波頭亮のレビュー一覧
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まずは論理的思考を取り入れる筋トレ。この積み重ねがコンサルのファンデイションをつくり、そのあとに経験が上澄みとして入っていく。経験だけでまわすことも出来るけど、それは、毎日の筋トレがベースにあるから。
だから一つ一つにこだわり、自分の目で、他者からの評価を受けいれて成長することを繰り返しながらコンサルとしての自分の形を作っていくべき。という非常に筋の通った話で、なおかつ具体例なども出ていて参考になる。
これからコンサルを目指そうという若い人むけの本だが、コンサルに成り立て36歳にもできるのだろうか、というかそれをキャッチアップする努力をしなくてはいけないと強く思った。
普通の企業にも優秀な人は -
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日本は成長フェーズが終わり、成熟フェーズに入った。だから、経済成長を求めるのではなく、「国民全員に医・食・住を保障する」という分配論を国のビジョンに設定する。そのために、産業構造の変化から官僚組織の構造改革までこの本では提言しています。
やり方の方法論は、私自身ももっと考えたいと思いますが、著者が提唱する国のビジョンや「成長フェーズが終わり、成熟フェーズに入った」という多大なデータを元にした主張は唸るものがありました。
そして、今この国を変えるのは、誰でもない国民一人一人の意識であるというまとめもたまらなく好きです(笑)
もっと多くの人に読んでほしい本です。 -
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日本におけるトップコンサルタントの1人である波頭氏、事業再生の請負人である冨山氏による、次代のコンサルタントに求められる資質は何かをディスカッションする対談本である。
戦略コンサルタントと言えば、クライアントが進むべき方向性をチャートを駆使してプレゼンするイメージが強く、その後の実行の部分はコミットしないイメージがあった。しかし、本書ではそのイメージを良い意味で裏切ってくれた。これからの企業は「エクゼキュージョン・ケーパビリティ」、すなわち組織の実行能力が非常に重要な経営要素になり、戦略コンサルタントもこの実行部分に関与する必要性を説いているからである。
また、クライアントの実行を支援する -
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ネタバレ【再録~以前にmixiに投稿したものです~】
激烈なプロフェッショナルな仕事ぶり(氏の場合経営コンサルティング)を知らしめされました。
プロフェッショナルの掟の一つとして「社会に貢献し公益に寄与する」(P18)があり、印象的でした。
私たちサラリーマンは間接的に社会に貢献していますが、一方で社会利益(もしくはお得意先利益)と会社利益が相反することが往々にしてあります。その中で、いつも迷いながら仕事をしていることが多いです。否、それが殆どと言ってよいです。
氏ほどのプロフェッショナルでない私たちですが、社会の一員である以上、社会利益への貢献は至って普通のことです。そうすることで互いに -
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本書は、日本が成長フェーズから成熟フェーズに入ったことの証明からはじまり、経済政策の転換、官僚機構の改革へと話が及んでいる。それぞれ具体的な数字やグラフによって根拠が示されているため、説得力があるし話も分かりやすい。内容は非常に読み応えがあり、知的刺激に溢れた作品となっている。
特に最終章の「しくみの改革」は示唆に富む内容となっている。難攻不落な官僚機構の仕組みや、それを支えるメディアの不見識などに言及し、改革の方法まで具体的に述べている。例えば民主党の例を挙げ、意欲的かつ真っ当なヴィジョンと政策も持って政権与党になったが、それを実行するための体制としくみが戦略的でなかったために、官僚の手の -
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日本が、国民の誰もが医食住を保障される国にするための、するどい戦略が分析的に書かれている。
まず、今の日本は成長から、成熟ステージに移行した事実を経済指標から明確にして、今後の戦略を説明している。
第一歩は、従来の成長戦略と景気対策一辺倒の公共財として経済政策からの脱却からはじまる。そして、分配論を軸にした経済政策に転換して、国民全員に手厚い社会保障を公共財として提供する。その際の財源は、富めるものへの増税で30兆円規模でおこない、同時に歪められた財政構造と非合理的な政策を正す必要がある。
経済政策は、医療介護産業の規制を緩和して伸ばすのと、外貨獲得のために、付加価値が高い産業を伸ばす必要