義と民主主義は、もう豊かさも希望ももたらさない。幸せな人生を生きるには、新しい時代を切り拓かねばならない。そのために必要なのは、「大きな物語」と解く書籍。
現在の新自由主義経済の下では、大多数の人々が豊かさを得られていない。それを是正すべき政治も資本によって買収されており、民主主義は機能不全に陥っている。
今の閉塞状況を打開する可能性があるのが、AI(人工知能)である。しかしAIは生産性を高めるが、その業務に携わる人間の職を奪う。そしてAIは人間の知的業務を代替するため、失業者は行き場がない「構造的失業」となる可能性が高い。
一方、AIによる生産性の向上は、格差などの問題を解消する可能性も持つ。消費活動をしないAIが産出する富を人間に再分配すれば、労働は人間にとって必須の営みではなくなる。そしてAI時代は、少数の「経済的強者」が総取りできなくなる。
「物語」は我々の生活や社会の仕組みを規定する。人の心を動かす物語には、「主人公が冒険の旅に出る→敵や難題に遭遇→これらに打ち勝つ→日常の世界に戻る」という共通パターンがある。古今東西、人は同じ物語に共感する。
ある時代の人々が共有する、あるべき世の中の姿を含意した物語を「大きな物語」という。資本主義など、現代の大きな物語は機能不全に陥っているが、AI化時代に適合した新しい大きな物語が人々に共有されれば、人類は新しい時代へ進める。
AIの活用と、再分配の仕組みが実現すれば、富の量や金を稼ぐ能力の価値は一気に低下する。労働から解放された人類が迎える新しい世界は、遊びによる文化と交流を楽しむ世の中であり、人間がより人間らしく生きる世界である。 -
Posted by ブクログ
資本の暴走、民主主義の機能不全、これらが不可逆的に進行している世の中であることはそのとおりだろう。また、AIの技術が今後の社会構造を根本から変えていく要素があることも、きっとそのとおりだ。
だが、AIが生み出す財やサービスを、人々は皆須らく享受し得るのか。人類の労働時間が減少し、余暇を楽しむ時間が本当に増えるのか。そんなことを実現するのはほんの一握りの富裕層ではないか。一方、多くの雇用不能な人々があふれ、ますます格差が広がることにつながらないか。
・・・結論に至る論旨はやや気になるものの、人文知が蔑ろにされているという主張そのものには全く同感。 -
Posted by ブクログ
少し冗長と感じるところもあったが、プロフェッショナルであろうとする私は励まされ、また反省させられた。
熟練の経営コンサルタントであり多数専門書も出版している著者が、コンサルタントをはじめ専門的技術を持って公益に奉仕する「プロフェッショナル」とはどうあるべきかを、長年の自身の経験と、歴史的伝承とを織り交ぜながら論じている新書である。プロフェッショナルは公益に資するべきであり、それゆえに client and output oriented でなくてはならないこと、quality consciousかつvalue based thinking であるべきこと、そしてSense of ownershipを持つべきことなどを紹介している。コンサルタントとしてこれを読むときに、これらよ価値が重要であることは理解できるものの、日々の実践のハードさとそれに甘んじているところを反省させられる一方、ファームや周囲の環境は果たしてこれを徹底できているだろうかという問題意識が芽生えることにもつながった。最終的に、経済偏重の世界で、上記の厳しい規律を守ることは難しいが、それでも頑張っていこうという励ましがあり、そこには共感するところも多い
以上でこの本の大まかな概要を伝えたが、それ以外にも多数の著者の経験や考えが記されており、それらの中には、2021年現在の1人の若者の感覚的には、古臭く、カッコ悪いように映る「おじさんのイキり」も感じるところがある。例えば、前述の、日本語で言えばいいのにわざわざ英語にしている重要な価値観の表現法、働き方はハードであることがプロといった価値観など、自分としては古臭いなと思う面もある。とはいえ、その背後にあるプロフェッショナルとしての自負の感覚はそれだけで励まされ、見習いたいと思うものでもある。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ現役のコンサルタント2名の対談のような形式で描かれている。
時代の流れから、ただ、戦略を立てるだけでは勝てる時代は終わっており、実行に落とすまでのスピードや、経営という真理についての話に触れている。
浅いですが、企業の戦略的取り組みの事例や、その際に生じる軋轢などが紹介されていました。
コンサルタントとして力をつけるための一説で、かなり体育会系の話が出ており、論理性の高い業界の人ですら、ビジネスで力をつけるためには、ある程度の高負荷が必要だということを言っている点が興味深かったです。
論理力は筋肉みたいなもので、トレーニングをすると付く。というのも印象深かったです。 -
Posted by ブクログ
言葉の響きだけであまりきちんと定義されていなかったり、
考えられることの少ない「プロフェッショナル」について書かれた本。
決して簡単なテーマではないが、
波頭氏のロジカルさ?表現力?のため、
一文があまり長くなく読み進めやすい印象。
顧客利益第一、成果思考、品質追求、価値主義、全権意識という五つの掟として書かれている。
内容は決して真新しいものではなく、
自分自身の経験でも感じていたこと。
ただ、それがまとまっていることと、
その徹底の難しさを改めて実感できたため、
読んで意味のある本だと思った。
一点残念なのは、
プロフェッショナルの働き方について書かれた章。
時代が変わったというのもあるだろうが、
徹夜、休日仕事当たり前、
のようなハードワーク記述部分は
他の商品と大きく異なり、強い違和感を覚えた。
個人的な考えとしては、
ハードワークは結果であり、
それが必ずしもプロフェッショナルの働き方ではないと考えている。
クライアントのためという名目で、
自分の働き方、成果を美化していないか。
徹夜までしてやったこの仕事だから最高のものになったという錯覚に陥っていないか。
五つの掟をどう判断するかは、
おそらく個々人の解釈に委ねられているのかもしれない。
あとは、プロフェッショナルかどうかはクライアントや周りが決めてくれる。
そんなことを考えさせられた本だった。 -
Posted by ブクログ
外資系コンサル出身の著者なので、
プロフェッショナルと言っても、コンサルのプロフェッショナルという側面が色濃く出ています。
専門職、プロフェッショナルについて考えようと思って読みましたが、
医者や弁護士のようなプロフェッショナルと通じる部分もあれば、疑問に感じる部分もあります。
プロフェッショナルに求められるものについて、
アウトプットオリエンティド、クオリティコンシャス、ヴァリューベース、
と外資コンサルそのものの用語で説明されていますが、それが広くプロフェッショナル全般にあてはまるのでしょうか。
プロフェッショナルは、行動的、意欲的、個人主義的、論理的という指摘もありますが、
じっくりと取り組むプロフェッショナルも、暗黙知をもつプロフェッショナルも、チームワークを大切にするプロフェッショナルもあるのではないでしょうか。
1人で独立して成果を出す孤高の存在というのでは、
もはやなくなってきていると思います。
知識、技能、態度の3つの要件から、専門職やプロフェッショナルを考えていく必要がありますが、
ビジネス界の影響を強くうけている外資コンサルと、弁護士や医師のような職業では、
根本的に違う部分があるのではないでしょうか。
利益追求とプロフェッショナルとしての使命のあり方とでもいう部分でしょうか。
プロとしての外資コンサルとはどのようなものか、
それを考えるには参考になる1冊だったように思います。
“「大学で先生をするようになったら終わり」とプロフェッショナルの世界では言われることがある。大学で教えられるほどの知識や知力を持つのであるから有能な人であることは間違いないのだが、大学で学生を教える仕事をしているとプロフェッショナルとしての仕事の腕は鈍って来るという意味である。” -
Posted by ブクログ
この本を読むまでこの二人のことは知らなかったのだが、いかにもコンサルタント的な知的会話の応酬と行った対談形式が面白い。世の中一般に第一印象で語られがちな、"所詮コンサルは・・・"といわれるコンサルタントとは一線を画す、ビジネスで変化を起こして成果を生むタイプの本来的な意味でのコンサルタントであることを伺わせる。僕自身もそういった本物のコンサルタントと仕事をご一緒させて頂いたことがあるのでよく分かるが、彼らは本当に勉強して半端ない仕事量・・・この場合の仕事とはデスクワークではなく、とにかく「考えて考えて考え続ける」という意味での仕事・・・をこなしている。
ここまで自分を追い込めるかどうかは、若いときにその基礎動作が癖として出来ているかどうか、というようなことを本の中でも語られている。
厳しいが、おっしゃる通り。