波頭亮のレビュー一覧
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資本の暴走、民主主義の機能不全、これらが不可逆的に進行している世の中であることはそのとおりだろう。また、AIの技術が今後の社会構造を根本から変えていく要素があることも、きっとそのとおりだ。
だが、AIが生み出す財やサービスを、人々は皆須らく享受し得るのか。人類の労働時間が減少し、余暇を楽しむ時間が本当に増えるのか。そんなことを実現するのはほんの一握りの富裕層ではないか。一方、多くの雇用不能な人々があふれ、ますます格差が広がることにつながらないか。
・・・結論に至る論旨はやや気になるものの、人文知が蔑ろにされているという主張そのものには全く同感。 -
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少し冗長と感じるところもあったが、プロフェッショナルであろうとする私は励まされ、また反省させられた。
熟練の経営コンサルタントであり多数専門書も出版している著者が、コンサルタントをはじめ専門的技術を持って公益に奉仕する「プロフェッショナル」とはどうあるべきかを、長年の自身の経験と、歴史的伝承とを織り交ぜながら論じている新書である。プロフェッショナルは公益に資するべきであり、それゆえに client and output oriented でなくてはならないこと、quality consciousかつvalue based thinking であるべきこと、そしてSense of ownersh -
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ネタバレ現役のコンサルタント2名の対談のような形式で描かれている。
時代の流れから、ただ、戦略を立てるだけでは勝てる時代は終わっており、実行に落とすまでのスピードや、経営という真理についての話に触れている。
浅いですが、企業の戦略的取り組みの事例や、その際に生じる軋轢などが紹介されていました。
コンサルタントとして力をつけるための一説で、かなり体育会系の話が出ており、論理性の高い業界の人ですら、ビジネスで力をつけるためには、ある程度の高負荷が必要だということを言っている点が興味深かったです。
論理力は筋肉みたいなもので、トレーニングをすると付く。というのも印象深かったです。 -
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言葉の響きだけであまりきちんと定義されていなかったり、
考えられることの少ない「プロフェッショナル」について書かれた本。
決して簡単なテーマではないが、
波頭氏のロジカルさ?表現力?のため、
一文があまり長くなく読み進めやすい印象。
顧客利益第一、成果思考、品質追求、価値主義、全権意識という五つの掟として書かれている。
内容は決して真新しいものではなく、
自分自身の経験でも感じていたこと。
ただ、それがまとまっていることと、
その徹底の難しさを改めて実感できたため、
読んで意味のある本だと思った。
一点残念なのは、
プロフェッショナルの働き方について書かれた章。
時代が変わったという -
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外資系コンサル出身の著者なので、
プロフェッショナルと言っても、コンサルのプロフェッショナルという側面が色濃く出ています。
専門職、プロフェッショナルについて考えようと思って読みましたが、
医者や弁護士のようなプロフェッショナルと通じる部分もあれば、疑問に感じる部分もあります。
プロフェッショナルに求められるものについて、
アウトプットオリエンティド、クオリティコンシャス、ヴァリューベース、
と外資コンサルそのものの用語で説明されていますが、それが広くプロフェッショナル全般にあてはまるのでしょうか。
プロフェッショナルは、行動的、意欲的、個人主義的、論理的という指摘もありますが、
じっく -
Posted by ブクログ
この本を読むまでこの二人のことは知らなかったのだが、いかにもコンサルタント的な知的会話の応酬と行った対談形式が面白い。世の中一般に第一印象で語られがちな、"所詮コンサルは・・・"といわれるコンサルタントとは一線を画す、ビジネスで変化を起こして成果を生むタイプの本来的な意味でのコンサルタントであることを伺わせる。僕自身もそういった本物のコンサルタントと仕事をご一緒させて頂いたことがあるのでよく分かるが、彼らは本当に勉強して半端ない仕事量・・・この場合の仕事とはデスクワークではなく、とにかく「考えて考えて考え続ける」という意味での仕事・・・をこなしている。
ここまで自分を追い込 -
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会計士の仕事をしているときにクライアントの方にいただいた一冊。
プロフェッショナルとはかくもこう難しいものか、
またかっこいいと思った一冊
以下レバレッジメモ
プロフェッショナルの本質とは、実はプロフェッショナルという言葉自体に隠されている。プロフェッショナル「professional」という言葉は「profess」という「宣誓」を意味する言葉からきている。つまりプロフェッショナルとは、その職業に就くのに際して、神に誓いを立てなければならないほどの厳しい職業なのである。
何を神に誓うのかというと、社会に貢献し公益に寄与することを目的として働くこと、そしてその目的を果たすために定められてい