中村融のレビュー一覧
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中村融編「宇宙生命SF傑作選」は、以下6篇収録。
・リチャード・マッケナ「狩人よ、故郷に帰れ」
・ジェイムズ・H・シュミッツ「おじいちゃん」
・ポール・アンダースン「キリエ」
・ロバート・F・ヤング「妖精の棲む樹」
・ジャック・ヴァンス「海への贈り物」
・A・E・ヴァン・ヴォークト「黒い破壊者」
宇宙生命を取り扱う作品ときくと、どうしても映画「エイリアン」のように、宇宙に進出した人類とグロテスクな容姿をした生命体との手に汗握る攻防…という作品が連想されます。しかし、本書でそのような作品はヴォークトの「黒い破壊者」のみ。それ以外は、編者があとがきで言及するように生態学(エコロジー)に焦点をあてた作品です。
そんなエコロジー的SF作品の中でも、とりわけ面白かったのは、ジャック・ヴァンスの「海への贈り物」。
地球から遠く離れたとある惑星。海で満たされたこの惑星を調査するクルー一行。ある日、突然、仲間のひとりが調査用のいかだから姿を消した…
地球外の知的生命体とのコンタクトを扱った作品を読むのは、本書が初めてというわけではありませんが、より緻密にコンタクトの過程を描いた作品として、本作は読み応え十分。潜在的な恐怖を感じる海を舞台にしたことも、不穏な空気を感じられて、ほどよい緊張を感じつつ読み進めることができました。 -
Posted by ブクログ
数々の冒険を経て大国アキロニアの王となったコナンであったが、数千年の時を超えてよみがえった古の大魔術師ザルトータンの邪悪な魔術により囚われの身となってしまう。
しかし、ザルトータンは蛮人コナンの強靭な生命力を甘くいていたのだった。
そしてコナンの逆襲が始まる。
ハワードによるコナンシリーズ唯一の長編である本作は、大規模な合戦シーン、邪悪で恐ろしい魔術、人知を超えた超自然的存在、凶悪な怪物、美女、冒険と剣戟といったヒロイックファンタジーで必要なものは全て詰まっているといったサービス満点の作品である。
冒険活劇を求める読者にはお勧めだが、人間ドラマや深い感動を求める人にはちょっと向かないかもしれない。
冒険の途中、何度も以前の気ままな傭兵稼業や海賊暮らしに戻りたいと思ってしまうコナンが微笑ましかった。 -
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これがヒロイック・ファンタジーの原点なのか。ふむふむ。
第三者の感想など挿入していないところが、まるで遠い昔から言い伝えられてきた神話や物語のような冷淡・残酷・不可思議がつまっているように感じました。
付録にあたるのか、後半のハイボリア時代については理解できるような
できないような別世界で実感がいかなかったのですが
BBCで制作されたメソポタミア黎明期からラムセス2世・3世あたりの
ドキュメンタリーを見て、はじめて得心がいきました。
猿まで退化したり、大陸の形が変わるほどの天変地異は
ないですが、ずーっと日本は日本だった国の者には想像もつかない
国々、民族の移り変わりが実際にあったのだなと。
歴史としては習ってはいたものの、西洋視点で解説されてようやく納得した次第。
まあそんな知識なくても純粋に楽しめる作品だけど、知ってるともっとおもしろいよということで。 -
Posted by ブクログ
楽しみな2冊目。もっとも密度が濃い作品集だと個人的には思う反面、小粒が多い気がするのが残念。好みの問題だろうな。
「前哨」は今読んでも十分に余韻がある傑作だし、「月面の休暇」は素晴らしく夢と愛にあふれる物語だ。本邦初公開らしい。いやぁ、この作品よかった!この本の中で最大の収穫かつ大発見だ。
さらに、逆境に負けない「おお地球よ…」、未来からの訪問者「時間がいっぱい」、イマイチだがタイトル名の「90億の神の御名」、ユーモア作品の「木星第五衛星」、どんでん返しがきれいに決まるバビロンの「夜明けの出会い」、鯨の放牧を扱う「海底牧場」、英国万歳ってな感じの「密航者」、空間スケールが大きく、雄大でロマンチックなキリスト誕生秘話「星」へと続く。
後半は、6連作の「月に賭ける」、白鹿亭綺譚でおなじみ「究極の旋律」、これまた連作の「天の向こう側」、時空恋愛小説「遥かなる地球の歌」、落語的な「幽霊宇宙服」へと続く。
作品は以下の通り。
前哨
月面の休暇
おお地球よ…
時間がいっぱい
90億の神の御名
木星第五衛星
夜明けの出会い
海底牧場
密航者
星
月に賭ける
究極の旋律
天の向こう側
遥かなる地球の歌
幽霊宇宙服
ベツレヘムの星(エッセイ) -
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普段はヒロイック・ファンタジーは読まない。が、この作者は別。すべてのヒロイック・ファンタジーの源流にして最高のシリーズ。他の作家が手を加えていない純粋な「コナン」シリーズはこの新訂版コナン全集のみ。異様な青春時代を送り30歳で自殺してしまった作者が創り出した、超古代の野蛮人「コナン」。力のみが全ての世界に謀略や策略、政治などは出る幕は無い。女子供も血の海に沈み、辺りは死体の山。常に死が待ち構える危険な世界。なんで、こんな話を読むのだろう?未だ良くわからない。常にテンションを維持し先のことなど考えず「今」に集中する、ある意味純粋な野生の世界に、すがすがしさを覚えるからだろうか?米国のペーパー・バック版の表紙を飾るフランク・フラゼッタの絵に惹かれたからだろうか?