【感想・ネタバレ】寛容力のコツ ささいなことで怒らない、ちょっとしたことで傷つかないのレビュー

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423円 (税込) 12月31日まで

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あらすじ

「最も予約の取れない」人気カウンセラーが教える、人間関係で一番大切なこと◎「疲労」が最も人を不寛容にさせる◎「性善説」で生きるほうが疲れない◎イラッとしたときは「まず呼吸」◎「違いを楽しむ」という寛容力のコツ◎人の「いいところ探し」の達人になろう◎自分の「これが正しい」を疑ってみる◎自分を許すための「ありがとう瞑想」◎怒りを客観的に見直す「視点の切り替え法」ささいなことで怒らない、ちょっとしたことで傷つかないための「寛容力の高め方」

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Posted by ブクログ

人にも厳しく、自分にはもっと厳しい!がわたしだった…人にも自分にも優しくていいんだ…自分にかけられた言葉なのかと驚いた。

p.54 私たちは肉体的に疲れていると、いつもと同じバッグを何倍にも重たく感じるものです。それと同じように、私たちは精神的に疲れると、「いつものこと」にもうまく対処できなくなる、つまり寛容力が低下するのです。
そのメカニズムについては、次ページの図を見るとわかりやすいはずです。
私たちが感じる疲労を、三つのレベル(段階)に分けてみましょう。
第一段階は「通常の疲労」です。といっても、心地よい疲労ではなく、しんどく感じる疲労です。このレベルの疲労は、なんだかだるいな、食欲がないな、疲れているはずなのによく眠れないな、というふうに体に表れます。
この状態で何かトラブルが起こったとします。そのトラブルによるショックの度合いをA、回復までに必要とする時間をBとします。
そこからまた疲労が重なり、第二段階になったとします。
すると疲労は、「イラ立ち」として表れはじめます。

これは、「これ以上、私を疲れさせないで!」という本能からのSOSともいえます。この第二段階に疲労の度合いが進むと、第一段階のときとまったく同じトラブルが起こっても、そのショックの度合いは二倍になり、回復までにかかる時間も二倍になります。
さらに、もっと疲労が蓄積してしまったとします。
すると第三段階では、強い「自責の念」や「不安・無力感」が出はじめます。かなり深刻な疲労状態ですから、第一段階のときとまったく同じトラブルでもショックの度合いは三倍に、回復までに必要とする時間も三倍になります。
このように、疲労はそのレベルによって三つに分けてとらえることができますが、「寛容力」ということでいえば、「自分はダメだ」「自分には寛容力がない」「人としての器が小さい」などと悩みはじめるのは「第二段階」の疲労状態あたりからです。
この図を見れば、あなたの自分の不寛容さへの悩みー「どうして自分は、こんなことを許せないんだろう?イライラしてしまうのだろう?」ということへの疑問が解けるはずです。

p.88 心の強さには2つある

子どもの心の強さ
・人より劣っていてはダメ
・一人でやり遂げなければダメ
・苦しくても逃げたらダメ
・人に迷惑をかけてはダメ
・自分の問題点を見つけなきゃ
・これをやれば自分は成長できる
・いつも一貫した態度を取らなきゃ
大人の心の強さ
・一つがダメでも何か長所があればいい
・時には人を頼ってもいい
・最終的には逃げることも手段の一つだ
・困ったときはお互い様だ
・自分のいいところは自分にしかわからない
・変われない私も認めていい
・時と場合によって態度を変えていい

p.92 人は疲れて、エネルギーが低下すると、「もうこれ以上、エネルギーを低下させるな」と言う本能からの指令により、怒りを抱きます。怒りをすると、反撃される可能性もあるので、人は無意識のうちに反撃してくる可能性の低い、自分より弱い相手に怒りを向けがちです。

p.96 自分にOKを出す技術
・よかったところ3つ
・悪かったところ1つ
・今後の改善点1つ

p.102 「いいところ探し」
体調が悪い時は、エネルギーが低下している時などは、どんなに日ごろはポジティブな人でも、びっくりする位この良いところ探しができなくなります。そんな時は頑張って練習しようではなく、後ほど紹介する3日集中して休む対処をとってください。

p.106 第三段階まで疲労が進むと、もうイライラするエネルギーも尽きてしまいます。ただのテレビコマーシャルを見て涙が止まらなくなるなど、出てきた感情を抑制できなくなります。あるいは、感情そのものが出てこなくなったりします。こうなると「うつ病」という診断名がつきます。
うつ状態の人で、最悪の状況を脱し、少し元気が出てきて、社会に復帰する前のリハビリ期、つまり第三段階から第二段階になったあたりでイライラが出ることもよくあります。第三段階にいたときには、何か怒りを感じたとしてもそれを出すエネルギ
1がなかった。しかし、第二段階になると怒りを出すエネルギーが出てくるのです。
すると、たとえばコンビニのレジなどで店員の対応に腹を立てて怒鳴りつけたり、
5道を飲んで人にからんだり、といったトラブルを起こします。職場に復帰したけれーがなかった。しかし、第二段階になると怒りを出すエネルギーが出てくるのです。
したとえばコンビニのレジなどで店員の対応に腹を立てて怒鳴りつけたり、おもろがしいよいからんだり、といったトラブルを起こします。農場に復帰したけれと、誰かと噂物を起こして、周囲から浮いてしまうこともよくあることです。これらは、「怒るアクセル」は踏めるけれど、それを「抑制するブレーキ」は踏めない状態ともいえます。
先ほど、第二段階の疲労を抱えている人は「プチうつ」状態だといいました。「プチうつ」というかわいらしい名前をつけましたが、本人は、かなりの苦しさにあえいでいます。ただし、一見したところでは元気そうに見えるので、周囲からはなかなか
共感や理解を得られません。だから、「誰も自分のことをわかってくれない」「周囲はもっと自分を気遣ってくれるべきなのに」などという思いが渦巻きます。
しかし、このようなときは、周囲がどうこうではなく、自分をケアするために「休む」のが一番の対処法となります。

3日休む方法
・ひたすら寝る。横になる。
・家事は一切しない
・パソコン、スマホは控える
・テレビ、本、ゲーム×

p.123 私は、怒りの感情がピークになっている状態のことを「赤コンピューター」と呼んでいます。「赤コンピューター」状態のとき、人は全身全霊で相手をやっつけることを考えています。
もし、妹が来たのが前日で、まだAさんが「赤コンピューター」の激しい怒りにとりつかれていたときだったらどうでしょう。妹が、「この店にとってのお客は誰?」などといって論しても、Aさんは「何いってんのよ!この近所のことなんてちっともわかってないくせに!」とさらに怒りパワーを高めたかもしれません。
妹のアドバイスが有効だったのは、「翌朝」だったからです。つまり、⑤の「一晩寝た」というのがものすごく重要で、一晩たって、Aさんの「赤コンピューター」が、多少なりとも冷静な「青コンピューター」状態になっていたのがよかったのです。

p.126
感情の勢いがもっとも強い第三段階では、人は「過覚醒」の状態になります。あらゆることに対してイライラし、音やにおい、ちょっとした物音にも敏感になります。
これは、命の危機に対して全身が総毛立っているような状態で、まさに「真っ赤なコンピューター」状態といえます。
繰り返しますが、人はこのような状態のときに、他人に対して「寛容になる」など不可能です。
寛容力を発揮できるようになるまでには、「物理的な時間」が必要で、自分の感情が「真っ赤なコンピューター」状態から、「うすい赤コンピューター」状態に、さらに「青コンピューター」状態に落ち着いてくるのを待つしかありません。
時間をかける以外の方法としては、このあと紹介する「怒りの感情の波を小さくする呼吸法」や「怒りの点数化」「怒りの記憶を七つの視点で見直す方法」などのテクニックを使うなどして、「青コンピューター」に落ち着くようセルフケアを行なうのが有効です。

p.133 怒りの勢いが弱まったからといって、すぐに客観的な考えを持つことができるわけではないことも、知っておきましょう。
相手に対する「怒り」そのものはだいぶ収まったとしても、相手に対する「普成
心」が残ったままだったり、「疲れ」が蓄積したままだったりすると、何かの刺徴が入ったときに、「やっぱり、あいつは許せない!」と、再び「赤コンピューター」に戻る確率が高いのです。
そこで実践してほしいのが、「七つの視点切り替え法」です。

怒りを人を視野狭窄に陥らせます。

①自分視点
・私は何が一番傷ついた?
・私は疲れている?
・私は最近、嫌なことが積み重なっている?
・私は相手に何か恨みがあった?
・私がいったことは正しい?それとも思い込み?
②相手視点
・相手は何をしたかった?
・相手は何か不安や不満があった?

・相手は何か伝えたいことがあった?
③第三者視点
・他の人から見たら、自分はどう見える?
④宇宙視点
・宇宙から(上から)見たら、自分はどう見える?
⑤時間視点
・(たとえば)一カ月後は、部下との関係はどうなっている?
・(たとえば)三年前は、自分は(部下と比べて)どうだった?
⑥感謝視点
・相手に感謝できるとすれば、どんなこと?
⑦ユーモア視点
・この出来事を笑いのネタにするとすれば?

p.156 が、この当人の言葉を職場の人たちに伝えても、「でも、こちらから見たら、給料をもらいながら休職して、うらやましい立場ですよ。
代わってもらいたいくらいですよ」などといってくる人がいます。
そんな人に対して、私はこう尋ねます。
「よく考えてください。あなたは本当に、彼がうらやましいと思いますか?休職して給料も減らされている状態で、いつ自分の症状がよくなるのかもわからない。これから何年もかかるかもしれない。それをラクだと思いますか?あなたはその立場に甘んじたいですか?」
するとようやく、うつ患者のつらさ、苦しい状況に気づくのです。
このような人たちには、うつ病で苦しんでいる人だって、他の人と同じように、元気に働いて、価値のある仕事をして、社会にも貢献して、意味のある人生を送りたいと思っていること、でも、なかなか思いどおりにならずに苦しんでいることを、よく理解してほしいと思います。
たしかに人は、ラクをしたがるところや、怠けたがるところもあります。しかし、それ以上に、「充実してやりがいのある人生を送りたい」という気持ちを持っています。「怠けることや休むことだけが人生の目的だ」という人などいないでしょう。

p.168 168
べきことは、自分自身に休息を取らせることです。本能が「もう限界だ、これ以上は疲れやストレスを近づけないで」とSOS信号を出してきているのです。
なのに、自分に厳しい人は、「いや、頑張らなくては!」と、自らを奮い立たせ、さらに疲れとストレスをためて、結果的に他人にも厳しくしてしまいます。
じつは、他にもいくつかの共通点があるのです。
たとえば、「うまくやっている人ばかり見ている」ということです。
自分には嫌いな人や苦手な人がたくさんいる。でも、他の人は自分よりうまく人とつきあっているように見える。どうして自分はうまくできないんだろう・・・・・・。そんなふうに自分を責めてしまいます。
さらに、寛容力に悩む人たちには、自分の「やり方」や「こだわり」をそのまま「正しいこと」だと思い込んでいる、という共通点があります。
たとえば、「自分は、仕事はスピードこそ何より重要だ、と思っている。だから、休日に受け取ったメールでもすぐに返をするのが当然だ」という人がいたとしましょう。そんな人が、とある休日に、取引先の担当者にメールを送りました。しかしまったく返店がない。すると、「こっちは休日でも対応しているのになぜ返言がない
んだ!」と憤慨したりするのです。
それはちょっと違うでしょう、といいたくなりますよね。でも、こういう人は思いのほか、多いものです。
「仕事はスピードこそ重要」「休日でも迅速に対応する」というモットーはいいのです。しかし、それを、周囲に押しつけることはできません。
「自分のやり方が常識だ」「自分こそ正しい」と思い込むようになると、他人に攻撃的になります。いつでもどこでも誰かにふつふつと怒りを抱くようになる。そして、その怒りを発しては他人を責め、自分も責め、その怒りにフタをしては不必要にエネルギーを消耗させる。いずれにしても、イライラがどんどん加速し、物事がうまくいかなくなるのです。
そうならないためには、自分の「常識」や「正義」などの価値観を客観的に検証してみるといいでしょう。
たとえば、日本に観光に来た、外国人旅行者のゴミの捨て方などのマナーの悪さに170
私たちは怒りを感じます。しかし、数十年前は日本人も同じだったことを覚えています。そこらへんにゴミやタバコの吸殻を捨てるし、立ちションもしていました。
それなのに、現代の衛生的な生活に慣れてしまうと、私たちはそう振る舞えない人を「不快」に感じます。だからといって「自分たちこそ正義だ!」と攻撃したりせず、相手の日常や環境、精神風土を理解しようとするのが、成熟した社会に生きる私たちの寛容力ではないでしょうか。
他人の振る舞いが許せずにイライラする人。相手の悪いところばかり挙げて責めてしまう人。そんな人は、自分の正義や常識という価値観をチェックし、逆の価値観にも目を向けてみてください。相手のためではありません。自分のため。いまよりずっと、生きるのがラクになります。

p.171 ・怒りは、人を疲れさせる
・怒りは、人に被害者意識を抱かせる
・怒りは、人に自責の念を強くさせる
・怒りは、人に自分こそ正義だと錯覚させる
・怒りは、人に勝ち負けにこだわらせる(本来の目的を忘れさせる)
このように怒りは、人から冷静な思考を奪い、人を極端な行動に向かわせようとす
る特徴を持っています。
怒りの感情は、ある出来事によって刺徴を受けると、瞬間的に立ち上がりますが、前述したように、その衝動のピークは、六秒から一0秒ほどです。
ところが、すぐ「平常心」に戻れるわけではなく、その出来事への警成期間はしばらく続きます。

また、強烈な刺激(ダメージ)を受けた場合、その怒りは「恨み」となり、一生ものの苦しみ(トラウマ)になることもあります。
怒りが、そんな危険な「恨み」にならないようにするためにはどうするか?
その怒りがONのときに対処するのは、不可能です。怒りによって人は「別人格」になっているような状態ですから、うまく対処できません。
したがって、怒りがOFF=平常心のときに、怒りの感情にうまく対処するスキルを磨いておくことが必要です。
怒りが収まり平常心に戻ったときに、「自分が正しいと思っていることが、必ずしもすべての人にとって正しいものではないこと、人はみなそれぞれの考え方や価値観を持っていること」を学ぶことが大切です。
たとえば、
「私はどうしてあの人にイライラしてしまったんだろう。たぶん、あの人が苦手なんだろう。おそらくあの人のこういう非常識なところが嫌いなんだな」と、まずは自分の気持ちを素直に認め、そのうえで、もっと「広く」「大きく」考えるヒント
「でも、私の”あの人のこういう非常識なところが嫌い、というのは、本当に正しいことなのかな?」と疑ってみるのです。
また、自分の中だけで考えず、人に意見を聞いてみることもおすすめです。平常心のときであれば、さまざまな意見に対して素直に耳を傾けられる状態になっているはずです。
そう考えると、怒りは自分の価値観に気づかせてくれ、学びのチャンスを与えてくれる感情なのかもしれません。
特に、現代のネット社会における人間関係というのは、直接の交流でないおん、ささいなボタンのかけ違いが生じゃすく、ギスギスしていく傾向にあります。だからこそ、冷静なときに意識的に努めて、自分の価値観の洗い出し、見直しを行ないたいものです。

p.182 182
「からだ電池・こころ電池の充電量を数値化する」というワークを行なってもらうことがあります。
「からだ電池」の充電量とは、体のエネルギー量です。
「こころ電池」の充電量とは、心のエネルギー量です。
エネルギー(充電)量が満タンであれば、一〇点満点です。エネルギー量が失われ、電池がカラになっていくほど点数は下がっていきます。
たとえば、あなたの、いまの「からだ電池・こころ電池」の充電量はどれくらいでしょうか?
「昨日はぐっすり眠れたから、今日は朝からずっと体調がいいな。からだ電池は、まだ七点くらいはあるかな。でも、さっきの新規顧客との初面談は精神的に疲れた。こころ電池は、四点くらいまで下がっているかな」というように、点数とともに、その理由についても分析してみるのです。
そうやって、「からだ電池・こころ電池」の充電量を数値化することで、自分の心身の状態を客観的にとらえることができるのです。

また、相手の「からだ電池・こころ電池」の充電量を知ることは、対人関係において大きなメリットがあります。
たとえば、あなたがリーダーだとして、部下の「からだ電池・こころ電池」の充電量をずばり聞いてみるのです。
すると、一見、とても元気そうに見えた部下が、
「そうですね。からだ電池は四点です。今朝からちょっと頭痛がしていまして。ここ小ろ電池は三点くらいでしょうか。じつはさっき、部長から厳しいお叱りを受けまして、
かなり落ち込んでいます…・・・」
といい、外側からはまったく気づかなかった事実が見えてくることがあります。
そういう目に見えない情報を知れば、「それなのに、遠方の取引先との打ち合わせに出かけて大変だったね」という言葉をかけることができます。部下は、そんなあなたからのねぎらいの言葉を感しく思うでしょう。このように、相手の、外からは見えない情報を知ることで、コミュニケーションカがアップするのです。

p.195 けれども、それを判断するためのポイントがあります。
たとえば、相手がワーッと堰を切ったように話をしているときは、「赤コンピューター」状態である可能性が高いといえます。
だから、ここではよけいなアドバイスはせずに、とにかく聞き役に徹し、話をしてもらうことが重要です。
そして、相手がひととおり話したあと、言動に落ち着きが見られ、「青コンピューター」になったな、と思ったら、ちょっとだけアドバイスをしてみます。そこで「そうしたくても、できないの!」などと相手の感情が高ぶったら、再び「赤コンピューター」に戻ったと判断し、それ以上のアドバイスはやめて、また聞き役に徹するようにします。
部下など、自分よりも目下の人が相談をしてきた場合、「何か効果的なアドバイスをして解決策を示してあげなくては」という気負いが高まるものです。
しかし、「相手が抱えている問題は、じつはそれを「話す」ことで九割は解決している」と思えば、そこまで気負わなくていいことがわかるでしょう。

また、気負ったアドバイスより、実際にはむしろ「軽いアドバイス」のほうが相手の役に立つことが多いのです。
たとえば、「異動で部署が変わり、何をやってもうまくいかないんです。自分はこの部署の仕事をこなす能力がないと思います」と、かつて同じ部署にいた部下が相談してきたとしましょう。
そのときは、「それは大変だね。僕も、同じような経験がある。異動してから最初の三カ月くらいはかなり悩んだよ」というように、まずは相手に共感を示し、自分の経験談を語るようにします。
それから、「でも、うまくいかないのは、けっして君に能力がないからではないよ。
環境の変化で疲れていて、心身のエネルギーが不足しているからかもしれないね」ということを伝えましょう。
そして最後に、「睡眠だけはしっかり取らないといけないよ」といったアドバイスをします。これくらいの軽いアドバイスのほうが、相手によけいなプレッシャーをかけずにすみます。

p.203
年を重ねることにイライラしやすくなる人は、「引く力」を育ててこなかった人です。
こういう人は、自分が常に正しいという価値観を持ち続け、心が狭く、柔軟な思考や発想ができません。このタイプにとって「経験」とは自分の正しさを裏づけるためのものでしかありません。
そのため、無駄にエネルギーを使います。「自分は正しく、相手が間違えている」というのが首提なので、いたるところでイライラが発生します。ただでさえ年齢とともにエネルギー量が少なくなっているのに加え、イライラによるエネルギー消耗が加わるのですから、キレやすくなるのです。特にアルコールを飲むと、瞬発的に怒りが爆発し、それが暴力行為となって表れたりします。
一方、年を重ねることによって丸くなる人は、「引く力」を育ててきた人です。
こういう人は、経験の中で試行錯誤を重ねつつ、人の考え方というのはそれぞれだ、という価値観を育てることができています。ですので、柔軟な思考や発想ができるのです。

p.205 うちはまったく夫婦ゲンカをしない、という夫婦の場合、じつは単に、お互いが相手に対して無関心であったり、あるいはどちらか一方がひたすら我慢していたりすることもあります。
お互いを尊重し、相手を理解しようとしている夫婦は、意見の食い違いや、何か嫌だと感じることがあると、そのことについて意見を交わし、ときにはケンカに発展することもあります。
しかし、それをむりやり「我慢」してしまうと、嫌な思いがどんどん蓄積し、相手のことが許せなくなっていきます。「話せばわかる」はずが、話さないためにすれ違い、不寛容がふくらみ、ついには「もう耐えられない!」と爆発してしまうのです。
夫婦間においては、大きなケンカをしないためにも、小さなケンカはたくさんしてもいいのです。ちょっとしたイライラを相手に感じたら、相手のためにも、自分のためにもいいたいことをいうのはOKなのだ、ととらえれば、「自分だけいいたいことをいって、相手のいうことはいっさい受けつけない」というケンカのしかたにはならないでしょう。
劇作家のオスカー・ワイルドは、
「夫婦間の愛情というものは、お互いがすっかり鼻についてから、やっと湧き出してくるものなのです」
という、なるほどと思える言葉を残しています。
結婚生活を何十年も送ってきた「ベテラン夫婦」は、お互いに対する寛容力を高めていて、夫婦関係をうまくやる秘訣についてカウンセラーよりいいアドバイスができることもあります。
夫婦関係に悩んだときは、身近にいる「ベテラン夫婦」に相談してみるのがいいかもしれませんね。


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2024年11月11日

Posted by ブクログ

怒ったりイライラは性格に問題があるのではない。感情が出ないようにするのではなく、感情といかにうまく折り合いをつけるか、が大事。
怒りに感情を乗っ取られると相手を攻撃することばかり考え始め、本来の目的を失う。水掛け論に陥りそうになったときに、こんなやりとりはエネルギーの無駄だ。本来の目的を達成するために何をすべきかを考えよう、とサッと引くことができるのが、寛容力。

怒りは自分を守るための本能。守ろうとしてくれてありがとう。の瞑想をする。

怒りを点数化する。

七つの視点に立って考える。
1、自分視点・・何が傷ついたのか 疲れてるのか 相手に恨みがあるのか など
2、相手視点・・相手は何をしたかったのか 何か伝えたかったのか 不満や不安があったのか
3、第三者視点・・他人から見たら自分はどう見えるのか
4、宇宙視点・・宇宙から見た自分はどう見えるのか
5、時間視点・・1ヶ月後の相手との関係はどうなってるのか、三年前の相手との関係はどうだったのか
6、感謝視点・・相手に感謝できるとしたら何か
7、ユーモア視点・・この出来事を笑いネタにするとすればどうなる

本人が変わりたいと思うまで待つ。

自分に原因があるかも? 部屋を片付けなさいとイライラするが、自分が細かすぎるのかもよ。

正論のアドバイスをしない。人は正論のアドバイスを聞きたくないので、本能から耳を塞ぐ。

誰でも苦手な人はいる。みんなに好かれる必要はない。相手が自分を嫌いになるのも、自由だし、自分が相手を嫌うのも、自由。
自分はこの人が苦手だと認めた上で、その人とはうまく距離をとって、自分がエネルギーを失ってしまわないよう、疲れてしまわないように心がける


自分の正義や常識という価値観をチェックし、違う価値観にも目を向けるとイライラしない。

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2022年01月17日

Posted by ブクログ

最近余裕がなくてピリピリしてるなと思ったので読みました。
とりあえず、自分のストレスと向き合います!

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2025年08月25日

Posted by ブクログ

読んで、後々効いてくる漢方的な本。
ちょっとしたことでイライラしてた時に手に取った本だが、そう簡単には理解し、実現できるものではなかった。やっぱり寛容になれない!という自分にまたイライラしていたが(本書にはそんな自分も受け入れなさいと書いている)、落ち着いて読み直してを繰り返してみると少しずつ脳に刻まれていく。

寛容な人間になろうとしすぎないのがいいのかもしれない。結果的にあの人は心が広いよねって言われてたくらいな方がいい。
相手にも事情があるんだろうねって思えたらまぁ大体のことは大目に見れるようになってくるだろうな。考えるきっかけをくれた本でした。

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2022年12月31日

Posted by ブクログ

軽く読めますが、人の心の微妙さをよく理解した方の著作だと思いました。「心の強さ」を子どもと大人とを分けて捉えるというところはとても説得的。

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2018年10月17日

Posted by ブクログ

アンガーマネジメント、セルフケアの方法が具体的に紹介されており、とても参考になりました。

理由と、対処法。
どちらも理解できていると取り組みやすくなるように思います。とてもわかりやすい説明でした。

・夜9時以降はネットを見ない
・サイコーの評価法(いいところ3つ、悪かったところ1つ、改善点1つ)
・ありがとう瞑想(ネーミングがちょっとアヤシいですがw)
・さっと引く

とりあえず、この4つを40日間やってみようと思います。

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2018年04月01日

Posted by ブクログ

「寛容力」に特化した本はあまり無いので、かなり役に立ちました。自他共に寛容になれるよう気をつけたいと思います。

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2024年11月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 思い起こせば、私は50歳までは自分にも他人にも厳しく生きてきた気がします。50歳からは、甘めに見てw、他人には寛容でありたいと、そう変化した覚えが。そして60歳からは自分にも甘く「まっ、いいかっ」という感じになりました。心の持ち様の変化が、身体の動かし方の取り入れに変換したのでしょうかw。それが功を奏したのか、それからの12年、ストレスやメンタルな疲れとは、やや無縁に過ごせています。下園壮太「寛容力のコツ」、2017.7発行。

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2022年04月28日

Posted by ブクログ

 怒りの原因とその対応方法を教えてくれる。実際に使える具体的なテクニックを知ることができて嬉しかった。

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2018年08月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

寛容になるためには、ともかく休む。だそうだ。3日間布団から出ないでネットもせずにいるのはなかなか大変なんじゃないだろうか。寛容力が落ちると休むのが難しくなって負のループが出来ちゃうんだよなあ。当たり散らしたら休め、自分をなだめよ、なんだけれど。

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2017年10月02日

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