自衛隊でカウンセラーをしていた著者が、
実際にカウンセリングした患者さんをモデルケースとして、
うつからの回復への道筋を書いた本です。
さすが多くの患者さんのカウンセリングをしてきただけあって、
うつ病患者の心のうちをと~っても良く把握されています。
『うつ状態の人は、表面的にはにこやかにしていても、心の中ではさまざまな葛藤がうずまき、対人恐怖を持っているのが普通だ』
『うつ状態の人にとって、仕事を休むのは本当につらい選択なのだ。それは、単に仕事を休むという表面的な問題ではなく、自分が持っていた“強い自分”“信頼できる自分”というイメージを捨ててしまう苦しさ、つまり自分の価値観との戦いなのである』
まさにそうです!
さて、では、どうすればそんな辛いうつ状態から回復していけばいいのか。
著者の考えでは、
徹底して「休息」すること
ーです。
モデルケースとなっている患者さんが、
休職し、そして復職する過程が詳細に語られていますが、
正直、
「復職してから、こんなに休まなきゃいけないの?」
と、驚きました。
一ヶ月後には1週間休み、
その後も頻繁に、3日から1週間の休みを取っています。
『今やらなければならないのは、仕事のプロになるのではなくて、自分管理のプロになることです。仕事のことを考える暇があるのなら、どうすれば自分のことをコントロールできるかを考えてみてください』
とのことですが、
やはり、頻繁に休むというのは、
「自分、会社の戦力になれていない。不要な人間なのではないか」
という思いを強めてしまうことにならないでしょうか。
というか、私ならそう思ってしまいます。
そう思わないための、著者の上記の言葉なのだと思うのですが、
それにしても、これだけ復職に積極的な会社というのも、
かなり恵まれた環境ですよね。
『「上手に休めない」のには、二つの大きな理由がある。ひとつは“しがみつき”ということであり、もうひとつは、“休み方を知らない”ことである。
Oさんのように、これまでがんばることで困難を乗り切ってきた人は、ピンチになっても「がんばって、この困難を乗り切ること」にしがみついて、結果的にゆったりとした時間を過ごすことができない。
「ゆっくり休め」と言われても、ゆっくり過ご方法自体、どんなものがあり、どんな効果があるかも知らないのだ。
また、Oさんのような若者は本来エネルギーにあふれている。少し時間があると新しい刺激を求めたり、自分を成長させたりと、何らかの行動し始める』
『それにしても、うつのリハビリ期にある人は、どうして少し調子がよくなると活動し始めてしまうのだろう。すぐに仕事をしてしまう人のほかに、体を鍛えてしまうhじと、サウナに入って疲れてしまう人、買いものに出かけて体調を崩す人。しかもそれを懲りずに繰り返してしまう。
いくつか理由が考えられる。前に紹介した“しがみつき”の問題、魔法を求める気持ち、休むことに対する罪悪感・・・。』
うん。
まさに私はこのタイプかも。
「休む」ということが、
とても難しいタイプです。
「頑張って治さなきゃ」ってなっちゃう。
とくに今回のはそうですね。
以前の「どん底うつ期」より、エネルギーがある状態で、
この時間を活用して、自分を高めるにはどうすればいいか?
とか、考えて、
でも結局、目標に届かなくて、
自己卑下ばかりしまう、というサイクルにはまっています。
正直、著者の休息サイクルは、
休み過ぎでは?
とも思いましたが、
多くの患者さんを快方に向かわせてきた実績があってのことでしょうから、
私も、自分の生活の見直しをしたいと感じました。